
この記事では、不動産売却の流れや期間、売却の手続きをスムーズに進めるためのポイントを紹介します。
不動産売却は一生のうち何度も経験することではないため、十分な知識がない状態で進めることになる人も少なくありません。全体の流れを把握せずに手続きを進めてしまうと、思わぬところで損をしてしまうこともあるので注意が必要です。
不動産売却の流れや手続きのポイントを理解した上で、スムーズな不動産売却を目指しましょう。
この記事で分かること
- 不動産売却の流れや期間
- 不動産売却の手続きをスムーズに進めるためのポイント
【あわせて読みたい】
▶【ホームズ】不動産売却 どこがいい?会社の選び方や基礎知識を解説
もくじ
まずは不動産売却の流れの全体像を把握しよう
不動産売却の一般的な流れは、以下のとおりです。
| 流れ | 一般的な期間の目安 |
|---|---|
| STEP1.相場を知る | 1週間~1ヶ月程度 |
| STEP2.査定を依頼する | |
| STEP3.不動産会社による調査・査定 | |
| STEP4.売出し価格の設定 | 1〜3ヶ月程度 |
| STEP5.媒介契約を結ぶ | |
| STEP6.売却活動 | |
| STEP7.買付申込と売買契約 | |
| STEP8.決済引渡し | 1〜2ヶ月程度 |
【あわせて読みたい】
▶不動産売却における12の注意点!売却前後に気をつけたいポイントもあわせて解説
不動産売却にかかる期間
不動産売却にかかる期間は、一般的に売却活動を開始してから3ヶ月で成約するといわれています。査定依頼をしてから決済・引渡しまでのトータルで考えると、早くて半年程度の期間が必要になるとされています。
具体的には、売却活動を開始するまでの書類準備や査定、媒介契約の締結に1週間〜1ヶ月かかります。次に、売却活動開始から買主を見つけて、交渉や売買契約の締結に1〜3ヶ月程度です。最後に、決済・引渡しまで1〜2ヶ月程度かかります。
ただし、あくまでも目安であり、不動産の立地や状態、売却条件によっては長引くことも少なくありません。

※参考:首都圏の売却経験者に聞いた!目的・期間・困りごと・満足度…不動産売却に関するデータをまとめて紹介
LIFULL HOME’Sが独自に実施したアンケート調査によると「不動産の売却完了までの期間」は、「6ヶ月〜1年未満」が28.2%を占めています。 また、平均値を見ると以下のようになっています。
| 物件の種類 | 売却にかかった期間(平均) |
|---|---|
| 全体 | 7.36ヶ月 |
| マンション | 6.34ヶ月 |
| 一戸建て | 7.67ヶ月 |
こうした調査結果を踏まえても、成約に至るまでは6ヶ月程度の期間が必要となると予想されるため余裕を持ったスケジュールを立てることが重要といえます。
不動産売却の一般的な流れ8ステップ

ここでは、上記の不動産売却の一般的な流れについて各ステップごとに解説していきます。
| 流れ | ポイント |
|---|---|
| STEP1相場を知る | 提示された査定価格の妥当性を判断するために事前に相場を把握しておきましょう。 |
| STEP2.査定を依頼する | 複数(3〜5社)の不動産会社に査定を依頼。不動産会社ごとに得意な物件種別やエリアが異なるため、1社のみの査定では妥当な価格なのか判断が困難です。 |
| STEP3.不動産会社による調査・査定 | 査定価格だけではなく、不動産会社の担当社との相性などについても確認しましょう。 |
| STEP4.売出し価格の設定 | 査定結果を比較検討し、事前に調べた相場情報を踏まえて、自分が納得のいく価格にしましょう。 |
| STEP5.媒介契約を結ぶ | 不動産会社と媒介契約を結びます。 |
| STEP6.売却活動 | 不動産会社が自社のホームページや不動産情報サイトに情報を掲載し、宣伝広告を行います。内覧希望者が現れたら対応します。 |
| STEP7.買付申込と売買契約 | 購入希望者が現れたら不動産会社経由で「買付申込書」を受取ります。 |
STEP1.相場を知る
不動産売却では、不動産会社に査定依頼をする前に、自身でも相場を把握することが重要です。なぜなら、相場を知らずに提示された査定価格を見ても、その妥当性を判断できないからです。
前述したアンケート調査の不動産売却で困ったことは?」という質問への回答では、「売却金額の相場感が分からなかった」が20.4%で1位にランクインしています。
| 順位 | 内容 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 売却金額の相場感が分からなかった | 20.4% |
| 2 | 買い手がなかなか見つからなかった | 18.4% |
| 3 | 法律に関する知識が足りなかった | 17.4% |
※参考:首都圏の売却経験者に聞いた!目的・期間・困りごと・満足度…不動産売却に関するデータをまとめて紹介
※4位以降は割愛
相場を知る方法には、国税庁が運営している「不動産情報ライブラリ」や、「レインズマーケットインフォメーション」、不動産ポータルサイトなどの利用が挙げられます。
不動産情報ライブラリでは、不動産の取引価格について調べられるため、不動産相場の把握が可能です。レインズマーケットインフォメーションでは、マンションや一戸建てなどを地域や間取り、築年数などのさまざまな条件から、成約価格を調べることができます。
また、不動産ポータルサイトでは、不動産会社が所有・仲介している物件情報を閲覧できるため、気軽に類似した物件の価格と比較することが可能です。築年数や間取り、面積や立地(駅徒歩分)などの条件が近い周辺物件が、いくらで売却されているかを見ることで、周辺の相場を把握できます。
なお、気軽に価格相場を把握する手段の一つとして、LIFULL HOME'Sが提供するシミュレーションサイトの「プライスマップ」もおすすめです。マンションであれば、地図上から参考価格をチェックできます。
【あわせて読みたい】
▶不動産売却の第一歩! 相場を自分で調べる方法と注意点
STEP2.査定を依頼する
自身でも、ある程度相場を把握できたら、不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産の査定では、会社によって査定価格が異なることも少なくありません。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。
具体的には、3〜5社に査定依頼することで査定価格の相場感を掴めるでしょう。
不動産会社に査定を依頼する場合は、LIFULL HOME'Sの「不動産一括査定サイト」がおすすめです。LIFULL HOME'Sでは、3,500社以上の提携不動産会社から依頼する会社を選べます。不動産情報を入力後、不動産会社の詳細や強みなどの情報を一覧で見た上で、依頼する会社を選べる点がポイントです。
複数の不動産会社に査定を依頼して、価格や不動産会社の対応を比較しましょう。
机上査定(簡易査定)
不動産会社の査定は大きく分けて、机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定は簡易査定とも呼ばれ、不動産会社が現地調査をせずに物件情報をもとにして査定価格を算出する方法です。査定価格は、類似物件の過去の売買価格や査定時の市場動向、不動産の築年数や広さなどの情報をもとに算出されます。
具体的な不動産の状態や特徴を直接確認することはできないため正確さには欠けますが、短時間で査定価格を算出できる点が特徴です。できるだけ早く査定価格を知りたい方や、周囲に売却を検討していることを知られずに査定を依頼したい方に適しています。
訪問査定
訪問査定は不動産会社が実際に現地の物件まで足を運び、目視で建物の状態などを確認した上で査定価格を算出する方法です。
机上査定では、早ければメールの返信や電話での連絡時に査定価格を教えてくれるので、ある程度の相場を知りたいという段階であればとても便利です。ただ、物件個別の特徴まで反映させた、より正確な査定価格を知りたい場合は訪問査定の方が確実です。 査定を依頼した不動産会社から連絡が来たら、自分の都合や依頼物件の状況などから、どの方法で価格を算出してもらうかをまず相談すると良いでしょう。
なお、一戸建ての売却の場合、別途調査会社による「ホームインスペクション(住宅診断)」が必要となることもあります。築10年以上経過している一戸建ては、不動産会社にその旨も確認してください。
また、土地の売却の際、「境界線」や「地積」が正確にわからない場合は、土地家屋調査士に依頼をして測量してもらう必要性が出てくることも場合もあるので注意しましょう。
STEP3.不動産会社による調査・査定

不動産会社による調査・査定には、前述した通り机上査定と訪問査定があります。
それぞれ査定結果が届くまでの時間は、机上査定の場合、依頼してから早くて当日、遅くても3日程度です。訪問査定の場合は実際に不動産会社の担当者が現地に訪問しに来るため、1週間程度かかることもあります。
不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を始める際は、訪問査定を行って算出した査定価格をもとに売出し価格を設定するのが一般的です。具体的に売却を検討している場合は、机上査定ではなく訪問査定を依頼することになります。
不動産会社の担当者が現地に訪れて調査する際は、外観や室内、設備の状況をチェックしたり、土地の形状や境界を確認します。土地や建物、設備などに欠陥(瑕疵)がないかどうかも聞かれますが、後々のトラブルを避けるためにも、不都合な部分も隠すことなく伝えましょう。
STEP4.売出し価格の設定
不動産会社からの査定結果と事前に自分で調べていた相場情報を踏まえて、自分の納得いく売出し価格に設定しましょう。なお、このタイミングで設定する価格はあくまで「募集価格」です。
売出し価格が高すぎると、売却活動が長期化する可能性があります。また、安すぎれば自身の手元に残る金額が減ってしまうリスクがあります。最終的に売出し価格を決定するのは売主ですが、不動産会社とも相談しながら決めるといいでしょう。
最近は、購入希望者からの買付申込みが入ってから価格交渉を求められることも多いため、売出し価格に余裕を持たせておくのも1つの選択肢です。
【あわせて読みたい】
▶不動産・マンション売却の仲介はどこに頼む? 大手と地域密着型のメリットとデメリット
STEP5.媒介契約を結ぶ

不動産売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。不動産会社選びは査定価格だけで判断せず、不動産会社の実績や対応スピード、担当者の人柄・自身との相性などを踏まえて決めましょう。
媒介契約は、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類です。それぞれ契約するうえでの条件が異なります。契約までの制限が多い専属専任媒介契約は、不動産会社がより売却活動に専念しやすくなると言われています。
反対に、複数の不動産会社に依頼したい場合は、「一般媒介契約」で依頼する必要があります。
| 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 複数の不動産会社との契約 | × | × | 〇 |
| 自己発見取引 | × | 〇 | 〇 |
| 契約の有効期限 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 指定無し |
| レインズへの登録義務 | 5日以内に登録 | 7日以内に登録 | 任意 |
| 報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 任意 |
【あわせて読みたい】
▶︎不動産を売却するときにどの契約を選ぶ?3種類ある媒介契約のメリット・デメリット
STEP6.売却活動
不動産会社と媒介契約を締結したら、売却活動が始まります。
売却活動では、不動産情報を不動産会社のホームページや不動産情報サイトに掲載したり、内覧対応を実施することが一般的です。そして、買主が見つかったら、売却価格の調整や引渡しのタイミングを話し合うことになります。
なお、専属専任媒介契約の場合は「1週間に1回以上」、専任媒介契約の場合は「2週間に1回以上」の売却活動報告が、不動産会社側に義務付けられています。メールや電話、訪問などの方法で不動産会社から売主に連絡が来るので、売出した不動産の反響がどの程度あるのかを定期的に把握することが可能です。
問合せ件数や内覧件数などをチェックし、反響が少ないようであれば必要に応じて売り出し価格の変更を検討することも必要になります。
内覧の準備・対応を実施する
売却活動は基本的に不動産会社主導で進みますが、内覧の準備や対応は売主も行うことになります。原則として、不動産会社が内覧希望者と売主の予定を調整し内覧日を決めるため、売主が直接日程調整することはありません。
内覧当日は不動産会社に対応を一任できますが、売主が案内に立ち会って案内や説明を行うこともあります。実際に住んでいる売主からの意見を聞くことで購入希望者が安心できる部分もあるでしょう。
内覧は、購入希望者からの印象を大きく左右する重要な場面です。購入希望者が気になりやすいキッチンや、トイレなどの水回り設備などは徹底的に掃除しておきましょう。必要に応じて、ハウスクリーニングを依頼するのも有効です。
条件交渉を実施する
内覧した購入希望者が気に入った場合、不動産会社を介して売主に「買付申込書」が届きます。購入希望者はなるべく安く購入したいと考えているため、このタイミングで条件交渉(値引き交渉)を受けることも少なくありません。不動産会社が仲介役として間に入るため、売主と購入希望者が直接話し合わずに交渉を進めることができます。
どのような条件交渉になるかは一概にいえませんが、調整が必要になりやすいのは売買価格と引渡し日です。価格に関しては、事前に不動産会社との間で譲れるラインを設定しておくと交渉がスムーズに進みやすいでしょう。
STEP7.買付申込と売買契約
買付申込書をもとに売主と買主の条件交渉が完了したら、いよいよ売買契約です。売買契約では、重要事項と売買契約書の説明が行われ、契約を締結します。用意した身分証明書をもとに本人確認ができたら、買主から売主へ手付金が支払われるという流れが一般的です。
売買契約時に売主が受取る手付金の金額は、買付申込書内で決められています。引渡し日に関しても買付申込書内で決められており、それぞれのポイントは次のとおりです。
手付金の相場
売主が個人の場合、売却価格の5〜10%、もしくは100万円とするのが一般的です。必要以上に安すぎる場合などは、キャンセルになる要素が隠れている可能性もあるので、買主に事情を細かく聞きましょう。
【あわせて読みたい】
▶不動産売却における手付金とは?売買契約における相場・支払うタイミングについて解説
引渡し希望日
引渡し希望日は買主側の事情によって、早いこともあれば遅いこともあります。場合によっては契約締結後、3ヶ月以上先の引渡し日を希望してくることもありますが、あまり長すぎるとトラブルの原因になるため、不動産会社と話し合いながら調整しましょう。
条件が整ったら、なるべく早めに「売買契約」を結びましょう。
STEP8.決済引渡し
売買契約書内で定めた日時で、決済と引渡しが行われます。決済日の目安は、売買契約の締結から1ヶ月程度です。
決済では、売買契約時に買主から受取った手付金を差引いた残りの金額を受取り、住宅ローンが残っている場合は完済手続きを実施します。
抵当権抹消登記や所有権移転登記の手続きは、決済の場に同席している司法書士に行ってもらうのが一般的です。
売主が引渡しまでに済ませておくべきことは引越しです。新生活がスタートする1〜3月は引越しシーズンのため、引越し会社の手配が難しいこともあります。引渡しに間に合うよう、早めに引越しを済ませておきましょう。
不動産売却の手続きをスムーズに進めるためのポイント5選

ここでは、不動産売却の手続きをスムーズに進めるためのポイント5選を紹介します。
- 不動産売却に関する知識を蓄えておく
- シーンごとの必要書類を把握しておく
- 費用や税金を事前に把握しておく
- 不動産の売り時やタイミングを見極める
- 不明点は仲介会社にしっかりと確認する
不動産売却に関する知識を蓄えておく
不動産売却の手続きをスムーズに進めるためには、不動産売却に関する基本的な知識を事前に蓄えておくことが重要です。例えば、売却時の契約内容や手続きの流れ、必要な書類などを理解しておくことで、後々のトラブルや手続きの遅れを避けられます。
不動産売却に関する基本的な知識としては、不動産の価格相場や査定方法、売出し価格の設定のポイント、重要事項説明書や売買契約書の内容の確認方法などが挙げられます。これらの知識を蓄えておき、売却手続きをスムーズに進めるための準びをしておきましょう。
シーンごとの必要書類を把握しておく
不動産売却の手続きでは、シーンごとに必要書類などがあります。例えば、売却契約時に必要な物として以下が挙げられます。
- 本人確認書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 登記済権利証(登記識別情報)
シーンごとの必要書類などを事前に把握しておくことで、手続きがスムーズに進みます。書類によっては平日にのみ入手可能なものや、交付に時間のかかるものもあるため、余裕を持って行動することが重要です。
万が一書類を紛失している場合は、再発行が可能なものであれば取り寄せたり、早めに不動産会社に相談したりして対処しましょう。
【あわせて読みたい】
▶︎不動産売却の必要書類とは?売主が引渡しまでに必要となる書類を紹介
不動産の売り時やタイミングを見極める
不動産売却において、売り時やタイミングを見極めることも重要です。
時期や市場の動向、住宅ローンの金利などの要素から、適切なタイミングで売却することで高値売却も期待できます。
例えば、市場の売却物件数よりも購入希望者が多ければ、高い価格で売りやすくなります。時期に関しても、新生活がスタートする1〜3月は成約率が高くなるのが一般的です。住宅ローンの金利は住宅ローンの総返済額に左右するため、低いときほど売り時といえます。
これらのポイントに注意を払いながら、最適な売却タイミングを見極めましょう。
【あわせて読みたい】
▶︎不動産[マンション・一戸建て]を売却するベストな時期とは?
不明点は仲介会社にしっかりと確認する
不動産売却の手続きをスムーズに進めるためには、不明点がある場合に仲介会社にしっかりと確認することが重要です。
具体的な売却手続きの流れや必要書類、費用の詳細などを丁寧に説明してもらい、サポートを受けましょう。
特に、売買契約書には権利や義務が記載されています。内容を理解しないまま売買契約を締結し、後々契約書の内容に違反してしまうと、違約金が発生するリスクもあります。
後々のトラブルを避けるためにも、疑問点や不明点はしっかりと確認することが重要です。
不動産売却の流れに関するよくある質問

ここでは、不動産売却の流れに関するよくある質問を紹介します。
- 不動産売買を個人間で実施する際の流れは?
- 不動産の決済時に起こりうるトラブルは?
- 不動産売買契約書はいつまで保存すべき?
不動産売買を個人間で実施する際の流れは?
不動産売買を個人間で実施する際の流れは、以下のとおりです。
- 相場を知る
- 必要書類を準備する
- 売出し価格を設定する
- 買主と条件交渉をする
- 売買契約書を作成する
- 不動産を引渡す
不動産会社に仲介を依頼する場合は、必要書類は担当者が準備してくれますが、個人間売買ではすべて自分で揃えなければなりません。
売出し価格は相場をもとに設定しますが、買主から交渉が入ることを想定して、少し高めに設定するといいでしょう。不動産売買契約は契約書がなくても成立するため、個人間では作らないケースもありますが、トラブルを避けるためにも必ず作成しましょう。
売却する不動産の売買契約書の作成を自分で行う場合は、インターネット上にあるテンプレートを使用すると、作成の手間を省くことができます。
しかし、売買契約書には後々トラブルにならないように特約事項の記載も必要です。契約書の作成には時間がかかるだけでなく、内容によってはトラブルにつながる可能性もあります。個人間の売買は、トラブルのリスクも大きいため、原則として不動産会社に仲介を依頼した方が良いでしょう。
不動産の決済時に起こりうるトラブルは?
不動産の決済時のトラブルには、特に書類に関する内容が考えられます。
代表的なトラブルに「実印が印鑑証明書の印鑑と異なる」などが挙げられます。具体的には、契約者が夫の決済の場で妻が持ってきた実印が、妻の実印であるケースなどです。また、正しい実印であっても長く使用しているうちに一部が欠けてしまい、印鑑証明書の印影と異なるケースもあります。
決済では、登記手続きの書類に売主の実印を押印し、印鑑証明書を提出することになっています。そのため、違う実印を持参した場合や実印の一部が欠けている場合は、別の印鑑を改めて実印として登録し直さなければなりません。
そのような場合には、売主や買主、不動産会社、司法書士が一堂に会して決済を行うため、再度日程を調整して集まるのは手間がかかります。
できるだけ決済を延期せずにスムーズに手続きを進めるためにも、印鑑証明書に登録している実印か、実印は欠けていないかをチェックしておきましょう。
【あわせて読みたい】
▶不動産売却はトラブルがつきもの!?トラブル回避のためのポイントを解説
不動産売買契約書はいつまで保存すべき?
不動産売買契約書は、不動産売却後も使用する場面があるため必ず保存しておくべきです。使用する場面は、以下のとおりです。
- 確定申告時
- 買主からのクレームが入ったとき
不動産売却によって譲渡益が発生した場合や、税金の特例を利用する場合は確定申告が必要になります。売買契約書は確定申告時に、売却価格を証明するため書類として写しを添付しなければなりません。紛失してしまった場合は仲介を依頼した不動産会社に写しをもらうことで対応できますが、売却後も使用するため自分で保管しておきましょう。
買主からクレームが入ったときにも、契約不適合責任の期間や範囲を証明するために売買契約書が必要になります。契約不適合責任とは、引渡した不動産が契約内容に適合しない場合に、売主が買主に対して責任を負うことです。
そもそも売買契約書はトラブルを避けるための書類であり、すぐに破棄してしまっては意味がありません。売却活動が終了してからも、確実に管理・保存しておくことをおすすめします。
【あわせて読みたい】
▶︎契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや免責についてわかりやすく解説
不動産売却の流れを把握してスムーズに手続きを進めよう

この記事では、不動産売却の流れや期間、売却活動をスムーズに進めるためのポイントを紹介しました。不動産会社からのアドバイスだけを頼りに進めるのではなく、納得のいく形で売却するためにも、価格相場や査定方法、重要事項説明書・売買契約書の確認方法などを自分でも把握することが重要です。
不動産売却にかかる期間は、売却活動をスタートしてから3ヶ月程度が目安とされています。しかし、不動産種別やエリア、状態によっては長引くことも考えられます。できるだけ高く売るためにも、スケジュールに余裕を持ちましょう。
売却活動のスタートは、まず不動産会社に査定を依頼することです、その際はLIFULL HOME'Sの一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社に自身で問い合わせる手間を省くことができるでしょう。