受賞作品の施工スタート!

少しわかりにくいが、写真右が「グラビティ・ゼロ」のデザイン図面。照明の下には円形のデザインを施した床材を採用し、宇宙から光が差してテレポーテーションするイメージを表現しているという。写真左は、実際に施工された床だ少しわかりにくいが、写真右が「グラビティ・ゼロ」のデザイン図面。照明の下には円形のデザインを施した床材を採用し、宇宙から光が差してテレポーテーションするイメージを表現しているという。写真左は、実際に施工された床だ

名古屋モード学園の学生がデザインし、株式会社サンゲツが提供した素材で、株式会社レオパレス21の物件に表現する。
このコラボ企画は、先回お伝えしたように、「名古屋らしい部屋」がテーマとされ、サンゲツ、レオパレス21の社員と、ネット投票で寄せられた一般の方、合わせて約1300名による投票で受賞作品が決まった。
おさらいしておくと、

・最優秀賞
「妖艶なる名古屋嬢~秘密の花園~/魅惑の名古屋嬢~小悪魔room~」(2作品で1提案)

・優秀賞
「グラビティ・ゼロ」

この2作品は、名古屋市内にあるレオパレス21の物件に施工され、モデルルームとして公開されるという。
今回、受賞した学生たちが自ら物件に施工しているということで、現場にお邪魔してみた。

7畳のワンルームにプラネタリウムのような幻想的な空間が!

写真左:壁に取り付けたレールの裏側にこっそりとLEDコードが忍ばせてある!実は児玉さんの車の下もこうしたコードを使って、発光するようにデコっているとのこと。写真右:コードを設置する児玉さん(左)と遠藤さん(右)写真左:壁に取り付けたレールの裏側にこっそりとLEDコードが忍ばせてある!実は児玉さんの車の下もこうしたコードを使って、発光するようにデコっているとのこと。写真右:コードを設置する児玉さん(左)と遠藤さん(右)

部屋に一歩入ると、そこは宇宙空間…。
優秀賞を受賞した「グラビティ・ゼロ」の学生が手掛ける7畳1Kの部屋(約11m2)は、見事に宇宙を表現した空間に生まれ変わっていた。灯りを消した室内を夜空に見立て、天井や壁には星が瞬く、まさにプラネタリウムにいるような幻想的な空間だ。

名古屋市科学館にある世界最大級のプラネタリウムをモチーフに、今回のコラボのテーマである「名古屋らしさ」を表現したこの部屋。デザインを手掛けたのは、名古屋モード学園のグラフィック学科3人とインテリア学科2人の合同チーム。
「まず自分たちならどういう部屋に住みたいかを考えました。」(グラフィック学科:尾崎雄基さん)
「友達を呼んで自慢できる部屋がいいよね~、とか、夢のある部屋がいいね~、とか話あっていくうちに想像が膨らんで、このようなデザインになりました。」(グラフィック学科:武田羅梨沙多胡(らりさたご)さん)

「私たちが頭の中で思い描いた夢物語を、インテリア学科の2人が現実に落とし込んでくれました」と武田さん。グラフィック学科のデザインを、インテリア学科が具現化していくという、お互いの得意分野をいかしながら、見事なチームワークで作り上げた作品といえるだろう。

カッパを着て作業!? 絵の具まみれになりながら星空を実現

絵の具のしぶきを飛ばすスパッタリングの技法で描いた星に、さらに色を加えていく絵の具のしぶきを飛ばすスパッタリングの技法で描いた星に、さらに色を加えていく

企画に一カ月、準備に一週間、施工するのは二日間という限られた時間の中で仕上げるのには、苦労もあったのでは?と思いきや
「そんなことも考えている暇がないくらい、集中していました」と、インテリア学科の遠藤騎士(ないと)さん。ただ、アイデアを具体化するにあたって、素材をどんなものにするのか悩むこともあったそう。
例えば、この部屋を象徴するライティングは、何を使ってプラネタリウムのような星空を表現したらいいのか頭をひねったという。そこで、車が趣味というグラフィック学科の児玉裕貴(ゆうき)さんが、車の装飾に使うLEDコードを採用することを思い付き、難問をクリア。このLEDコードを壁に取り付けたレールに這わせ、星空を表現することに成功したそう。ちなみに、このLEDコード、紫、ピンク、黄色、青…リモコン操作ひとつでその日の気分に合わせた色で部屋を彩ることができるというから、また面白い。

また、夜空に浮かぶ星は、筆にアクリル絵の具を含ませてしぶきのように飛ばすスパッタリングという技法で、天井や壁一面に星をちりばめていったそう。
「みんなカッパを着て作業したんですけど、天井の作業では絵の具まみれになってしまって、終わったときにはカッパの意味がないくらい大変なことになっていました(笑)」と武田さん。
学園内で黒い画用紙とアクリル絵の具を使って縮小版を作り試作を繰り返した星空は、こうして見事に実現されたのだ。

DIY賃貸やカスタマイズ賃貸に次いで、新しい賃貸の可能性も

写真左:レオパレス21の藤澤さん。右:名古屋モード学園の柴田さん写真左:レオパレス21の藤澤さん。右:名古屋モード学園の柴田さん

今回のコンテストでは、「実際に思い描いているものを形にする難しさを知りました」と武田さん。
「名古屋らしさ」「金色を使う」「サンゲツのアイテムを使う」という条件の中で、それぞれがアイデアを出し合ったが、現実に住宅を作ることになれば、クライアントの要望やコスト面など、さまざまな条件をクリアしなくてはならない。
「学生たちにとって今回の取り組みは、そういった条件の中でいかに自分たちの力を発揮できるかを考えることができたと思いますし、レオパレス21さんとサンゲツさんには素晴らしい実践経験の場を与えていただいた。」と、名古屋モード学園管理部主事の柴田英貴さん。
学生時代にこうした企業とのコラボを経験し、実体験を積むことは、社会に出てからの即戦力となる人材作りにも役立つ。
また「問題に直面したときに、自分たちのアイデアで切り抜けるという創造力を養うことにもなる」と柴田さん。学内で勉強しているだけではわからない、現場ならではの苦労や工夫といったことを実際に学べる貴重な体験となったようだ。

レオパレスセンター名古屋駅前店長の藤澤貴裕さんによると
「これまでも、壁一面を好きなように変えられる仕様や、美大や芸大の学生さんに一面に絵を描いてもらうという試みはしてきましたが、今回のようにデザインから装飾まで学生さんにお任せするというのは、社内では初めての試み」とのこと。最近ではDIYできる賃貸であったり、インテリアをセレクトできるような部屋もあり、賃貸市場を活性化させるさまざまなアイデアが用いられている。アーティストや有名建築士が手掛けた部屋も魅力的ではあるが、学生が自分たちのアイデアで作り上げた「自分たちが住みたい部屋」というのは、親近感がわき、興味を持つ人も多いのではないだろうか。

一般公開された後、来春には入居も可能

青色に輝く部屋の中で記念撮影!左から武田羅梨沙多胡(らりさたご)さん、遠藤騎士(ないと)さん、児玉裕貴(ゆうき)さん、尾崎雄基さん。この日来られなかったインテリア学科の長谷川愛さんも含めた5人のチーム。部屋の全貌は、モデルルーム公開後のお楽しみ!青色に輝く部屋の中で記念撮影!左から武田羅梨沙多胡(らりさたご)さん、遠藤騎士(ないと)さん、児玉裕貴(ゆうき)さん、尾崎雄基さん。この日来られなかったインテリア学科の長谷川愛さんも含めた5人のチーム。部屋の全貌は、モデルルーム公開後のお楽しみ!

こちらの作品は、年内にも一般公開される予定で、希望者がいれば来春から入居可能なのだそう。
「この部屋を見て、うちではこういう提案もできるんですよという、いいプレゼン物件にもなります。」という藤澤さんの言葉を聞いて、学生たちは目を輝かせていた。「自分たちの作品が多くの人に見てもらえて、さらに企業のアピール材料になるというのは、本当に光栄」と尾崎さん。チーム全員が、改めて受賞の喜びを感じているようだった。

あとは、月に見立てた金色の時計をかけたら完成!というこの物件。気になる人は、ぜひ公開を待って自分の目で見てきてほしい。未来を担う学生たちの創造力がいかんなく発揮された、宇宙空間を。


※次回、最優秀賞受賞作品の施工物件を紹介予定。



【取材協力】
レオパレス21
http://www.leopalace21.com/
名古屋モード学園
http://www.mode.ac.jp/nagoya/

2014年 12月28日 11時04分