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マンション査定の注意点は?依頼前後や売却価格に影響するポイント

マンションを売却する場合、まずは不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。

実際に売却活動を始める際の売り出し価格(販売価格)は、不動産会社が算出する査定額を参考にして売主が決定します。そのため、不動産会社に適切な査定額を提示してもらうことが、売却活動の成功に向けた第一歩と言えます。

ただし、不動産会社に任せきりにするのではなく、自分でも情報収集を行い、査定時に注意すべきポイントを理解しておくことが重要です。

この記事では、マンション査定前と査定後における注意点と、査定額に影響するポイントを解説します。

この記事で分かること

  • マンション査定の種類
  • マンション査定前の注意点5選
  • マンション査定後の注意点5選
  • マンションの査定額に影響するポイント

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もくじ

そもそもマンション査定とは?

そもそもマンション査定とは、マンションがいくらで売却できるかを不動産会社に算出してもらうことです。

マンションの査定方法は、主に以下の2種類があります。

  • 机上査定(簡易査定)
  • 訪問査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)とは、不動産会社が査定を依頼されたマンションを訪問せずに、立地や築年数、過去の取引事例などを参考にして査定額を算出する方法です。

机上査定は、基本的にインターネットから無料で依頼できます。査定結果は、早ければ当日中、遅くとも1週間以内に分かることが多いです。

ただし、机上査定はあくまで概算の価格であり、室内の状況や日当たりなど、個別の事情が査定に反映されないので注意しましょう。

LIFULL HOME'Sの匿名査定では、マンションの情報を入力するだけで、不動産会社に個人情報を知らせずに査定結果を受けることが可能です(※)。匿名査定であっても、不動産会社が査定を行うため、後述するAI査定などと比較すると精度は高いといえます。

※査定結果を送付するためのメールアドレスの入力は必要

AI査定との違い

AI査定と机上査定の主な違いは、査定額の算出方法です。

AI査定とは、「機械学習」や「ディープラーニング技術」などを活用して、マンションの売却価格を予測する方法です。AIとは人工知能のことで、不動産会社が所有する過去の取引情報を参考にして、短時間で査定額を算出します。

多くの場合、インターネットから利用できるため、不動産会社に査定を依頼せずに済み、おおまかな相場を把握することが可能です。

一方で、机上査定は基本的に最新の市場環境が反映される傾向にあります。また、前述のとおり不動産会社が実際に査定額を算出するケースもあります。

このように、AI査定と机上査定は算出方法に大きな違いがある点を押さえておきましょう。

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訪問査定

訪問査定とは、実際に不動産会社の担当者がマンションを訪問し、詳しく調査したうえで査定額を算出する方法です。

訪問査定を依頼することで、机上査定よりも精度の高い査定結果が分かります。具体的にマンション売却を検討している人は、訪問査定を依頼しましょう。

なお、LIFULL HOME'Sの不動産一括査定は、複数の不動産会社にマンションの査定を同時に依頼できます。不動産会社の情報を数多く掲載しており、自分にあった不動産会社が見つかれば、そのまま訪問査定や売却活動に進めます。

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マンション査定前の注意点5選

ここでは、LIFULL HOME'Sが首都圏の売却経験者に対して実施したアンケート結果を基に、マンション査定依頼前の注意点を5つ紹介します。

  • 余裕のあるスケジュールを立てる
  • 不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • ある程度は片付け・掃除をしておく
  • 査定前に独断でリフォームしない

余裕のあるスケジュールを立てる

査定を依頼する前に、まずはスケジュールに余裕をもたせることが非常に重要です。

アンケート調査によると、「余裕のあるスケジュールを立てる」が売却の際に気をつけるべき点における第1位(35.3%)でした。

順位 内容 割合
1 余裕のあるスケジュールを立てる 35.3%
2 不動産会社に任せきりにせず、自分でも情報収集する 31.6%
3 不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする 31.2%
4 価格や担当者を、複数の不動産会社でしっかり比較する 30.8%
5 売れないからといって安易に価格を下げない 28.2%
6 査定価格の高さだけで不動産会社を選ばない 23.4%
7 不動産会社について詳しく情報収集する 23.1%
8 多少の損を覚悟しておく 21.9%
9 内覧時に良い印象を与えられるようにする 21.8%
10 設備の不具合などを正直に申告する 21.3%
11 売り出し価格を高くしすぎない 20.7%
12 買う人がどんな経済状態か、どんな人なのかを確認する 15.6%

※参考:首都圏の売却経験者に聞いた!目的・期間・困りごと・満足度…不動産売却に関するデータをまとめて紹介

マンション売却は、買主が見つかるまでに想定よりも長い期間がかかる場合があります。実際に、仲介でマンションを売却する場合、計画から引渡しまでに以下のようなステップがあります。

  1. 売却を検討・計画
  2. 情報収集
  3. 査定依頼
  4. 媒介契約の締結
  5. 売却活動
  6. 内覧対応
  7. 価格交渉・売買契約の締結
  8. 決済・引渡し

実際に売却を計画してから、相場の下調べを行って媒介契約に至るまでには1ヶ月程度、販売活動に3ヶ月程度、売買契約から引渡しまでには2ヶ月程度を要する可能性があります。

同アンケート調査の「不動産の売却完了までの期間は」によると、マンションの売却にかかった期間は平均6.34ヶ月でした。

物件の種類 売却にかかった期間(平均)
全体 7.36ヶ月
マンション 6.34ヶ月
一戸建て 7.67ヶ月

余裕のあるスケジュールを立てておかないと、なかなか売れなかった場合に焦って値下げしてしまう事態に陥りやすくなります。場合によっては売却までに1年以上かかることも考えられるので、事前準備を怠らないことが重要です。

不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする

不動産会社に査定依頼や相談をする際は、担当者が言っていることが正しいかどうかを判断することも重要です。

同アンケート調査では、「不動産会社の言うことが正しいかどうか判断できるようにする」が売却の際に気をつけるべき点における第3位(31.2%)でした。

不動産会社の言うことが正しいかどうかを判断するには、マンション売却に関する知識を自分で身につける必要があります。

知識を身につけるには、実際に媒介契約を結ぶ前に複数の不動産会社と接触すると良いでしょう。比較検討することで、適切な相場感などを把握できます。

また、不動産会社の言うことを鵜呑みにしないためには、すべての決定権は売主(自分)であることを理解しておきましょう。不動産会社選びや売り出し価格、価格変更の時期などは、最終的には不動産会社ではなく売主が判断します。

信頼できる不動産会社にアドバイスをもらいつつ、自分で適切に判断できるように備えておきましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

実際に査定を依頼するときは、複数の不動産会社に依頼して比較検討することが重要です。

同アンケート調査では、「価格や担当者を、複数の不動産会社でしっかり比較する」が売却の際に気をつけるべき点における第4位(30.8%)でした。

査定方法は不動産会社によって異なるため、査定額も依頼先によって変動します。1社のみに査定を依頼しても、価格が相場に対して適切かどうかを判断するのは困難です。

複数社に査定を依頼することで、査定額や担当者の対応などを比較して検討できます。

しかし、1社1社に査定を依頼するのは手間がかかります。一度に複数の不動産会社に査定を依頼したい人は、不動産一括査定サイトを活用しましょう。

LIFULL HOME’Sの不動産一括査定では、一度に最大10社の不動産会社に査定を依頼できます。不動産会社の社員画像や強みなど、詳細情報を一覧で見て選べる点が特徴です。

LIFULL HOME'Sで不動産の一括査定を依頼する

ある程度は片付け・掃除をしておく

マンション査定を依頼する前に、ある程度片付け・掃除をしておくことで、査定額にプラスの影響をもたらす場合があります。

不動産会社の担当者が訪問して査定する際に、室内が整理されていないと、心理的にも高く評価しにくくなります。目立つ汚れがあれば、事前に掃除しておきましょう。

査定を受けるまでに室内の物をできる限り片付けておき、無理のない範囲で掃除しておくことと良いでしょう。

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査定前に独断でリフォームしない

マンション査定を依頼する前には、なるべく独断でリフォームしないようにしましょう。

リフォームしてきれいな状態にしておくと、マンションの印象は良くなるでしょう。しかし、リフォームは高額な費用がかかるうえに、それを売却価格に上乗せできる保証がありません。

また、リフォームして売り出し価格が相場よりも高くなると、かえって売りにくくなる可能性もあります。

リフォームすべきか迷った際は、まずは現状で査定を依頼し、不動産会社の担当者に相談しながら売却方法を決めるようにしましょう。

マンション査定後の注意点5選

ここでは、マンションの査定を依頼した後の注意点を5つ紹介します。

  • 不動産会社に任せきりにしない
  • 査定額の高さだけで不動産会社を選ばない
  • 売れないからといって安易に価格を下げない
  • 内覧時の対応方法を工夫する
  • 設備の不具合を隠さない

不動産会社に任せきりにしない

売却活動の一連の流れは基本的に不動産会社が対応してくれますが、任せきりにするのは望ましくありません。

同アンケート調査では、「不動産会社に任せきりにせず、自分でも情報収集する」が売却の際に気をつけるべき点における第2位(31.6%)でした。

自分でも情報収集を行い、近隣相場や売却活動の状況を確認することが重要です。不動産会社に頼りすぎず、自分でも売却の流れなどを理解しておくとスムーズに進められるでしょう。

査定額の高さだけで不動産会社を選ばない

マンションは少しでも高く売りたいものですが、査定額の高さだけで不動産会社を選ぶのは得策ではありません。なぜなら、「査定額=成約価格」ではないからです。

同アンケート調査では、「査定額の高さだけで不動産会社を選ばない」が売却の際に気をつけるべき点における第6位(23.4%)でした。

査定額の高さは重要であるものの、根拠がなければ設定どおりに売れるとは限りません。そのため、不動産会社に査定額の根拠をしっかりと聞いておきましょう。

仮に相場よりも高い価格で売り出しても、購入検討者に対して明確なアピールポイントがなければ売れ残るリスクが高くなります。査定額はもちろん、根拠や周辺エリアの相場、担当者の対応などを総合的に判断することが重要です。

売れないからといって安易に価格を下げない

売却活動を実施したからといって、マンションがすぐに売れるとは限りません。しばらく売れない時期が続いたからといって安易に価格を下げないように注意しましょう。

同アンケート調査では、「売れないからといって安易に価格を下げない」が売却の際に気をつけるべき点における第5位(28.2%)でした。

なかなか売れない状況が続くと、早く売却したいがために、価格を下げようと考えてしまいがちです。安易に価格を下げてしまうと、マンション売却後に「時間をかければもっと高く売れたのではないか」と後悔するおそれがあります。

自己判断で価格を下げずに、まずは不動産会社と相談しながら、競合物件の状況把握や売却活動の方法を見直すなどの対策が重要です。

内覧時の対応方法を工夫する

内覧時の対応は、成約価格を大きく左右する要素といえます。工夫次第では想定よりも高く売れる可能性もあり、その逆もあるでしょう。

同アンケート調査では、「内覧時に良い印象を与えられるようにする」が売却の際に気をつけるべき点における第9位(21.8%)でした。

内覧時の対応方法を工夫し、購入希望者に良い印象を与えられると、マンションの早期売却につながるでしょう。

例えば、内覧までに室内を片付けておき、当日は部屋の明るさ・におい・換気に気を配るなど、購入希望者が気持ち良く内覧できるように工夫すると効果的です。

設備の不具合を隠さない

売却するマンションの設備に不具合や傷がある場合、購入希望者には隠さずに伝えることが大切です。なぜなら、売却後に発覚するとトラブルに発展するリスクがあるからです。

同アンケート調査では、「設備の不具合などを正直に申告する」が売却の際に気をつけるべき点における第10位(21.3%)でした。

マンションの傷や不具合を故意に隠して引渡した場合は、契約不適合責任を買主から請求される可能性があります。契約不適合責任とは、マンションの内装や設備などの状況が売買契約書の記載内容と異なる場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。

もし、傷や不具合があっても事前に買主に伝えて承諾してもらえれば、売主は契約不適合責任を負いません。設備の不具合を隠すと、後でトラブルになるリスクが高くなるため、正直に伝えるようにしましょう。

マンションの査定額(売却価格)に影響するポイント

同じエリアにある同じ広さのマンションでも、築年数や修繕履歴など、さまざまな条件で査定額は変動します。不動産会社から算出された査定額の根拠を理解するためにも、マンションの査定額や売却価格に影響するポイントを押さえておきましょう。

  • 立地条件
  • マンションの条件
  • 専有部分の条件

立地条件

マンションの価値は、立地条件に大きく影響されます。具体的なポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  • 駅からの距離
  • 買い物施設からの距離
  • 教育機関からの距離
  • 周辺環境

駅からの距離

査定額に最も影響がある立地条件は、最寄駅からの距離です。一般的に同じ築年数、同じ広さのマンションであれば、駅からの距離が近いほど査定額は高くなる傾向にあります。

マンションが最寄駅から徒歩10分以内にある場合は、利便性が高く、査定額においてもプラスで評価されやすいでしょう。

物件資料に記載される駅から徒歩でかかる時間は、80mあたり1分で換算されます。例えば、物件資料に「駅から徒歩10分」と記載されている場合、実際に歩いて10分かかるといった意味ではなく、駅から800m離れていることを示しています。

買い物施設からの距離

スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなど日常生活に便利な買い物施設が近隣にあると、プラスに査定されやすいといえます。

買い物施設が充実していると、日常生活の利便性が高まるため、購入希望者にも興味を持ってもらいやすくなります。

買い物施設が近くにある場合は、内覧時に積極的に購入希望者にアピールすると良いでしょう。

教育機関からの距離

間取りが3LDKや4LDKといった、ファミリー向けマンションは、子育て世帯に需要があります。 そのため、教育機関からの距離や選択肢の充実度は、査定額に影響しやすいポイントです。

親の立場でも、小学校や中学校などがマンションの近くにあると、比較的安心して子どもを送り出せるでしょう。

地域によっては、人気の学区にあるマンションの査定額が高くなる傾向にあります。自分のマンションが人気の学区に該当するかどうかは、口コミサイトなどを参考にしましょう。

参考:まちむすび -LIFULL HOME'S

周辺環境

駅や買い物施設からの距離でも紹介したように、周辺環境が充実していると、査定額もプラスで評価されやすくなります。

大型商業施設や家電量販店、公園など、生活するうえで便利な施設が周辺にあると良いでしょう。一方で、騒音や悪臭の原因となる工場や下水処理場など、ネガティブなイメージを持ちやすい嫌悪施設が周辺にあると、査定額がマイナスに評価されやすくなります。

マンションの条件

査定額に影響するマンションの条件は、主に以下のとおりです。

  • 築年数
  • 構造
  • 規模(総戸数)
  • 分譲・施工会社
  • 共用施設の充実度
  • 管理状況・修繕履歴
  • 管理費・修繕積立金
  • 駐車場

築年数

建物は、基本的に築年数が経過すると劣化していき、査定額も下がる傾向があります。

公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によると、2024年4〜6月の首都圏における中古マンションの成約件数と成約価格を築年数別にまとめると、以下のようになります。

築年数 成約件数 成約価格
〜築5年 739件 8,170万円
〜築10年 1,221件 7,279万円
〜築15年 936件 6,702万円
〜築20年 1,291件 5,965万円
〜築25年 1,094件 5,348万円
〜築30年 848件 4,140万円
築30年〜 3,030件 2,439万円
合計 9,159件 4,984万円

※参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2024年04〜06月】|公益財団法人東日本不動産流通機構

築5年以下のマンションの成約価格は平均8,170万円で、築30年以上は2,439万円でした。

ただし、築年数が経過していても、売れる可能性は十分にあります。築30年以上のマンションの成約件数が、全体の約33%を占めていることからも、活発に取引されていることが分かります。

全体的な傾向として築年数が経過するとマンションの価格は下がるため、購入費用を安く済ませたい人に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。

また、築年数が経過していても適切な修繕が行われ、品質が保たれているマンションの場合、高い価格を維持しているケースもあります。

構造

マンションの構造は、主に以下の3種類あります。

  • 鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

耐震性が高い鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションは、一般的な鉄筋コンクリート造のマンションよりも高い査定になりやすいでしょう。

また、地震のダメージを軽減する制震構造や揺れそのものを軽減する免震構造など、特殊な構造のマンションであれば、さらにプラスに評価されます。

ただし、1981年以前に建築された旧耐震基準のマンションの場合は、耐震性が低いため、査定額が大きく下がる傾向があるため注意しましょう。

規模(総戸数)

マンションの査定には、規模(総戸数)も影響します。管理費や修繕積立金は、各戸で分担して負担するので、戸数が多い大規模マンションでは、スケールメリットを得られます。

また、大規模マンションは、豪華なエントランスやゲストルームなどの共用施設が充実していることが多く、そのような面でも高評価になりやすいといえるでしょう。

分譲・施工会社

分譲会社や施工会社の情報は、マンションの査定額に大きく影響します。大手企業が分譲・施工したマンションは、中小企業のマンションよりも強気の価格で売り出されるケースが多くなっています。

大手企業は、分譲・施工したマンションに万が一欠陥が発覚しても、十分な補償ができる資金力があります。実際に補償として建て替えなどの対応を行っているケースもあります。

買主としても、分譲・施工会社が大手のマンションは安心感があり、多少価格が高くても安心と考える人も多いでしょう。

共用施設の充実度

共用施設が充実している大規模マンションは、査定でもプラスに評価されやすくなります。共用施設とは、エントランスや駐車場、エレベーターなどの住民が共同で利用する施設のことです。

また、売り出し価格が多少高くても、共用施設の充実によって購入意欲が高まり、買主が見つかりやすくなる可能性があります。

マンションに魅力的な共用施設がある場合、積極的にアピールすると良いでしょう。

管理状況・修繕履歴

共用部分の充実度と同様に重要なのが管理状況です。

エントランスや廊下がきれいな状態であるかや、ゴミ置き場や自転車置き場が整理整頓されているかなどは、購入希望者がよくチェックするポイントです。

また、建物全体の修繕履歴も査定額に大きく影響します。築年数が経過しているマンションの場合、修繕積立金が適切に徴収されているかや、予定通り修繕が行われているかなどは、価格を決定する重要な情報といえます。

2022年4月から開始された「マンション管理評価制度」では、マンションの管理状態が点数化され、管理状態が可視化されやすくなりました。

そのため、修繕積立金の総額が少ない場合、今後は必要な修繕ができなくなると危惧されてしまい、評価も低くなる恐れがあります。

管理費・修繕積立金

購入希望者は、住宅ローンの返済と月々の負担額をベースに住宅を選ぶ傾向があるため、管理費・修繕積立金が高すぎる場合はネックになる可能性があります。

ただし、安すぎる場合も、将来的な修繕に対応できないリスクを伴います。気になる人は、マンションの管理組合に修繕積立金や長期修繕計画について確認してみましょう。

駐車場

最寄駅から離れている・アクセスが不便など、立地条件によっては駐車場の有無が査定額に影響する可能性があります。マンションの駐車場には機械式・自走式・平面式があり、それぞれ屋根付きと屋根なしがあります。

人気が高い傾向にあるのは、屋根付きの平面駐車場です。駅前の立地条件が良いマンションの場合は、コストや敷地面積の条件により、屋外の機械式やタワー型の駐車場を採用しているマンションも多くあります。

専有部分の条件

同じマンション内でも、専有部分の条件によって査定額は変わります。どのような条件で評価が変わるのか、下記5点について具体的に見ていきましょう。

  • 階数・方角・位置
  • 広さ・間取り
  • 設備
  • 内装の傷み・リフォーム履歴

階数・方角・位置

新築と同じく、中古マンションの場合も所在する階数や方角、位置によって査定額が変わります。日当たりや眺望の良さによっても査定額は変動します。

上層階であれば、良好な日当たりと開放感のある眺望が期待でき、査定額は高くなるでしょう。一方、低層階であれば日当たりや眺望が期待できず、評価も下がりやすくなります。

広さ・間取り

マンションの広さや間取りも、査定額に大きく影響します。使いやすい対面キッチンや、物件数が少ない4LDKタイプのマンションは、査定額が高くなる傾向があります。

一方、一般的な3LDKの間取りをリフォームで大きく改変している場合、購入層が希望する部屋数が足りなくなることがあり、査定額に影響する可能性があるでしょう。

また、形がいびつであったり収納が少なかったりする間取りの物件は、使い勝手が悪くなるため評価が下がりやすいでしょう。

設備

マンションの専有部分にある設備の状況によっては、査定額に大きな影響を与えます。以下のような設備があるマンションは使い勝手が良くなり、プラスの影響を与える可能性があります。

  • キッチンの食器洗い乾燥機
  • ディスポーザー
  • トイレの洗浄機能・浴室乾燥

また、バルコニーのスロップシンクや、ペアサッシなども高評価につながりやすくなります。

内装の傷み・リフォーム履歴

専有部分の内装の傷みやリフォーム履歴も、査定額に直接影響します。

過去に専有部分をリフォームしていれば、プラス評価につながる可能性があるので、なるべく申告するのがおすすめです。特に、キッチンや浴室、トイレなど水回りの設備を新調している場合、プラス評価につながりやすくなります。

ただし、壁や床に目立つ傷があったり、たばこの汚れが目立ったりすると、マイナスに評価されやすいでしょう。また、内覧の際に購入希望者から、値下げ交渉の材料にされる可能性があるため、できる限りきれいな状態にしておきましょう。

マンション査定の注意点に関するよくある質問

ここでは、マンション査定の注意点に関するよくある質問を3つ紹介します。

  • マンションの査定は匿名で完結できる?
  • マンションの査定サービスは登録不要・無料で利用できる?
  • マンションを査定だけ依頼することはできる?

マンションの査定は匿名で完結できる?

机上査定(簡易査定)であれば、マンションの査定を匿名で完結することができます。

しかし、具体的に売却を考える場合は、訪問査定で実際に不動産会社の担当者がマンションに訪れるため、匿名で進めることは難しいでしょう。

売却の意思が固まっていなければ、AI査定などのシミュレーションツールを活用するという選択肢もあります。

マンションの査定サービスは登録不要・無料で利用できる?

マンションの査定サービスは、基本的に登録不要・無料で利用できます。

ただし、実際に不動産会社に売却活動を依頼し、買主が見つかり売買契約に至った場合は、仲介手数料の支払いが必要です。

マンションを査定だけ依頼することはできる?

マンションは査定だけでも不動産会社に依頼できます。なぜなら、不動産会社は査定を営業活動の一環としているからです。

ただし、1回目の査定依頼で中断し一定期間が経過した場合、売却の意思が固まったタイミングで再度査定を依頼する必要があるケースもあります。

対応の工数もかかるので、「おおまかな査定額をすぐに知りたい」と考えている人は、AI査定やシミュレーションサイトを利用するのが良いでしょう。

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マンション査定の注意点を押さえて売却を成功させよう

マンション売却のファーストステップとして、査定依頼は重要な役割を担います。

査定の主な目的は、最新の査定額を知るだけでなく、売却を任せたい不動産会社を選ぶことです。査定には、机上査定やAI査定、訪問査定などの種類があり、具体的に売却を検討する人は訪問査定を依頼しましょう。

実際にマンション売却を行う場合には、複数の不動産会社に査定を依頼し、特徴や担当者の対応などを比較検討することが重要です。

LIFULL HOME’Sの不動産一括査定は、全国4,500社以上(2024年8月時点)の提携不動産会社から査定を依頼する会社を選べます。不動産会社の特徴や強みなども豊富に掲載しており、詳細情報を一覧で見て選べます。

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記事執筆・監修

矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)

不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。