風呂好きな日本人の憧れ「露天風呂」

青空の下、満点の星空の下、いつでもどこでも気軽に入れる露天風呂は最高!青空の下、満点の星空の下、いつでもどこでも気軽に入れる露天風呂は最高!

毎年6月26日を「6.26(ロ・テン・ブロ)」の日とし、岐阜県の奥飛騨温泉郷や大分県の耶馬溪温泉などでは温泉郷内の指定露天風呂を無料開放したり、各種イベントを開くなど盛り上がりをみせている。その普及の背景にあるのが、風呂好きで知られる日本人の国民性。特に露天風呂への憧れは大きく、温泉・風呂好きな人なら、毎日でも入りたいと思う人も多いのでは。しかし、頻繁に温泉へ出かけられる余裕がある人は少ないだろう。
もしも自宅に露天風呂があったら…、想像してみるだけでワクワクするが、実際にリフォームとなるとランニングコストやメンテナンスの面で、二の足を踏む人がほとんどだろう。しかし、そんな夢を叶えてくれるグッズが販売されているのである。
愛知県岡崎市にある手作りキットを企画・販売するアウベルクラフト株式会社では、自宅で手軽に露天風呂が楽しめる「露天風呂キット」なるものを販売している。大掛かりな設置工事は必要なく、メンテナンスも簡単。同社の人気商品だというこのキットについて詳しく探ってみた。

はめ込み式のキットだから組み立て・分解は10分程度で完成

檜製風呂桶、内袋、薪焚き式風呂釜、煙突などが一式そろって11万8,900円(税込、送料1,860円含む)。ちなみに風呂桶の檜は香りの高い国産を使用し、内袋には人体に無害なエコターポリンを使用している檜製風呂桶、内袋、薪焚き式風呂釜、煙突などが一式そろって11万8,900円(税込、送料1,860円含む)。ちなみに風呂桶の檜は香りの高い国産を使用し、内袋には人体に無害なエコターポリンを使用している

まずは気になる「露天風呂キット」の詳細をお伝えしておこう。

風呂桶のサイズは
外寸:75×110×高さ69cm、内寸:55×90×深さ55cm(大人1人+子ども1人)の標準タイプと
外寸:110×110×高さ69cm、内寸90×90cm(大人2人)のゆったりタイプの2種類。

はめ込み式の木の枠を組み立て、その内側に袋状の内袋を設置。ホースや蛇口、バケツなどで水を汲み入れ、薪焚き用の釜を取り付けて焚きつけるといった商品だ。この露天風呂キットの大きな特長は、組み立て・分解がたった10分ほどでできるということ。最初は手順などを確認しながら行うため、もう少し時間はかかりそうだが、はめ込み式になっている20枚の木の枠をやぐらのように順番に下から組み合わせていくだけで風呂桶ができあがるので、初めてでも30分もあれば組み立てが可能だ。必要なのはドライバー1本だけ、特別な工具も技術もなし。筆者も木を持たせてもらったが、想像以上に軽く女性一人でも組み立てができそうだと感じた。

間接照明を使えば自宅が庭園風呂に! 屋上やベランダにも設置可能。

何でも手作りするのが好きという同社の代表取締役・柴田正則氏にお話を伺った。

「アウトドア好きな仲間うちで、檜で作った露天風呂ができたらいいよね~という話で盛り上がったのがきっかけで、この露天風呂キットが誕生しました。さらに屋外で使えるものができたら楽しいだろうなと考えました」。とはいえ、「最初は、木をピシッと組んで水漏れしないようにしなくてはいけないという直線的な考えでいたんです。檜の風呂というと職人技が必要になってきますし、パッキンを入れたり、ねじで止めたりする仕様だと大変でコストも上がる。素人でも簡単にできる方法を模索していました」と柴田氏。ある時、カヌーを浮かべるためのプールにポリエステルと樹脂でできたターポリン製の内袋が使われているのを見て、露天風呂にも応用できる! と考え、試作品第一号ができあがったという。

自宅の庭に設置すれば、気軽に庭園風呂が楽しめるこのキット。「そこまで手入れの行き届いていない庭でも、夜になって間接照明だけにしてみると、余計なものが見えなくなるのでまるで高級旅館の庭園風呂みたいな雰囲気になるんですよ」と柴田氏。購入者のなかには20階建てのマンションのベランダで大パノラマを満喫している人もいるのだとか。
釜で薪をくべてお湯を沸かすタイプには煙突があり、ゆらゆらと煙がでる様子も風情があって楽しいが、ベランダや屋上などで使用する場合には、煙など配慮が必要だ。この場合、風呂桶だけの給湯タイプにすれば、薪を焚くこともないので近隣への煙の心配もない。
少数ではあるが、リフォームの際、自宅のバスルームに常設する人もいるのだとか。檜の浴槽を設置するとなるとおよそ20万~60万。工賃をプラスするとなかなか値が張るし、メンテナンスが大変だ。それに比べると、自分で組み立てできるこのキットなら11万8,900円(税込、送料1,860円含む)と手軽で安く仕上げることができるという点が評価されているようだ。

写真左上から時計回りに。最下段の枠を組み底板をはめ込んでから、上部へと一枚ずつ檜の板を組み上げていく。内袋をセットしたら、釜をセットして完成。あとは薪をくべてお湯を温めれば露天風呂の出来上がり!写真左上から時計回りに。最下段の枠を組み底板をはめ込んでから、上部へと一枚ずつ檜の板を組み上げていく。内袋をセットしたら、釜をセットして完成。あとは薪をくべてお湯を温めれば露天風呂の出来上がり!

アウトドアでは満点の星空の下、野趣あふれる露天風呂を満喫!

伊那谷にあるキャンプ場で露天風呂を満喫! 壮大な景色に抱かれて開放的な気分を味わえそうだ伊那谷にあるキャンプ場で露天風呂を満喫! 壮大な景色に抱かれて開放的な気分を味わえそうだ

簡単に組み立て・分解ができ、重量も35kg(通常タイプ)というこのキットは、持ち運びができるのでアウトドアで使用する人も多いのだとか。山やキャンプに持って行って、大自然の中で露天風呂を楽しむ。好きな場所で思う存分、風呂を満喫できるというのは魅力だ。
「山の澄んだ湧き水を利用して、南アルプスの北岳を臨みながら露天風呂に入ったときは、もう最高でしたね。お湯が温まってくると檜の香りがたってきて、本当に気持ちがいいんですよ。普通じゃ入れないような場所で入るというのがたまらないという、お客さんの声もたくさんいただきます」(柴田氏)

気になるメンテナンスについて聞いてみた。
「この露天風呂キットは元々どこかに持って行って組み立て、分解して持ち帰るというコンセプトで開発しました。ですから一番良いのはその都度、乾燥させ分解して家の中などで保管するか、内袋を外し風呂桶を乾燥させ、紫外線や雨などを防ぐカバーを掛けた状態で保管していただくと安心です」とのこと。

風呂桶は檜製のため水濡れには強いが、屋外で風雨や日光に長時間当たれば劣化してしまう。室内で保管し、風通しを良くしておくのが長持ちの秘訣だろう。内袋の汚れが気になる場合は、柔らかいスポンジを使い、中性洗剤で洗えば大丈夫とのこと。また、風呂桶の木枠が割れたり腐ってしまった場合や、内袋が破れてしまった場合など、交換部品を補修用に販売しているので安心して使えそうだ。

薪で焚いたやわらかなお湯につかれば自然とコミュニケーションが生まれる

山で、川で、使い方はさまざま。家族や友達と交代で体を温めながら、裸の付き合いというのもいい山で、川で、使い方はさまざま。家族や友達と交代で体を温めながら、裸の付き合いというのもいい

「今はスイッチひとつでお風呂の湯が沸く時代。でもこうして薪をくべながらお湯を沸かすお風呂というのは、入る人の好みの温度を考えたりしながら、その人の為にお湯をわかしてあげるという気持ちが自然と湧き上がってくるんです。お風呂に浸かっている人は『いい湯だな~』なんて言いながら、心もとろけていくんですよね」と、柴田氏。

薪で焚いたお湯は柔らかく、遠赤外線効果で体の芯から温めて湯冷めしにくいという。お湯につかって身も心もゆるゆるになれば、自然と会話が生まれる。檜の香りに包まれながら夏は冷たいビール、冬は雪見酒と、季節を間近に感じながら365日24時間、予約いらずでいつでも入れる露天風呂は最高に気持ちいいに違いない。


取材協力・写真提供/アウベルクラフト株式会社 http://www.auvelcraft.co.jp/

2015年 06月26日 11時09分