ハウスメーカーや工務店任せにしない! 自分好みのエクステリア作り

年間約1,700万本を全国各地に供給している、植木の日本四大産地・稲沢市。愛知農園植木苗木株式会社には約150種の木が立ち並び、“植木のショールーム”となっている年間約1,700万本を全国各地に供給している、植木の日本四大産地・稲沢市。愛知農園植木苗木株式会社には約150種の木が立ち並び、“植木のショールーム”となっている

新築や改装において、建物自体にこだわりを持っていても、エクステリア(外構)はハウスメーカーや工務店任せという人が多かった従来に比べ、最近では駐車場や庭なども含めて“家づくり”と考える人が増えてきているという。こうした「自分好みのエクステリアを作りたい」というニーズの表れとして、庭の植木を自由に見て選べる個人向け植栽工事の人気が高まっていると聞き、その内容について調べてみた。

個人向け植栽工事を行っているのは、東海地区最大級の植木直販農場を営む愛知農園植木苗木株式会社。愛知岐阜三重の東海三県だけでなく、福井県や滋賀県、京都など近畿地方からもお客が訪れ、庭木販売や植え込みの年間販売実績が300件を超す人気ぶりだという。その人気の背景について、同社の専務取締役・氏永勝之氏にお話を伺った。

植木のショールームを見て回れる「農園見学サービス」

赤松などが育てられている和風エリアや、最近人気のアオダモやオリーブなどが立つ洋風エリアなど、庭園内を見学しながらお気に入りの一本を見つけられる農園見学。氏永氏はじめ、スタッフが丁寧に説明してくれる赤松などが育てられている和風エリアや、最近人気のアオダモやオリーブなどが立つ洋風エリアなど、庭園内を見学しながらお気に入りの一本を見つけられる農園見学。氏永氏はじめ、スタッフが丁寧に説明してくれる

人気の背景には同社が展開している「農園見学サービス」にある。これは同社の農園に出向いて、実際に自分の庭に植える木を見て選べるというもの。
氏永氏によると、サービスがスタートした2011年に比べると相談申込件数が約5倍ほどになり、土日は予約が埋まってしまうほどだという。
ナゴヤドーム2個分(約100,000m2)の広大な農地には150種類、10,000本以上が栽培されており、この中から自分の目でお気に入りの木を見つけることができるのだ。

「建物や外構工事では、使用する製品のショールームがありますが、庭のシンボルとなる植木にはショールームがないですよね。実際に植木を見てみたいというお客様がいたとしても、ハウスメーカーや工務店、外構工事の会社では対応できない。そういった状況を改善できないかと思ってこのサービスを始めました」と氏永氏。

同じ種類の木だとしても、枝の別れ方や幹の太さ、色も違う。また、樹種によって様々な特徴があるので、自分の希望や家の雰囲気に合った木はどんなものなのかを実際に木を見ながら説明してもらえる。日があまり当たらない場所でも枯れにくい木、虫の付きにくい木、大きくなりにくい木など、庭の目的や広さによってどんな木を植えるべきかを農園を見学しながらプロが提案してくれるのだ。

庭木目線の新しい庭づくりが増えている

今回お話を伺った、愛知農園植木苗木株式会社の専務取締役・氏永勝之氏今回お話を伺った、愛知農園植木苗木株式会社の専務取締役・氏永勝之氏

また、同社ではこのサービスに加え、エクステリア工事も請け負っている。

氏永氏いわく「今までの庭づくりは駐車場やフェンス、アプローチや花壇など構造物が主体で、そういった場合、その外構の雰囲気に合わせた庭木を植える必要があり、庭木の選択肢が減っていました。ですが、最近では木を主体に外構作りを考えるお客様が増えてきて、そういった声に応えたいと外構工事も請け負うようになりました」とのこと。
造園・外構会社は植木会社から木を仕入れることになるが、同社は植木の販売が中核となるため、マージンがかからず安く仕上げることができる。庭のデザインを手掛ける植栽・造園プランナーがいるので、敷地図や、新築の場合、建物を含めた計画図(イメージパースでも)、現地の写真があれば、庭木を含めたエクステリア工事をすべて任せることができる。外からも見える庭木を家のシンボルと捉え、それを中心に外構のイメージを考えていこうという人にとっては、この選択肢は嬉しいのではないだろうか。

人気はNO.1はシマトネリコ。野趣あふれる「株立ち」で雑木風に仕上げる人が増えている

写真左:和風洋風どちらにも合うシマトネリコ。成長が早く丈夫なのが人気の理由だ。右:雄雌があり、雌は冬に赤い実をつける。成長が遅く育てやすい写真左:和風洋風どちらにも合うシマトネリコ。成長が早く丈夫なのが人気の理由だ。右:雄雌があり、雌は冬に赤い実をつける。成長が遅く育てやすい

樹種として人気が高いのは
・シマトネリコ(常緑樹)
・アオダモ(落葉樹)
・オリーブ(常緑樹)
・ソヨゴ(常緑樹)
2m前後に成長したものを選ぶ人が多いという。幹の根本から数本の幹が枝分かれして立ち上がっている「株立ち」というスタイルも人気なのだそう。
シンボルツリーといっても、やはり1本だけではポツンとなってしまって寂しい。庭の広さにもよるが、3本以上を組み合わせて庭全体のイメージを作り上げるのがいいようだ。選んだ木を並べる際のポイントは「不等辺三角形」だという。一列にただ並べてしまうより、木を三点に配置するとどの場所から見ても、奥行きの感じられる立体的な庭になるのだとか。
一番悩みどころともいえる、庭木の組み合わせについては
「基本的なポイントとして、全体を10とした場合、常緑樹が7、落葉樹が3という割合で植えるケースが一般的です。ですが、庭を明るい印象に見せたい場合には、落葉樹の割合を多くすると良いですね。あとは、樹木の高さにも気を配るといいと思います。シンボルツリーとサブツリーの高さを変え、立体的な庭になるようにすることがポイントです」(氏永氏)

自分の庭にどんな木を求めるのか。目的を明確にするのが失敗しない庭づくりのポイント

一度植えてしまえば、何十年と付き合っていく植木。植え替えしようにも、大きくなった植木の植え替えは何十万とかかることも。
よくある失敗として、
・ホームセンターや園芸店で自分で庭木を選んだが、成長が早く、大木になってしまう植木を植えてしまったばかりに伐採せざるを得なくなった。
・落葉樹を選んだが、葉が隣家の敷地に落ちる。
などがあげられる。

ホームセンター、園芸店ではまだ成長していない小さな木の状態で販売されているため、成長した後のイメージがつきにくい。農園見学なら実際に木を見ながら、成長したイメージをつかむことができ、プロのアドバイスを聞くことができる。
また、希望すれば有料ではあるが「植栽フォトシミュレーションサービス(※)」で希望する樹木を植えた場合の庭や家全体のイメージをつかむことができる。これは、施主の家の画像を送れば、希望の木を植栽した場合のイメージを画像で確認できるサービス。樹木の高さや広がりなどを目で見て確認できるので、失敗が少なくてすみそうだ。
「どういう植木でもメリットとデメリットはあります。自分の庭にどんな木を求めるのか、雑木風、リゾート風、和モダンなどのイメージと、目隠しにしたい、間仕切りにしたい、防犯対策など、目的を明確にするのが失敗しない庭づくりの一歩です」(氏永氏)。

予算の都合上、庭や外構などは後まわしという人も多いと聞く。しかし、庭を含めエクステリアというのは家の中からも外からも見える場所であり、その家をイメージづける重要な要素である。家のシンボルとなる庭木を主体としたエクステリアという選択肢も含めて、外構工事を考えてみるのも面白いかもしれない。

※「植栽シミュレーション」:一枚につき3,000円。シミュレーションした内容で植栽工事成約の場合は無料となる。


取材協力:愛知農園植木苗木株式会社
http://aichinoen.com/

同社の施行例。写真上:最近人気が高い雑木林風の植栽。写真下:庭全体に広がった雑草を根から全て処分し、リゾート風にイメージチェンジ同社の施行例。写真上:最近人気が高い雑木林風の植栽。写真下:庭全体に広がった雑草を根から全て処分し、リゾート風にイメージチェンジ

2015年 05月03日 10時24分