目立って高くなった消毒清掃のニーズ

新型コロナウイルスがいやらしいのは、手洗いやマスクを忘れず、換気を心がけていても、どこからか忍び込まれそうなところだ。落ち着かない思いをしている人も少なくないだろう。

3月以降の感染の拡大に伴い、残念ながらウイルスに汚染された場所も多くなり、ハウスクリーニングや清掃の専門家のもとには、住まいやオフィスの消毒サービスの依頼が増えている。

株式会社ベアーズの「除菌清掃サービス」の内容は?

家事代行サービスの株式会社ベアーズによる除菌クリーニングの様子(画像提供:株式会社ベアーズ)家事代行サービスの株式会社ベアーズによる除菌クリーニングの様子(画像提供:株式会社ベアーズ)

2020年3月26日より「除菌清掃サービス」を開始した株式会社ベアーズによると、同様のサービスは既存の顧客の要望に応じ、以前から一部で行っていたが、2月の後半になって依頼が目立って増加したことから、本格的にサービスを始めたとのことだ。超微粒子噴霧器で除菌剤を空中噴霧し、スイッチパネルやドアノブなどのコンタクトポイント(高頻度接触箇所)を中心に拭き上げを行うのが、主なサービス内容となっている。用いる除菌剤や清掃方法などについては、これまで提供してきた除菌サービスやクリーニングサービスと、大きな違いはないそうだ。

依頼件数は、家庭より事業者の方がやや上回っていて、一般の事務所などに加えて、現在、東京都などでは休業要請の対象になっているが、触れるものや箇所が多いカラオケ店やダンススタジオなどから、衛生管理を強化したいと依頼されるケースが多かった。サービスの提供にあたっては、一定の感染リスクが想定されることから研修を強化。防護服にマスク、ゴーグルなどの装備で臨んでいる。

対象エリアは当初、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県だったが、依頼の増大を受けて、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県に広げている。同社では、メインの事業である家事代行でも、ドアノブやスイッチパネルなどのコンタクトポイントを、除菌剤で拭き上げるサービスをオプションで提供している。

また、在宅勤務をする人が増え、家にいる時間が長くなると、自然に室内の汚れに目がいくようで、家事代行では、清掃の依頼も多くなっているそうだ。外出の自粛や、子どもたちの臨時休校などの影響で、料理代行の利用も増えている。

証明書の発行で、圧倒的に多い感染発生現場からの依頼

コアーズ株式会社も昨今の新型コロナウィルス感染拡大に伴い依頼が増えているという(画像提供:コアーズ株式会社)コアーズ株式会社も昨今の新型コロナウィルス感染拡大に伴い依頼が増えているという(画像提供:コアーズ株式会社)

一方、4月3日から「予防除菌清掃サービス」を提供しているコアーズ株式会社では、作業終了後に除菌作業証明書を発行していることもあって、事業者から感染が発生した場所に対する依頼が圧倒的に多くなっている。証明書は、衛生や安全への取り組み姿勢を示すもので、事業再開には欠かせないと判断されているのだろう。

同社ではこれまでも、ノロウイルスやインフルエンザの感染予防のために除菌・清掃などを手がけてきたが、今回感染のリスクの高いエリアでの作業となることから、改めて作業の安全確保の見直しを実施。作業の正しい進め方や、感染を防ぐ正しい防護服の脱ぎ方などについて、医師の監修・指導を受けている。

作業は、室内空間への薬剤の噴霧、薬剤による高頻度の接触場所の拭き上げが中心だ。一般の家庭でサービスを利用する際には、噴霧した薬剤がかからないよう、電化製品や書類などは事前に片付けてほしいと呼びかけている。

塩素系薬剤やアルコール剤、次亜塩素酸水などを利用

室内作業の様子(画像提供:コアーズ株式会社)室内作業の様子(画像提供:コアーズ株式会社)

用いる薬剤などは、厚生労働省の「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」などで推奨されている塩素系薬剤やアルコール剤、次亜塩素酸水などだ。ウイルスによって用いる薬剤が違い、インフルエンザはアルコール剤が有効で、ノロウイルスにはアルコール剤があまり効かず、次亜塩素酸ナトリウムが有効だ。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤の主成分で、漂白作用が強いので、カーペットなどに触れると色が変わってしまったり、金属がくすんでしまったりするので、水で薄めた次亜塩素酸水を用いる。新型コロナウイルスは両方の薬剤が有効ということだ。

「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」には、エボラ出血熱やペストをはじめ、ほとんどすべての感染症の消毒法などが記載されている。ウイルスなどで汚染された場所などの消毒にあたっては、「手袋や帽子、ガウンなどには、可能なかぎり使い捨て製品を使用する。使用後は専用の廃棄物用容器に密閉するか、プラスチック袋に二重に密閉したうえで、消毒して持ち出し、焼却処理する」としている。

埼玉県川口市に本社があるコアーズでは、サービスは東京、埼玉、神奈川、千葉、群馬、山梨、新潟の一都六県で開始したが、感染拡大に伴って、他の県や地域からの問合せが増えていて、同社では依頼に応えられる態勢をとるとともに、今後は病院の院内感染などにも対応できるようにしたいとしている。

「コロナ疲れ」のスキを突かれないために、こまめな手洗い・消毒を

ベアーズでは、家庭でできる新型コロナウイルス感染予防対策について、特別なものはなく、換気と手洗い、コンタクトポイントの消毒の徹底がやはり重要とアドバイスしている。コアーズも、予防の基本は同様とするとともに、感染力が強いことと、流行が今回だけに限らないことに注意してほしいと話している。

「コロナ疲れ」になるのも当然だが、そのスキを新型コロナウイルスに突かれないよう、厚生労働省などが発表している感染予防対策をもとに、身の回りの消毒と清掃を実践したいものだ。

2020年 06月04日 11時05分