売りたくなったら
ホームズ!

質問に答えて査定依頼スタート!

重視するポイントは?

不動産売却の注意点まとめ|事前準備や契約・引渡しなどの流れに沿って解説

不動産売却を行う場合には、事前準備から引渡しまでの間に、さまざまな注意点があります。

  • 不動産売却の各段階における注意点を知りたい
  • 不動産売却の種別(マンション・戸建て)ごとの注意点を知りたい

この記事では、上記のような悩みを解決するために、不動産売却全体の流れや事前準備や契約・引渡しまでの各段階における注意点を詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 不動産売却における事前準備・情報収集の注意点
  • 不動産売却における査定依頼の注意点
  • 不動産売却における媒介契約締結の注意点
  • 不動産売却における売却活動の注意点
  • 不動産売却における売買契約締結の注意点
  • 不動産売却における決済・引渡しの注意点
  • 不動産売却における種別の注意点

【あわせて読みたい】
▶︎ 不動産売却はどこがいい?会社の選び方や基礎知識を解説

もくじ

不動産売却の注意点を一覧で紹介

ここでは、不動産売却における流れごとの注意点を以下の一覧表にまとめました。

売却の流れ 注意点 ポイント
STEP1.事前準備・情報収集 最低限の知識を身につけておく 事前準備・情報収集は価格相場や費用の把握などが挙げられます。シミュレーションサイトなどを活用して事前にしっかりと把握しましょう。
余裕のあるスケジュールを立てる
自分でも価格相場を把握する
費用・税金を把握しておく
必要書類を準備しておく
STEP2.査定依頼 複数の不動産会社に査定を依頼する 不動産の査定依頼は、複数の不動産会社に依頼しましょう。査定価格以外にも担当者の対応など総合的に判断して、自分に合う不動産会社を選ぶことが重要です。
査定価格の金額だけで不動産会社を選ばない
査定価格で必ず売れるとは限らない
STEP3.媒介契約の締結 自分に合った媒介契約を結ぶ 不動産会社と媒介契約を締結する際は、自分に合った契約を選び、希望を明確に伝えておくことが重要です。
仲介業務の内容を確認しておく
売主としての希望を明確に伝える
STEP4.売却活動の開始 売出し価格は高く設定しすぎない 売却活動では、購入希望者に不動産を購入したいと思ってもらえるかどうかがポイントです。内覧準備を徹底し、誠実な対応を心がけましょう。
内覧前・内覧当日の準備や対応を徹底する
物件や設備の不具合は隠さない
内覧予約がこない場合は広告内容などを見直す
STEP5.売買契約の締結 売買契約書はしっかりと目を通す 売買契約を締結する際は、契約書の内容をしっかり把握することが重要です。記載内容を確認し、納得したうえで売買契約を締結しましょう。
契約不適合の内容を把握する
手付金の種類や相場を把握する
住宅ローン特約について理解する
売買契約の途中キャンセルは一般的に困難だと知っておく
STEP6.決済・引渡し 振り込み手数料をどちらが負担するのかを確認する 決済・引渡しをスムーズに進めるには、必要書類の準備や期日を守ることを徹底しましょう。不動産会社のサポートもありますが、自分で内容を確認できると安心です。決済・引渡しが終わったら、忘れずに確定申告を行いましょう。
必要書類に漏れがないかを確認する
必ず期日までに引渡しを実施する
確定申告を忘れずに行う

不動産売却をスムーズに進めるには、さまざまな注意点を理解しておく必要があります。

以下では、不動産売却の各段階ごとに注意点を詳しく解説していきます。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却の流れ8ステップ!手続きをスムーズに進めるコツも解説

不動産売却の注意点1.事前準備・情報収集

まずは、不動産売却の事前準備・情報収集における注意点を解説します。

  • 最低限の知識を身につけておく
  • 余裕のあるスケジュールを立てる
  • 自分でも価格相場を把握する
  • 費用・税金を把握しておく
  • 必要書類を準備しておく

最低限の知識を身につけておく

不動産売却をすべて不動産会社に任せるのではなく、自分でも最低限売却の知識を身につけておきましょう。

事前に売却価格の相場や費用、売却の流れを把握しておくことで、不動産会社の説明も理解しやすくなり、スムーズに手続きを進められます。

余裕のあるスケジュールを立てる

不動産売却を後悔せずに進めるためには、余裕のあるスケジュールを立てることが重要です。

LIFULL HOME’Sが首都圏の不動産売却経験者を対象に行ったアンケート調査では、売却完了までにかかった期間は、以下のような結果になっています。

売却完了までの期間 割合
3ヶ月未満 19.60%
3ヶ月〜6ヶ月未満 24.30%
6ヶ月〜1年未満 28.20%
1年〜1年6ヶ月未満 12.40%
1年6ヶ月〜2年未満 5.60%

※参考:首都圏の売却経験者に聞いた!目的・期間・困りごと・満足度…不動産売却に関するデータをまとめて紹介

アンケート結果によると、不動産の売却完了まで、「6ヶ月〜1年未満かかった」という人が最多でした。

時間に余裕がないと、十分な販売活動ができず、結果的に想定よりも安い価格で売却せざる得なくなってしまう可能性が高くなります。また、運良く売却の契約ができたとしても、すぐに引越しの準備や手続きをしなければならないなど、非常に慌ただしくなってしまうでしょう。

そうなれば、売却後も「もう少し高い価格で売れたかも」「住み替え先を選ぶ時間がなく、仮住まいなど余計な出費が発生してしまった」などの後悔が生まれてしまいます。

そのため、不動産を高く売却したい場合は、スケジュールに余裕をもって計画しましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎【ホームズ】不動産売却にかかる平均期間とは?3,000人の声をもとに早く売る方法を解説

自分でも価格相場を把握する

不動産会社に不動産売却を依頼する前に、自分でも売却価格の相場を把握しておくことが重要です。売却価格の相場を把握しておくことで、不動産会社の査定価格が適正か判断することができ、資金計画を立てやすくなります。

自分で価格相場を調べるには、以下の方法があります。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション
  • 土地総合情報システム
  • 不動産ポータルサイト

レインズ・マーケット・インフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している日本全国の不動産取引情報を検索できるサイトです。地域詳細や土地面積など、取引情報を細かく絞り込むことで、売却不動産に近い取引事例を調べることができます。

土地総合情報システムは、国土交通省が運営している不動産の取引価格や地価公示の価格などを調べることができるサイトです。

また、不動産ポータルサイトは、複数の不動産会社が売却物件の情報を掲載しているサイトです。1つのサイトでさまざまな物件を閲覧できるため、類似物件の価格調査にも活用できます。

LIFULL HOME’Sでは、売却中の物件情報を確認する以外にも、以下の2つのサービスを提供しています。

  • 不動産一括査定
  • プライスマップ(マンション限定)

LIFULL HOME'Sの不動産一括査定では、不動産会社の特色や意気込みが分かる情報も豊富に提供しているので、自分と相性の良い不動産会社を探すことができるでしょう。さらに、「プライスマップ」は、最寄りの駅名やマンション名から周辺エリアの価格相場を地図上で確認可能です。

いずれのサービスも無料で利用できるので、ぜひご活用ください。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却の第一歩! 相場を自分で調べる方法と注意点

費用・税金を把握しておく

不動産売却に必要な費用や税金を事前に把握しておきましょう。不動産売却にかかる主な費用や税金は、以下のとおりです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 抵当権抹消や所有権移転にかかる登記費用
  • 譲渡所得税
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 引越し費用

不動産売却に必要な費用を把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却に必要な諸費用は?手数料や税金について徹底解説

必要書類を準備しておく

不動産売却に必要な書類を事前に準備しておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。

具体的な必要書類は、主に以下のとおりです。

<不動産売却時の必要書類> ※一例

  • 本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 建築確認済証・検査済証
  • 固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書
  • 建物図面・間取り図
  • 土地測量図・境界確認書
  • 管理規約、議事録、長期修繕計画書
  • 設備表
  • 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
  • 購入時の売買契約書
  • 物件状況等報告書
  • 購入時のパンフレットなど

<不動産売却の引渡し時の必要書類など> ※一例

  • 住民票
  • 抵当権抹消書類
  • 銀行口座の通帳など
  • 住宅ローンの償還表

詳しく知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却の必要書類とは?売主が引渡しまでに必要となる書類を紹介

不動産売却の注意点2.査定依頼

事前準備や情報収集が終われば、実際に所有している不動産の査定を不動産会社に依頼することになります。

不動産の査定依頼時における注意点は、以下のとおりです。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 査定価格の高さだけで不動産会社を選ばない
  • 査定価格で必ず売れるとは限らない

複数の不動産会社に査定を依頼する

先述のとおり、不動産の査定は複数社に依頼するのがおすすめです。複数の不動産会社に査定を依頼し、結果を比較検討することで、査定価格の相場を把握できます。具体的には3〜5社程度に依頼すると良いでしょう。

不動産会社に1社ずつ査定を依頼するのは手間がかかるので、効率的に査定を依頼したい人は、一括査定サービスを利用しましょう。

査定価格の金額だけで不動産会社を選ばない

不動産会社は、査定価格の金額だけで選ばないように注意しましょう。自身が所有している物件を出来るだけ高く売りたいと考えるのは自然なことですが、根拠のない高額査定には売却期間を長期化させるリスクがあります。

査定価格の高さだけで判断し、最も高い査定額の不動産会社と媒介契約を結んでしまうと、相場と見合っていない売出し価格となり、結果的に売却期間だけが経過してしまう可能性があります。そうなれば、最終的に相場より低い価格で売却せざる得なくなってしまうリスクもあります。

また、査定価格だけでなく、担当者の対応なども重要です。大切な不動産を安心して任せられる不動産会社かどうかを総合的に判断して決めることが大切です。

【あわせて読みたい】
▶︎【ホームズ】不動産売却 どこがいい?会社の選び方や基礎知識を解説

査定価格で必ず売れるとは限らない

査定価格は、あくまで過去の取引事例や不動産市場の状況から売却が見込める価格を示したものであり、必ず同じ価格で売れるとは限りません。

販売活動中に値下げ交渉が入ったり、競合物件が安く販売されることで、査定価格で売るのが難しくなるケースがあります。

また、前述したように媒介契約を結ぶことを目的に査定価格を相場よりもあえて高く提示する不動産会社も存在します。情報収集の段階で売却価格相場を把握しておくことで、そうした会社を選んでしまうリスクを回避できるでしょう。

不動産売却の注意点3.媒介契約の締結

不動産売却を依頼する不動産会社が決まれば、媒介契約を締結します。媒介契約を締結する際の注意点は以下のとおりです。

  • 自分に合った契約を結ぶ
  • 仲介業務の内容を確認しておく
  • 売主としての希望を明確に伝える

自分に合った契約を結ぶ

​​ 媒介契約は3種類あります。それぞれの特徴を以下にまとめました。

媒介契約の種類 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
不動産会社への売却依頼 複数の会社に可能 1社のみ可能 1社のみ可能
自分で見つけた買主との取引 可能 可能 不可
契約期間 任意 3ヶ月以内 3ヶ月以内
販売活動の報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの登録義務 なし 7日以内 5日以内

一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却依頼ができ、自分で見つけた買主との取引においても制限がありません。それに対し、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、不動産会社1社にしか売却依頼できませんが、販売活動の報告義務やレインズの登録義務があります。

それぞれの契約にはメリット・デメリットがあるため、自分に合った契約を選びましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産を売却するときにどの契約を選ぶ?3種類ある媒介契約のメリット・デメリット

仲介業務の内容を確認しておく

不動産売却を依頼する前に、不動産会社の仲介業務の内容を確認しておきましょう。

どのような売却活動を行い、活動報告を受けられるのかを把握しておくことで、囲い込みのリスクを軽減できます。

囲い込みとは、不動産売却の依頼を受けた不動産会社が売却情報を公開せずに、自社のみで買主を探す行為です。他の不動産会社を通さずに買主を見つけた場合、売主と買主双方から報酬である「仲介手数料」を得ることができるためです。

売却情報が公開されないと、買主を見つけにくくなり、希望の価格で売却できないおそれがあります。不動産の売却を依頼する前に、どのような仲介業務の内容や、想定している販売戦略不動産会社に確認しておきましょう。

売主としての希望を明確に伝える

不動産の売却を不動産会社に依頼する前に、売主としての希望を明確に伝えておきましょう。

「最低でもいくらで売却したい」「遅くともいつまでに売却したい」など売主の希望を明確に伝えておかないと、スムーズに不動産売却が進まないおそれがあります。

不動産会社の担当者と密にコミュニケーションを取り、希望条件で売却してもらえるようにしましょう。

不動産売却の注意点4.売却活動の開始

不動産の売却活動においては、以下の点に注意しましょう。

  • 売出し価格は高く設定しすぎない
  • 内覧前・内覧当日の準備や対応を徹底する
  • 物件や設備の不具合は隠さない
  • ​​内覧予約がこない場合は広告内容などを見直す

売出し価格は高く設定しすぎない

不動産の売出し価格は、高く設定しすぎないように注意しましょう。売出し価格を高く設定しすぎると、内覧予約が少なくなり売れ残るリスクが高まります。

売出し価格は、事前に調べた売却相場や不動産会社の査定価格を参考にして、相場からかけ離れた価格とならないように不動産会社の担当者と相談して決めましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却時の値下げ交渉への対応は?希望通りの価格で売却するテクニックも紹介

内覧前・内覧当日の準備や対応を徹底する

売却活動で内覧予約が入った場合は、内覧前の準備や内覧当日の対応を徹底しましょう。

内覧は、不動産の購入希望者が実際に不動産の状況などを確認するために必要な工程です。購入希望者に購入したいと思ってもらうためには、内覧で良い印象を与えられるかが重要なポイントになります。

水回りや部屋の掃除を内覧までに済ませ、当日は換気や室温の調整、スリッパの準備などを行い、気持ちよく内覧してもらえるように心がけましょう。

物件や設備の不具合は隠さない

物件や設備に不具合がある場合、必ず不動産会社に伝えましょう。不具合を知っていたにもかかわらず不動産会社や買主に伝えなかった場合、契約不適合責任を問われる可能性があります。

契約不適合責任とは、物件や設備の状態が契約内容に適合していない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。ただし、事前に申告して買主が承諾していれば、売主は申告箇所についての責任を負いません。

後々のトラブルを避けるためにも物件や設備に不具合があれば、隠さずに正直に伝えることが重要です。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却前にハウスクリーニングは必須?メリットや費用相場も解説

内覧予約がこない場合は広告内容などを見直す

販売活動を進めても内覧予約が入らない場合は、広告内容などを見直す必要があります。不動産会社に任せきりにせず、どのような広告媒体に不動産が掲載されているかを確認しましょう。

積極的に売却活動をしてくれない不動産会社の場合、不動産会社を変更するのも方法のひとつです。売出し価格が適正であるかを再度調べてみるのも良いでしょう。

広告内容や不動産会社などを見直しても改善されない場合は、売出し価格の見直しも必要です。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却の広告料は誰が払う?売主が負担するケースなどについても解説

不動産売却の注意点5.売買契約の締結

不動産の買主が見つかれば、売買契約を締結します。売買契約を締結する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 売買契約書はしっかりと目を通す
  • 契約不適合の内容を把握する
  • 手付金の種類や相場を把握する
  • 住宅ローン特約について把握する
  • 売買契約の途中キャンセルは一般的に困難だと知っておく

売買契約書はしっかりと目を通す

不動産売却の条件がまとまったら、売買契約書に売主と買主双方が署名・捺印を行います。

売買契約書は、売買価格や引渡し日、売買についての取り決めや条件など重要な内容が記載されています。口頭でやり取りして決定した内容も、契約書に記載があるか確認が必要です。

売買契約書に隅々までしっかりと目を通して、問題がないことを確認したうえで署名するようにしましょう。

契約不適合の内容を把握する

契約不適合責任の内容は、事前に把握しておきましょう。もし、物件や設備に不具合がある場合、その内容がしっかりと書類に記載されているかを確認することが重要です。

契約不適合責任は、免責特約の設定が可能です。売主と買主双方が承諾すれば、契約不適合責任を免責できます。ただし、売主が契約不適合を知りながら買主に告知しなかった場合は、免責特約の適用対象外となり、契約不適合責任を負う必要があります。

手付金の種類や相場を把握する

不動産売買契約時に受領する手付金の種類や相場を把握しておきましょう。手付金には、以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

手付金の種類 内容
解約手付 自己都合で契約を解除するために相手に支払う手付金
違約手付 契約当事者に契約違反があった場合に支払う手付金
証約手付 契約の成立を証明するために買主から売主に支払われる手付金

一般的に不動産売買契約における手付金は、解約手付であるとされています。手付金の相場は、売買価格の5〜10%が目安です。

不動産売買契約を締結する際は、受領する手付金についても理解しておきましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却における手付金とは?売買契約における相場・支払うタイミングについて解説

住宅ローン特約について把握する

買主が住宅ローンを利用する場合、住宅ローン特約が設定されることが一般的です。

住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンを借りられなかった場合、違約金の負担なく売買契約を白紙撤回できる特約です。

住宅ローン特約が適用されると、再度買主を探すことになるため、特約の期日や内容を把握しておきましょう。

売買契約の途中キャンセルは一般的に困難であることを知っておく

売買契約の途中キャンセルは一般的に困難です。売買契約時に受領した手付金の倍額を買主に支払えば、買主が契約履行の着手前に限り途中キャンセルは可能です。

ただし、買主が契約履行に着手している場合は自由に解除できず、違約金を請求される可能性があります。

売買契約を途中キャンセルすると大きな損失となるため、売買契約の締結は慎重に考えたうえで進めましょう。

不動産売却の注意点6.決済・引渡し

不動産売買契約の締結が完了すれば、決済・引渡しに向けた準備を進めていきます。決済・引渡しにおける注意点は、以下のとおりです。

  • 振り込み手数料をどちらが負担するのかを確認する
  • 必要書類に漏れがないかを確認する
  • 必ず期日までに引渡しを実施する
  • 引渡し後は確定申告を実施する

振り込み手数料をどちらが負担するのかを確認する

売買価格の残代金を支払ううえで必要な振り込み手数料を、売主と買主どちらが負担するのかを事前に決めておきましょう。

一般的には買主が負担するケースが多いですが、支払い方法を現金にするか振り込みにするかなど、売主と買主双方の希望が異なる場合があります。

支払い方法や振り込み手数料の負担を事前に確認しておくことで、トラブルのリスクを軽減できます。

必要書類に漏れがないかを確認する

決済・引渡しの必要書類に漏れがないか、事前に確認しておきましょう。書類に不備があると決済当日に手続きができず、延期となってしまう場合があります。

そうなると関係者に迷惑をかけるだけでなく、場合によっては債務不履行で違約金を請求されるおそれがあるため注意しましょう。

必ず期日までに引渡しを実施する

決済・引渡しは必ず期日までに実施しましょう。なぜなら、引渡し期日を過ぎると債務不履行で違約金を請求されるおそれがあるからです。

引渡し期日は売買契約書に記載されているので、スケジュール管理を徹底し期日までに引渡しを実施しましょう。

引渡し後は確定申告を実施する

不動産売却によって利益が発生した場合や、税金控除の特例を活用する場合は確定申告が必要です。確定申告は、原則として不動産売却が完了した翌年の2月16日〜3月15日に行います。

確定申告について不安な方は、税理士に相談して早めに準備しておきましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却時に必要な確定申告とは?仕組みや手続きを解説

不動産売却における種別ごとの注意点

ここでは、不動産の種別ごとの注意点を紹介します。

  • 一戸建て売却の注意点
  • マンション売却の注意点
  • 一棟マンション売却の注意点
  • 空き家売却の注意点
  • 実家売却の注意点
  • 土地売却の注意点

不動産の種別によって注意点は異なるため、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

一戸建て売却の注意点

一戸建てを売却する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 売出し前のリフォームはむやみに実施しない
  • 土地の境界を確定させておく
  • 築年数が古く劣化が目立つ場合は解体も検討する

建物をリフォームして価値を高めても、売却価格に反映できるとは限りません。そのため、リフォームは不動産会社と相談した上で実施しましょう。また、もし建物が古く劣化が目立つ場合は、解体するのも選択肢のひとつです。

古い一戸建てを売却する場合は、事前に不動産会社と相談しながら進めましょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却前にリフォームは必要? メリット・デメリットや費用を解説

マンション売却の注意点

マンションを売却する際の注意点は以下のとおりです。

  • 売却が長引くと管理費などのコストがかかる
  • 他の部屋との差別化を図る
  • 売却のタイミングを考える

マンションは管理費や修繕積立金を支払う必要があるため、売却期間が長引くとランニングコストがかかります。売却期間を長引かせないためには、競合物件についても調べるなど十分な準備をしておきましょう。

また、同じマンションの他の部屋が売却活動中の場合、日当たりの良さやリフォーム歴などで差別化を図ることが重要です。中古マンション市場は、2〜3月あたりに活発化するため、そのタイミングをねらって売却するのも良いでしょう。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却のベストタイミングはいつ?相場や築年数など4つの基準を解説

一棟マンション売却の注意点

一棟マンションを売却する際の注意点は以下のとおりです。

  • 一棟マンションの売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ
  • 稼働率を高くしておく
  • 管理状態を良くしておく

一棟マンションの買主は、不動産投資目的の場合が大半です。投資用不動産の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことで、よりスムーズに売買が進められます。

投資用不動産に重要なのは、物件の稼働率や利回りなどの収益性です。投資する価値があると買主に判断してもらうためには、稼働率が高い状態を維持したり、管理状態を良くしておいたりなど対策をしておきましょう。

空き家売却の注意点

空き家を売却する際の注意点は以下のとおりです。

  • 空き家の所有者を確認する
  • 解体すると固定資産税が高くなることを理解しておく

空き家は所有者ではないと売却できないため、権利関係に問題がないかを確認しましょう。 また、空き家を解体してしまうと「住宅用地の特例」が適用されず、固定資産税が高くなってしまうので注意が必要です。

【あわせて読みたい】
▶︎空き家の売却はどうするの? 家を売る方法、費用、注意点を解説

実家売却の注意点

実家を相続して売却する際の注意点は以下のとおりです。

  • 相続登記を済ませる
  • 税金控除の特例を活用する

実家を相続して売却する場合は、相続登記が必要です。相続登記とは、実家の所有者が亡くなった際に、不動産の名義を被相続人から相続人に変更することです。

また、相続した実家を売却する際は、最高3,000万円まで譲渡所得を控除できる特例があります。税金控除の特例を活用するには、要件を満たす必要があります。

詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

※参考:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

土地売却の注意点

土地を売却する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 土地の境界を確定させておく
  • 越境物がないか確認しておく

土地の境界が定まっていないと、正確に査定価格を算出できません。買主に引渡すまでに土地の境界を確定させる必要があるため、土地家屋調査士に依頼して早めに境界確定手続きを進めておきましょう。

また、隣地から越境物があると売買に支障をきたすおそれがあるため、早めに解決しておく必要があります。

不動産売却の注意点に関するデータ

ここでは、LIFULL HOME’Sが首都圏の不動産売却経験者に独自で実施したアンケート調査を紹介します。

これから不動産売却を検討する人に向けて「どういった点に気をつけるべきなのか」を首都圏の不動産売却経験者に調査したところ、以下のような結果になりました。

【売却の際に気をつけるべき点(マンション)】

気をつけるべき点 割合
1 余裕のあるスケジュールを立てる 35.3%
2 不動産会社に任せきりにせず、自分でも情報収集する 31.6%
3 不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする 31.2%
4 価格や担当者を複数の不動産会社でしっかり比較する 30.8%
5 売れないからといって安易に価格を下げない 28.2%

【売却の際に気をつけるべき点(一戸建て)】

気をつけるべき点 割合
1 余裕のあるスケジュールを立てる 32.6%
2 売れないからといって安易に価格を下げない 30.7%
3 不動産会社に任せきりにせず、自分でも情報収集する 30.4%
4 価格や担当者を複数の不動産会社でしっかり比較する 28.8%
5 不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする 26.2%

※参考:首都圏の売却経験者に聞いた!目的・期間・困りごと・満足度…不動産売却に関するデータをまとめて紹介

マンション・一戸建てともに「余裕のあるスケジュールを立てる」が最も多い結果でした。

スケジュールに余裕がないと、十分な販売活動ができず、結果的に売却価格を値下げせざるを得ない事態になりかねません。アンケートの結果を参考にして、後悔のない不動産売却を目指しましょう。

不動産売却の注意点を押さえてスムーズに進めよう

この記事では、不動産売却における事前準備や契約・引渡しまでの流れごとの注意点を解説しました。

不動産を売却する場合には、数多くの点に注意しなければなりません。すべてを自分で確認するのは難しいため、不動産会社に相談しながら進めることが重要です。

スムーズに不動産売却を進めるには、自分に合う不動産会社を選ぶことが重要です。

LIFULL HOME'Sの不動産一括査定を活用すれば、複数の不動産会社から自分に合う不動産会社を選ぶことができます。不動産会社の特徴や強みなどを豊富に掲載しており、詳細情報を一覧から確認できます。不動産売却を検討している方は、LIFULL HOME’Sの一括査定をぜひご利用ください。

記事執筆・監修

矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)

不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。