プランター1個で10kg前後が不要に

ガーデニングで一度植物を育てた土は、次の植物を育てる前に新しい土に入れ替える必要があるガーデニングで一度植物を育てた土は、次の植物を育てる前に新しい土に入れ替える必要がある

ベランダなどでガーデニングをしていると、困るのが土の処理である。

一度植物を育てた土は栄養もなく、また植物の根や茎が残っていると細菌繁殖の原因にもなることがある。植物を植え替える時は、きれいな花を咲かせるためにも土を新しくする必要がある。その際、古い土をどうするかが問題となる。

一般的なサイズのプランター(65cm)1個で、約12ℓ(重さは土の種類によって異なる)の土が必要となるが、使用済みのものは水などを含んでいるため、1個分10kg前後になる。これだけのものを処分するのはなかなか大変。めんどうになって放置している方もいるのではないだろうか。

では、どうすればいいのだろうか。使い終わった土の処理方法について調べてみた。

土はゴミとして出せない

実は、東京23区をはじめ、多くの自治体で、土や砂、石をゴミとして出すことができない。筆者の住まいのある自治体に問い合わせてみたところ、「自然物のため回収できない」とのことだった。
品川区、武蔵野市など一部回収しているところもあるので、まずはお住まいの自治体に問い合わせてみるといいだろう。ただし、枯れた植物の枝や根、石などは取り除く必要や、回収できる量が決まっていることもあるので確認しよう。

また、土を販売している園芸店やホームセンターなどで、不要になった土を回収しているところもある。
筆者の近隣のホームセンターでは、「新しく土を購入する場合に限り、同等量の土を回収するが、その際、購入時のレシートと、できれば土が入っていた袋に土を入れて持参してほしい」とのことだった。

店舗によって対応は異なるため、新しく土を購入する前に問合わせてみるといいだろう。

園芸の基本である土作りをしてみる

鉢底石や根などはふるいにかけて取り除く鉢底石や根などはふるいにかけて取り除く

もちろん、必ずしも土を処分する必要はなく、再利用することもできる。
再利用するには、根や石などを取り除き、ふるいにかけた土をビニールシートなどの上にのせる。土に水をかけて湿らせ、よくかき混ぜる。土全体が湿ったら黒いポリ袋に入れ、天日干しで2、3週間ほど乾燥させると消毒殺菌ができる。この土に肥料などを加えれば完成。(参考:『きれいに咲かせたい はじめての花づくり』白瀧嘉子監修(池田書店))

時間と手間はかかるが、土作りは園芸の基本でもあるので、専門書などを参考にトライしてみるのもいいだろう。
また、土の製造メーカーの中にも、再利用を提案しているところもあるので、調べてみてはいかがだろう。

住民からの声をきっかけに回収会社を立ち上げ

ウィステリアガーデンでは、出張回収のほか、毎月第1、第3土曜日には世田谷資源買い取り市にて有料で土の回収を行っているウィステリアガーデンでは、出張回収のほか、毎月第1、第3土曜日には世田谷資源買い取り市にて有料で土の回収を行っている

土を新しく購入しない、回収場所に運べない、リサイクルもできない…そんな場合は、土の回収をする専門業者(有料)に頼むのがいいだろう。

東京・世田谷区にある専門業者ウィステリアガーデンでは、東京23区、多摩地域を中心に、処分に困っている土・砂・石の回収を行っている。

代表の藤井憲一さんは、元世田谷区の清掃リサイクル部の職員。住民からの問い合わせに「集められない」としか答えられないことにジレンマを感じていたという。
「どうすればいいのか答えられないのなら、自分でやってみようと、退職して会社を始めました」
2009年、ウィステリアガーデンを設立。今では都内の自治体からも回収業者として紹介されるようになり、土の処理に困っていた方々に喜ばれているという。

回収してもらう時の注意点については、
「園芸用の土は、レジ袋やごみ袋、土のう袋などに破けない程度に小分けに入れて出しください。袋に入れるのが大変な場合、鉢やプランターに入ったままでも回収します」とのこと。

料金は、植物や根、石などを取り除いた場合、取り除かない場合、鉢・プランターごと回収する場合で変わってくる。また、重さで値段が決まるので、土が乾いている時のほうがよさそうだ。

「玄関先まで回収に伺いますが、高齢の方などベランダから運びだすのが難しい場合も要望にお答えしています。屋上庭園など楽しんでいた方がお身体の具合が悪くなってしまい、誰も手がつけられなくて困っていたというご相談もありました。別料金にはなりますが、ご相談いただければお伺いいたします」

自分のライフスタイルに合わせて

自身は草花を育てるのは得意でないという藤井さん自身は草花を育てるのは得意でないという藤井さん

ウィステリアガーデンでは、土のほか、水槽の底石・底砂・ソイル(底土)、砂場の砂、庭から出てきた石、水害防止用の土のう(役所から配られた砂の入ったもの)、レンガ、コンクリートブロック、タイル、石灯籠などを撤去・処分している。庭石など自社で処理できないものも、処理できる所を探してから回収しているという。

回収できないものには、猫砂など糞尿や汚物が混じっているもの、土の中の水分が腐って匂いがしているものなどがある。
「そのほか肥料関係も回収できません。土と混ざって分解されていれば問題ありませんが、肥料だけとなると土ではなく薬品扱いになるので、薬品の処理ができる業者に依頼してください。肥料の入っている袋などに書いてある製造元に問い合わせると処理の仕方を教えてくれます」

また、回収した土は、根っこや石などを取り除いて、工事の掘削したあとの埋め戻しの土などに再利用している。
「園芸用などに再利用することもできますが、様々な用途で使われたものを回収しているので、再利用するには検査をするなどものすごくコストがかかってしまいます。当社では、できる限りコストを下げることで、継続的にご利用いただけるように努力しています」

園芸を楽しむためにも、始める前に後のことを考えて始めるのがいいという藤井さん。
「ゴミを出したくないと思えば、水耕栽培など土を使わないものもありますので、自分のライフスタイルに合わせて楽しんでいただくのがいいと思います」

正しい土の処理をすれば、気持ちよくガーデニングを楽しむこともできるはず。
これを機に放置しているプランターの片付けを始めてみてはいかがだろうか。

■取材協力
ウィステリアガーデン:
http://wisteria-garden.eco.coocan.jp/

2017年 12月09日 11時00分