自宅の庭に石窯があったら…。冷凍ピザも驚きの美味しさに! DIYでできる石窯キット

左がセメントで固める常設タイプ(\54,600)。右はミニキット(\33,900)。建物から1.5Mほど離して設置。土台の据え付け台はオプションとなる。※金額は送料別左がセメントで固める常設タイプ(\54,600)。右はミニキット(\33,900)。建物から1.5Mほど離して設置。土台の据え付け台はオプションとなる。※金額は送料別

ヨーロッパでは一般家庭にも小型の石窯を置いている家が多く、庭などに設置してピザやパンを作って楽しむことは珍しくない。
「石窯でパンやピザを作ると、本当にビックリするくらい美味しくできるんです。調理しながら会話も弾むし、子どもたちも喜ぶんですよ」と語るのは、手作りキットを制作・販売する株式会社アウベルクラフトの代表取締役柴田正則氏。
前回、露天風呂を自分で作れる手作りキットの紹介をしたが、今回は同社の「石窯キット」を紹介してみたいと思う。

そもそも、このキット、販売目的で作られたものではなかったという。
柴田さんは、キットができた経緯をこう話す。
「最初は、単純な好奇心です。レンガを組み立てて石窯ができるらしい、それならやってみよう!と仲間うちで盛り上がって作ってみた。当時は、アウベルクラフトのアウトドアクラブや、子どもが会員となっているジュニアクラブがあり、みんなを集めて作った石窯で冷凍ピザを買って焼いてみたんです。すると、想像以上に美味しい! みんな大喜びで、その後はピザパーティを開いたりキャンプにレンガを持って行って料理を楽しんだりしていました。これだけみんなが喜んでくれるのなら、誰でも作れるキットにしたら喜ばれるのではないか、そう思ったんです」

セメントで固めないタイプのミニキットなら、分解・持ち運び可能

こちらはミニキット。写真左上:土台となるブロックは好みの高さになるよう自分で購入。右上:耐火レンガをUの字になるよう積み上げていく(常設タイプはセメントで固定)。右下:天井となる石板2枚を設置。左下:前面カバーはオプション。パンを焼くときには必要となる。こちらはミニキット。写真左上:土台となるブロックは好みの高さになるよう自分で購入。右上:耐火レンガをUの字になるよう積み上げていく(常設タイプはセメントで固定)。右下:天井となる石板2枚を設置。左下:前面カバーはオプション。パンを焼くときには必要となる。

柴田氏らがキットを作るにあたって、一番大切にしているのは「キットですべて完結する」ことだとか。
つまり、石窯キットさえあれば消耗品以外は何も必要ないということだ。
石窯を作るときに必要なレンガやセメントなどの材料だけでなく、セメントを塗るときのコテや、目地の厚さを測るゲージ、ピザスコップ、薪をくべるときの火バサミなどの道具も自分でそろえる必要がないのが嬉しい。

組み立て方のDVDもセットになっているので、DIY初心者でも作れるという。
常設タイプの場合、制作には二日間必要で、まず一日目で石窯の天井以外のレンガを組み立て、セメントで固める。そして、二日目に天井の制作だ。
「作業的には一日で簡単に組み立てできますが、セメントが完全に乾いていない状態でアーチのある天井をつけてしまうと、アーチの重さで壁面が崩れてしまうんです。」(柴田氏)

2000年から販売開始したこの石窯。購入する人の中には意外に女性もいるのだとか。DIY未経験の女性でもできる手軽さが受けているのだろう。石窯が実際どれくらいの大きさなのか、どんな作りなのか自分の目で見て確かめてみたいと、わざわざ遠くから訪れる人が増え、自宅でパン作りをしてきた方が「今年こそは石窯で!」と、キットを購入するという。

キットは常設タイプが人気だが、キャンプなどに持っていきたい人や、庭にずっと設置しておくことができないという人向けに分解・持ち運び可能なミニ石窯キットも販売している。ミニキットとは言っても、Mサイズのピザは十分焼けるくらいの大きさで、セメントで固めない分、常設タイプよりずっと手軽にできる。

約400度の高温と遠赤外線効果で料理が格段に美味しくなる

薪を燃やし始めると、最初はすすで石窯の内側が黒くなるが、温度があがってくると「すす切れ」の状態となり、内側全体が白くなってくる。こうなったら、焼ける合図! 薪を取り出して食材を投入しよう。薪を燃やし始めると、最初はすすで石窯の内側が黒くなるが、温度があがってくると「すす切れ」の状態となり、内側全体が白くなってくる。こうなったら、焼ける合図! 薪を取り出して食材を投入しよう。

キットで石窯を作ったら、まずは定番のピザを焼いてみるのがオススメだ。
ピザやパンは、まずはあらかじめ窯の中で1時間ほど薪を焚き、この間にピザ生地を発酵させる。石窯の内側の壁全体が白くなったらピザ投入! 400度以上の高温で焼いたピザやパンの特長は、表面はパリッとしていて、トッピングした野菜などはとてもジューシーに仕上がるという。強い遠赤外線が食材を包み込み、旨みや水分を閉じ込め、効率よく焼き上げることができるのだ。
これはガスや電気のオーブンでは決してできない高温と、遠赤外線効果による美味しさ。「外側と内側から同時に熱が加わり、短い時間でふっくらしっとりおいしく焼き上げることができるんです」と柴田氏。さらに薪の香ばしい香りも漂い、「同じ材料でなんでこんなに違うのか!」と思えるくらい驚くほどの違いがあるそう。

食材が焼けていく様子を見ながら家族や仲間でテーブルを囲めば、自然とテンションも上がる。
「バーベキューなど、屋外で料理すると、お店で食べる以上にすごく美味しいと感じる方が多いと思います。屋外で調理して食べるという開放感も美味しさのスパイスとなっているのでしょうね」(柴田氏)

便利な時代にあえて石窯を作りピザを焼く。その理由とは?

アウベルクラフト代表の柴田正則氏。弟の隆二氏ととともにワクワクする手作りキットの企画・販売をしている。アウベルクラフト代表の柴田正則氏。弟の隆二氏ととともにワクワクする手作りキットの企画・販売をしている。

「石窯は電気やガスオーブンのように温度管理が簡単ではありません。時には思うようにできないことも。でもそれが石窯、そして手作りの楽しみとも言えます」と柴田氏。
また、キットを作ってみて、この便利な時代にわざわざ石窯から自分で作って時間をかけてピザやパンを焼いてみたいという人が、本当にたくさんいるんだと感じたという。
「僕らが届けたいのは“モノ”ではなくて“心”です。家族や仲間と『美味しいね』『楽しいね』と会話を楽しみながら一緒になってひとつのものを作る、そんな楽しみ方ができるのが石窯の魅力でもあると思います。心温まるシーンを思い浮かべながら作ったキットが、少しでも豊かな生活の一助となれば嬉しいですね」と話す。

同社では、石窯キット以外にもコーヒー豆の焙煎キット、ビールやワインを作るキット、燻製キットなど生活が楽しくなるキットを企画・販売している。この時期だと心太(トコロテン)キットなども人気なようだ。

石窯料理はまさにスローライフそのもの

ピザやパン以外にも石窯でできる料理は幅広い。
焼き芋や焼きトウモロコシなどはもちろん簡単にできるが、石窯はいわゆる「オーブン」なので、これ以外にもダッチオーブンなどを利用してローストビーフやタンドリーチキン、ポトフやアップルパイなど一日かけて石窯料理のフルコースを楽しむこともできそうだ。

石窯を使うことはまさに「スローライフ」そのもの。お金を出してプロの作ったものを買える時代に、自分で作る喜びを味わえるというのは逆に贅沢なことなのかもしれない。
梅雨明け、アウトドアが楽しくなってくる季節。自宅の庭に石窯を置いて、のんびりスローライフを楽しんでみるのはいかがだろう。

いろいろな料理にチャレンジしてスローライフを満喫!いろいろな料理にチャレンジしてスローライフを満喫!

2015年 07月15日 11時06分