害虫の入口になる排水口

コバエの種類の中でもチョウバエは、排水管・排水口の汚れから発生コバエの種類の中でもチョウバエは、排水管・排水口の汚れから発生

水を使う台所や風呂場で、小さなハエやヤスデなどを見かけることがあるが、いったいどこから入ってきたのか疑問に思ったことはないだろうか?床や柱の間に小さな隙間が空いていることもあるから、小さな虫たちはそういった場所から侵入することもあるようだが、実は意外な場所から発生している。
コバエの種類の中でもチョウバエは、排水管・排水口の汚れから発生する。チョウバエは殺虫剤等の効き目が弱いらしく、いったん発生するとやっかいである。
またゴキブリも(大きなものは体長が2センチほどもあるが……)侵入経路は複数あるようだが、その一つが排水口である。下水道から、排水管を遡って家の中に上がってくるのだ。

そこで、害虫の浸入を防ぐために、多くの排水管や排水口には、構造的に常時水が溜まっている箇所が設けてある構造となっている。そこで、まず排水口の構造と仕組みを見ていこう。

排水口の構造と仕組み

台所の排水口の仕組み台所の排水口の仕組み

排水管に仕込まれたトラップには、S字管やP字管などがある。シンクの下を見ると、排水管がS字を横にした形に曲がっていないだろうか?そこに水が溜まり、虫をシャットアウトする仕掛けだ。そのように排水口の常時水が溜まっている箇所を「トラップ」と呼ぶ。害虫がそこから入ってこられないようにしている仕組みではあるが、同時にその水がぬめりを作り出す原因にもなるのだ。

シンクの排水口には、食材が落ちないようにカバーがついていることが多い。これを外すと、ザル状のゴミ受けがあるはずだ。ゴミ受けの奥にはトラップのカバーがあり、それを外すとドーナッツ状に水が溜まっているのが見えるだろう。これがトラップだ。そしてその真ん中にある孔が排水管につながっている。

風呂の排水口の仕組みも、基本的には台所のシンクと同じである。
まずは排水口カバーを取り外すと、髪の毛などを受け止めるゴミ受けがある。ゴミ受けと、その下にあるトラップカバーを外すと、排水管につながる孔が見えるだろう。

しばらく掃除をしていないなら、それぞれの部品はぬるぬるとした汚れがついているだろう。これは食品のカスや垢に繁殖したカビや雑菌などだから、とても不衛生だ。直接手で触りたくないと感じる方も多いのではなかろうか。

そこで、用意したいのは、ゴム手袋と古い歯ブラシ、そしてスポンジと台所用洗剤あるいは風呂用洗剤だ。

台所の排水口の掃除

台所の排水口の掃除はこまめに行いたい台所の排水口の掃除はこまめに行いたい

まずはシンクの排水口の掃除方法から説明しよう。ゴム手袋をはめて、すべての部品を取り外したら、洗剤をつけたスポンジで丁寧に洗っていく。排水口カバーは、簡単に汚れが落ちるだろう。細かい凹凸がある場合は歯ブラシでこすると綺麗になる。
ゴミ受けは小さな穴がたくさん空いており、汚れが落ちにくいので、歯ブラシに洗剤をつけてゴシゴシとこすろう。それでも汚れがとれない場合は、塩素系の漂白剤に浸け置きしておくと良いだろう。
トラップカバーはもっとも汚れがひどいので、スポンジと歯ブラシを使って、細かいところまで丁寧に洗いあげよう。ぬめっていて気持ち悪いかもしれないが、台所用洗剤を使えば、汚れを落とすのはさほど難しくないはずだ。

次にいよいよトラップと、排水管につながる孔の中にとりかかろう。トラップの見える汚れはスポンジで軽く洗っておくと良い。しかしトラップには常時水が溜まっていて汚れが見えにくいし、排水管につながる孔の奥は手が届かずスポンジで洗い落とせないので、重曹と酢を使用する。どちらも高価なものでなくても構わない。100円均一で手に入る重曹と穀物酢を、それぞれカップに半分ぐらい用意し、トラップと、その真ん中の孔に重曹をふりかけよう。その上から酢をかけると炭酸ナトリウムの泡が発生する。炭酸ナトリウムはアルカリが強いので洗浄力が強く、こすらなくても汚れを落としてくれるのだ。汚れが落ちたようなら、40度ぐらいのお湯をかけて流してしまおう。この際、熱湯を使うと排水管にダメージを与える場合があるので、手を浸けられる温度に調整してほしい。

もしまだ汚れが残っている場合は、アルミホイルを丸めてしわくちゃにし、一旦伸ばしてから割りばしに巻けば、細いところでも届くタワシになる。金属イオンはカビや雑菌の繁殖を防ぐ効果もあると言われているので、汚れの予防にもなるだろう。

排水口が綺麗になれば、トラップカバー、ゴミ受け、排水口カバーを取り付けて終了。市販されている除菌剤のほか、アルミホイルを丸めたものや炭をゴミ受けに入れておけば、再び汚れるのを遅らせる効果も期待できる。

風呂の排水口の掃除

排水口は一度綺麗にすれば、その後は1週間に一度ほど掃除をするだけで、清潔を保てるはずだ排水口は一度綺麗にすれば、その後は1週間に一度ほど掃除をするだけで、清潔を保てるはずだ

風呂の排水口のゴミ受けには石鹸カスや髪の毛が溜まっているので、すべて取り外して捨て、網目は歯ブラシなどで綺麗に洗おう。風呂の排水口は黒っぽくこびりついたものや、ピンク色の汚れがあるが、黒っぽいものは黒カビ、ピンク色の汚れはロドトルラと呼ばれる酵母菌の一種だ。

ロドトルラはスポンジで簡単に落ちるが、黒カビはなかなか手ごわいので、ここでも重曹と酢を使おう。まず重曹を振りかけてから酢をスプレーすると、泡が出て汚れが浮かび上がり、落としやすくなるはずだ。そこで洗剤のついた歯ブラシなどでこするのだが、その前にもう一度重曹をふりかけると、研磨剤の役割もはたしてくれる。排水管につながる孔やトラップも、シンクと同じ手順で、重曹と酢の泡を使って汚れを落とそう。

もし、普段から排水の悪さを感じているなら、排水管に髪の毛などが詰まっている可能性がある。また、悪臭がある場合も、何かが詰まっているのかもしれない。掃除をした機会にパイプクリーナーなどを流そう。30分程度放置したら、水を流してみよう。流れがスムーズになったようなら、排水管の詰まりは解消されている。もしそれでも流れが悪いなら、プロに相談してほしい。
掃除が終わったら、トラップカバー、ゴミ受け、排水口カバーの順番で取り付けて終了。

排水口の掃除は、一つ一つの作業は難しくなく、ぬめりさえついていなければ、さほど苦痛ではない。一度綺麗にすれば、その後は1週間に一度ほど、定期的に洗剤で洗うだけで、いつも清潔を保てるはずだ。

年末に、本格的な大掃除をする前に、まずは排水口の掃除を習慣にしてはいかがだろう?

2016年 10月22日 11時00分