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東京都の不動産トラブル、賃料値上げに関する相談が倍増。囲い込みに関する相談も

東京都の不動産トラブル、賃料値上げに関する相談が倍増。囲い込みに関する相談も

東京都は、2025年11月19日、都内の不動産取引の適正化と消費者保護を目的として、令和6年度における「不動産取引に関する相談」および「宅地建物取引業者に対する指導」の概要を公表しました。

東京都の住宅に関する相談受付件数は、過去5年間、毎年2万件ほどで推移しています。本記事では、不動産のトラブル事例や東京都の対策などについて解説します。

もくじ

相談数は2万2,027件。売買「契約内容」・賃貸「敷金」相談が多い傾向

令和6年度における都の相談窓口(電話・面談)および特別相談室での相談総数は2万2,027件と、昨年度(2万1,341件)から686件増加しました。令和5年以降、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げを受けて面談による相談が微増傾向にありますが、依然として電話相談が多くの割合(97.9%)を占めています。

電話相談で多かった内容を契約種別ごとで確認してみましょう。

売買は全3,452件のうち「契約内容」(738件)、「契約前相談」(551件)、「契約の解除」(312件)と続きます。「しつこい勧誘」(280件)と「契約前相談」を合算すると831件となり、全体の約24%を占めます。

賃貸借では、全16,206件のうち、多い順に「敷金(原状回復)」(3,323件)、「重要事項説明・契約内容」(2,704件)、「管理(設備の瑕疵等)」(2,300件)となっています。

主に売買では契約内容や契約前の相談が多く、賃貸借では入居後のトラブルが多い傾向にあるようです。

出典:東京都 不動産取引に関する相談及び指導等の概要(令和6年度)

売買契約賃貸借契約の相談内容
消費者からの相談内容のうち「電話による相談」の主な内容(令和6年度)

賃料値上げに関する相談が2倍に急増

都心部の賃料は年々上昇傾向にありますが、東京都への相談件数も増加傾向にあります。賃料の値上げに関する相談は、令和5年は677件でしたが、令和6年は1,366件と約2倍に増加しました。令和2〜4年は400件程であり、近年上昇が続いています。

LIFULL HOME'Sの調査によれば、東京23区の掲載賃料はファミリー向け・シングル向けともに「過去最高」を更新(2025年11月LIFULL HOME'Sマーケットレポート)。ファミリー向け物件の掲載賃料は16ヶ月連続上昇となりました。

ファミリー向け賃貸物件の賃料推移
【東京 賃料動向】東京23区の掲載賃料はファミリー・シングルともに「過去最高」を更新(LIFULL HOME'Sマーケットレポート2025年11月)

東京都への相談内容の中には「突然賃料を2倍にすると通告された」「賃料見直しに応じなければ、契約の更新をしないと大家から通告された」などのトラブルが挙がっています。

東京都は、正当な理由がない賃料値上げ要求に対しては必ずしも応じる必要はなく、貸主と借主双方の合意がなければ値上げは認められないことなどをホームページで注意喚起しています。

東京都賃料に関する相談件数の推移
東京都 不動産取引に関する相談及び指導等の概要(令和6年度)より、賃料値上げの相談件数の推移
また、東京都は2025年10月10日、賃貸住宅などのオーナーチェンジなどに伴い、正当な事由なく賃料の急激な値上げを要求されるなどの相談事例が増加しており、これらの相談に対応するため「賃料値上げ特別相談窓口」を設置しました。

問合せ先は下記を参照ください。

東京都 賃貸住宅における「賃料値上げ特別相談窓口」を設置します

媒介契約では囲い込みに関する相談も

東京都は、相談窓口に寄せられた相談で宅建業法違反の疑いがあった場合、調査や不動産会社への指導監督を行っています。

令和6年度は、宅建業法違反の疑いがあるとして、対象となる47件について調査を実施。調査を行った原因を内訳で見ると「重要事項説明に関するもの」が最も多く15件、次いで「媒介業務に関するもの」12件、「誇大広告等の禁止に関するもの」8件、「預り金返還の拒否」3件と続きます。

不動産売却活動に関する相談であると思われる「媒介業務に関するもの」については、「専任媒介契約を締結したにもかかわらず、物件情報を指定流通機構(レインズ)に登録しなかった」や「媒介契約を締結したにもかかわらず、依頼者に対し遅滞なく媒介契約書を交付しなかった」などの事例が見られました。

東京都は、今後も消費者へ情報提供や啓発の推進を行い、トラブル防止に向けた取組みを強化していくとしています。

【あわせて読みたい】
▶︎不動産の囲い込みとは?デメリットや対策をわかりやすく解説
▶︎不動産会社とのトラブルの相談先は?賃貸・リフォーム・売買ごとの事例も

記事執筆

LIFULL HOME'S 不動産売却査定

LIFULL HOME'S 不動産売却査定 編集部

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