まずはポータルサイトの活用

どのような物件が自分に、家族に向いているかの判断基準が整理できたら、次は物件の情報収集だ。今回は新築マンションについて説明したい。

短期間に多くの情報が収集できるのはネット媒体である。「新築マンション ポータル」と検索するだけで多くの物件ポータルサイトがでてくる。この記事を読んでいる方には多くの説明は不要であろう。まずはポータルサイトでの情報収集を行うのが王道である。ポータルサイトにはそれぞれ「お気に入り登録」「こだわり検索」「メールマガジン」等々の豊富な機能がある。それらを利用すれば情報収集の手間はかなり削減できる。毎日サイトで確認するような手間をかける必要は無い。

なかでも使いたい機能は「新着物件のお知らせ機能」である。ポータルサイトにより名称は異なるが、新規物件が当該サイトに登録された際に、その事を報告してくれる機能は大抵のサイトに装備されている。探し始めた当初は希望条件にあう物件を逐一確認する必要があるが、その後は新規物件のみをみていけば良いので、効率よく探す事が可能である。

新築マンションは通常、販売に入る前に事前準備期間を設けるため中古マンションと違い、検討から契約の時期迄ある程度時間の余裕がある。販売開始前は、マンション名が「仮称」であったり、販売価格や戸数が「未定」と表記されており、広告も「予告広告」となっている。その場合は、すぐに契約をしたくても契約できる状態に無い。チラシを見て不動産仲介業者に連絡をしたその時点で売れてしまっている事がある中古マンションと比べ、スピード感が違う。

定期的な検索やお知らせ機能の利用をして、予告広告の時点で情報を獲得できるようにしておけば充分だ。検討対象となる物件があれば資料請求をし、あとは資料が来るのを待つのみである。

分譲前の情報でも必ずチェックする

予告広告の時点で手に入る資料はいわゆる「パンフレット」ではなく「社内資料」である。情報量は少ない。「価格表」も無く、全ての間取りもわからない。条件が決まり「パンフレット」が完成してから検討しても良さそうなものだが、この時点から検討を開始する事を進める。理由は2つある。

一つ目は、「自分向き」であるかどうかがある程度はチェックできるという事。予告広告の時点でも、マンション選びで一番大切な要素である立地、そして建物の規模感はわかる。価格についても、住戸毎の正確な数字はわからないものの、大まかな価格帯はわかる。もし記載が無ければ、問い合わせてみれば良い。およその価格については口頭で教えてもらえるであろう。立地、建物の規模感、価格帯。この三つがわかれば、検討に値する物件であるかどうかの一次ジャッジはできるはずだ。

二つ目は、正式に販売開始したときに出遅れないという事。マンションデベロッパーが予告広告を行う理由は何か? なるべく早く物件情報を市場に出し、見込み客を確保しておきたいからである。ここで「見込み客」になっておけば、物件の販売状況に進捗があった場合、ダイレクトメールやメール等で情報を仕入れる事ができる。この「見込み客」が多い場合、物件によっては優先分譲と称して、大々的に広告を開始する前に分譲を開始し、その後から第一期販売とする場合もある。このタイミングで検討するには、予告広告の時点で売主との接点を持っておく事が大事である。

複数の会社の会員になり、情報が送られてくる環境作り

ポータルサイトをずっとチェックしていたのに、はじめてみたときには既に分譲中であった。残念だがそんな場合もある。ポータルサイトは広告であるためコストがかかる。売主にとってみれば、掲載せずに売れるにこした事は無く、「見込み客」がいなくなってからの施策でもよいわけだ。

ポータルサイトにでる前に情報を取得するにはどうするか?

まずは考えられるのはマンションデベロッパーの会員制度を利用する事である。多くのマンションデベロッパーが会員組織を作っており、会報誌やメルマガ等で自社の最新情報を発信している。会報誌のクオリティが高く、ちょっとした雑誌の記事なんかよりよく書けているような事も多く、読み物としても楽しめる。プレゼント企画などがある場合ある。

一手間かけて会員登録作業をすませて会員となれば、こちらから働きかける事無く、向こうからどんどん情報がやってくる。楽チンな情報収集方法である。

「会員になると、しつこく営業されるのではないか?」そんな懸念を持つ人も多いであろうが、そこについてはあまり心配は無いであろう。筆者も仕事柄、様々な会社の会員となっているが、電話がジャンジャン鳴って困るような経験はほとんどない。会社によっては、物件告知のためであろうか、半年に一度くらい電話がかかってくる事もあるが、検討する気持ちが無い事を告げると2度目はかかってこない。10年程前迄であれば毎週のように電話がかかってくるような事もあったが、そういう会社は格段に減っていると考えて良さそうだ。

一番川上の情報は、周辺住民が知っている

建築が始まる前には「お知らせ看板」が上がり、記載内容から何が建築されるかがわかる建築が始まる前には「お知らせ看板」が上がり、記載内容から何が建築されるかがわかる

様々な会員向情報が送られてくるようになり、最初に感じるのは「ほとんど検討外の物件……」であろう。大手デベロッパーの会報誌であれば全国の物件情報が掲載されている。余分な情報は読み飛ばせばよいが、ある特定のエリアの情報がもっと欲しいと思うようになる。そのエリアで今後分譲するであろう全マンションデベロッパーの会員になれば良いのかもしれないが、それも現実的に難しい。

特定のエリアでのマンション探しは、「その周辺に住む知人」を頼りにしたい。

周辺にだけチラシが配布された、工事説明会の開催を回覧板で知った、現地に「分譲予定」の看板があった。ポータルサイトや会報誌にでる前の情報が周辺エリアに住んでいれば手に入る。もしくは「あそこの社宅は○○不動産が買ったらしい」といった、かなり川上の情報が手に入る可能性がある。

住みたいエリアの周辺に知人がいれば、上記のような事に気を配ってもらい、何か動きがあれば教えてもらえる体制を構築することも可能だ。

この「周辺の知人」作戦はハードルが高いが、何よりも先に知る事ができる最強の手段だ。ちなみに、地元業者が分譲する新築戸建ては、広域での折込チラシやポータルサイト掲載を行わない場合も多く、その場合はこの手段を使うしか無い。

「ポータルサイト」「会員向情報」「周辺の知人」、これらの手段を組み合わせ定期的に、焦らず物件情報を収集する。これが新築マンション探しの王道である。

2013年 12月02日 09時49分