トイレの印象で国のイメージも変わる!?成田空港にきれいなトイレを

「店の良し悪しはトイレで分かる」とよく言われる。トイレが清潔で雰囲気がいいと、お店のイメージもアップするものだ。これは観光地でも同様だろう。

「訪日外国人旅行者アンケート調査(※日本に観光目的で来日した外国人150名に実施したアンケート調査/TOTO)」によると、観光地のトイレがきれいなトイレであると、7割以上が「観光地のイメージがよくなる」と回答しているとか。トイレの良し悪しは、国そのもののイメージをも左右する要素のひとつとなっているようだ。

今後、訪日外国人が増加することが予想される中、成田国際空港では、空港内の各トイレの改修工事が進められている。
今回、入国最初に利用できる第1ターミナルビル南ウイング1階に、TOTOと成田国際空港とのコラボレーションで、日本のトイレ文化を世界に発信するためのトイレ「experience TOTO(エクスペリエンス・トートー)」を開設。

オープンに合わせて行われた内覧会に出かけ、最先端のおもてなしトイレ空間を見てきた。

「experience TOTO」の入り口。「日本のトイレ文化を世界に発信したい」と語るTOTO副社長 森村望氏「experience TOTO」の入り口。「日本のトイレ文化を世界に発信したい」と語るTOTO副社長 森村望氏

「ウォシュレット」は累計5,000万台。より認知を広げるためのおもてなしトイレ

最先端のおもてなしトイレ空間「experience TOTO」の特徴は、温水洗浄便座に代表される日本のきれいなトイレ文化を体験できるということ。

現代における日本のトイレでは、トイレ機器のデザインの美しさ、清潔さや清掃性の高さなどはもちろん、温水洗浄便座(機能)は欠かせないアイテムのひとつ。温水洗浄便座の日本国内での一般世帯普及率(2018年)は80.2%(※内閣府・消費動向調査より:一般世帯:全国の一般世帯のうち外国人・学生・施設等入居世帯、世帯人数が一人の単身世帯を除く世帯)となっており、馴染みの設備機器と言えるだろう。

TOTOでは、1980年6月に温水洗浄便座「ウォシュレット」の販売を開始。以来、累計出荷台数は、2019年3月に、5,000万台(シートタイプ、ウォシュレット一体形便器、国内・海外合計)を突破し、着実に出荷台数を伸ばしているという。

日本で一般的となったこの温水洗浄便座を、利用するのが初めてという海外の方や誰でも、気軽に体験することができるのが「experience TOTO」。洗浄機能はもちろん、設置されている「ウォシュレット」は、凸凹や段差を極力なくしたデザインや独自の「キレイ除菌水」をふきかけ便器ボウル面やノズルの汚れや菌を除菌するなどの特徴も。

また、すっきりしたデザインのトイレ空間には、光触媒技術による抗菌・抗ウイルスなどの機能を持つ大型陶板「ハイドロソリッド」を内装材として用いるなど、きれいなトイレを実現する工夫もみられる。

シンプルなデザインの女子トイレ内。混雑緩和と快適性向上のために洗面とスタイリングコーナーを分けているシンプルなデザインの女子トイレ内。混雑緩和と快適性向上のために洗面とスタイリングコーナーを分けている

5言語対応の「experience TOTO」専用タブレットリモコンで誰もが使いやすく

「experience TOTO」の空間全体の構成は、ファサードに日本のトイレ文化を伝える大型液晶パネルを設置。視覚的に興味を持ってもらえるように、水やトイレに関した映像が流れる。

入り口左右には、車椅子使用者専用トイレブース(個室)、乳幼児用のベビーチェアやオストメイト対応器具を設けた多機能トイレを配置。男女それぞれのスペース内にも、ベビーチェアやベビーシート、オストメイト対応器具を設置したブースを用意するなど、パブリックトイレに求められる機能が充実している。

特徴的なのが各ブース内に設置された、「ウォシュレット」操作に用いる「experience TOTO」専用のタブレットリモコンだ。
タブレット画面の選択ボタンで、日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の5言語から選ぶことができるので、通常のリモコンに比べ、迷わず気軽に試すことが可能だろう。また、入室時には、「ウォシュレット」の体験を促す動画、使用方法や効果についての説明動画を流す工夫も。体験してもらい、その快適さを認知してもらうことに注力したプランとなっている(試験導入/バカン・NTT東日本・TOTO共同企画)。

使用方法などの動画が流れるタブレットリモコン使用方法などの動画が流れるタブレットリモコン

多機能トイレは日本語、英語、中国語、韓国語の音声ガイドで

多機能トイレでは、使用する人をセンサー(マイクロ波センサーや距離センサー)で感知して、動作や位置に合わせた使い方の音声ガイドを多言語で対応する。

たとえば、入室時は日本語、英語、中国語、韓国語で音声ガイドの紹介が流れ、利用者は利用したい言語を発声することで、適する言語でのガイドが始まる。

着座時には操作ボタンの説明や「ウォシュレット」利用のすすめ、離座時には便器の自動洗浄や手洗器の自動水栓の説明などが行われる。初めてのスペースでも、迷わずに利用することができるように、細かな配慮がなされている(試験導入)。

車椅子使用者優先トイレ。入り口付近にあることで、異性介助など性別にかかわらず使用しやすい男女共用トイレ車椅子使用者優先トイレ。入り口付近にあることで、異性介助など性別にかかわらず使用しやすい男女共用トイレ

IoTを活用。サイネージで混雑状況を表示

IoT(Internet of Things)が活用されていることも特徴のひとつ。利用する人はもちろん、パブリックトイレでは、管理者や清掃する人への利便性も重要なポイントだ。それぞれの利便性を高めた工夫がみられる。

たとえば、利用する人にとっては、混雑状況が分かりやすいと、ストレスなく使うことができるものだ。ドアセンサーや行列センサーによって、ファサードに設けた映像画面に、ブースの空状況が「空」「満」によって表示され、待ち行列の状況も示される。(バカン・NTT東日本・TOTO共同企画)

また、管理者や清掃する人への使い勝手を高める工夫としては、IoT対応トイレ器具によって、利用回数・利用時間・消耗品残量の見える化が図られている。集められたビックデータをもとに、今後、掃除やメンテナンスタイミングの最適化などに役立てていくという。また、季節ごとに行われる便座や温水の温度設定変更は、これまでは手作業で行われていたが、「experience TOTO」では、管理画面から一括で変更できる。(KDDI・TOTO共同企画。※試験導入)。

トイレなど設備機器において、日本の製品は高い性能や機能を持つアイテムが多くみられる。
最新の技術を上手に取り入れ、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインに配慮された製品やスペースづくりは今後も重要だろう。パブリックなスペースだけでなく、一般住宅の場合でも、家族構成やライフスタイル、間取り等に適した技術や機能を取り入れることで、使い勝手もアップするものだ。
新築やリフォームの際には、新しい情報にアンテナをはり、プランニングを進めることも大切だろう。

■取材協力
TOTO  https://jp.toto.com/

写真左上:水のゆらめきなどを表現したファサードの大型液晶パネル 写真左下:ブース内の機能をアイコンで分かりやすく表示 </br>写真右上:ブースの使用や待っている人数など混雑状況を表示 写真右下:待つ場所を足跡マークで表示

写真左上:水のゆらめきなどを表現したファサードの大型液晶パネル 写真左下:ブース内の機能をアイコンで分かりやすく表示 
写真右上:ブースの使用や待っている人数など混雑状況を表示 写真右下:待つ場所を足跡マークで表示

2019年 06月05日 11時00分