いきなり動くのは失敗のもと〜「大切な事」をリスト化せよ

マンションを選ぶにはいくつかのステップを踏む必要がある。今回はまず事前準備編。
マンションを買うと決めるや、いきなり情報収集を始め、物件見学を始める人が多いが、それは無駄が多い。無駄が多いだけならば構わないが、大事な要素を見逃して雰囲気に流され「衝動買い」、時間の無駄に終わらずにお金の無駄、などとなったら目も当てられない。特に、オプションメニューと高価でセンスの良い家具に飾られた新築マンションのモデルルームは、何の基準も持たずに徒手空拳でフラッと見学するのは危険だ。「一目惚れ」してしまう可能性が高い。

マンション探しを始める際に、まずしておきたいのは「マンションを買った後の新しい生活で大切な事は何か?」をよく考える事、そしてリストアップする事。「いいな」と思える物件をみつけても、そこからやおら「これで大丈夫か?」と考えるのも機動性に欠ける。中古マンションであれば、そうこう考えているうちに商談中となってしまう可能性もある。 何が大切か?ということは、きちんとリスト化しておきたい。

本やネットに答がないことが大切〜自分の頭で考える

どんなマンションが自分に向くか?答えは、書籍や営業マンではなく、自分の頭の中にあるどんなマンションが自分に向くか?答えは、書籍や営業マンではなく、自分の頭の中にある

リスト化というと「キッチンと洗面室の動線は移動しやすいか?」「収納スペースは充分に確保できているか?」といった住戸内チェックリスト的なものがまず思い浮かぶかもしれない。住戸内の設備や仕様についての内容は住まい選びにとって大事な要素だ。交通便や買物便等もしかりだ。

しかし、設備や仕様の一般的な使い勝手はネットや本を調べればいくらでも探す事ができる。どの沿線が便利、リセールバリューが高い等々も、雑誌の特集なんかの定番メニューで、いろいろな情報が出回っている。

それらを寄せ集めたところで、できるリストは一般的なリストでしかない。誰にでもつくれるものだ。そのようなものを参考に「一般的にいい物件」を探しても、それが自分にとってのいい物件とは限らない。

自分にとって「必要な条件」を考え、書き出し、リスト化する事が大切だ。いくら本を読んでも営業マンにきいても、本当に自分に必要な条件は見つからない。

「誰が」を考える、より具体的な事迄考える

マンション探しをする場合、まずはエリアを絞る。もしかすると「仕様設備第一で、場所はどこでも構わない」という人もいるかもしれないが、まあ少数派であろう。というわけでまずは「住みやすい立地」を探すためのリストづくり、購入条件の棚卸しをして欲しい。

そこでポイントは「住みやすい」とは「誰が」住みやすいのかをしっかり考えること。 漫然と「住みやすい」といっても答えはでない。関東なら吉祥寺、関西なら西宮北口あたりが「住みやすい街」「住んでみたい街」のTOP常連エリアである。だが、これは人気投票であって「あなた自身」が住むやすいかどうかは全く別問題。あまり気にする必要も無い。

また「あなた」だけでなく奥さん(又はご主人)やお子さんを主語において「○○が住みやすい」条件を考える必要もある。ご主人なら通勤時間に通勤ルート、。奥様なら買物便、銀行や公共施設への近さ、お子さんなら保育園や学校、塾の状況。

これらの要素も、突っ込んで考えて欲しい。通勤ひとつとっても、電車に乗っている時間が短い方がよいのか長くても座れればよいのか。トータル時間が同じならバス便でもよいのか駅近がよいのか。ポイントは多い。買物施設にしても、近くに欲しいのはスーパーか大規模SCか市場か、高級路線がよいのか低価格が売りのスーパーが良いのか? より具体的な事まで考えておく方が、中古マンションを営業マン等に探してもらう際にも、ブレ無く的確に物件を紹介してもらいやすい。

子供はずっと保育園児ではない〜時間軸を意識する

ところでこれらのことを考える際には、時間軸は必ず考慮に入れておきたい。特にお子さんに感しては気をつけたい。大人は、5年10年では生活スタイルが変わらない事も多い。しかし子供は違う。5年10年経てば、まず所属先が変わる。

保育所のバス停が近く、公園が近くて遊びにでやすい。そう思って選んだマンション。子供が小学生になり、通学は徒歩20分以上。中学校も同様に遠く、塾も近所には見当たらない。 そんな例は何度も見聞きしている。もちろん、そのときにはあらためて引っ越すのだと決めているのであればそれはそれで良いのだが。

主人の転勤や父母の介護等、やむを得ない事情で引越しなければならない事もある。10年20年先はどうなるかわからない。だからこそ、生活パターンが変わる事が予想される子供の環境について位は先んじて考えておきたい 。

個人の嗜好も大切に〜機能/性能以外の何かを大事にする

自分が好きな景色が近くにある。そんな住まいを見つけたい自分が好きな景色が近くにある。そんな住まいを見つけたい

自分にとって家族にとって住みやすいというのはどういう事か。突き詰めて考えて、必要な要件をリスト化する。そこで出来上がったリストを今一度見て欲しい。生活利便性、機能面にばかり偏ってないだろうか?

マンションを買ってしまうと、室内は変える事ができても、環境は変える事ができない。例えば「徒歩5分以内に神社がある」「海迄歩いていける」「里山まで自転車で10分程度」「気持ちよくランニングできるコースが近くにある」といった要件は、後から挽回する事はできない。

リラックスした時間を過ごせるような環境、家に帰りたいと思えるような風景。そのような事が満たされているマンションであれば、たとえ「ちょっと失敗したかな?」と思えるような事があっても、きっと気持ちもまぎれるはずだ。

2013年 11月11日 09時57分