大量にエネルギーを消費する機械器具を対象とするトップランナー制度

来年2014年4月、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」、いわゆる省エネ法が一部改正される。省エネ対策のトップランナー制度に、建材としてはじめて断熱材が加わるのだ。

トップランナー制度とは、自動車や家電など大量にエネルギーを消費する機械器具の製造会社に対して、「この期間までに製造する製品の省エネ性能を平均でこれ以上に上げてください」と定めたもの。

たとえば自動車メーカーなら、「燃費が1リッター当たり10㎞の大型車ばかり製造していないで、燃費の良い小型車も製造して20○○年までに会社全体の平均燃費を1リッター当たり16㎞(目標基準値)以上にしてください」といった感じである。
目標基準値の根拠は、現在商品化されている製品のうちエネルギー消費効率が最も優れているもの(トップランナー)の性能や将来の技術開発の見通しなどとしている。

資源エネルギー庁は対象となる特定機器の要件を以下のように定めている。
①我が国において大量に使用される機械器具であること
②その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であること
③その機械器具に係るエネルギー消費効率の向上を図ることが特に必要なものであること(効率改善余地等があるもの)


クルマの場合は、その会社内で製造するクルマ全体の燃費の加重平均で達成が判断される(出典:トップランナー基準の現状等について(資源エネルギー庁))クルマの場合は、その会社内で製造するクルマ全体の燃費の加重平均で達成が判断される(出典:トップランナー基準の現状等について(資源エネルギー庁))

2020年までに断熱材の省エネ性能が6%アップする

特定機器は2010年現在で自動車やエアコン、照明器具など製品自体がエネルギーを消費する23機器だった。しかし今回の改正により製品自体はエネルギーを消費しないが、住宅・ビルなどのエネルギー消費効率の向上に役立つ製品を追加することになった。
そこで対象になったのが住宅建築にも使用する断熱材だ。
具体的には
・グラスウール
・ロックウール
・押出ポリスチレンフォーム
のいう断熱材としては非常に使用率の高い3種類。
これらを製造するメーカーは、熱伝導率(W/(m・K))の平均を2020年までに6%前後アップさせなければならない。

ちなみに熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す値で、小さいほど断熱性能=省エネ性能が高いことになる。水は約0.6、鉄は約84、木材は0.15~0.25、羊毛は0.05。
上記の断熱材の熱伝導率は0.04前後。羊毛に近い。

目標値が達成されれば、もともと熱伝導率の低かったロックウールを除き、約6%省エネ性能が向上することになる(出典:建築材料等判断基準ワーキンググループ中間取りまとめ(案))目標値が達成されれば、もともと熱伝導率の低かったロックウールを除き、約6%省エネ性能が向上することになる(出典:建築材料等判断基準ワーキンググループ中間取りまとめ(案))

安かろう悪かろうの建材は消えていくことになる

今回の法改正では、建材は断熱材のみだったが、今後は窓なども追加される動きがある。このような建材の省エネ性能の底上げが義務化されれば、安かろう悪かろうの製品が世の中から消えて行くだろう。
今までは省エネ性能に優れた家に住みたければ、一般消費者でもかなり勉強して、建材の確認や指定をしなくてはいけなかった。それがどの建材を使用しても一定の省エネ性能が担保されることになるのだ。このような法改正は大いに歓迎したい。

2013年 12月25日 08時16分