社会で高まるデザインへの期待。住宅業界で高まるデザインへの関心

2021年10月20日、2021年度のグッドデザイン賞が発表され、過去最高となる応募総数5,835件のなかから1,608件のグッドデザイン賞受賞が決定した。これまでにLIFULL HOME’S PRESSで取り上げたデザインも多数受賞しており、なかでも8月1日の記事で紹介した「神水公衆浴場」は、大賞候補となるファイナリスト(5件)に選出された。

グッドデザイン賞の公式サイトで、「複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっている」と説明されるように、賞の対象は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスと、形の有無にかかわらず多岐にわたる。
また、賞の理念として、デザインを競う制度ではなく、審査を通じて新たな「発見」をし、Gマークとともに「共有」することで、次なる「創造」へとつなげていく仕組みだとしている。

現在のグッドデザイン賞は、かつて日本企業による外国商品のデザイン盗用が問題となっていた高度経済成長期、賞を通じてデザインの創造を奨励することで盗用を防ごうと、1957年に通商産業省(現・経済産業省)によって開始されたグッドデザイン商品選定制度に始まる。
住宅業界においては、2020年11月、住宅デザインの「意匠権侵害」を認める初めての判決が下され、デザインに対する関心が高まっている。本稿では、これまでに取材させていただいた建築やまちづくりの取組みのなかで、2021年のグッドデザイン賞に輝いた事例を特集する。この場での「共有」が、読者の皆さんの新たな「創造」へとつながることを期待する。

今や幅広い意味と役割を持つ「デザイン」今や幅広い意味と役割を持つ「デザイン」

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