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マンション売却の入金タイミングはいつ?注意点や返金対応についても解説

マンション売却は大きな金額が動く取引であり、入金のタイミングや資金管理に注意が必要です。

タイミングを誤ったり、思わぬトラブルが発生した場合、資金計画を変更しなければならなくなるリスクもあります。特に住み替えを検討している人は、入金の流れを正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、マンション売却時の入金タイミングや金額の目安、注意したいリスクや返金対応まで解説します。

この記事で分かること

  • マンション売却時の入金タイミングは一般的に2回
  • マンション売却のお金の流れに関する注意点
  • マンションの売買契約が解除されたときの返金対応
  • マンションの売却代金を住み替えに利用する流れ
  • マンション売却時の入金に関するよくある質問

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▶︎マンション売却の注意点は?売却方法や流れ・費用についても解説

もくじ

マンション売却時の入金タイミングは一般的に2回

マンション売却時の入金タイミングは、一般的に以下の2回に分けられます。

  • 売買契約の締結時
  • 物件の引き渡し時

売買契約の締結時

売買契約時には、買主から「手付金」を受け取ります。手付金はマンション売買代金の5〜10%が一般的で、たとえば6,000万円のマンションなら300万〜600万円ほどです。

支払い方法は手渡しか銀行振込が一般的で、同じタイミングで売主は不動産会社に「仲介手数料の50%」を支払うことが多くなっています。

仲介手数料は「売買価格×3% + 6万円(税別)」(※速算式)が上限と宅建業法で定められているため、たとえば2,000万円での売却なら72万6,000円(税込)が上限になります。

売買契約時は「まとまったお金のやり取り」が発生する重要な場面です。支払う金額の確認や、振込先の管理をしっかり行いましょう。

売買契約時の入金・支払い内容
入金タイミング 売却スタートから3~6ヶ月
手付金の目安額 売買代金の5~10%
仲介手数料の目安額 売買代金×3%+6万円(税別)の半額
金銭授受の方法 現金手渡しまたは銀行振込

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▶︎不動産売却における手付金とは?売買契約における相場・支払うタイミングについて解説

物件の引き渡し時

一般的にマンションの引き渡し時に、売買代金の残金が一括で振り込まれます。

売買代金の残金とは手付金を差し引いた額で、買主の住宅ローン審査や日程調整を踏まえて売買契約から約1ヶ月後が一般的な支払いタイミングとなります。

たとえば、6,000万円でマンションを売却した場合、事前に300万円の手付金を受け取っていれば、引き渡し時に5,700万円が振り込まれる仕組みです。

残金は金額が大きいため、原則として銀行振込で行われます。金融機関で着金確認をしたら、所有権移転手続きへ進みます。

また、同じタイミングで不動産会社へ仲介手数料の残り半額も支払います。

引き渡し時の入金・支払い内容
入金タイミング 売却スタートから4~7ヶ月
売買代金の目安 売買代金から手付金を差し引いた残金
仲介手数料の目安額 売買代金×3%+6万円(税別)の半額
金銭授受の方法 銀行振込

マンション売却時のお金の流れに関する注意点

マンション売却では売買契約から引き渡し、最終的な税金の支払いまで複数のお金のやり取りが発生します。

特に「手付金」や「仲介手数料」、「税金」はタイミングやルールが決まっているため、事前に把握しておくことが大切です。

ここでは、マンション売却のお金の流れに関する注意点を紹介します。

  • 引き渡し完了まで手付金は使用しない
  • 引き渡し時の入金は時間がかかりやすいケースがある
  • 仲介手数料は2回に分けて支払う必要がある
  • 売却益が発生したら税金を納める必要がある

引き渡し完了まで手付金は使用しない

マンションの売買契約で受け取る手付金は、引き渡しが完了するまで使用しないことが重要です。なぜなら、契約途中で解約が発生するリスクがあるからです。

手付金とは買主が売主に支払う「契約成立の証」であり、売買代金の一部でもあります。不動産売買契約には「解約手付(かいやくてつけ)」というルールがあり、売主・買主双方の事情で契約を解除することが認められています。

たとえば、売主の都合で契約を解除したい場合は、受け取った手付金の2倍を買主に支払えば解除が可能です。もし手付金を使ってしまっていた場合、2倍の金額を準備することが難しくなり、解約できない状況に陥るリスクがあるでしょう。

また、売買途中でマンションの欠陥が判明し、契約解除や修繕が必要になるケースもあります。

手付金は最終的に売主の資産になるものの、マンションの引き渡しが完了するまでは「預かり金」として扱うことが大切です。

引き渡し時の入金は時間がかかりやすいケースがある

マンション売却代金の全額が入金されるタイミングは、売買契約後すぐではなく引き渡し時となり、想像以上に時間がかかるケースがあります。

理由として、まず買主側の住宅ローン審査が大きなハードルになる点が挙げられます。マンション購入には多くの場合、金融機関の住宅ローンを利用します。

ローンの本審査には通常7日〜10日ほどかかり、書類の不備や追加の確認事項が発生すると、さらに日数が延びる可能性があります。

さらに、売主・買主の双方が立ち会う「引き渡し日」の調整も、思いのほか時間がかかる要因となります。特に、仕事の都合や休日が異なる場合、両者のスケジュールを合わせるだけでも数週間かかることは珍しくありません。

加えて、引き渡しの場では買主による最終確認が行われます。たとえば「設備が説明と違う」「室内に不具合が見つかった」など、問題が発覚した場合はその場で対処が必要となり、支払いが先延ばしになることもあり得ます。

したがって、マンション売却代金の入金は「売買契約から2〜3ヶ月後」になることも珍しくありません。スケジュールには余裕を持ち、入金を見越した資金計画を立てることが大切です。

仲介手数料は2回に分けて支払う必要がある

不動産会社への仲介手数料は「2回に分けて支払う」のが一般的であり、国土交通省の行政指導による業界の慣習で、トラブル防止を目的に定められています。

売買契約後には「代金決済」や「所有権移転登記」、「マンションの引き渡し」といった重要な手続きが控えています。途中でキャンセルやトラブルが起きる可能性はゼロではなく、売買契約を結んだ時点ではまだ取引は未成立といえます。

具体例として、売主と買主が売買契約を交わし、手付金の受け渡しが完了した後でも、買主の住宅ローン審査が通らなかったり、物件の不備が見つかったりして契約解除になるケースが挙げられます。リスクを考えたときに、最初から仲介手数料を全額支払ってしまうと「返金トラブル」に発展する可能性が少なくありません。

なお、法律上は売買契約の成立時点で不動産会社に仲介手数料の請求権が発生するため、途中解約となった場合でも支払った分は原則返還されない点には注意が必要です。

売却益が発生したら税金を納める必要がある

マンション売却をして売却益が出た場合、翌年の確定申告で税金を納める必要があります。売却益とは、売却価格から購入時の費用(取得費)や売却にかかった諸費用を差し引いた残りの金額のことであり、「譲渡所得」と呼ばれます。

税金を納める理由は、マンション売却で得た利益も「所得」の一つとみなされるからです。 例えば買主に3,000万円で売却した場合でも、購入時に2,000万円かかっていたなら、差額の1,000万円が課税対象となります。

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▶︎マンション売却で確定申告が必要なケースは2つ! 控除・特例から計算方法まで解説

マンションの売買契約が解除されたときの返金対応

マンションの売買契約は、締結後でも状況によっては解除されるケースがあります。解除理由によって、買主が支払った手付金の返金が必要かどうかは異なるため注意が必要です。

一般的に考えられる解除のケースは以下の3つです。

  • 「買主の個人的な都合による解除」の場合
  • 「契約の特約条件に当てはまる解除」の場合
  • 「契約不適合責任による解除」の場合

「買主の個人的な都合による解除」の場合

買主の個人的な都合でマンション売買契約を解除する場合、原則として売主は手付金を返金する必要がありません。買主は、支払った手付金を放棄することで契約解除できます。

契約時に支払った手付金を買主が放棄、または売主が倍額を支払うことで契約解消できるルールで、これを「手付解除」と呼びます。不動産売買契約書にも、手付解除の内容が明記されていることが一般的です。

たとえば、買主の転勤や住宅ローン審査に通らなかったなどの理由で「やはり購入をやめたい」となった場合、手付金を諦めれば解除が可能です。なお、売主が受取った手付金は一時所得として課税対象になります。

ただし、注意したいのが契約の履行のタイミングです。履行とは、売主が買主のためにリフォームを行ったり、買主が売買代金を支払ったりなど、契約を実現する行動を指します。履行後は原則キャンセルはできません。

「契約の特約条件に当てはまる解除」の場合

特約条件に基づく契約解除では、買主が支払った手付金は全額返金されるのが一般的です。

特約条件とは、あらかじめ売買契約書に盛り込まれる特別な取り決めのことです。たとえば「住宅ローン特約」や「買い替え特約」が代表例で、想定外の事態が起きた場合に買主を守るためのものだといえます。

住宅ローン特約は、買主が金融機関の審査に落ちて住宅ローンを組めなかった場合に契約を無条件で解除可能です。マンションを購入予定だった買主がローン審査に落ちた場合、住宅ローン特約を使えば手付金は売主から全額返還され、違約金なども一切発生しません。

買い替え特約は、買主が現在住んでいるマンションを売却できなかった場合、新しく契約したマンションの購入を白紙解除できる仕組みです。たとえば「◯月◯日までに現在のマンションを3,000万円以上で売却できなければキャンセル可能」というように、具体的な条件を契約書に記載します。

特約条件による解除は、買主・売主どちらも余計な損害を受けずに契約を解消できるのがメリットです。

「契約不適合責任による解除」の場合

「契約不適合責任による解除」の場合、売主は買主へ手付金を返金する必要があり、場合によっては修理費などの費用負担も求められます。

契約不適合責任とは、売買契約の内容通りの物件を引き渡さなかった場合に、売主が負う法律上の責任のことです。たとえば、契約時には説明されなかった雨漏りや構造上の欠陥といった「瑕疵(かし)」が後から見つかった場合、売主の告知義務違反となります。

買主は修理や補修を請求しますが、売主が対応しない場合は契約解除を選択し、支払った手付金やその他の費用を返金してもらうことが可能です。

なお、契約不適合責任の追及には期限があり、民法上「買主が不具合に気付いてから1年以内」に請求しなければなりません。

【あわせて読みたい】
▶︎契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや免責についてわかりやすく解説

マンションの売却代金を住み替えに利用する流れ

マンションの売却代金を住み替えに利用する場合、主に以下3つの流れがあります。

  • 売り先行の場合
  • 買い先行の場合
  • 同時進行の場合

売り先行の場合

売り先行とは、現在住んでいるマンションを売却し、売却代金を使って新居を購入する方法です。

売却代金を受け取ってから新居を購入するので、資金計画に無理が生じにくくなります。特に、住宅ローンの残債がある場合でも、売却資金で返済できるため安心です。

また、マンションを所有している間は管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかりますが、先に売却することで費用負担を軽減できます。

ただし、マンション売却後から新居が見つかるまでに時間がかかる場合は仮住まいが必要であるほか、新居の購入が遅れるほど家賃の支払いが増える点がデメリットです。

さらに、現在のマンションから仮住まいに引っ越し、その後新居に再度引っ越す必要があるため、引っ越し費用や手間が2回分かかってしまいます。

売り先行は、確実な資金計画を立てて住み替えをしたい人や、自己資金に余裕がない人に向いています。

買い先行の場合

買い先行は新居を先に購入してから現在のマンションを売却する方法で、買いたい物件を見逃す心配がなく、気に入った物件を確保できます。

ただし、購入の際に必要な資金がまだ手に入らないため売却前にローンを利用することが多く、「二重ローン」のリスクが高くなります。

二重ローンとは、新居と旧居の2つの住宅ローンを同時に返済する状態のことで、毎月の支出が大幅に増え、家計を圧迫する原因の1つです。

また、売却が長引けば旧居の管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかり続けます。

買い先行は資金的なデメリットが多いため、どうしても購入したい物件がある場合や資金に余裕がある人に向いている方法です。

同時進行の場合

同時並行は、現在のマンションの売却と新居の購入を同時に進める方法です。

住み替えをする際は、現在のマンションを引き渡したすぐ後に住み替え先の引き渡しを受けるのが理想的といえます。

しかし、売却と購入の同時並行はタイミングを合わせるのが難しいため、先に紹介した売り先行か買い先行になるケースが大半です。

マンション売却時の入金に関するよくある質問

ここでは、マンション売却時の入金に関するよくある質問を紹介します。

  • 買主がなかなかお金を払ってくれないときの対処法は?
  • ローン残債があるマンションを売却したら銀行への連絡は必要?
  • 決済・引き渡し時に起こり得る入金のトラブルは?

買主がなかなかお金を払ってくれないときの対処法は?

買主が決済日に残代金を支払わない場合、売主は「残代金を請求する」か「契約を解除する」かの対応を選ぶことができます。まずは口頭や書面で支払いを催促し、それでも支払われない場合は訴訟での請求も可能です。

契約を解除する場合は決済期日後に履行の催告を行い、それでも支払いがなければ解除の意思表示をします。内容証明郵便で通知すると、後々の証拠にもなるため有効です。

ローン残債があるマンションを売却したら銀行への連絡は必要?

ローン残債がある場合、必ず融資を受けている銀行への連絡・手続きが必要です。

なぜなら、銀行が融資の担保としてマンションに設定する「抵当権」が残ったままになっており、売却するには抵当権を抹消する必要があるからです。

スムーズな売却・決済のためにも、マンション売却が決まった段階で早めに銀行へ相談し、手続きの流れを確認しましょう。

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▶︎抵当権とは?設定されるタイミングや必要な手続きを分かりやすく解説

決済・引き渡し時に起こり得る入金のトラブルは?

決済・引き渡し時に起こり得る入金トラブルとして、買主側の金融機関でローン実行が遅れ、入金が予定時間を過ぎてしまうことが挙げられます。

ローン実行が遅れると、売主の住宅ローン返済や抵当権抹消手続きも遅れ、引き渡し予定日に完了しない事態に発展するでしょう。また、金額の入力ミスや送金先口座の誤入力といった人為的なミスが起こるケースもゼロではありません。

トラブルを防ぐためには決済当日に金融機関・不動産会社・司法書士などとしっかり連携を取り、事前確認を徹底することが大切です。

マンション売却時には入金のタイミングとリスクを押さえておこう

マンション売却では、入金のタイミングやお金の使い方に注意が必要です。特に、手付金は引き渡し完了まで使わず、万が一のトラブルにも備えましょう。

また、売却益には税金がかかる場合もあり、資金計画は慎重に立てることが大切です。

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記事執筆・監修

新川 優香(あらかわ ゆうか)

大学卒業後、不動産仲介業務に従事し売買を経験。現在は不動産賃貸の事務職に従事。不動産売買仲介から賃貸仲介、物件管理に関わる執筆経験もあり。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級の資格を保有。