
不動産売却や土地の状況を把握する際に欠かせないのが「公図」です。公図は、土地の形状や区画を示した図面で、法務局が管理しています。
公図と似ている図面に測量図があり、混同している人も多いため、違いや具体的な用途について理解を深めておくことが重要です。
この記事では、公図の概要や取得方法、見方について詳しく解説します。不動産売却を検討している人や、土地の状況を正確に把握したい人は、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 公図と測量図との違い
- 公図の主な種類
- 公図の主な取得方法・手数料
- 公図の申請書の書き方
- 公図の主な見方
もくじ
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公図とは?
公図とは、法務局が管理する土地の地番や位置、形状などが示された図面のことです。土地の区画を地番とともに表示し、隣接する土地との関係を視覚的に確認できます。
公図は、明治時代の地租改正時に作成された地図を基に現在まで更新されており、長い歴史を持つ公的な図面です。
ただし、地積や形状が必ずしも正確とは限らないため、土地の位置関係や隣接地の状況を大まかに確認する際に活用されています。
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公図の主な種類
公図は、その作成方法や精度などから主に2つの種類に分けられます。
- 14条地図
- 地図に準ずる図面
14条地図
14条地図とは、不動産登記法第14条第1項に基づいて作成された正式な地図のことです。現地測量によって作成されており、高い精度を持っています。
14条地図には座標値が記載されており、土地の位置や境界が正確に表示されています。法務局では14条地図の作成を順次進めており、「法務局地図作成事業」によると、14条地図は全体の59%程度です。
土地区画整理事業や宅地造成事業が実施された地域では、14条地図が作成されているケースが多いです。
※参考:法務局地図作成事業|法務局
地図に準ずる図面
地図に準ずる図面とは、不動産登記法第14条第4項に基づいて、14条地図に代わって備え付けられている図面のことです。一般的に「公図」と呼ばれているものは、この「地図に準ずる図面」を指すケースが多いといえます。
地図に準ずる図面は、明治時代の地租改正時に作成された地図を基にしており、現地測量によって作成されていないため、実際の境界と異なる場合があります。そのため、14条地図よりも精度は低いとされています。
しかし、土地の大まかな位置関係や隣接する土地との関係を把握する場合には問題ありません。多くの地域でこの地図に準ずる図面が使用されており、不動産取引や建築計画の初期段階の検討資料として利用されています。
地積測量図・現況測量図・確定測量図との違い
公図と似た図面として、以下のような図面があります。
- 地積測量図
- 現況測量図
- 確定測量図
地積測量図は、土地の分筆や地積更正の際に法務局へ提出される正式な図面です。GPS座標に基づく高精度な測量により作成され、境界標が失われても境界線の復元が可能な水準まで精度が向上しています。
現況測量図は、土地所有者の認識に基づいて境界を推定し作成された図面です。測量としての正確性は保たれていますが、境界線については推測要素が含まれるため、信頼性は高くありません。
確定測量図は、隣地の所有者全員が立会って境界を確定し、境界確認書に押印を行った最も信頼性の高い図面です。土地取引において最も重要とされる図面といえます。
公図は、明治時代に作成された地図を基に作成されています。土地の位置や大まかな形状が示されているにすぎず、面積や距離なども記載されていません。
一方、測量図は実際に測量して作成されており、面積や距離なども記載されている点で公図と異なります。
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公図の見方

※出典:土地・建物の地図・図面など|盛岡地方法務局
公図を正しく読み取るには、図面に記載されている内容を理解する必要があります。
ここでは、公図の主な見方について以下の順に解説します。
- 図面上の数字
- 図面の下に記載されている内容
- その他の記載内容
図面上の数字
公図の図面上に記載されている数字は、土地の地番を表しています。地番は土地を特定するための番号で、一筆(ひとふで)ごとにつけられています。
また、枝番(-1、-2など)がついている場合は、元の土地から分筆された土地であると読み取ることが可能です。公図上には、隣接する土地との境界線も記載されていますが、必ずしも正確とは限りません。
図面の下に記載されている内容
公図の図面の下には、以下のような情報が記載されています。
- 所在
- 地番
- 出力縮尺
- 精度区分
- 座標系番号または記号
- 分類
- 種類
- 作成年月日
- 備付年月日
- 補記事項
「所在」には、「地番」以外の住所が示されています。「分類」には、14条地図を示す「地図(法第14条第1項)」もしくは「地図に準ずる図面」のいずれかが記載されています。
公図の取得方法・手数料
公図を取得するには、主に以下のような方法があります。
- インターネットで取得する
- 法務局の窓口で取得する
- 申請書を郵送して取得する
- 登記情報提供サービスで取得する
インターネットで取得する
法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用することで、インターネット上で公図を取得できます。
平日の8時30分から21時まで利用でき、国民の祝日や休日、12月29日から1月3日までの年末年始は利用できません。
オンライン請求・送付の場合、手数料は1筆につき470円です。支払いは、インターネットバンキングやモバイルバンキング、またはATMを利用して電子納付ができます。
※参考:登記・供託オンライン申請システム
法務局の窓口で取得する
法務局の窓口に申請書を提出して、直接公図を取得する方法もあります。法務局の窓口対応時間は、平日の9時から17時までです。
窓口受取の場合、手数料は1筆につき500円となり、収入印紙で納付します。窓口では職員に質問できるため、公図の見方が分からない場合や、どの地番の公図を取得すれば良いか分からない場合でも安心です。
ただし、法務局は平日のみの営業のため、土日や国民の祝日などの休日、年末年始期間(12月29日~1月3日)は取得できません。そのため、仕事などで平日に訪問が困難な場合は、他の方法を検討する必要があります。
なお、窓口での申請書の書き方については後述します。
申請書を郵送して取得する
直接法務局の窓口に行かなくても、申請書を郵送して公図を取得することも可能です。インターネットの環境がない場合や、法務局への訪問が困難な場合に便利です。
手数料は、1筆につき500円分の収入印紙を申請書に貼付します。また、返信用封筒と切手の同封が必要で、申請から受取りまで数日かかります。
申請書に不備があると、さらに時間がかかる可能性があるため、不明点があれば事前に法務局に電話で確認すると良いでしょう。
登記情報提供サービスで取得する
一般財団法人民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」でも公図の取得が可能です。
インターネットで取得でき、平日の8時30分から21時まで利用できます。手数料は1筆につき361円となり、クレジットカードで支払いできます。
法務局より手数料が安く設定されていますが、1日限定の一時利用を除き、事前に申込手続きと利用登録が必要です。申込手続きには約1週間かかるため、事前に登録しておくとスムーズに進められます。
法務局のオンラインサービスよりも手数料が安く、使いやすいため、多くの人が登記情報提供サービスを利用しています。
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公図の申請書の書き方

※出典:地図 地積測量図等の証明書 閲覧 請求書|法務局
公図を法務局の窓口もしくは郵送で取得するには、正しく申請書を記入する必要があります。
公図の申請書の書き方は、以下の手順で進めます。
- 申請者の住所・氏名を記入する
- 種別にチェックを入れる
- 請求する土地の所在と地番、請求通数を記入する
- 証明書・閲覧いずれかにチェックを入れる
- 地図・地図に準ずる図面(公図)にチェックを入れる
- 必要な額面の収入印紙を貼付する
申請書を記入する際は、消せるペンは使用せず、黒のボールペンで記入しましょう。
なお、土地の所在は、住居表示ではなく地番を入力する必要があります。地番が不明な場合は、以下の方法で調べられます。
- 法務局に備え付けのブルーマップで確認する
- 管轄の法務局に電話して教えてもらう
- 登記情報提供サービス内の地番検索サービスを利用する
不動産売却を検討するなら公図の活用が便利
不動産売却を検討している人にとって、公図は非常に便利な資料です。土地の地番やおおよその形状、隣接する土地との関係が視覚的に把握しやすいためです。
建物が建っていて土地の形状が分かりにくい状態でも、公図があれば買主に分かりやすく伝えられます。
また、信頼できる不動産会社に相談することも、不動産売却をスムーズに進めるうえで重要です。ホームズの不動産一括査定を利用すれば、全国の提携している複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。各社の強みや特徴を細かくチェックでき、査定価格も比較検討することができるでしょう。
公図に関するよくある質問
ここでは、公図に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 公図が役立つ場面は何がある?
- 公図に記載はないのに登記簿にあるのはなぜ?
- 公図は市役所や区役所で閲覧できる?
公図が役立つ場面は何がある?
公図は、主に以下のような場面で役立ちます。
- 不動産取引(売買・相続)
- 土地の境界確認
- 建築の計画
- 土地の評価
- 土地の分筆
公図は、土地の地番やおおよその形状を確認したり、隣接する土地との関係を調べたりする際に便利です。
土地に関するさまざまな手続きで公図が利用されており、土地家屋調査士や司法書士などの専門家も、業務で公図を頻繁に利用しています。
公図に記載はないのに登記簿にあるのはなぜ?
公図に記載はないのに登記簿に記載されている土地があるのは、もともと山林で公図が作成されていなかった場合や、作成時の記載漏れなどが理由として考えられます。
公図がない場合、土地の売買や融資の際にトラブルが発生する可能性があるため、測量を行って境界を確定させる必要があります。
公図は市役所や区役所で閲覧できる?
市役所や区役所によっては、公図を閲覧できる場合があります。
ただし、役所によっては閲覧を廃止していたり、最新の情報ではなかったりする可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
公図を取得して土地の状況を把握しよう
公図は、土地の地番やおおよその形状、隣接する土地との関係を把握する際に役立つ図面です。インターネットや申請書の郵送、法務局の窓口などで取得できます。
不動産の売却や建築を検討している人は、事前に公図を取得し、土地の状況を把握しておきましょう。
また、不動産の売却を検討している人は、不動産一括査定サービスを利用すれば、簡単に査定価格を知ることが可能です。
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初回公開日:2025年11月4日
記事執筆・監修
矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)
不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。