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不動産会社とのトラブルの相談先は?賃貸・リフォーム・売買ごとの事例も

不動産会社との取引には、賃貸や売買、リフォームの相談など様々なケースが考えられますが、その過程でトラブルが発生することもあります。契約不履行や過剰請求、説明不足による不信感などによって発生したトラブルの解決法に悩むケースも少なくありません。

この記事では、賃貸・リフォーム・売買における代表的な不動産会社とのトラブル事例を解説し、それぞれの相談先について紹介します。

この記事で分かること

  • 不動産会社とのトラブルの主な相談先
  • 賃貸物件でよくある不動産トラブルと相談先
  • リフォームでよくある不動産トラブルと相談先
  • 売買でよくある不動産トラブルと相談先
  • 不動産トラブルを未然に防ぐためのポイント

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もくじ

不動産会社とのトラブルの主な相談先

不動産取引でトラブルが発生した場合には、状況に応じてさまざまな相談先が用意されています。トラブルの内容や規模によって、どの相談機関に連絡をすればよいかが変わります。

以下で、主な相談先を表にまとめました。

相談先 主な対応内容
法テラス 法律相談や弁護士紹介を通じたサポート
首都圏不動産公正取引協議会 不動産広告に関するトラブルの仲介
国土交通省(住宅局住宅総合整備課) 原状回復をめぐるトラブル
住宅リフォーム・紛争処理支援センター リフォーム関連のトラブル解決
国民生活センター(消費者ホットライン) 消費者トラブル全般に関する相談
日本弁護士連合会 法律的なアドバイスや弁護士相談

法テラス 

法テラス(日本司法支援センター)は、不動産トラブルに関する法律相談や弁護士紹介も行ってくれる公的な機関です。特に、法律的な対応が必要な場合に利用することが可能です。

また、経済的に困っている相談者に対しては、弁護士に事件の解決を依頼する際の費用の支援も行ってくれます。

例えば、賃貸契約で家賃の支払いに関するトラブルが生じ、大家との話し合いが進まない場合は、法テラスを通じて弁護士に相談することができます。

トラブルが深刻な場合には、法的措置の可能性についても検討するという選択肢もあるでしょう。

首都圏不動産公正取引協議会 

首都圏不動産公正取引協議会は、不動産広告に関するトラブルの解決に特化しています。具体的には、虚偽広告や誇大広告といった不当な表示に関する相談ができます。

不動産取引の初期段階でよく問題になるのが誤解を招く広告です。協議会は消費者が誤った情報に基づいて取引を行わないよう、公正な広告表示を確保するための監督と指導を行っています。

不動産広告に関するトラブルが発生した場合には、首都圏不動産公正取引協議会に相談すると良いでしょう。

国土交通省(住宅局住宅総合整備課)

国土交通省の住宅局住宅総合整備課では、主に賃貸物件の退去時に発生する「原状回復」に関するトラブルの相談を受け付けています。

原状回復とは、借主が退去時に物件を借りた状態に戻す義務を指します。実際には、借主がどこまで修繕をするべきか、賃貸契約書の内容や大家との認識の違いからトラブルが発生することが少なくありません。

なお、国土交通省では賃貸物件の原状回復に関するガイドラインを策定して、その基準に従ってトラブルを解決できるようにサポートしています。

住宅リフォーム・紛争処理支援センター 

住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、リフォーム関連のトラブルを解決するための専門機関です。リフォーム工事の不備や、契約内容に関する問題に対応します。

リフォーム工事は工事内容や費用、期間など、トラブルが発生しやすい分野です。センターでは専門家による相談や紛争解決の支援を行っており、リフォームに関するトラブルに迅速に対応しています。

専門家の助言を受けながら、問題解決を進めることができます。

国民生活センター(消費者ホットライン) 

国民生活センターは、消費者トラブル全般に関する相談を受け付けており、不動産取引の問題についても対応しています。

全国どこからでも利用でき、無料で相談可能です。特に、契約トラブルやクレームに関するアドバイスを受けることができます。必要に応じて、地域の消費生活センターへの案内や専門機関との連携を図ることもあります。

不動産取引で契約やクレームに関する問題が生じた場合、国民生活センターは手軽に利用できる相談先です。

日本弁護士連合会 

日本弁護士連合会は、法律の専門家である弁護士による相談を受け付けており、特に複雑な不動産トラブルにおいて効果的な解決手段を提供してもらうことができる可能性があります。

賃貸や売買に関する契約トラブル、違法行為を伴うリフォーム詐欺など、法的な争いに発展するおそれがある場合、弁護士のサポートを得ることが重要です。

例えば、売買契約時に隠れた瑕疵(欠陥)があったにも関わらず売主が修繕に応じない場合、契約書に明記されている条項を基に売主の責任を追及できる場合があります。

その他の相談先 

その他、不動産に関する登記や税金の問題は以下の専門機関に相談することが可能です。

相談先 主な対応内容 特徴
東京司法書士会 登記全般 売買や相続時の登記問題について適切なアドバイスを受けられる
東京都主税局 税金関連 不動産売却時の譲渡所得税や固定資産税に関するアドバイスを受けられる

上記以外にも不動産関連の相談先は複数存在します。相談先が分からない場合は、まず無料で対応してくれる機関に問合せてみるのが有効な手段といえます。

賃貸物件でよくある不動産トラブルと相談先

ここでは、賃貸物件でよくある不動産トラブルと相談先を紹介します。

  • 申し込みの取り消しができなかった
  • 事前に聞いていない費用や更新料を請求された
  • 入居後に設備の不具合が見つかった
  • 隣人との騒音トラブルが発生した
  • 原状回復をめぐって管理人ともめた

申し込みの取り消しができなかった 

賃貸物件の申し込み後に契約を取り消したい場合、時期や状況によってキャンセル料を請求されることがあります。

多くの場合、申し込みは契約前の段階であり、キャンセル自体は可能です。しかし、不動産会社が強制的に申し込みの取り消しを拒否するなどのトラブルが発生することがあります。

まずは国民生活センター(消費者ホットライン)に相談し、法的な手続きを進めるかを検討することが重要です。

事前に聞いていない費用や更新料を請求された 

賃貸契約時に、あらかじめ説明されなかった費用や更新料を請求されるケースがあります。 万が一、契約書に明記されていなければ、不当な請求と言えます。

不動産会社の誇大広告や説明不足が原因となる場合も多く、適切な対応が必要になります。 具体的な相談先としては、首都圏不動産公正取引協議会や法テラスが適切です。法テラスでは契約書の内容を確認し、法的に妥当かどうかを判断してもらうことができます。

入居後に設備の不具合が見つかった 

入居後にエアコンや給湯器、キッチン設備などが正常に動作しないことがあります。この場合、物件の管理者である不動産会社やオーナーに対して修理を依頼することが一般的です。

しかし、対応が遅れたり修理を拒否されたりする場合には、住宅リフォーム・紛争処理支援センターなどがサポートしてくれます。

設備や建物の不具合をめぐる実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、買主Xが売主Yらに屋根や壁の老朽化などを”隠れた瑕疵”と訴え、損害賠償を請求した事例があります。

この事例では、Yらが昭和61年に購入し、平成12年まで居住したタウンハウスの瑕疵をめぐって起きたトラブルです。

Xは一貫して屋根や壁の老朽化、床鳴りなどを「隠れた瑕疵である」と主張しましたが、売主であるYらは契約書に「売主が修繕義務を負担する」といった旨を明記していたため、品質・性能を欠くものとは認められませんでした。

この事例では、入居後に建物の不具合が見つかったわけではありませんが、物件状況確認書に詳細をしっかりと明記することの重要性が分かります。

※参考:築19年の中古住宅に関する売主等の告知義務|不動産適正取引推進機構

隣人との騒音トラブルが発生した 

隣人との騒音トラブルは、賃貸物件に住む人々がよく直面する問題です。

例えば、隣の部屋からの音楽や生活音などがうるさくて、生活に支障をきたす場合があります。まずは冷静に状況を整理し、管理会社や不動産会社に相談することが基本です。

騒音問題については管理会社が対応してくれることが多く、場合によっては注意を促してもらえます。管理会社に連絡し、具体的な騒音の内容を伝えることで、適切な対応が期待できるでしょう。

隣人トラブルをめぐる実際の事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、売主Yが隣人とのトラブルを詳しく説明しなかったことで、買主XがYと元付業者Zに損害賠償を請求した事例があります。

この事例は、隣人がYの洗濯物に水をかけたり、泥を投げたりなどの迷惑行為をしていたにもかかわらず、物件状況等報告書に「隣接地の住人より騒音などの苦情があった」としか記載していなかったことで生じました。

迷惑行為の事実を知らずに売買契約を結んだXは、現地で隣人と警察沙汰の騒ぎに巻き込まれる事態となりました。

これは、売主であるYが買主であるXに対して説明義務を怠り、元付業者であるZがその事実を客観視したことによるトラブルだといえます。

※参考:裁判事例隣人とのトラブルについての媒介業者の説明義務|不動産トラブル事例データベース

原状回復をめぐって管理人ともめた 

賃貸物件を退去する際、原状回復に関するトラブルが発生することがあります。

例えば、退去時に壁の汚れや設備の損傷を指摘され、修繕費用を請求されるケースなどです。原状回復の責任は契約内容によって異なるため、まずは契約書を確認することが重要です。

契約書に「通常の使用による損耗はオーナー負担」と記載されていれば、その旨を管理会社に伝えることで不当な請求を防げる可能性があります。原状回復に関する問題が解決しない場合は、法テラスや国民生活センターに相談しましょう。

原状回復をめぐる実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、借主が自然損耗に関する原状回復義務を負担する特約が無効とされた事例があります。

具体的には、借主Xが貸主Yから賃貸した物件で、自然損耗を借主に負担させる特約が含まれていました。退去後、Yは原状回復費用として20万円を請求し、敷金全額の返還を拒否しています。Xは、特約が無効であると主張し訴訟に至っています。

判決は、消費者契約法の観点から借主に不当な負担を強いる契約内容は無効とされ、借主を守るための重要な前例となりました。これは、消費者の情報量や交渉力の差を考慮した判断でもあります。

※参考:裁判事例原状回復特約は消費者契約法10条により無効|不動産トラブル事例データベース

リフォームでよくある不動産トラブルと相談先

ここでは、リフォームでよくある不動産トラブルと相談先を紹介します。

  • 工事開始日・完了日が大幅に遅れた
  • 近隣からのクレームが発生した
  • 仕上がりが想定と大きく異なっていた
  • 業者が建設業許可を得ていなかった
  • 見積書と異なる金額を請求された

工事開始日・完了日が大幅に遅れた 

リフォーム工事において、工事開始日や完了日が大幅に遅れることがあります。特に、天候や資材の調達などの予測できない要素が要因となるケースは少なくありません。

しかし、適切な理由なしに遅れる場合、契約違反となるおそれがあります。

まずは、契約書に記載された工事日程を確認し、業者に問合せることが重要です。もし、業者が誠実に対応しない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談しましょう。

近隣からのクレームが発生した 

リフォーム工事中、近隣住民からのクレームが発生することがあります。

騒音や工事のための通行妨害など、さまざまな理由でトラブルが起こりがちです。事前に近隣への説明と理解を求めることが大切です。

万が一クレームが発生した場合、まずは業者と相談し、クレームの内容を確認しましょう。改善策を講じることでさらなるトラブルに発展するリスクを軽減できます。クレームが解決しない場合は、国民生活センターや法テラスに相談し、適切な解決策を見つける手助けを受けましょう。

仕上がりが想定と大きく異なっていた 

リフォーム後の仕上がりが予想と大きく異なるトラブルは、契約時に具体的なイメージや仕様を明確にしておくことで防げることがあります。

実際の仕上がりが想定に反している場合は、業者との話し合いが必要です。

契約書に記載された仕様に基づき、具体的な問題点を指摘しましょう。業者が適切に対応しない場合は、弁護士に相談するのも手段の1つです。

トラブルを未然に防ぐためにも、細かい契約内容を確認することが重要です。

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業者が建設業許可を得ていなかった 

リフォーム業者が必要な建設業許可を取得していない場合、法律上の問題が発生するおそれがあります。

許可を得ていない業者と契約を結んでしまうと、トラブルが発生した際の救済措置が難しくなります。工事を依頼する前に、業者が適切な許可を持っているかを確認することが重要です。

許可証は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で確認できます。

もし、許可がない業者に依頼してしまった場合は国民生活センターや住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談し、適切な対応を求めましょう。

見積書と異なる金額を請求された 

リフォーム工事が進むなかで、見積書と異なる金額を請求されることがあります。

見積書は工事内容や費用を明確に示した重要な書類であり、業者はこれに基づいて請求する義務があります。

請求された金額が見積もりと異なる場合、まずは業者に理由を尋ねることが重要です。

業者の説明が不十分な場合は契約書を再確認し、適切な対応を求めましょう。解決しない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターや弁護士に相談することをおすすめします。

リフォーム代金をめぐる実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、実際には行われなかったリフォーム代金を「広告宣伝費」として業者が請求したトラブル事例があります。

この事例は、買主Xが媒介業者Yに自宅マンションの売却を依頼したところ、契約時の売買代金に「オール電化のリフォーム費用」として不当な50万円を請求したことで生じたトラブルです。実際にはオール電化のリフォームは実施しておらず、領収書に「広告宣伝費」と記載されていたことで明るみになりました。

これは『不動産の表示に関する公正競争規約違反(※)』にあたり、あってはならない行為です。被害を避けるためにも、見積書や契約書の内容はしっかりと確認しましょう。

※参考1:実際には行われなかったリフォーム代金の受領|不動産トラブル事例データベース
※参考2:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則|首都圏不動産公正取引協議会

売買でよくある不動産トラブルと相談先

ここでは、不動産売買でよくあるトラブルと相談先を紹介します。

  • 登記情報に不備があった
  • 法外な仲介手数料を請求された
  • 依頼していない広告料を請求された
  • 専属専任媒介契約で囲い込みを受けた
  • 売買契約締結後に買主が住宅ローン審査に落ちてしまった
  • 物件や設備に不具合が見つかった

なお、一般的に大手ポータルサイトと提携しているような不動産会社が法外な行為をしてくる可能性は高くありません。多くのポータルサイトが取引を開始する前に審査を行なっているからです。

登記情報に不備があった 

不動産売買において登記情報に不備があると、所有権の移転や融資の手続きに支障をきたすことがあります。例えば、登記されている所有者の名前が間違っていたり、抵当権が残っていたりする場合などです。

登記簿謄本には、物件の所有者や権利関係が記載されているので、事前に確認しましょう。

登記の不備が発覚した場合、まずは不動産会社に相談することが重要です。法務局にも相談することで、専門的なアドバイスを受けられるでしょう。

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法外な仲介手数料を請求された 

不動産売買を仲介する会社が、適正な手数料を超える金額を請求することがあります。一般的に仲介手数料は物件の売買価格に応じて決まるため、高すぎる場合は注意が必要です。

仲介手数料の具体的な計算式は、以下のとおりです。

マンションの売却価格 仲介手数料の上限(速算式)
200万円以下 売却価格×5%+消費税
200万円超から400万円以下 売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売却価格×3%+6万円+消費税

法外な手数料を請求された場合は契約書を再確認し、不明点は不動産会社に質問しましょう。それでも解決しない場合は、国民生活センターや法テラスに相談することが有効です。

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依頼していない広告料を請求された 

売買契約を結んだ後、不動産会社から依頼していない広告料を請求されることもあります。契約書に明記された内容と異なる請求があるかどうかを、しっかりと確認しましょう。

広告料に関する合意は、事前に書面で交わしていることが理想的です。もし請求が不当だと感じたら不動産会社に確認し、国民生活センターや弁護士にも相談することをおすすめします。

広告料の請求をめぐる実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、貸主の依頼なしに広告料を受領したとして、媒介業者Yが3日間の業務停止処分を受けたトラブル事例があります。

貸主Xは、業者Yが報酬の超過受領や重要事項説明書の記載違反(登記名義人の未記載)を行ったとし、行政庁に苦情を申し立てました。

行政庁の事情聴取においてYは依頼なく広告料を受領していたことを認め、違反が確認されたため、行政庁はYに業務停止処分を科しました。

※参考:処分事例制限を超える報酬の受領|不動産トラブル事例データベース

専属専任媒介契約で囲い込みを受けた 

専属専任媒介契約を結んだ場合、売主は他の不動産会社に仲介を依頼することはできません。場合によっては囲い込みが発生し、売却活動が停滞することがあります。

囲い込みとは、特定の不動産会社が物件の独占的な販売権を持つことで、他の会社に物件情報を提供しない状態を指します。この状況下では競争がなくなり、物件の宣伝活動や販売促進が十分に行われないため、売主にとって売却の機会損失を引き起こすおそれがあります。

結果的に、売却価格が低くなったり、売却が長引いたりすることが多くあります。囲い込みが生じた場合は、国土国通大臣もしくは都道府県知事に相談することも選択肢となります。

売買契約締結後に買主が住宅ローン審査に落ちてしまった 

売買契約を締結した後に買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合、契約解除や損害賠償が問題となることがあります。

不動産を購入するために申し込んだローンが借りられない場合、買主が不動産の購入契約をペナルティなしで解除できる特約を設けている場合が少なくありません。

これを融資利用の特約(ローン特約)といい、特約があると買主は住宅ローン審査に落ちても手付金を失うことなく契約を解除することが可能です。

したがって、契約書にローン審査に通らなかった場合の取り決めが記載されているかを確認しましょう。

買主の住宅ローン審査をめぐる実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、買主の住宅ローンが通らないことでトラブルに発展した事例があります。

これは、不動産会社が買主から資金計画の詳細を聞き、ローンが下りなければ契約が白紙となることを理解していた場合、不動産会社にはローン特約を付ける義務があるとした事例です。

買主Xが不動産会社Yの仲介で土地を購入し、ローンを組む予定でしたが、融資が否認されました。そのため、残金支払いが不可能となり、手付金が没収されました。XはYがローン特約を付さなかったことに過失があると主張し、損害賠償を請求しています。

裁判所は不動産会社には特約を付ける注意義務があり、これを怠ったYに対し損害賠償を認めました。

※参考:裁判事例ローン特約を付すべき注意義務|不動産トラブル事例データベース

物件や設備に不具合が見つかった 

物件引渡し後に不具合が見つかることがあります。

例えば、床や壁にひびが入っていたり、設備が正常に作動しなかったりする場合、売主に修理義務や契約解除のリスクが生じるおそれがあります。

これを”契約不適合責任”と呼び、引渡された目的物が契約の内容に適合しない場合に売主が負う責任です。不具合が発見された場合は売主に連絡し、修理や賠償について協議を行いましょう。

合意に至らない場合は、国民生活センターや弁護士に相談することで、法的手段を検討できます。

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物件や設備に不具合が見つかった実際のトラブル事例

不動産適正取引推進機構のデータベースでは、建物の設計者や施工者、工事管理者らが負うべき注意義務を怠ったことで生じたトラブル事例があります。

建築業者「Y1」と設計管理業者「Y2」が手がけた建物にはひび割れや鉄筋の露出といった瑕疵があり、購入者「X」はY1に瑕疵担保責任(現在は契約不適合責任)、不法行為責任に基づき損害賠償を求めました。

高等裁判所は「瑕疵が構造的に危険な場合に限り責任が生じる」としてXの請求を棄却しましたが、最高裁は「建物の基本的安全性を損なう瑕疵があれば、不法行為責任は成立する」とし、瑕疵が構造に限られるべき理由はないと判断しています。

具体的には、手すりの不備でも人命に関わる場合があると指摘し、審理をさらに行うため原審に差し戻しました。この判決は、契約関係がなくとも建物の安全性について関係者が高い注意義務を負うことを示しています。

※参考:裁判事例建物の瑕疵と設計者・施工者の不法行為責任|不動産トラブル事例データベース

不動産トラブルを未然に防ぐためのポイント

ここでは、不動産トラブルを未然に防ぐためのポイントを紹介します。

  • 余裕のあるスケジュールを立てる
  • 各会社や担当者に任せきりにしない
  • 自分でもある程度の知識を身につけておく
  • 重要事項は書面や記録に残しておく

余裕のあるスケジュールを立てる 

不動産取引は余裕を持ったスケジュールを組むことで、予期せぬ問題が発生した際に対応しやすくなります。

スケジュールに余裕がない場合、焦りから判断を誤ることが少なくありません。例えば、引越しの日程が決まっていると売却活動や契約を急ぐことになり、十分な検討や交渉ができないことがあります。

事前に日程を設定し、必要な手続きを逆算して計画することが重要です。

各会社や担当者に任せきりにしない 

すべてを任せてしまうと担当者の判断や意向に左右され、思い通りの結果が得られないことがあります。

特に、不動産業界では情報の透明性が求められるものの、担当者によっては意図的に情報を隠すケースも少なくありません。例えば、査定価格や見積書の詳細や契約条件について曖昧な説明を受けた場合、自ら確認する姿勢が必要です。

担当者との定期的なコミュニケーションを心がけ、進捗や状況を把握しましょう。また、分からない点はすぐに質問することが重要です。

自分でもある程度の知識を身につけておく 

不動産に関する、基本的な知識を身につけておくことも非常に重要です。

知識が不足していると担当者の言葉を鵜呑みにしてしまい、不利な契約を結んでしまうリスクがあるでしょう。

例えば、不動産の価格相場や登記などの基礎知識について学んでおくことで、相手が提示する条件が適正かどうかを判断することが可能です。

書籍やインターネットなどで不動産の基礎を学んだり、セミナーに参加したりすることをおすすめします。

重要事項は書面や記録に残しておく 

重要事項は、必ず書面や記録に残しておくことが重要です。口頭でのやり取りは誤解を招くことがあるため、記録として残しておけば後々のトラブルを避けられます。

例えば、重要な打合せや合意内容は、メールや文書で残すと効果的です。後から内容を確認でき、記憶の違いや認識のズレを防げます。

特に不動産契約では、契約内容や重要事項が書面に残っていることが法的にも重要です。

不動産会社とのトラブルを防ぐには事前準備が重要

不動産会社とのトラブルを防ぐには、事前準備が重要です。信頼できる不動産会社を選ぶためには、まず実績や口コミを確認し、複数の会社から査定や見積りを取ることが大切です。

また、契約内容や仲介手数料の詳細をよく確認し、不明点があれば事前に質問しましょう。

不動産取引には法的な知識も役立つため、必要であれば専門家に相談するのも良策です。

不動産売却を検討している人は、複数社に査定が依頼できるLIFULL HOME'Sの不動産一括査定をぜひご利用ください。不動産会社の特色や意気込みが分かる情報も豊富に提供しており、自分にあった不動産会社を探せます。

また、提携している不動産会社はすべて、厳正な審査を通過しています。そのため、実績豊富な不動産会社に安心して査定を任せることができます。

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記事執筆・監修

新川 優香(あらかわ ゆうか)

大学卒業後、不動産仲介業務に従事し売買を経験。現在は不動産賃貸の事務職に従事。不動産売買仲介から賃貸仲介、物件管理に関わる執筆経験もあり。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級の資格を保有。