快適な住まいの“空気”環境を実現するには

住まいの空気環境について意識を向けよう住まいの空気環境について意識を向けよう

私たち人間が摂取しているものの内、一番摂取量の多いものは何かご存じだろうか?
水でもなく食べ物でもなく、実は正解は“空気”。1日に成人した人で15~20kgの空気を摂取しているという。空気を吸い込むことで、全身に血が運ばれることは周知の通りだが、その空気が汚れていたらどうなるのだろうか。全身に徐々に健康に影響が出る、そう考えると怖いが、それほど空気環境はとても重要なことだ。

では、そんな重要な空気を一番よく吸う場所はどこか?
答えはもちろん「家」だ。NHK放送文化研究所の平成23年の「2010年国民生活時間調査報告書」調査によると、平日で1日平均15時間13分(全ての年代・性別の平均数値)家に滞在しているというデータが出ている。そんな長時間いることになる“住まいの空気環境”について考えてみたい。

家の中は、体に有害なものが飛んでいる

シックハウス対策は重要だが・・・シックハウス対策は重要だが・・・

家の空気は通常、窓を開けたり換気扇をまわすことで入れ替えを行うが、ただ開ければ、ただまわせばいいというものではない。空気環境については、国土交通省が自然換気できる量やホルムアルデヒド放出量について定義している。しかし、このように定義づけられたのは2003年。この頃、アスベスト問題が世の中を賑わし、ようやく住まいの空気環境に対して意識が向けられるようになった。

現在の住まいは24時間換気システムが建築基準法によって義務付けられて、家の中でも天気のように場所によって気圧が異なる。そうすることで、天気も気圧の場所によって風が起こったりするが、家の中にも自然と空気の流れができるのが特徴だ。※24時間換気システムについては詳しくは過去のコチラの記事参照。

そうした空気の流れにより、家の中の部屋の空気だけを吸っているのではない。床材や壁材などの建材を通った空気も含まれる。場合によっては天井裏や床下など掃除のできないところを通った空気もある。そのため、空気中には室内にいると予想されるほこりや微生物、花粉ばかりではなく、建材から出た様々な化学物質も空気中に漂っている。その中で、私たちは呼吸しているのだ。一説によると、900以上の化学物質が住まいの空間に含まれている可能性もあるという。そんな空気環境下で、1日15時間近くも滞在していると思うと怖い。

ここで整理したいのが空気中に漂うものである。大きく分けると2つに分かれる。

①ほこり、微生物、ダニ、カビ、ペットの毛、フケ、アレルゲンなどのハウスダスト。
これらは健康に影響を与えるものとして「ハウスダスト」と呼ばれている。ハウスダストを吸い込むことで、体に不調が現れる。よく、むずむずして、くしゃみをするのはそのアレルギー反応だ。アレルギー以外に引き起こす症状としては、気管支喘息があげられる。特に、子供にとって大敵な存在だ。

②ホルムアルデヒドなどの化学物質。
少し前によく耳に入ってきた「シックハウス症候群」というのは、化学物質により引き起こる症状のことを指す。住宅に使用された建材から出るホルムアルデヒドなどの化学物質が、体に異変を起こす。引き起こす症状としては、目の痛み・かゆみ・充血、集中力の低下、のどの痛み、吐き気、肌荒れ、耳鳴り、不整脈など。とにかく家にいて具合が悪くなり、外出すると元気になるという人は、疑った方がいい症状かもしれない。

住まいを良くするための基本的な対策

まずハウスダスト対策だが、やはり日々の掃除が一番重要だ。フローリングやカーペットの床掃除だけではなく、カーテンや窓など普段掃除しない場所までこまめにやることが必要だ。意外に重要なのがふとん。ダニが潜伏しやすいふとんはこまめに日干しするのが効果的。ただし、手で叩くと、取れるどころか細かくなってしまう場合があるので叩くのはやめよう。干すのが時間や日照条件などで難しい場合には、専用の除菌スプレーをしたり、掃除機などで吸ってとるのが有効的だ。しかし、天井裏や床下などの掃除は難しいため、空気の循環によってはいくら表面上見える部屋部分を掃除してもなかなか空気環境が改善しない場合がある。

シックハウス対策についてだが、建材から化学物質が出るというのが原因として最も多い。しかし、その場合には建材選びの失敗やそもそも“住宅”自体の構造不備による場合がある。建材については、住宅建設の際にホルムアルデヒドの放出が微量のF☆☆☆☆(エフフォースター)の認定を受けたものをなるべく選ぶという対策があるが、住宅構造については信頼できる施工者選びが重要だとしか言えない。どちらにしても、家を建てる際には家の建材を自分自身でよく調べて選ぶことが大切で、メーカーや工務店だけに頼りっぱなしはよくないといえる。

健康に住める「住まい環境」をつくるには

先ほど、ハウスダストやシックハウスに関する対策について述べたが、そうは言ってもなかなか環境や状況によってできないこともある。

例えば、これから春に向けて春にかけて花粉や中国から飛んでくるPM2.5など、いくら掃除をしても換気した途端に室内に入ってきて、どこにいても落ち着いた空気環境にはならない。また、これから新築住宅を建てようとしている人は、どういう家をつくったらいいか、空気環境の面から考える必要がある。

「住まいと空気」をテーマに、健康に暮らせる住まい環境を実現するための施策を連載を通してお届けしたい。

2014年 02月10日 08時54分