
土地を売るときに気になるのが、売却期間がどのくらいかかるのかという点です。不動産は、「売却前」「売却中」「売却後」の各ステージごとにかかる期間が異なるため、それぞれの段階で要する期間を知っておく必要があります。
この記事では、土地売却にかかる期間について分かりやすく解説します。これから土地の不動産売却を検討されている方はぜひ、参考にしてください。
この記事で分かること
- 土地売却にかかる期間と流れ
- 土地売却の期間が通常よりも長引く原因
- 土地売却の期間を短くするコツ
- 土地売却ならホームズの一括査定がおすすめ
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▶︎土地売却の基礎知識まとめ!土地を売る方法や税金・流れ・注意点を解説
もくじ
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土地売却にかかる期間は約6~9ヶ月未満

個別の状況によって異なるものの、土地売却にかかる期間は約6〜9ヶ月未満が多くなっています。
- 6~9ヶ月未満が全体の約2割
- 土地の平均売却期間は79日
ここからは、LIFULL HOME'Sが独自に実施したアンケート調査や公的機関などのデータから土地売却にかかる期間について解説します。
6~9ヶ月未満は全体の約2割
LIFULL HOME'Sが不動産売却経験者3,000人に対して実施したアンケート『住まいの売却データファイル』によると、家や土地など不動産の売却にかかる期間は「約6ヶ月以上〜9ヶ月未満」が19.7%で最も多いという結果でした。

※参考:不動産売却にかかる平均期間とは?3,000人の声をもとに早く売る方法を解説
次に「3ヶ月以上〜6ヶ月未満(18.5%)」が同程度であり、3位には「3ヶ月未満」と早期に売却できた人も16.7%存在します。このように9ヶ月以内に売却できた人が5割程度いることがわかります。
とはいえ、不動産は立地条件によって売れるスピードには違いがあり、駅から遠いなど利便性の低い不動産はなかなか売れないことも少なくありません。
上記のアンケートでも、売却までに9ヶ月以上〜2年未満かかったケースは全体の約3割を占めており、売却期間は不動産の条件により幅があるといえます。
土地の平均売却期間は79日
東日本不動産流通機構(レインズ)のデータによれば、土地売却の場合、 登録から成約に至る日数は79日(2023年)となっています。
年度別で見た、レインズの登録から成約に至る日数の比較は以下の通りです。
【土地の登録から成約に至る日数】
| 年度 | 登録から成約に至る日数 | 前年比 |
| 2023年度 | 79.0 | ▲5.6 |
| 2022年度 | 83.6 | ▲21.3 |
| 2021年度 | 106.3 | ▲4.2 |
※参考:首都圏不動産流通市場の動向(2023年)|東日本不動産流通機構
2022年は83. 6日、2021年度は106. 3日となっており、直近3年間の平均売却期間は年々短くなっています。
土地売却にかかる期間を段階ごとに紹介

次は、土地売却にかかる期間を段階ごとに見ていきましょう。
- STEP1.必要書類の準備・情報収集:約2週間
- STEP2.不動産会社への査定依頼・媒介契約:約1〜2週間
- STEP3.土地の測量(必要な場合):約3ヶ月
- STEP4.売却活動:約1〜3ヶ月 など
- STEP5.買主との売買契約:約1ヶ月
- STEP6.決済・引渡し:約1ヶ月
なお、土地売却の詳しい流れは以下の記事でも紹介しているので、あわせてご参考ください。
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▶︎土地売却の流れ8ステップ!費用や税金・注意点も解説【図解付き】
STEP1.必要書類の準備・情報収集:約2週間
土地を売却する際には事前準備として、必要書類の収集や境界線・所有者の確認などが必要です。
また、売る予定の土地と同じエリア内にある類似物件の取引価格を調べるなど、さまざまな情報も収集します。これらの必要書類の準備・情報収集にかかる目安期間は約2週間です。
STEP2.不動産会社への査定依頼・媒介契約:約1〜2週間
不動産会社に査定依頼をして媒介契約を結ぶまでには約1〜2週間程度かかります。
土地を売却する際は、不動産会社の担当者が実際に現地を訪ねて査定をし、どのくらいの価値があるのかを試算します。早ければ数日程度で査定結果が出ますが、日程調整や資料収集などでさらに時間がかかることも少なくありません。
査定結果を知った上で、信頼できる不動産会社が見つかったら媒介契約に進みます。 売買の場合、売主は不動産会社と「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」のいずれかを契約することになります。
媒介契約の内容により、不動産会社の報告義務などが違うため、契約種類を選ぶ際にはしっかり検討した上で契約することが必要です。
STEP3.土地の測量(必要な場合):約3ヶ月
土地の測量が必要な場合は、さらに3ヶ月程度かかります。
土地を売るときには確定測量図を買主から求められる場合が多く、土地家屋調査士や測量士に依頼して面積を正確に測ります。
フェンスがある場合にはそこを境目と見なす場合がありますが、塀など土地の境界線の目印となるものがないケースでは土地の測量が必要です。土地の測量費用の相場目安は、個人や法人が所有する民有地の場合、30〜60万円程度となります。
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STEP4.売却活動:約1〜3ヶ月
売却活動に要する期間は、スムーズに進んだ場合で約1〜3ヶ月程度です。土地の立地条件が悪い場合は、さらにかかるケースもあります。
不動産会社の担当者の力量にも左右されるため、土地売却の実績が豊富で信頼できる会社を選びましょう。
年度末の1〜3月は最も売りやすいシーズンといえるので、この時期にあわせて売出すことで買主が早く見つかる可能性が高まります。
STEP5.買主との売買契約:約1ヶ月
買主が見つかった後、売却価格など諸条件について話し合いを行い、売買契約を締結するまでにはおよそ1ヶ月程度が見込まれます。双方の条件が合致しないときは、さらに長引くこともあるでしょう。なお、買主との売買契約自体は通常1日で完了します。
不動産売買では売買契約と引渡しを別日で行うことが一般的であり、最初に売買契約を締結します。契約にかかる時間は約2時間程度です。
重要事項の説明を受けた後に土地売買契約を締結し、買主から手付金を受取ります。
STEP6.決済・引渡し:約1ヶ月
決済・引渡しは売買契約の締結後、1ヶ月ほど空けてから行うことが一般的です。
ローンを使用する買主の場合は、この間に審査を受けることになります。なお、住宅の建築や取得をしない土地の購入の場合は、住宅ローンを利用できません。
決済と引渡しは同時に行うのが基本です。買主が代金を支払ったら、すぐに売主が登記名義移転と引き渡しを行います。同時に行うことで、トラブルを防げるでしょう。
土地売却の期間が通常よりも長引く原因

土地の売却は想定よりも期間が長引くことがあります。 その際の主な理由としては、以下が挙げられます。
- 立地が悪い
- 土地の境界があいまいである
- 売出し価格が相場に合っていない
- 地方かつ利便性が低い物件である
- 売却する時期が悪い
立地が悪い
土地が売れない原因として真っ先に挙げられるのが、立地の悪さです。
一般的に不動産は駅から近いなど立地条件が良いほど売れやすいため、利便性が低かったり周辺環境が良くなかったりする土地は買主がなかなか見つからない可能性があります。
立地が悪い土地の例としては、以下のケースが挙げられます。
- 最寄駅から遠い
- 周辺にスーパーなど利便性の高い施設がない
- 近隣に焼却場など嫌悪施設がある
- 周囲の土地との高低差がある
- 接道状況が悪い
- 過去に自然災害が発生
立地が悪い場合は、売却価格を見直すことも必要となるでしょう。周辺の類似物件の取引価格を参考にして、適正価格で売出すことが重要です。
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土地の境界があいまいである
フェンスや塀などがなく、隣地との境界があいまいな土地も売れにくいといえます。
隣地との境界が明確でないと、購入後にトラブルが発生する可能性があるため、買主が見つかりにくくなります。土地を売却する際は事前に隣地所有者と境界の確認をしておくことが必要です。
なお、地積測量図は法務局で取得できる実測図ですが、境界が確定している図面とは限らないため、確定測量図を用意しておくとよいでしょう。
確定測量図とは、すべての隣接地との境界について隣接所有者の立ち会いのもと、境界確認を行う測量を指しています。
売出し価格が相場に合っていない
土地の売出し価格が相場に合っていない場合も、なかなか売れません。
近年では、消費者がインターネットで土地の相場価格を簡単に調べられるため、不動産会社に行かなくても大体の相場価格を把握できます。そのため、明らかに価格が見合っていない場合に売れ残るリスクが高いといえます。
売出し価格を設定するときは、不動産会社が提示した査定価格だけを鵜呑みにするのはおすすめできません。
過去に実施された、類似物件などの取引価格を参考にしながら、金額を設定しましょう。
なお、インターネットで土地の取引価格を手軽に調べられるサイトとしては、国土交通省が運営している「不動産情報ライブラリ」が挙げられます。2024年4月1日より「土地総合情報システム」が「不動産情報ライブラリ」へ統合されました。
「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格、地価公示などの価格情報や防災情報、都市計画情報、周辺施設情報などを閲覧できます。
※参考:不動産情報ライブラリ
地方かつ利便性が低い物件である
地方にある利便性が良くない土地も売却期間が長引く可能性があります。具体例としては、相続した田舎の土地や農地などです。
地方で最寄駅から遠い場所にある土地は需要が少ないため、買手がなかなか見つかりにくいといえます。地方にある土地を売却する際は、地域密着型の不動産会社に相談すると買手が見つかる場合があります。
また、農地の場合は宅地化すると売れるケースもあるでしょう。その場合、農業委員会の許可が必要です。
売却する時期が悪い
不動産の成約は売却する時期に左右されやすい傾向があるため、売却する時期が悪いとスムーズに売れないケースがあります。
一般的に、不動産が売れやすいのは新生活による引越しなどが多い1〜3月のシーズンです。一方、売れにくいのは7〜8月などの暑いシーズンと言われています。この時期に売出してもなかなか売れにくいので、売却期間が長期化するおそれがあります。
可能であれば、なるべく1〜3月の時期に売出せるように売却スケジュールを組んでいきましょう。
土地売却の期間を短くするためのポイント

土地売却の期間を短くするポイントとして、以下の3点が挙げられます。
- 複数社に査定依頼して適正価格を見極める
- 引越しシーズンなどのタイミングを見極める
- より早く売りたいなら不動産会社による買取を検討する
複数社に査定依頼して適正価格を見極める
土地を売出す際には、まず不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。査定を依頼する際は市場価格を把握するために、1社だけではなく複数社に依頼しましょう。
前述した住まいの売却データファイルによると、査定依頼した不動産会社の数で一番多いのは2〜3社で、36.9%という結果でした。

出典:【ホームズ】土地の売却経験者アンケートから売り時と売り方を考察
1社のみは35.0%の一方で、2社以上の割合は全体の5割程度であり、複数社に依頼する人が多い傾向だといえます。2〜3社程度ならば、不動産会社との連絡もそれほど負担にはならないでしょう。
LIFULL HOME'Sの一括査定では、不動産会社ごとの特色や意気込みを分かりやすく掲載しており、信頼できる会社を選べます。LIFULL HOME'S独自の掲載基準をクリアした不動産会社のみを掲載しているので安心してご利用いただけます。
引越しシーズンなどのタイミングを見極める
売却期間を短くしたい場合は、売出しのタイミングを見極めることが大切です。土地の売買が活発になるのは新生活が始まる前の時期なので、1〜3月などの引越しシーズンにあわせて売出しましょう。
売却準備は、前年度の11〜12月頃から始めるのがおすすめです。逆にゴールデンウィークを過ぎる頃に準備してしまうと、実際に売出せるのは7〜8月になる可能性もあるため、なかなか売れない可能性があります。
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▶︎家を売却する場合の引っ越しタイミングは?手続きやトラブルも紹介
より早く売りたいなら不動産会社による買取を検討する
どうしても早めに売らなければならない事情などがある場合は、不動産会社による買取も検討してみましょう。
不動産会社が直接購入するため、時間をかけずに土地を売却できます。現金化を急いでいる場合にも適しており、不動産会社が買主であることから仲介手数料も発生しません。
ただし、仲介と比較すると売却価格が下がりやすく、買取価格は市場価格の7割程度と言われています。
仲介は成約までにある程度の時間がかかりますが、市場価格に近い価格で売ることも期待できます。土地を高めに売りたい人は余裕のある売却スケジュールで売出しましょう。
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▶︎土地の価格相場は仲介と買取で違う? 買取の仕組みと成功のコツ
土地売却の期間に関するよくある質問

土地を売却する際には、以下のようにさまざまな疑問が付きものです。
- 相続した土地を売却する期間はどれくらい?
- 土地売却後の確定申告にかかる期間はどれくらい?
- 土地売却後に入金されるまでの期間はどれくらい?
ここでは、それぞれの質問について回答します。
相続した土地を売却する期間はどれくらい?
土地を相続した場合、相続税の申告・納税期限は相続開始から10ヶ月以内と定められています。そのため、相続税を支払う必要がある場合は、なるべく早めに売ることが必要です。
法定納期限内に相続税を完納しないと、延滞税が課せられるので注意が必要です。
遺産を遺族で分ける際には遺産分割協議を行いますが、通常2〜3ヶ月程度かかります。売却期間が6〜9ヶ月程度が見込まれるため、早くて8ヶ月はかかる可能性があります。
なお、LIFULL HOME'Sが行った調査によると、不動産を相続してから売却するまでに要した期間は以下のようになっています。
| 順位 | 相続してから売却完了までの期間 | 割合 |
| 1 | 6ヵ月~1年未満 | 27.5% |
| 2 | 3ヵ月~6ヵ月未満 | 21.4% |
| 3 | 3ヵ月未満 | 15.9% |
| 4 | 2年以上 | 13.4% |
| 5 | 1年~1年6ヵ月満 | 11.9% |
| 6 | 1年6ヵ月~2年未満 | 4.5% |
| - | 分からない・覚えていない | 5.5% |
土地売却後の確定申告にかかる期間はどれくらい?
土地売却後に利益を得た場合には確定申告をする義務が発生します。
売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に、現在の住所地を管轄する税務署に申告することが必要です。
申告期間は約1ヶ月しかないので、余裕を持って申告しましょう。電子申告・納税システム(e-tax)を利用すれば、自宅でスピーディーに確定申告を行えます。
土地売却後に入金されるまでの期間はどれくらい?
土地売買契約を締結してから決済と引渡しまでかかる期間は通常、1ヶ月程度です。 ただし、入金されるタイミングは買主との協議により異なります。
決済と引渡しの手続きは同時に行われるため、入金を確認したら土地の名義を買主に変更します。
土地売却の期間は最低でも6ヶ月程度を見込んでおこう
土地の売却にかかる期間は全体で最低でも6ヶ月かかることが見込まれます。「売却前」には約1ヶ月、「売却中」は約1〜3ヶ月、「売却後」は1〜2ヶ月程度です。
ただし、売出し時期を見誤る、あるいは売出価格が市場価格に見合っていないとなかなか売れないリスクがあります。土地を売却するときは、新生活シーズンにあわせて準備を行い、適正価格で売出しましょう。
なお、土地をより早く売りたいときは複数社の査定依頼が重要になります。そのため、土地の売却を検討する場合は、不動産ポータルサイトなどの一括査定サービスを活用しましょう。
記事執筆・監修
矢口 美加子(やぐち みかこ)
宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級の資格を保有。建築・不動産会社で事務をしながら、家族が所有する賃貸物件の契約や更新業務を担当。不動産ライターとしてハウスメーカー、不動産会社など一部上場企業の案件を中心に活動中。