「どうして名古屋の人はマンションを買わないの?」
大手デベロッパー担当者の素朴なつぶやき

▲名古屋のマンションは購入するのに恵まれた状況なのか?▲名古屋のマンションは購入するのに恵まれた状況なのか?

名古屋地区に新しく赴任してきた大手デベロッパーの担当者の方にお話をうかがっていると、よくこんな言葉を耳にする。「どうして名古屋の人ってマンションを買わないんだろう?東京・大阪と比べたらびっくりするぐらい恵まれた状況なのに」。

一般的に、新築分譲マンションを値付けする場合、東京や大阪の都心部では土地価格が7割、建物価格が3割というバランスで設定されることが多いと聞くが、名古屋の場合は東京・大阪に比べると土地価格が安く、土地5割・建物5割のとてもバランス良い分譲価格設定になっていることが多いのだという。そのため、駅近や都心至近などの好立地に良質なクオリティのマンションが建てられる、という点で『玄人好みの良いマンションが多い』というのが名古屋地区の特徴のひとつとなっているのだ。

では『恵まれた状況』と評される具体的な理由はどこにあるのだろうか。

家賃相場と月々の返済額目安で比較してみると…
東京・大阪・名古屋の賃貸VS分譲、その結果は?!

注目したいのは、価格変動が少ないとされる賃貸相場と分譲価格のバランスだ。仮に、名古屋の人気路線とされている地下鉄桜通線沿線・都心エリアに位置する『久屋大通』駅をクローズアップしてみると、ディンクス~子育てファミリーターゲットの1LDK~2LDKの家賃相場は10万7500円。一方、同エリアの新築・中古マンションの価格相場は約1600万円。分譲価格を1600万円として想定しシミュレーションしてみると、頭金なし・1600万円の借入で毎月返済額は5万4000円、総返済額は2227万円と試算される。

では、これを『久屋大通の賃貸相場=10万7500円』という条件が類似している東京・大阪の人気エリアのマンションと比較してみよう。

【比較例1:東京スカイツリー近くの『押上』の場合】
東京メトロ半蔵門線の『押上』駅で1LDK~2LDKの家賃相場は10万6200円、同エリアの新築・中古マンションの価格相場は3188万円。頭金なし・3100万円の借入で毎月返済額は10万3000円、総返済額は4314万円と試算できる。

【比較例2:大阪都心に隣接する『東梅田』の場合】
地下鉄谷町線の『東梅田』駅で1LDK~2LDKの家賃相場は10万6100円、同エリアの新築・中古マンションの価格相場は2496万円。頭金なし・2400万円の借り入れで毎月返済額は8万円、総返済額は3340万円と試算できる。

※家賃相場については『HOME'S』家賃相場情報2013年8月31日付より引用。
※新築・中古分譲マンションの価格相場については『HOME'S』えきナビより引用。
※住宅ローン借り入れについては、35年・全期間固定金利2.0%・ボーナス時加算無しと想定。

名古屋・東京・大阪の賃貸相場と分譲相場の比較表
 エリア  駅名 賃料相場 分譲価格相場 毎月返済額  総返済額
 名古屋 久屋大通  10.75万円 1600万円 5.4万円 2227万円
 東京 押上  10.62万円 3188万円 10.3万円 4314万円
 大阪 東梅田  10.61万円 2496万円 8万円 3340万円

三大都市比較、名古屋地区では『分譲マンションの割安感』に軍配が!

▲今回3都市比較で参考にした『HOME’S』家賃相場▲今回3都市比較で参考にした『HOME’S』家賃相場

つまり、賃貸相場を軸に比較した上記のデータを検討してみると、『名古屋は恵まれている』と評される理由が見えてくる。

名古屋の場合『賃貸マンションの家賃相場』は、東京・大阪と比較して特別割安感はないものの、新築・中古マンションの分譲相場となると三都市で比較した際にかなりの割安感があるほか、住宅ローンの総返済額にも大きな差額が発生するため、冒頭の「どうして名古屋の人ってマンションを買わないんだろう?」という担当者のつぶやきにもつながるわけだ。

もちろん、各都市それぞれに居住者のニーズや街の特性が異なるため、今回ご紹介した事例はあくまでも参考データとしてチェックしてほしいのだが、マンション販売のプロの目線で見ても、『名古屋地区は東京・大阪に比べると“マンションが購入しやすい=住居費用を上手に節約できる”土地柄』であることは間違いないようだ。


■参考
住みたい駅の情報がわかる!えきナビ
気になる街の相場から物件を探そう!家賃相場

2013年 10月08日 11時25分