コロナ禍があぶり出した各国リーダーの資質と発信力
瞬く間に世界を飲み込み、いまだ終息の兆しを見せないコロナ禍。世界を一瞬にして襲った同じ災禍だからこそ、世界各国のリーダーや専門家が、どのような言葉で国民に共闘を求め、共感を呼び起こし、この未曽有の危機を乗り越えようとしているのかは非常に興味深いところです。こうしたリーダーたちが、コロナ発生時から現在に至るまでどのような言動や行動をしてきたのかを、欧米在住歴が長いライターたちがつぶさに観察し、鋭い視点でつづった『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)が発売されました。
本書は、LIFULL HOME’S PRESSで、各国事情をお伝えしている海外在住ライターの田口理穂氏(ドイツ)、プラド夏樹氏(フランス)、冨久岡ナヲ氏(英国)、片瀬ケイ氏(米国)など7人の共著。
登場するリーダーは、ドナルド・トランプ米国大統領(執筆当時)、ボリス・ジョンソン英首相、エマニュエル・マクロン仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相など日本でもおなじみのリーダーのほか、スウェーデンのステファン・ロベーン首相、ベルギーのソフィー・ウィルメス首相(執筆当時、現在は外相)、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相。時折日本にも伝えられる各国リーダーの強い言葉だけではなく、解決策が見えないコロナ禍の中で苦悶するリーダーたちの姿を、現地ならでは情報と視点で克明に描いています。
リーダーの発する言葉を境に、人心が離れていく国もあれば、団結力を取り戻す国もあります。どのような言葉で向き合ったのか?「リーダーの資質」、「有事のリーダーシップとは?」を考える上で興味深い1冊です。
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