ウォーカブルな街が、持続的な都市の発展を創り出す

歩きたくなる街とは、どのような街だろうか。迷いそうになりながら路地を曲がり、奥にひっそりと佇む店を見つけること。人々が行き交う商店街、八百屋の主人と話して、おすすめの野菜から夕飯の献立を考えること。これらは”歩き”でないと遭遇できない街での体験だ。

一方、高度経済成長期の日本以降、道路の建設や工事により、地域同士を結ぶインフラが整備され発展されてきた。目的地に車で向かうことが容易になり、それはビジネスや観光の大きな力となっている。
しかし、小さな単位でのまちの中での活性を考えた場合、車での移動は、道すがらに目が留まらない。全国で多くなってしまった商店街の衰退の一端は、車社会が生み出したものでもあるようだ。一方で、街路を歩き目的地へ向かう場合、道すがらどのような店があり、音が聞こえ、匂いがするのか、五感から情報が入ってくる。歩くことで、さまざまな体験が生まれていく。
近年、また「歩けるまち」に注目があつまり、「人にやさしいまちづくり」や「歩いて健康なまちづくり」など、各地でその実現が模索されてきている。

地域の発展……という観点からはどうであろうか。
車のための大きな道路を結ぶ商圏として、駐車場併設の大型ショッピングモールがあげられる。大型施設のテナントは比較的高い賃料を支払えるナショナルチェーンで占められるため、小商いの出店はハードルが高い。賑わっているうちは良いが、人口減少による売上が期待できなくなったとき、これらのテナントが撤退し、巨大なハコが残るのみとなってしまう。

一方で歩ける街では、メインの歩道には商店がならび、一歩入ると路地がある。大通りには比較的大きな店が並ぶかもしれないが、一歩路地に入れば賃料は安くなるため、小資本でも店が出せる。小さな商いが生きれるまちは、若い人たちの参加のハードルを下げ、またその地で生かされてきた店は地域を盛り上げ、取組んでいくだろう。歩行者中心のまちづくりは、小商いの発生や発展を促し、全国どこにでもある画一的な街ではない、そこにしかない個性的な街をつくる一助となる。歩きたくなる街とは、持続的な都市の発展の支える重要な要素であるのではないだろうか。

歩きたくなる街の分析や、歩きたくなる街づくりを通して持続的な都市の発展に取り組む事例記事を改めて紹介したい。あなたの街でも、今日からできる取組みがあるかもしれない。

車の通れない路地裏には、歩くことでしか見つけられない発見がある車の通れない路地裏には、歩くことでしか見つけられない発見がある

2020年 10月20日 11時05分