年間3万人といもいわれる県外からの沖縄移住者

“沖縄でのんびり暮らしてみたい”…沖縄を旅したことがある人なら、おそらく誰もが一度は夢に見るのではないだろうか。

近年、沖縄は『移住ブーム』に沸いており、年間の県外からの移住者はおよそ3万人とされている。実際に人口増加率も伸び続けており、平成27年4月に発表された総務省統計局の人口推計によると、東京都(0.68%)に次いで沖縄県は全国で2番目(0.40%)にランクイン。埼玉県(0.23%)、神奈川県(0.19%)、愛知県(0.17%)、千葉県(0.08%)、福岡県(0.03%)と、主な都市圏を抑えての高い人口増加率を示しているのだ。

では、実際の沖縄移住生活はどのようなものなのだろうか?長年の夢を実現させた20代夫婦の『沖縄での住まい・仕事・生活』について、2回に渡ってレポートする。

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沖縄県発表の『沖縄県推計人口』

 
 年代(年)  S47~54  S55~62  S63~H7  H8~15  H16~22  H27年5月
 人口数  96万1348人  110万6559人  121万3867人  128万1766人 135万7216人 142万5232人 
 
▲他府県と比べると新生児出生率が高いことでも知られる沖縄だが、
人口増加については県外からの移住者の流入による影響が大きい。
近代都市化のめざましい那覇だけでなく、埋め立てやマンション開発が進む
本島南部エリアの人口増加率も顕著に目立っている
(平成27年5月1日発表『沖縄県推計人口』データより)

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沖縄移住生活=スローライフ、ではない!

沖縄移住生活を発信する情報サイト『沖縄移住ライフハック』の運営者であるみなみのひげさんと妻のピノ子さんが約1年前に東京都心から移り住んだのは、沖縄本島南部。

今回お二人の自宅マンションへお邪魔したのだが、周辺には大型商業施設や公園、広々とした道路が整備されており、新興住宅地然とした街の雰囲気に驚いた。筆者は勝手に“南国ムードたっぷりのあかばなー(ハイビスカス)が咲く田舎町”を想像していたからだ。

「沖縄移住生活というと“赤瓦の古い一軒家でのスローライフ”を連想される方が多いと思いますが、実はそういうケースは意外と少ないんですよ。

やっぱり、もともと都会で暮らしていた人間がいきなりスローライフに切り替えようと思っても、少々無理があります。僕の本心としては“いかにも沖縄らしい家”で暮らしたかったんですが、妻が日焼けや虫が苦手なので(笑)海が見える賃貸マンションを選びました。

僕らが暮らしている沖縄本島南部もそうですが、那覇空港の南部一帯はいま埋め立てや再開発が進んでいて、海沿いにマンションがどんどん建ち始めています。

ここで暮らしていると、都内の生活とほとんど何も変わりません。ただ、リビングの窓を開けて海が見えたときに“ああ…ここは沖縄なんだ”と感じるぐらいですね」(みなみのひげさん談)。

▲念願の沖縄移住を実現して約1年が経つ夫・みなみのひげさん(職業はフリーランスWebデザイナー)と妻・ピノ子さん。<br />自宅マンションにお邪魔したが、一見すると“都内で暮らす新婚さんのマンション”のようなシンプルモダンなお部屋だった。<br />「バナナの木とかハンモックとか、南国っぽいものは何もないんですね?」と問いかけると、<br />「家具はほとんど全国チェーンの大型家具店で揃えたので、<br />室内の風景は東京で暮らしているのと何も変わらないんですよ」とみなみのひげさん。<br />東京生活と違うことといえば「上陸する台風の規模がハンパなく大きいこと」と「冬暖かいこと」ぐらいだそう▲念願の沖縄移住を実現して約1年が経つ夫・みなみのひげさん(職業はフリーランスWebデザイナー)と妻・ピノ子さん。
自宅マンションにお邪魔したが、一見すると“都内で暮らす新婚さんのマンション”のようなシンプルモダンなお部屋だった。
「バナナの木とかハンモックとか、南国っぽいものは何もないんですね?」と問いかけると、
「家具はほとんど全国チェーンの大型家具店で揃えたので、
室内の風景は東京で暮らしているのと何も変わらないんですよ」とみなみのひげさん。
東京生活と違うことといえば「上陸する台風の規模がハンパなく大きいこと」と「冬暖かいこと」ぐらいだそう

子どもの頃の沖縄旅行をきっかけに、17年越しで『移住計画』を実現

▲本島南部、豊見城市『美らSUNビーチ』沿いにひろがる豊崎海浜公園。「沖縄へ来てビックリしたのは、とにかく広くて美しい公園が多いこと。幹線道路もキレイに整備されていますし、まちづくりや公共事業にお金をかけているなぁという印象を受けました」(みなみのひげさん談)▲本島南部、豊見城市『美らSUNビーチ』沿いにひろがる豊崎海浜公園。「沖縄へ来てビックリしたのは、とにかく広くて美しい公園が多いこと。幹線道路もキレイに整備されていますし、まちづくりや公共事業にお金をかけているなぁという印象を受けました」(みなみのひげさん談)

みなみのひげさんが『沖縄への移住』を決意したのは、なんと小学生のとき。家族旅行で初めて沖縄を訪れ、11歳の少年の記憶に“ここに住みたい!”という想いが刻まれたという。

その想いは長年温めていたが、学生時代にめぐり会ったピノ子さんと交際中に“沖縄移住への憧れ”を受け止めてもらい、結婚と同時に沖縄移住を実現した。

「沖縄へ移住するひとのタイプは、『都会好き』と『自然好き』の2つに分かれます。

都会の利便性はそのままに、週末だけ海を感じたいというひとは『那覇』周辺で暮らします。『那覇』周辺であれば仕事のニーズもいろいろありますし、交通網も充実しているので車に乗れなくてもスムーズに生活できるんです。

一方、沖縄の自然が好きでスローライフが大好きというタイプのひとは『石垣島』など離島を目指すケースが多いですね。それと、本島でも『名護』周辺の北部地域や『恩納村』のある中部地域はホテルや民宿が点在するリゾートエリアなので、海の近くで観光業に携わりたいというひとは本島中北部を目指すことが多いようです」(ピノ子さん談)。

つまり、ひとことで『沖縄移住』といっても、自分に合ったライフスタイルを見極めた上で、移住先のエリアを絞り込むことが『沖縄移住計画』の第一歩となるようだ。

近年はプチ不動産バブルに沸く沖縄の『住まい事情』

▲2011年の東日本大震災直後、沖縄県内でも“海の見えるマンション”は一時敬遠されたことがあったが、近年また人気が復活し順調な売れ行きとなっている。※写真は本島中部に位置する北谷エリアのリゾートマンションからの風景(イメージ:本文とは関係ありません)▲2011年の東日本大震災直後、沖縄県内でも“海の見えるマンション”は一時敬遠されたことがあったが、近年また人気が復活し順調な売れ行きとなっている。※写真は本島中部に位置する北谷エリアのリゾートマンションからの風景(イメージ:本文とは関係ありません)

みなみのひげさんご夫妻が沖縄移住の場に選んだのは、那覇空港から車で20分ほどの場所にある2LDK(約60m2)のマンション。那覇都心通勤圏で、家賃は月額7万円、駐車場使用料は月額3,000円だ。

「移住する前は東京都内で暮らしていたので、“やっぱり東京に比べるとマンションの家賃が安いな”とは思いました。

ただ、分譲マンションの価格は意外と高いんです。最近、沖縄の不動産はプチバブルと言われていて、将来の移住を目的にした県外からの購入検討者だけでなく、中国人富裕層の購入検討者も多いと聞いています。

新築分譲マンションの価格を見てみると、3,000万円台~4,000万円台という価格帯が多いので都内の郊外物件とそれほど変わりません。なので、しばらくは賃貸暮らしを続けようと思っています」(みなみのひげさん談)。

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東京からの沖縄移住にあたって、元の職場へ退職願を出し移住が完了するまでの“決断~実行期間”が、わずか2ヶ月だったというみなみのひげさん。妻のピノ子さんと共にダンボール10箱ずつの荷物を持って、いよいよ念願の沖縄移住生活がスタートした。

次回レポート【憧れの沖縄移住生活②】では、沖縄での『仕事』『生活』の現状のほか、『移住に向いている人・向いていない人』の特徴についてご紹介しよう。

■取材協力/沖縄移住ライフハック
http://okinawa-iju.info/

2015年 06月16日 11時05分