日本は多くの災害に見舞われていることがわかる「365日災害カレンダー」

日本は自然災害大国と言われている。ここ数年だけでも、地震や台風、大雨など、毎年のように大きな災害が起こり、甚大な被害となっている。今回、もしもに備える電気設備を提案するパナソニック ライフソリューションズ社が開催したメディア向けのオンラインセミナーに参加した。

2016年から「毎日が、備える日。」プロジェクトを展開するパナソニック ライフリューションズ社が、静岡大学防災総合センター岩田孝仁特任教授監修のもとに製作した日本の災害の歴史を振り返る「365日災害カレンダー」。
これをみると、過去から現在に至るまで365日何かしら大きな自然災害に襲われてきたことがわかる。

マーケティング本部 綜合戦略企画室 横山幸司さんは、「これら過去の災害と向き合うことで、日々備えることの大切さを考えるきっかけになってほしい」と話す。

今回のセミナーでお話頂いた静岡大学防災総合センター岩田孝仁特任教授(上)とパナソニック ライフソリューションズ社 マーケティング本部 綜合戦略企画室 横山幸司さん(下)今回のセミナーでお話頂いた静岡大学防災総合センター岩田孝仁特任教授(上)とパナソニック ライフソリューションズ社 マーケティング本部 綜合戦略企画室 横山幸司さん(下)

必要なのは、防災への「備え」を普段の生活に取り入れること

現代の日本における人々の防災意識の現状や、今後取り入れていくべき防災アクションなどについて、セミナーのスペシャルゲストである岩田孝仁特任教授は以下のように話す。

「『365日災害カレンダー』は、7種類の災害ジャンルで構成されています。ほぼ5割が地震・津波の災害、残りの半分は冬に多い火災や、梅雨から秋にかけて起こる洪水や台風などの風水害の災害、また火山の噴火に伴う災害、大雪やなだれのような災害です。これらの災害は月毎に発生傾向がありますが、一年を通して満遍なく起きている災害が地震と津波と言えます」

災害には一定の傾向が確認できるが、それを過信しすぎることは危険であるとも指摘する。「日本は現代になって災害対策のさまざまな技術が発達してきましたが、想定を大幅に超える災害はいつでも起こりえり、また大きな被害が生じ得ることを誰もが認識する必要があります。このカレンダーを通じて、いかに日々の生活が災害と隣り合わせであるかということを理解して欲しい」と話す。

しかし、現代の日本人の多くは防災意識が希薄であるという。「内閣府の調査(2016年)によると、約6割が災害への備えに「取り組んでいない」「ほとんど取り組んでいない」と回答。年代別にみると、特に若い層は災害に備えることは重要だと理解はしていても、ほとんど取り組んでいないという方が大多数を占めています。災害にこれだけ遭遇していても具体的な取り組みに着手できていないことが分かります。加えて、現代の日本は、排水能力や堤防の設置など様々な予防対策が進んだことで、日常の中で災害について意識をしなくなり、災害を想像できなくなっていることが大きな問題です」と想像力を高める重要性を呼びかける。

「まずは防災を『特別なもの』ではなく、『あたりまえのこと』『普通のこと』として、日常的に考えられるようになることが重要であり、その習慣を身に付けていくことから始めてみましょう」と話す。日常生活に取り入れやすい防災アクションとしては、「たとえば、家族が外出する際に行き先を確認する習慣を付ける、床に寝転がって違う視点で自宅を見てみる、近所の人とコミュニケーションを取ってみる、などが挙げられます。床に寝転がって周りを見渡してみるだけで、普段の日常では気付かない危ないものが見えてくるはずです」とアドバイスする。

日本の災害の歴史を振り返る「365日災害カレンダー」日本の災害の歴史を振り返る「365日災害カレンダー」

安全・安心を切り口とした電気設備の普及を

いつどのような災害に見舞われるか予測がつかない中、住まいまわりでは、日々使用する電気設備の安全や安心の確保は重要な課題のひとつになる。新築やリフォーム時に選ぶ設備機器にも災害に対して配慮された機器がみられる。

■地震による通電火災を防ぐ「感震ブレーカー」
地震による停電が復旧した際に、暖房機器などに可燃物が接触したり傷んだコードに再び電機が流れることで起こる「通電火災」。自宅から避難をする際には、分電盤のブレーカーを切ることが大切だが、気が動転し難しい場合も多い。感震ブレーカーは、揺れを感じると警報音を鳴らし、主幹ブレーカーを強制遮断するもの。ブレーカーを気にすることなく避難することが可能だ。

■安全に避難ができる「保安灯」
地震による停電の中での避難はけがや転倒の危険がある。安全に避難するために灯の確保が必要だ。通常は足元(ナイトライト)として利用でき、停電と同時に点灯し安全避難をサポートするのが保安灯だ。避難時に携帯電灯として使用できる取り外し可能なタイプも便利だ。

■停電でも電力を確保できる「太陽光+蓄電池」
停電時の(最低限の)生活支援としては、太陽光発電システムやリチウムイオン蓄電システムが挙げられる。横山さんは、「大規模災害の場合、停電復旧まで1週間~10日間とかなりの時間を要する場合があります。太陽光発電と蓄電池がセットになった『創蓄連携システム』であれば、昼間は創った電気を、夜間は蓄えた電気を使うことができ、万が一大規模地震で停電の復旧が長引いても最低限の電力を確保できます」と話す。

■断水中に生活用水として利用できる「エコキュート」
大規模地震の場合に水は貴重品である。ライフラインが途絶えることで、多くの人々が最も困ったものに「生活用水」を挙げているという。「断水時に役立つのはエコキュート(家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機)です。深夜電力などを使用してお湯を沸き上げてタンクに貯蔵し、万が一の停電・断水時でもポリタンク約18個分の生活用水を取り出すことができます」(横山さん)

■落雷の被害を避ける「避雷器」
雷が落ちると、周辺の電線や電話線、アンテナなどに瞬間的に非常に大きな電流が流れ、数キロ先の落雷でも電線などを伝わり建物内に入り込み、家電製品などを故障させる場合があるという。避雷器付きの分電盤を設置することで、電柱や地面から入ってくる大きな電圧を察知し、電流を地面に流すことができる。家電製品だけでなく、パソコンのデータ消失などの被害を避けることができる。

(左上)蓄電池(左下)通電火災の防止感震ブレーカー(右)『エコキュート』 「エマージェンシー沸き上げ」で災害警報・注意報の発令中、タンク内が常にお湯で満水になるよう、自動でお湯の沸き上げを続けるタイプ(左上)蓄電池(左下)通電火災の防止感震ブレーカー(右)『エコキュート』 「エマージェンシー沸き上げ」で災害警報・注意報の発令中、タンク内が常にお湯で満水になるよう、自動でお湯の沸き上げを続けるタイプ

普段の生活だけでなく、備えを意識した機器選びを

新築やリフォームの際には、さまざまな設備機器、電気機器などを選ぶことになる。日々の暮らしや家族構成に適しているか、予算も含め検討することになるが、加えて、地域の環境・特性に適した防災対策を意識したプランニングも検討したい。防災を特別なものとして考えるのではなく、普段使用する生活用品、設備機器が非常時にどう使用できるか、という観点を持って選ぶことも必要だろう。

また、日頃から、災害時にはどのような操作が必要か、可能な機器は試してみることも大切だ。家族みんなが理解しておくこと、操作マニュアルを非常時にも確認できるようにしておくことも大切だろう。日々の生活の中で、防災時をイメージし使用してみることで、災害と隣り合わせで暮らしていることを意識することもできるのではないだろうか。

■取材協力/パナソニック ライフソリューションズ社 

2020年 09月12日 11時00分