札幌で国際交流を。その取り組みの一つはシェアハウス

玄関には入居した人たちの写真が並ぶ玄関には入居した人たちの写真が並ぶ

外国人向けの日本語留学や日本人向けに英会話スクール・アジア語学スクールを開催しているCo&Co。札幌と世界をつなぐCo&Coは、札幌に住む人たちがもっと気軽に国際交流が出来るように、と会員制カフェラウンジTHE WORLD LOUNGE を手がけている。
そんなCo&Coが新たに札幌市中央区に作った国際交流シェアハウスが、日本の文化に触れたい外国人から人気だ。
その名も『THE WORLD APARTMENT Co&Co』、まさに海外へ留学ようなドキドキ・ワクワクを札幌にいながら体験できるシェアハウスだ。

そんなCo&Coのシェアハウスの運営マネージャーをしている二人に、この『THE WORLD APARTMENT Co&Co』での暮らしについて聞いてきた。

国際交流シェアハウスでの生活。外国人への細かな気遣い

運営マネージャーの一人、久保さん。来春からは就職のため愛知へ行くが、シェアハウスへの思い入れは強い運営マネージャーの一人、久保さん。来春からは就職のため愛知へ行くが、シェアハウスへの思い入れは強い

Co&Coのシェアハウスは2017年の6月にオープンした。
札幌市中央区の一角にある2階建てのシェアハウスは、もともと二世帯住宅を借りてリフォームし運営している。部屋は10部屋、トイレが2つにシャワールームが2つ、そして共有のリビングとキッチンがある。国際交流のしやすさを鑑みて、10~15名程度の小規模コミュニティをつくることのできる物件を探していたときに見つけた好物件だった。内装・インテリアは自分たちでデザインし、壁紙の貼り替え、テラス作りも実際に自分たちの手で作り上げた。費用にかかった金額は約250万円。期間は2週間程度だったそうだ。

はれてシェアハウスをオープンした時の最初の入居者は、フランス人、タイ人、イギリス人、アメリカ人、そして運営マネージャー兼務で入った日本人だった。当初から想定していた通りの多国籍メンバーが集まった。それから1年以上が経ち、メンバーは入れ代わり立ち代わり、今では約40カ国籍の人たちが住んだことがあるという実績のシェアハウスとなっている。

運営マネージャーの一人である久保銘中(くぼあきのり)さんは関西出身、北海道大学への進学を機に札幌へ移住した。来春には就職のため愛知県へと行くことが決まっているが、このシェアハウスへの思い入れは人一倍だ。運営マネージャーとしての心づもりを聞くと「入居者の人たちとの距離感はとても大事にしている」と話す。

“生活を共にする”とはどこまでプライベートな部分に踏み込んでいいのか、探り探り大事にコミュニケーションを取ることに気をつけている、という。入居者のほとんどは交流をしたい人たちだが、心の部分のケアまで考えている所はなんとも手厚く、久保さんの人の良さがにじみ出ていた。

「自分も海外に行ったときに、現地の人たちに助けてもらいました。現地の人たちしか知らない情報や空気・言葉などを知ることは、外国人と交流する醍醐味だと思います。それを今度は提供できる立場にあることが喜びですね」と笑う。

学生だけじゃなく、社会人も住める国際交流シェアハウス

もう一人の運営マネージャーとしてこのシェアハウスに住んでいる滝谷真紀人(たきやまきと)さん。
北海道松前町出身で進学時に札幌へと出て、現在ブライダル事業を行っている会社に勤めている。運営マネージャーとしての仕事について聞いてみると

「日常のクリーニングだったりベッドメーキング、あと掃除や新しい入居者の対応ですね。新しい入居者の人が来るときはキーボックスがあるのでセルフで入ってこれるのですが、シェアハウルのルールだったり、近くのスーパーを教えたりしています。あと他の仕事としてはブログを書く、とかですね。あと僕は趣味として入居者の人たちを札幌以外にも連れて行ったりします」という。

ブライダルのお仕事と並行しながらの運営マネージャーは「正直大変ですね」と話してくれた滝谷さんだったが、
「その大変さよりも、得られる物が多いので続けられます。美味しい物を食べに連れて行った時や綺麗な景色を見せた時の笑顔がなにより嬉しいですね。札幌の良さを伝えられる嬉しさもあります」と笑みをこぼした。

運営マネージャーが企画し、たこ焼きパーティーやカレーを作ったりすることも。入居者は日本の食文化にも興味津々だ運営マネージャーが企画し、たこ焼きパーティーやカレーを作ったりすることも。入居者は日本の食文化にも興味津々だ

Co&Coシェアハウスでの暮らし

プライベートではサーフィンに行くことも。仕事とシェアハウスとプライベートを見事に両立プライベートではサーフィンに行くことも。仕事とシェアハウスとプライベートを見事に両立

Co&Coのシェアハウスを利用するのは外国の学生が多いと話してくれたのは滝谷さん。
学校の長期休暇に合わせて、シェアハウスに来る人も少なくないのだとか。また、国際交流をしたい日本人学生もいる。留学するにはかなりの費用がかかるが、シェアハウスならば費用を抑える事が出来る。シェアハウス内では基本的には英語で会話がなされているそうだが、日本語の勉強熱心な入居者たちも多く、外国人でも日本語のやりとりをすることもよくあるのだという。

気になるシェアハウスの費用について聞いてみたところ、部屋のタイプやサイズによっても違うそうだが、ひと月38,000〜42,000円で、別に公益費と光熱費がかかる(公益費6,000円、光熱費は夏6,000円、冬12,000円)。通常のシェアハウスと比べると多少高く感じるかもしれないが、語学を学べる機会もあることや多国籍の人たちと交流できる点を考えるとメリットも多いようだ。また、Co&Co会員制のラウンジにも無料で入ることができるようになる特典もある。ラウンジには語学勉強に適した蔵書なども多数置いてあり、活用する入居者は多いそう。

シェアハウスに入居するにあたって、一番気になるのはシェアハウス内での雰囲気だろう。運営マネージャーのお二人も最初は「プライベートな空間が全くないのでは…」と懸念があったそう。だが、実際に住んでみると交流したくない時には自室にこもることもできるので、気にならないと言う。基本的にはみんなリビングでテレビを見たり、日本語を教えたり外国語を教えてもらったりなどの交流が盛んなのだそうだ。カレーをみんなで作ったり、温泉に行ったり、焼き肉に行ったり。一番外国人に喜ばれるのは「飲み放題」のあるお店に行くことなんだとか。飲み放題文化がない外国の人たちには、日本文化の驚きの一つのようだ。

シェアハウス内では「今までケンカがあったことは無い」と声を揃えるお二人。
「海外では大学に進学した際に入寮して誰かと一緒に住むことが当たり前なので、シェアハウスに抵抗がない方が多いんです。譲り合いの精神があるんですよね」と話してくれ、「札幌の人たちもシェアハウスという文化の理解を深めて欲しい」という想いを語ってくれた。

札幌と世界を結ぶ拠点として

社会人として働きながら、運営マネージャーとしても活躍している滝谷さん。

「仕事中に価値観とか常識とかに違和感を感じることがあったりしても、シェアハウスで日本とは違う価値観・常識に触れることができ、違った目線で考えると新しい発見があったりします。それを教えてもらえるのが運営マネージャーの面白い所だと思います。そういう気付きが仕事にも良い影響を与えている気がします。社会人でも日々の生活をもっと豊かにしたい人が是非シェアハウスに来て欲しいと思いますね」と話す。

運営マネージャーのやりがいについて久保さんに聞くと
「本気を出せばどこの国に行っても友だちを作ることが出来る。今でもアフリカ大陸・南極大陸以外は、僕は制覇してるんじゃないかな」と笑います。そして「退去していった人たちがホワイトボードにコメントを残していってくれるんです。あと、玄関には入居したみんなの写真が飾られていて、これを見ていると喜びとやりがいを感じますね」と答えてくれた。

今後のシェアハウスが目指すのは何ですか?という問いに
「国という概念自体を全く関係なく、みんなが笑顔になる環境をつくりたい」と話してくれた久保さん。
そして滝谷さんが「これからはもっと北海道の地方にみんなを連れて行きたいと思っています。そしてあまり外国の人たちに馴染みの無い地方の人たちと関係を繋ぐことが出来たら…なにか面白いことが起こる気がしています」と夢を語ってくれた。

農業をやっている人たち、漁業関係者との交流など、双方に良い影響を与えることの出来る何かが生まれるかも知れない。札幌でグローバルな交流ができるシェアハウスは、これからも札幌と世界を結ぶ拠点としてたくさんの人たちの笑顔をつくっていくことだろう。

THE WORLD APARTMENT Co&Co

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◎筆者:くらしごと編集部 小林陽可

約40カ国籍のメンバーが入居した経歴のあるシェアハウスCo&Co。約40カ国籍のメンバーが入居した経歴のあるシェアハウスCo&Co。

2018年 11月04日 11時00分