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【どこを見る?】マンションの査定方法とは?不動産会社のチェックポイントも

マンションの査定価格は、売却活動の出発点となる重要な情報です。

査定方法には机上査定や訪問査定などがあり、それぞれ算出の精度や手間に違いがあります。さらに、不動産会社は築年数や間取りだけでなく管理状態や周辺環境、市場動向など複数の要素を総合的に評価して価格を決めます。

また、査定価格と実際の成約価格には差が出ることもあるため、価格の背景を正しく理解することが欠かせません。

この記事では、マンションの基本的な査定方法をはじめ、不動産会社が査定時にどこを見るのかをポイントに分けて解説します。

この記事で分かること

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もくじ

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マンションの査定方法は大きく2種類

不動産会社がマンションの査定を行う場合、大きく以下の2種類の査定方法があります。

  • 机上査定(簡易査定)
  • 訪問査定

それぞれの査定方法には異なる特徴があり、売却のタイミングや目的に応じて使い分けることが大切です。たとえば、机上査定でおおまかな価格を把握し、不動産会社を絞ったうえで訪問査定を依頼する方法もあります。

ここでは、机上査定(簡易査定)と訪問査定の特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。

机上査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)とは、不動産会社が物件を現地で確認せず、公開情報や過去の取引データをもとに算出する査定方法です。主に、以下のような基本的な物件情報を入力するだけで、インターネット上から簡単に依頼することができます。

  • 住所
  • 築年数
  • 間取り
  • 専有面積 など

「まだ売却するか決めていない」「まずは大体の価格を知りたい」といった段階の人にとっては、気軽に利用できる査定手段として有効でしょう。利用するサービスによっては、匿名での査定依頼が可能なケースもあり、不動産会社に個人情報を知られたくない人にも安心です。

ただし、机上査定では室内の状態やリフォーム履歴、眺望や日当たりなど物件の個別要素が反映されません。算出された価格は、あくまで相場に基づいた概算と考えておきましょう。

机上査定(簡易査定)のメリット

机上査定の大きな特徴は現地調査が不要で、インターネット上から簡単に査定依頼ができることです。主に以下のようなメリットがあります。

  • 自宅にいながら簡単に査定依頼できる
  • 最短即日、遅くとも3日以内に査定結果が届く
  • 匿名で依頼できるサービスもある
  • 24時間いつでも依頼可能で、忙しい人にも最適
  • 複数の不動産会社を比較して絞り込むのに役立つ

机上査定は多くの場合、物件の所在地や間取り、築年数など、基本的な情報を入力するだけで査定依頼が完了します。作業時間は最短60秒ほどで時間や曜日に関係なく申し込めるため、平日は仕事で時間が取れないという人でも無理なく利用できます。

多くのマンション一括査定サービスでは、依頼から3日以内に結果が届くことが一般的です。結果はメールまたは電話で届くため、早ければ当日中に価格の目安を知ることも可能です。

サービスによっては氏名や連絡先を伏せたまま査定ができる匿名査定に対応しているところもあり、「電話が来るのに抵抗がある」「まだ売却を本格的に検討していない」という人でも安心して利用しやすいでしょう。

本格的に売却活動を進めるには訪問査定が必要ですが、机上査定を使えば複数の不動産会社を事前に比較し、信頼できそうな会社を絞り込むことにも活用可能です。

机上査定(簡易査定)のデメリット

机上査定は手軽に利用できる一方、以下のようなデメリットもあります。正確な査定価格を知りたい場合は、デメリットを理解したうえで訪問査定との併用を検討しましょう。

  • 内装の状態や設備の有無、リフォーム履歴などが反映されない
  • あくまで概算であり、実際の売却価格と差が出ることがある
  • 正確な査定には最終的に訪問査定が必要

机上査定は、入力された物件情報から査定価格を算出するため、室内の劣化具合やリフォームの有無、設備のグレードなど、見て判断するべき要素は査定に含まれません。築年数や広さだけで判断された査定価格に対して、思ったより安いと感じるケースもあるでしょう。

机上査定で出される価格はあくまで参考値にすぎません。実際に売却活動を進めるには、不動産会社が現地に赴き、詳細な情報を加味して行う訪問査定が必須です。

特に売却する意思が固まっている人や信頼できる不動産会社をすでに選んでいる人にとっては、机上査定を挟まず最初から訪問査定を依頼したほうがスムーズなこともあります。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地調査をした上で査定を行います。マンションの室内はもちろん、共用部や周辺環境、駅までのアクセスなども調査対象となります。

訪問査定は、調査する項目が多く、より正確な査定額を算出できる点が特徴です。キッチンや浴室、クローゼットの中なども調査の対象となるため、査定日が決まったら、なるべく整理整頓をしておきましょう。

訪問査定のメリット

訪問査定は不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、現地の状況を詳細に確認したうえで査定価格を算出する方法です。

机上査定に比べて手間はかかりますが、より信頼性の高い査定結果が得られます。以下は、訪問査定の主なメリットです。

  • 物件の状態や周辺環境を反映し、実際の市場相場に近い査定価格が分かる
  • 担当者と対面で話せるので、疑問や不安をその場で解消できる
  • 査定結果だけでなく、売却戦略に関するアドバイスも受けられる

不動産会社の担当者とも対面でコミュニケーションをするため、マンションのリフォーム履歴や長所、査定価格に影響しそうな内容なども上手く伝えられるでしょう。

また、直接担当者から説明を受けながら査定をしてもらえるので、査定価格に納得しやすい側面もあります。

訪問査定のデメリット

訪問査定はより相場に近い査定価格が分かりますが、労力や時間がかかる点はデメリットです。忙しい人にとっては負担に感じることもあるため、以下の点に注意して利用することが大切です。

  • 査定に1~2時間の立ち会いが必要で、日程調整の手間がある
  • 複数社に依頼するとスケジュール調整が大変になりやすい
  • 査定結果の報告までに時間がかかるケースがある

訪問査定では、担当者が実際にマンションの室内を確認しながら査定を行います。調査には通常1〜2時間ほどかかり、立ち会いが必要です。共働き家庭や予定が立て込んでいる人にとっては、時間の確保が難しい場合もあるでしょう。

マンションの売却では複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが推奨されていますが、訪問査定を一度に何社も受けると、それぞれに日程調整を行わなければならず手間が増えます。

このような場合は机上査定である程度の会社を絞り込んでから、信頼できそうな数社に訪問査定を依頼するとスムーズです。

訪問査定は情報量が多く、物件の状況を細かく確認してから査定価格を出すため、査定報告書の作成に時間がかかることがあります。早ければ数日で結果が出ることもありますが、1週間程度かかるケースも少なくありません。

とはいえ、仲介によって売却活動を進めるには不動産会社による訪問査定が必須です。時間や手間がかかると感じている場合は、スケジュールを調整してから依頼することをおすすめします。

不動産会社はマンション査定でどこを見る?-物件全体のポイント

マンション査定では、以下のような複数の観点から総合的に評価されます。各項目は査定価格に直結するため、それぞれを理解しておくことで査定依頼時の準備に役立つでしょう。

  • 築年数
  • 建物の構造
  • 管理状況・劣化状況
  • リフォーム・大規模修繕履歴
  • 床面積・間取り
  • 階数
  • 騒音・においの有無
  • 設備の状態
  • 駐車場の有無

築年数

一般的に築年数が新しいほど、査定価格は高くなる傾向にあります。

なぜなら、建物が新しいほど老朽化が進んでおらず、修繕費や管理コストが低く抑えられることが購入希望者にとって魅力となるからです。さらに、新しいマンションは最新の耐震基準や設備仕様を満たしているケースが多く、資産価値も高く評価されます。

以下の表に、東京都における築年数別のマンションの売却相場をまとめました。

築年数 売却相場
~築5年 1億1,258万円
~築10年 9,752万円
~築15年 8,640万円
~築20年 8,242万円
~築25年 7,476万円
~築30年 6,093万円
築30年~ 3,562万円

※参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2025年04~06月】|東日本不動産流通機構

築5年までの物件の平均価格は約1億1,258万円ですが、築20年になると約8,242万円と約3,000万円近く価格が下がっています。

築年数の経過に伴って建物や設備の老朽化が進むため、購入希望者は将来的な修繕費やリフォーム費用を見込んで価格を判断します。こうした要因が査定価格にも影響し、築年数の古い物件ほど価格が下がる傾向にあります。

ただし、築年数が古くても適切なメンテナンスやリフォームが行われている物件は、一定の価格を維持できる場合もあります。売却時には修繕履歴や内装リフォームの内容を明示し、買主に安心感を与えることが査定価格アップのポイントになるでしょう。

建物の構造

マンションの査定では、耐震性に大きく関わる建物の構造が重視されます。特に重要なのが、1981年6月に施行された新耐震基準です。

旧耐震基準では震度5程度での倒壊防止を目安としていたのに対し、新耐震基準では震度6〜7の大地震でも倒壊しない構造が求められています。そのため、築年数がわずかに異なるだけでも、耐震基準の違いによって査定価格に差が出るケースがあります。

旧耐震基準 新耐震基準
適用開始時期 〜1981年5月 1981年6月〜(建築確認申請日が基準)
想定される耐震性能 震度5程度の中規模地震で倒壊しないこと 震度6強〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないこと

※参考:住宅・建築物の耐震化について|国土交通省

購入希望者にとっては安全に住めるかが判断材料になるため、自宅がどの耐震基準で建てられているかを確認しておくことが大切です。

管理状況・劣化状況

マンションは専有部分だけでなく、エントランスや廊下、ゴミ置き場などの共用部分の管理も含めて評価されます。

同時期に建てられたマンションであっても、管理が行き届いているほど資産価値を維持することが可能です。

日々の清掃や設備の修理、大規模修繕の実施などによってもマンションの価値がアップする可能性があり、査定価格が大きく異なる場合があります。

リフォーム・大規模修繕履歴

室内のリフォームや共用部の大規模修繕はマンションの価値を高め、査定価格にも好影響を与える重要なポイントです。

適切にメンテナンスされた物件は将来的な修繕リスクが低いと判断され、購入希望者に安心感を与えます。築年数が経過したマンションでも、リフォーム履歴が充実していれば手入れが行き届いている物件として評価され、資産価値が保たれやすくなるでしょう。

以下は、査定で評価されやすいリフォーム・修繕のポイントを表にまとめたものです。

種類 内容の例 評価される理由
室内リフォーム キッチン・浴室・トイレ・床・壁紙の張り替えなど 日常の快適性が高まり、印象が良い
設備の更新 給湯器、エアコン、洗面台などの交換 故障リスクが低く、買主の負担が軽い
大規模修繕 外壁塗装、防水工事、屋上・バルコニーの補修、共用廊下の美装 建物全体の寿命を延ばし資産価値が保たれる

また、リフォームを実施した場合は以下の内容を不動産会社の担当者に伝えましょう。

  • どの部位を(キッチン、浴室など)
  • いつ頃に(年単位を目安)
  • どのように(全面交換、部分補修など)
  • 見積書・請求書・レシート・施工写真があればよい

簡単な時系列メモでもよいので整理しておくことが、不動産会社にとっては非常に参考になります。加えて、管理組合が実施した大規模修繕の履歴や次回の修繕予定についても共有できると、より安心材料になるでしょう。

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床面積・間取り

床面積の広さだけでなく、現代の生活様式にあった暮らしやすい間取りかどうかも、マンション査定において重要です。

近年の査定では生活動線の良さやプライバシー性など、単なる部屋数よりも使い勝手の良さに注目が集まっています。床面積が同じでも、動線が悪ければ評価が下がることも珍しくありません。

以下の表に、査定で評価されやすい間取りのポイントをまとめました。

チェック項目 内容の例
生活動線 キッチン・洗濯・物干しまでの移動がスムーズか
家事動線 洗面所と脱衣所が独立していて使いやすいか
プライバシー性 トイレがリビングや玄関から見えやすくなっていないか
通風・採光 各部屋に窓があり、風通し・日当たりが確保されているか
収納の配置 収納が適切な位置にあり、生活空間を圧迫していないか
家電・設備の設置スペース 冷蔵庫や洗濯機などが無理なく収まるスペースがあるか

たとえば、洗濯機がベランダにある・キッチンと洗面所が遠いといった間取りは、実際の生活では不便に感じられます。こうした動線の悪さは、査定では大きなマイナス評価にはならないものの、購入希望者が物件の内覧時にネガティブな印象を抱く可能性があります。

床面積の数字以上に、間取りの合理性や生活動線の設計が重視されやすいため、使いやすい家であることを、査定担当者にしっかり伝えましょう。

階数

階数は次の4つの要素に関係し、査定価格にも影響を与える要素です。

  • 眺望
  • 日当たり
  • 静かさ
  • 防犯面

一般的に高層階ほど日当たりや風通しが良く、外からの騒音も届きにくいため人気があります。また、防犯面でも安心感があり、高値で評価されることがほとんどです。

建物全体の構造によっては次の要素が利便性や混雑具合に直結するため、たとえばエレベーターが少なく混雑する物件や、階段しかない中層階はマイナス要素になることもあります。

  • 階数
  • エレベーターの台数
  • 速度
  • 搭乗人数の上限

階数は単なる高さだけではなく、住み心地・安全性・物件の魅力すべてに関係しています。

特に高層階では価値が上がる傾向があるため、売却時には日当たり・眺望・騒音の少なさといった利点をしっかりアピールし、低層階では専用スペースなどの工夫を前面に出すことが、査定アップにつながります。

騒音・においの有無

室内の生活音や機械音、においの有無は居住快適性を左右するため、マンション査定においても重要なチェックポイントです。

購入希望者は「この部屋で毎日生活できるか」という視点で物件を見ています。生活音が響きやすかったり、換気設備などから機械音が出ていたりすると、長く住むうえでのストレスになるため、査定評価が下がる可能性があります。

騒音の例は、主に以下のとおりです。

  • 隣接住戸の音が響く(テレビ・洗濯機・ドアの開閉音)
  • 上階からの足音が大きい(特に鉄骨造や直床構造の物件)
  • 換気扇や給湯器から機械音が聞こえる
  • 排水管の水流音が大きい
  • 換気不足による室内のこもったにおいや湿気

これらの問題は住み始めてからでないと気づきにくいため、内覧時に強く印象に残る要素です。

査定前には機械音や生活音が目立たないように配慮し、可能であれば防音マットの設置や消臭対応など、できる範囲での対策を行っておくと印象が良くなるでしょう。

設備の状態

マンションの査定では設備が正常に使えるかだけでなく、新しさや快適さも評価基準となります。

たとえば、床暖房や浴室暖房乾燥機、ディスポーザーなどの生活に便利な設備が備わっており、正常に使用できる場合は評価が高くなり査定価格もアップします。

また、最近交換されたエアコンや給湯器、温水洗浄便座などがある場合も、プラス評価につながる可能性が少なくありません。

共用部分の設備も同様で、宅配ボックスや24時間利用できるゴミ置き場などがある場合はプラス評価されやすくなります。キッズルームやゲストルームを備えているマンションも人気です。

このように、利便性が高いマンションほど高評価になり、査定価格もアップしやすくなります。

駐車場の有無

ファミリー層や通勤・通学で車を利用する住人にとっては、駐車場の確保が生活の質に直結します。敷地内に駐車場がある場合は、プラス評価になるでしょう。

仮に、敷地内に駐車場がなくても近くに月極駐車場があり確保しやすい状況であれば、査定への影響は軽微とされています。

なお、査定でチェックされる駐車場のポイントは以下のとおりです。

項目 内容の例
台数の確保 入居戸数に対して十分な台数があるか
空き状況 すぐに利用できるスペースがあるか
周辺の代替駐車場 近隣に月極駐車場があり、利用が容易かどうか

不動産会社はマンション査定でどこを見る?-立地条件のポイント

マンションの査定では物件そのものの状態だけでなく、「どこに建っているか」という立地条件も重要な評価基準です。立地条件は購入希望者にとって住みやすさを左右する要素であり、査定価格に影響します。

ここでは、立地条件に関する以下のポイントを見ていきましょう。

  • 最寄駅からの距離
  • 利便施設からの距離
  • 周辺の治安
  • 自然災害の有無

最寄駅からの距離

最寄駅からの距離は査定価格額に大きな影響を与える項目です。

一般的には駅徒歩10分圏内が人気で、徒歩5分以内であればさらに高評価につながります。最寄駅までのルートが平坦で明るく、人通りが多い場合もプラスにつながるでしょう。

逆に、坂道や暗い小道が続く場合は利便性が低く評価されることも少なくありません。

利便施設からの距離

スーパーや商店街、大規模商業施設がある場合は、生活の利便性が加味されて査定価格もアップします。

郵便局や図書館、小学校、保育園、大きな公園もプラス要素になります。普段から便利だと感じている場合は、不動産会社の担当者へ共有し、購入希望者にも伝えてもらいましょう。

周辺の治安

周辺の治安や雰囲気は、物件そのものに問題がなくても査定価格に影響を与える要素です。

特に、最寄駅からマンションまでの道のりに繁華街や深夜営業の飲食店などが多い場合、夜間の安全性が懸念されるとして評価が下がる可能性があります。

また、近隣にゴミ処理施設、工場、騒音の出る施設などの嫌悪施設がある場合もマイナス評価の対象です。

最寄駅までに複数のルートがある場合は、より安心感のある道順を不動産会社に共有しましょう。

自然災害リスクの有無

自然災害のリスクは安全性・保険料・資産価値に影響するため、査定時に必ず確認される項目です。

たとえば、過去に近くの河川が氾濫し、浸水被害があった場合や地盤が弱く液状化のおそれがある地域などでは、価格が下がる可能性があります。

売主は契約前に物件状況報告書にて、過去の災害履歴を告知する義務があるため、不動産会社の担当者には隠さず話しましょう。

また、土砂災害警戒区域や崖崩れのリスク、地盤沈下の履歴なども対象です。自治体のハザードマップや地盤情報の公開サイトを活用すれば、簡単に確認できます。

※参考:軟弱地盤、自然災害や防災に関する情報提供|三井住友トラスト不動産

不動産会社はマンション査定でどこを見る?-その他のポイント

ここまで建物の状態や立地といった目に見える評価ポイントを見てきましたが、実はそれ以外にも査定価格に影響を与える要素があります。

ここでは、不動産会社がマンション査定でチェックする、その他のポイントを紹介します。

  • 売却理由
  • 競合するマンションの有無
  • 市場動向

売却理由

売却理由は査定に直接影響しませんが、売却の緊急度や交渉の余地を判断する材料として見られることがあります。

不動産会社は売主がどの程度早く売りたいのか、価格交渉に応じやすいかを把握するために、売却理由をヒアリングします。なぜなら、買い替えや相続、転勤、離婚など、理由によって売却のスピード感が異なるからです。

たとえば、早く売りたいと考える売主であれば、やや低めの価格でも確実に成約する方針を取ることが多くなります。一方、急いでいない代わりに少しでも高く売りたい場合は、時間をかけて希望価格に近い成約を狙う戦略になるでしょう。

売却理由は価格そのものを左右するものではありませんが、不動産会社とのやり取りや販売戦略を決めるうえで非常に重要な情報になります。

競合するマンションの有無

近隣に同じような条件の競合物件があるかどうかは、査定価格に影響する可能性があります。

購入希望者にとっては比較検討がしやすくなるため、競合が多いと価格交渉が起きやすくなり、結果的に査定価格が控えめになることがあります。特に、同じマンション内で複数戸売り出されている場合は、価格の優位性を意識せざるを得ません。

自分の物件だけでなく、周辺や同じマンション内の販売状況も確認しておくと、査定価格や販売戦略を適切に見極めるヒントになります。

市場動向

マンションの査定価格は、現在の不動産市場の動向によっても大きく左右されます。

不動産市場は、以下のバランスによって常に変動しています。

  • 景気
  • 金利
  • 政策
  • 需要と供給 など

需要が高く価格が上昇している売り手市場では査定価格が上がりやすく、逆に供給過多で価格が下落傾向にある買い手市場では査定も低めに出される傾向にあります。

マンション査定の流れ

ここでは、マンション査定の流れを紹介します。

  • STEP1.物件情報を送信する
  • STEP2.不動産会社から査定結果が届く
  • STEP3.依頼する不動産会社を決める
  • STEP4.売却活動を開始する

STEP1.物件情報を送信する

一括査定サイトや不動産会社のWEBページ上でマンションの情報を入力します。

物件の所在地、間取りなどの項目のほかに、築年数や専有面積など細かい数字を入力する必要がある場合もあります。手元に購入時の契約書や重要事項説明書、パンフレットなどを用意しておくとスムーズでしょう。

ホームズの一括査定では、全国4,500社以上(2025年7月時点)の不動産会社の中から査定を依頼する会社を選ぶことができます。不動産会社ごとの特徴も掲載しているため、自身と相性の良い担当者を見つけることができるでしょう。

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STEP2.不動産会社から査定結果が届く

通常、3営業日ほどで不動産会社からメールや電話で連絡がきます。AI査定やマンション査定シミュレーションなどの機能があり、即時に査定価格が出るタイプのWEBサービスもあります。

マンション売却は、不動産会社の担当者との相性も重要です。実際に不動産会社の担当者とやりとりし、安心して任せられるかどうかも判断しましょう。

STEP3.依頼する不動産会社を決める

複数の不動産会社から届いた査定結果を比較し、自分にあった会社に売却を依頼します。

査定価格は各社で差が出ることもありますが、価格だけで選ぶのではなく、以下のようなポイントも重要な判断材料です。

  • 担当者の対応力
  • 売却プランの提案内容
  • 地域の取引実績 など

たとえば、最も高い価格を提示してきた会社に依頼したものの、売れずに価格を下げるケースも珍しくありません。

売却の成功には信頼できるパートナー選びが鍵となるため、複数社と面談して比較検討するのがおすすめです。

STEP4.売却活動を開始する

不動産会社との媒介契約を締結したら、いよいよ売却活動がスタートします。

媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。専任契約以上であれば、会社側も積極的に販売活動を行ってくれることが一般的です。

以下は、簡単に違いをまとめたものです。

不動産会社は広告掲載、内覧対応、価格交渉などを通じて買主を見つけていき、売主は必要書類の準備や、内覧時に部屋を整えておくなどの協力が求められます。

査定はあくまで売却のスタートラインです。信頼できる会社とともに、戦略的に売却活動を進めましょう。

マンション査定時の必要書類

一般的にマンションの査定時に必要な書類は、主に以下が挙げられます。

  • 購入時のマンションのパンフレット・間取り図
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書
  • リフォームの履歴や内容が分かるもの
  • 住宅ローン残高を確認できるもの(返済予定表や残高証明書)
  • 管理規約・使用細則・長期修繕計画書
  • 固定資産納税通知書

これらの書類が、すべて揃っていなくても、査定依頼をすることはできます。したがって、「用意しておくと良い書類」と理解しておきましょう。

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マンション査定前に知っておくべき注意点

ここでは、マンション査定前に知っておくべき注意点を紹介します。

  • 査定価格=成約価格ではない
  • 仲介・買取では査定価格が大きく異なる
  • なるべく複数社に査定依頼する
  • 事前に室内の掃除・片付けをしておく
  • 自己判断でのリフォーム・リノベーションは避ける
  • 不具合などの情報は隠さない

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査定価格=成約価格ではない

査定価格は、周辺相場や過去の取引事例、物件の築年数・立地・間取りといった要素をもとに、不動産会社が見込んだ概算の金額です。実際の売却では買主の希望や市場動向、内覧時の印象、設備の状態などが大きく影響するため、価格は上下します。

たとえば、4,180万円の査定価格が提示された物件でも、内覧時に水回りが古い・日当たりが悪いといった印象を持たれると、買主が価格交渉をして4,100万円で成約するケースもあるでしょう。

また、不動産会社が自社に売却を依頼してもらうため、相場より高めの査定を出すこともあるので注意が必要です。査定価格はあくまで参考値であり、鵜呑みにせずに市場の動きや交渉を見据えて売却戦略を立てましょう。

仲介・買取では査定価格が大きく異なる

仲介と買取では査定価格の考え方が異なるため、同じ物件でも提示される価格に差が出ることがあります。

仲介は不動産会社が買主を探して市場で売却する方法で、相場に近い価格で売れる可能性があります。一方、買取は不動産会社が物件を直接買取する仕組みで、比較的早く現金化できる代わりに価格は2〜3割ほど低くなることが一般的です。

以下は、仲介と買取の主な違いを比較した表です。

仲介 買取
売却の仕組み 不動産会社が広告・内覧対応などを行い、一般の買主を探す 不動産会社が売主から直接物件を買い取る
売却できる価格帯 高値売却が狙える 相場より2~3割程度安くなることが多い
売却完了までの期間 買主が見つかるまで時間がかかる(通常3〜6ヶ月) 最短数日〜1~2週間で現金化が可能
向いている人 時間に余裕があり、できるだけ高く売りたい人 急いで売りたい、確実に現金化したい人

自分が高く売りたいのか早く現金化したいのか、優先順位を決めたうえで査定を依頼し、目的にあった方法を選びましょう。

複数社に査定依頼する

マンション査定は、なるべく複数社に査定依頼しましょう。査定価格は不動産会社によって異なるため、複数の査定価格の比較検討することが重要です。

ホームズが独自に調査したアンケート結果(住まいの売却データファイル)では、2〜3社の査定依頼数が38.5%と最多でした。

※参考:マンション売却経験者にアンケート!売却期間は?売却方法は?体験談もご紹介(住まいの売却データファイル)

上記のグラフを見ると、4社以上に依頼した人も28.3%と決して少なくない割合であるため、これらを踏まえると、3〜5社程度に絞って査定依頼することが重要といえます。

比較的高い査定価格を提示する不動産会社もありますが、査定価格の高さだけで依頼先を決めないようにしましょう。査定価格はあくまでも概算であり、その金額で売れる確証はありません。

事前に室内の掃除・片付けをしておく

マンションの査定前には、室内の掃除や整理整頓をしておくことが大切です。乱雑で清掃が行き届いていない部屋は設備の劣化や管理の甘さを疑われ、マイナス評価のきっかけになることもあります。

同じ築15年の物件でも、整理された室内と清潔な水回りが印象的な部屋は、「このまま住めそう」「リフォーム費用が抑えられるかも」と思ってもらいやすくなります。

一方、荷物が山積みだったり、キッチンや浴室が汚れていたりすると、「実際の使用状態は良くないかも」と判断されるおそれがあります。

簡単な掃除や片付けをするだけでも印象は大きく変わるので、特に訪問査定の前には最低限の清潔感を整えておくことが重要です。

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自己判断でのリフォーム・リノベーションは避ける

マンションを売却するために、独断でリフォームやリノベーションすることはおすすめできません。なぜなら、リフォーム費用を上乗せして売却できるとは限らず、持ち出しになる可能性もあるからです。

また、購入希望者は自分の好きなようにリフォームしたいと考えている人が多いため、わざわざリフォームしても、好みが異なれば無駄になってしまいます。

もしリフォームを検討するのであれば、事前に不動産会社の担当者に相談すると良いでしょう。

不具合などの情報は隠さない

査定額が低くなる恐れがあるため、隠したくなるかもしれませんが、雨漏りや設備の故障などの不具合があれば、事前に告知しましょう。

不具合を告知せずに引き渡した場合、契約不適合責任を問われるケースがあります。程度にもよりますが、損害賠償請求や契約解除になる可能性があるため注意が必要です。

気になる不具合は査定時に告知し、購入希望者には担当者から内覧時などに伝えてもらいましょう。

マンション査定の方法に関するよくある質問

ここでは、マンション査定に関するよくある質問を紹介します。

  • マンション査定は匿名で依頼できる?
  • マンション査定は登録不要でできる?
  • マンション査定だけ依頼することは可能?

マンション査定は匿名で依頼できる?

マンション査定は、匿名でも依頼可能です。

訪問査定は住所や氏名を伝える必要がありますが、ホームズの匿名査定は、マンションの所在などを入力するだけで査定依頼できます。

メールアドレスの入力は必要ですが、査定価格の到着をお知らせするために使用します。匿名査定の段階では、不動産会社にメールアドレスが伝わることはありません。

匿名査定は、多くの不動産会社へ個人情報を提供したくない方や、匿名で査定額を知りたい方におすすめです。

売却意思が固まっていない場合には、まずシミュレーションツールなどを利用するという選択肢もあります。

ホームズで匿名査定を依頼する

マンション査定は登録不要でできる?

不動産ポータルサイトの多くは、メールアドレスのみの個人情報で査定依頼ができるため、登録不要で進められるといえます。特に、AI査定や匿名査定は物件情報の入力だけで査定結果のみを把握できるので、より手軽に利用できるでしょう。

ただし、実際に売却を進めるには不動産会社による訪問査定が必要となるため、個人情報を登録せずに売却を完了させることは難しいのが実情です。

なお、ホームズのマンション査定シミュレーション「プライスマップ」は、登録不要で利用できます。

マンション名や住所、駅名などを入力するだけでマンションの参考価格や、坪単価を地図上で簡単に確認できます。

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ホームズで不動産の一括査定を依頼する

マンション査定だけ依頼することは可能?

マンションの査定だけを依頼することは可能です。

不動産会社にとっても将来的な顧客獲得につながるため、査定だけの依頼も受けているケースがほとんどです。また、法的にも査定依頼をしたからといって売却義務は発生しません。

ホームズの不動産一括査定は、査定のみを依頼することもできますが、売却の意思が明確な場合にご利用ください。

また、マンションの査定価格は市場やタイミングによって異なります。そのため、査定から期間が経ってしまった場合は、査定額が異なる可能性があります。

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▶︎マンションは査定だけ依頼可能?匿名査定など3種類の方法を紹介

マンション査定では不動産会社がどこまで見るのかを意識しよう

マンションの売却を考えている場合は、まず査定方法の種類や、査定に影響する要素を理解することが大切です。

一見難しそうに感じるマンション査定ですが、基本的な流れや不動産会社がどこを見るのかを押さえておけばスムーズに進められるでしょう。

査定は資産価値を知るだけでなく、不動産会社を選ぶための重要な判断材料にもなります。自分にあった会社を選ぶことが、満足のいく売却につながるでしょう。

ホームズの不動産一括査定では、全国4,500社以上(2025年7月時点)の提携不動産会社から自分にあった依頼先を選べます。不動産会社の写真や詳細情報を事前に確認できるため、納得したうえで依頼することが可能です。

さらに、物件情報のデータ保有数は国内トップクラス。豊富な実績に基づいた精度の高い査定を受けられるのも魅力です。マンション査定を検討中の人は、ぜひホームズの一括査定をご利用ください。

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記事監修

桜木 理恵(さくらぎ りえ)

私鉄系不動産会社にて売買仲介営業として約8年従事。積水ハウスリフォーム株式会社にてリフォームアドバイザー(営業)として5年従事。公益財団法人日本英語検定協会にて英語検定の普及活動(営業)として1年半従事。三井住友信託銀行にて不動産事務などを経験。22年4月からwebライターとして活動中。