
住宅ローンや税金の滞納が続くと、担保となっている不動産が差し押さえられ、競売や公売によって市場相場よりも低い金額で売却されてしまう可能性があります。
この場合、売却代金は返済に充てられるため、できるだけ高い金額で売ることが残債を減らすうえで重要です。
一方、不動産の差し押さえ前であれば、所有者によって通常の不動産売却として売り出すことができ、より有利な条件で売却できる可能性が高まります。
本記事では、滞納から競売までの流れや、どの段階までなら所有者が任意で売却できるのか、さらに売却の具体的な方法をわかりやすく解説します。差し押さえを避け、可能な限り多くの負債を返済できるようにするため、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 不動産の差し押さえとは
- 滞納から競売までの流れ
- 差し押さえを回避するために検討するべき2つの方法
- 不動産売却の流れ
もくじ
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不動産の差し押さえとは
不動産の差し押さえとは、住宅ローンなどの債務返済が滞った際に、債権者が裁判所に申し立てを行い、所有者(債務者)が不動産を自由に処分できないように拘束する法的措置のことです。
差し押さえが行われると、一定の条件下で売却が認められる「任意売却」などを除き、所有者は不動産を売却したり贈与したりすることができなくなり、最終的には競売や公売といった手続きによって売却されます。売却代金は債務の返済に充てられますが、一般的に競売や公売は通常の不動産売却を行った場合よりも価格が低くなる傾向があります。
競売や任意売却後に残債が残った場合は原則として返済義務が続く点、これらの方法は通常の売却よりも残債が多く残る可能性が高い点から、差し押さえに至る前に対策を講じることが重要です。

差し押さえになる代表的なケース
不動産の差し押さえは、債務の種類によって差し押さえに至る流れや、対応すべき相手が異なります。まずは自分の状況がどのケースに該当するかを把握することが、差し押さえを回避するための第一歩です。
ここでは、差し押さえにつながる代表的な以下の3つのケースを紹介します。
- 住宅ローンなどの滞納
- 税金や社会保険料の滞納
- その他の借金や賠償金の未払い
住宅ローンなどの滞納
住宅ローンをはじめ、不動産を担保にした借り入れの返済を長期間滞納すると、期限の利益を喪失し(ローン分割返済の権利消失のこと)、一括返済を求められた後、裁判所による差し押さえが行われます。これは、ローン契約時に金融機関が不動産に設定した抵当権に基づく対応です。
抵当権とは、住宅ローンの返済が滞った場合に、金融機関が不動産を担保として確保できる権利です。この抵当権を持つ金融機関や保証会社が裁判所に申し立て、承認を得ることで、不動産の差し押さえが実施されます。
差し押さえられた不動産が競売にかけられ、売却代金はローンの残債の返済に充てられます。
税金や社会保険料の滞納
固定資産税や都市計画税、所得税、相続税などの税金、または国民健康保険料などの社会保険料を滞納した場合も、自治体や税務署によって不動産の差し押さえが行われます。
差し押さえられた不動産は、「公売」によって売却され、その代金が滞納分の税金や社会保険料に充てられます。
税金や社会保険料の滞納の場合は、国税徴収法などを根拠として、裁判所を通さずに自治体や税務署が差し押さえを行うことが可能です。このため、住宅ローンなどの滞納に比べ、督促から差し押さえまでの期間が短い点に注意しましょう。
その他の借金や賠償金の未払い
個人間の借金や消費者金融からの借り入れの返済、交通事故の損害賠償金や養育費などの支払いが滞ると、不動産が差し押さえの対象となることがあります。
これらのケースでは、債権者が裁判所に訴えを提起するなどして「債務名義」を取得することで、差し押さえの申し立てが可能になります。
債務名義とは、債務者に返済義務があることを公的に証明する書類のことです。裁判の判決や、仮執行宣言が付された損害賠償命令、支払い督促などが該当します。
これらを根拠として、債権者は強制的に差し押さえの手続きを進めることができます。

差し押さえられた不動産は自由に売却できない
不動産が差し押さえられると、所有者は自由に売却することができなくなります。
これ以降の売却は、競売・公売・任意売却といった特別な方法を用いる場合に限られます。競売は裁判所、公売は国や自治体、任意売却は債権者と調整を行う専門企業が主導するため、売却価格を所有者が決めることは困難です。
また、これらの売却方法は、いずれも滞納した債務の回収が目的です。そのため、できるだけ早く売却手続きを進めることが優先され、結果として通常の不動産売却よりも低い価格で売却されるケースが多く見られます。
こうしたことから、返済が難しいと感じた段階で所有者自身の意思で売却を検討することが、差し押さえからの売却よりも有利な条件で資産を手放すポイントです。
滞納から競売までの流れ

住宅ローンの滞納が続くと、督促から差し押さえ、競売へと手続きが段階的に進みます。競売を避けるためには、どの段階までなら自分の意思で不動産を売却できるのか、そして自分が今どの段階にいるのかを把握しておくことが重要です。
ここでは、住宅ローンの滞納を例に、滞納から競売に至る一般的な流れを整理し、どの段階まで通常の売却が可能で、競売を回避できるのかについて解説します。
一般的な滞納から競売までの大まかな流れは以下のようになっています。
- 「督促状」「催告状」が届く
- 期限の利益喪失通知が届く
- 差し押さえの実施
- 競売開始決定通知が届く
- 競売の開始
「督促状」「催告状」が届く
住宅ローンの返済を滞納すると、最初に届くのが督促状や催告状です。これらは、返済を求める初期の通知であり、この段階ではまだ所有者による売却が可能です。
差し押さえに向かって事態が動き出す前の最終段階であり、放置すると次の段階に進んでしまい、返済の条件などが厳しくなっていきます。返済が難しいと感じている場合、この段階で早めに売却の検討を始めることをおすすめします。
期限の利益喪失通知が届く
督促状を受け取った後も滞納を続けると、金融機関から「期限の利益喪失通知」が届きます。この通知は、ローンを分割で返済する権利が失われたことを知らせ、ローンの残金を一括で支払うように求める重要な書類です。
この段階は、所有者の意思で比較的自由に売却を進められる実質的な最後のタイミングといえます。
この通知を放置すると、保証会社が金融機関にローンの残金を支払う「代位弁済」が行われ、返済先が保証会社に変わります。これ以降は、差し押さえに向けた手続きがスピードを増して進むため、早急な対応が必要です。
差し押さえの実施
保証会社からの返済請求にも応じず滞納を続けると、保証会社が裁判所に申し立てを行い、不動産の差し押さえが実施されます。
差し押さえ後は不動産の処分が法的に制限され、所有者が単独の判断で売却を進めることはできなくなります。
ただし、差し押さえ後であっても、債権者の同意が得られれば任意売却という方法で売却できる可能性は残されています。任意売却は、競売よりも高い価格で売却できる場合があるため、関心を持つ方も多いかもしれません。
しかし、差し押さえ後は競売開始が目前に迫っており、時間的な余裕はありません。任意売却を検討する場合でも、できるだけ早く行動することが大切です。
競売開始決定通知が届く
裁判所から「競売開始決定通知」が届くと、競売手続きが正式に開始されます。具体的には、裁判所による現況調査が行われ、その内容を踏まえて売却基準価格が設定されます。また、競売物件情報サイトに掲載するための資料作成や情報収集も並行して進められます。
実務上は、この段階まで進むと、所有者が自ら競売を回避することは極めて困難になり、売却価格や条件に関与することもできなくなります。
競売の開始と落札
競売が開始されると、不動産が競売物件情報サイトに掲載され、期間内にもっとも高い額の入札を行った者が落札します。
落札者が代金を納付すると所有権が保証会社から落札者に移転し、居住者は不動産から退去しなければなりません。退去に応じない場合は裁判所による強制執行が行われ、居住者の退去だけでなく家財道具が運び出されることもあります。
滞納から競売までの流れにおいて、所有者にとってより有利な条件で不動産を売却し、競売を回避できるかどうかは、「差し押さえの実施」までに行動したかによります。
差し押さえが行われると手続きが一気に進み、所有者による売却が大きく制限されてしまうため、早期の判断と対応が重要です。
任意売却なら競売を回避できる?
支払いを滞納した不動産の売却方法を調べると、「任意売却」という言葉をよく目にします。「任意売却であれば、差し押さえ後でも一般市場で売却できる」と紹介されることもありますが、実際にはどのような売却方法なのでしょうか。
ここでは、任意売却の仕組みとメリット、そして注意が必要なデメリットについて解説します。
任意売却とは
任意売却とは、金融機関に相談し、了承を得たうえで、ローンが残る不動産を売却する方法です。通常は、ローンが残っていると抵当権を抹消できず売却できませんが、任意売却では「売却代金を返済に充てる」ことを金融機関と合意することで、抵当権を外して売却を進められます。
売却活動は通常の不動産売却と同様で、不動産会社が売り出して買主を探します。競売よりも高い価格で売却できる可能性がありますが、売却代金でローンを完済できない場合は、残った債務を分割払いなどで返済しなければなりません。
任意売却は差し押さえ後でも可能です。実務上は、裁判所が競売の入札結果を確認する「開札」の前日までに不動産の売買契約が成立すれば、差し押さえが解除され競売も回避できます。
任意売却のメリット
任意売却の最大のメリットは、競売よりも市場相場に近い価格で売却しやすく、残債をより多く減らせる可能性がある点です。
競売の価格は、一般的に市場相場の50〜70%程度といわれていますが、任意売却ならばそれ以上の価格で売れるケースもあり、経済的な負担を抑えやすくなります。
また、一般の不動産取引として売却が行われるため、競売のように差し押さえされたことを周囲に知られにくい点もメリットです。
任意売却のデメリット
一方で、任意売却には注意したい点もあります。まず、任意売却を行うには債権者である金融機関や保証会社の同意が必要であり、所有者が価格や売却時期を自由に選べない場合があることです。
また、競売よりは高い売却額が期待できるものの、早期に売れることを優先するため、一般的な市場相場よりも価格を抑えるケースもあります。その結果、売却後にローンが多く残ってしまう可能性もあるでしょう。
売却後の負担をできるだけ減らしたいのであれば、差し押さえ前に通常の売却を進めることがもっとも効果的な選択肢といえます。
差し押さえ回避のために検討すべき2つの方法
所有者による自由な売却が制限される差し押さえを回避するためには、早い段階でどのような対策があるかを知っておくことが重要です。ここでは、差し押さえを回避するために検討すべき2つの方法を紹介します。
債権者と返済方法の交渉を行う
差し押さえを避けるための方法の一つが、債権者と返済方法について交渉することです。返済期間を延長して毎月の返済額を下げたり、一時的に返済を猶予してもらう方法などが考えられます。
滞納が一時的な理由で発生した場合や、返済の意思を明確に示せる場合は、返済方法の見直しに応じてもらえる可能性があるでしょう。
ただし、金融機関に返済条件の変更に応じる法的義務があるわけではなく、あくまで個別の事情や返済見込みを踏まえた判断となることに注意が必要です。また、交渉が成立したとしても返済負担が続く点は変わらず、状況が改善しなければ再び滞納してしまうリスクがあります。
長期的に返済の見通しが立ちにくい場合は、早めに売却を検討した方が、結果的に負担を軽減できるかもしれません。
不動産を売却して返済する
返済が難しい状況が続く場合、差し押さえ前に不動産を売却して返済に充てることが、経済的負担を大きく軽減できる可能性を持つ方法です。
差し押さえ前であれば、通常の不動産売却として市場に出せるため、適正な価格での売却が期待できます。結果として、競売や任意売却よりも残債を大きく減らせる可能性があるでしょう。
また、売却活動も所有者主体で進められるため、売却スケジュールや広告方法などの自由が確保されます。
一方で滞納が長引き差し押さえに至ると、こうした所有者の裁量は大きく制限されてしまいます。数ヶ月先の返済見通しが立たない場合には、早めに売却を検討することをおすすめします。
金銭的理由の不動産売却は増えている
住宅ローンの返済が負担に感じる状況は、決して珍しいことではありません。 住宅金融支援機構の2024年度の調査※1 でも、返済が滞る可能性が高いと判断された貸付金を示す「リスク管理債権」の割合が2.8%に達しており、一定数の家庭が返済に不安を抱えている実態が見てとれます。
また、金銭的な理由で不動産売却を選ぶ人も年々増えています。LIFULL HOME'S 弊社の不動産売却査定サービスに対する依頼理由を調査※2 したところ「金銭的理由での売却」が、2019年の8.3%から2025年には9.6%へと上昇しています。
かつては、住まいを売却することに抵抗を感じる方もいましたが、現在では競売のデメリットが知られるようになり、強制的に安く売却されるリスクを避けたいという考えが広まりつつあります。
自分の意思で早めに売却し、より有利な条件で負債を整理する判断は、むしろ賢明といえるでしょう。
※1 参考:2024年度 住宅金融支援機構債券 商品内容説明書
※2 参考:「金銭的理由」での不動産売却査定依頼が確実に増加

不動産売却の流れ

あらかじめ全体の流れを理解しておくことで、売却判断がしやすくなるだけでなく、実際に売却に踏み出した際もスムーズに進めることができ、よりよい条件での売却につながりやすくなります。
ここでは、以下の一般的な不動産売却の流れを紹介します。
- 売却価格の相場を調べる
- 売却査定を依頼する
- 調査と査定の実施
- 売り出し価格を決める
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動
- 売買契約
- 決済と引き渡し
売却価格の相場を調べる
売却の準備として、まずは不動産の売却価格の相場を調べることをおすすめします。相場を知っておくことで、所有する不動産の査定結果が適正かどうかを判断しやすくなり、その後の売り出し価格を決める際にも役立ちます。
実際に近隣で売りに出ている物件を調べ、所有する物件と条件の近い物件がいくらで掲載されているかを確認すると、価格の目安をつかみやすいでしょう。大まかでも相場感を持っておくことが、売却への第一歩になります。
売却査定を依頼する
相場の目安がつかめたら、不動産会社に対象物件の査定を依頼します。査定額は会社ごとに異なるため、複数の不動産会社に依頼して比較することが大切です。より多くの不動産会社に査定を依頼することで、自分に合ったパートナーを見つけやすくなります。
なお、早期売却を前提とする場合、極端に高い査定額を提示する会社には注意が必要です。また、提示された査定額だけでなく、説明の丁寧さや対応の早さなどもチェックしましょう。信頼できる不動産会社を選ぶことで、売却活動をより安心して進められるようになります。
調査と査定の実施
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は周辺の取引データや物件情報を基に概算価格を出す方法で、簡易的に価格を知りたい場合に便利です。
一方、訪問査定では担当者が実際に物件を確認し、建物の状態や周辺環境などを踏まえてより正確な価格を算出します。状況や目的に応じて適した方法を選ぶことで、売却計画を立てやすくなります。
売り出し価格を決める
自分で調べた相場と査定結果を踏まえて、最終的な売り出し価格を決めます。価格が高すぎると問合せが減り、反対に低すぎるとローン返済に充てられる金額が減るため、慎重な判断が欠かせません。
購入希望者からの値引き交渉を想定し、少し余裕を持たせた価格設定にすることも多いです。不動産会社の担当者に相談しながら、売却希望時期や周辺不動産の売れ行きなども踏まえて価格を決めると、売却活動がスムーズに進みやすくなります。
媒介契約を結ぶ
売却活動を任せる不動産会社が決まったら、次に媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があり、依頼できる会社数や報告義務の頻度などがそれぞれ異なります。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 自己発見取引 ※ | ◯ | ◯ | × |
| 不動産会社との媒介契約 | 複数可 | 1社のみ | 1社のみ |
| 契約の有効期間 | 指定なし | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
| レインズ(指定流通機構)への登録 | 任意 | 媒介契約締結日の翌日から7営業日以内 | 媒介契約締結日の翌日から5営業日以内 |
| 業務の報告義務 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
※売主自ら買主を見つけた場合に、不動産会社を介さずに行う取引
専任媒介や専属専任媒介は、依頼できる会社が1社に限定されるため、不動産会社が売却活動に力を入れやすく、早期売却を期待できる点が特徴です。一方で、複数社に同時依頼できる一般媒介は、広く購入希望者を探したい場合に向いています。
できるだけ早く売却したいのか、丁寧な進捗報告を求めるのかなど、自分の意向に合った契約形態を選びましょう。
売却活動
媒介契約を結ぶと、ネット掲載やチラシ配布、店頭掲示などを通じて売却活動が行われます。多くの人の目に触れる機会を増やすことが、早期売却のポイントです。
また、内覧を積極的に受け入れると、売却条件に合う購入希望者と出会える可能性が高まります。
反響が少ない場合は、価格の見直しや販売方法の追加など、不動産会社に相談して改善策を検討します。販売状況に応じた素早く柔軟な対応が、売却成功につながります。
売買契約
購入希望者が現れたら、不動産の規模や状態、価格、諸費用、支払い方法などを確認します。その後、双方が条件に合意したら、売買契約を締結します。
契約時には、手付金の授受や物件の引き渡し日、付帯設備の取り扱いなどを取り決めます。契約内容に不明点がある場合は、必ず確認したうえで進めることが大切です。売買契約が成立すると、引き渡しに向けた具体的な準備が始まります。
決済と引き渡し
契約後、買主から売買代金の支払いが行われたら、司法書士の立ち会いのもとで所有権移転登記を行います。ローンが残っている場合は、このタイミングで残債の精算と抵当権の抹消手続きも行われます。なお、売却代金でローンを完済できない場合は、任意売却として債権者と返済方法を別途協議することになります。
手続きが完了したら速やかに引越しを行い、鍵を引き渡して売却は完了です。引き渡しまでの段取りを事前に把握しておくと、スムーズに取引を進めることができます。

不動産の差し押さえでよくある質問
ここでは、不動産の差し押さえに関するよくある質問に回答します。
- 差し押さえられた不動産でも売却できる?
- 滞納を放置するとどうなる?
- 任意売却と通常の売却とは何が違う?
- 差し押さえを回避する方法はある?
- 差し押さえ前に査定をしてもらうメリットは?
差し押さえられた不動産でも売却できる?
差し押さえ後でも売却は可能ですが、所有者の判断だけで進めることはできず、債権者の同意を得て行う任意売却が選択されます。
任意売却は売却活動の主導権が債権者側にあるため、所有者が希望する価格や売却時期が反映されにくくなります。また、債権回収が優先されるため、一般的に市場価格よりも低めの金額で売却されることが多い点にも注意が必要です。
滞納を放置するとどうなる?
滞納が続くと、督促状の送付から始まり、期限の利益喪失、差し押さえ、競売と段階的に手続きが進みます。競売では市場価格よりも安く売却される傾向があり、残債が大きくなる可能性があるため注意しましょう。また、保証会社による代位弁済後は、保証会社から一括請求を受けることもあります。
さらに、長期滞納は信用情報にも影響し、今後のローン審査などで不利になる場合があります。放置すれば、所有者にとって不利な条件が増えていくため、早期の対応が重要です。
任意売却と通常の売却とは何が違う?
任意売却は、債権者の同意を得て行う売却方法で、この方法であれば差し押さえ後でも売却が可能です。通常売却の場合は所有者の意向で価格やスケジュールを決められますが、差し押さえ後はこの通常売却は困難になります。
価格については、任意売却はローンの返済が優先されることから、価格が市場相場よりも低くなりやすく、残債が多くなる可能性があります。
通常売却の方が、一般的には所有者にとって有利な点が多いため、早めに査定を行い選択肢を広げることが望ましいでしょう。
差し押さえを回避する方法はある?
差し押さえを避けるには、返済条件の変更について債権者と交渉する方法や、不動産を売却してローンを返済する方法があります。
滞納が短期間で改善する見込みがあれば、返済条件の交渉によって猶予を得られる可能性があります。一方で、今後も返済が難しい場合は、売却のほうが根本的な解決につながるでしょう。
差し押さえ前に査定をしてもらうメリットは?
差し押さえ前に不動産査定を依頼する最大のメリットは、所有者の判断で進められる通常売却というもっともっとも有利な方法を選べる点です。査定によって適正な価格が把握できることに加え、市場相場で売却できればより多くのローン残債の返済につながります。
また、不動産会社から差し押さえや競売を避けるための具体的な助言を得られるため、状況に対する不安も軽減されます。数ヶ月先の返済見通しが立たない場合には、早めに査定を行うことが大切です。
不動産売却は複数社による査定が重要
不動産の差し押さえは、競売による売却価格の下落や強制的な手続きなど、所有者にとって不利な状況を招きます。
一方、差し押さえ前の通常売却であれば、市場価格に近い金額での売却が期待でき、残債をより多く減らすことができるかもしれません。ローンの負担を軽減するには、所有者による通常の売却が適しているといえるでしょう。
ただし、通常の売却を安全に進めるには、信頼できる不動産会社の存在が欠かせません。査定の精度や売却戦略の提案力、迅速な対応など、実務に精通した会社を選ぶことで、競売リスクを避けながら有利な売却につなげることができます。
不動産会社を選ぶ際には、複数社を比較して検討することが重要です。効率的に比較したい方には、ホームズの不動産一括査定がおすすめです。
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初回公開日:2025年12月24日
記事監修
寺林 智栄(てらばやし ともえ)
弁護士 札幌弁護士会所属弁護士。
札幌弁護士会所属。2007年弁護士登録。2025年12月にてらばやし法律事務所を設立。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆や監修を開始。執筆・監修記事がYahoo!トピックスで複数回1位を獲得した経験あり。多様な法律問題を一般の方が正しく理解できるようわかりやすく解説することを信条としています。
記事執筆
武井 利明(たけい としあき)
住宅・不動産ライター
全国展開するハウスメーカーに約20年、営業として勤務し、その後フリーのライターとして独立。
住宅建築に加え、家づくりに伴う土地購入を数多くサポートしてきた経験を活かし、不動産取引の仕組みや制度をわかりやすく解説する記事を執筆している。
実務経験に基づいた現実的な視点と、一次情報を重視した正確性を軸に執筆を行っている。