
本記事では、不動産を売却する際に消費税がかからないケースとかかるケース、消費税の計算方法などを解説していきます。
消費税とは、商品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税金のことです。税率は10%(食料費などは8%)で、一般の消費者が課税事業者を通じて納税します。
不動産の取引も課税の対象となっていますが、個人間の取引や土地の譲渡は原則として非課税となっています。
- どのような取引に消費税がかかるのか分からない
- 消費税の算出法が分からない
- 消費税の納付方法が分からない
上記のようなお悩みを抱えている方は、参考にしてください。
この記事で分かること
- 不動産売却における消費税の課税対象
- 個人の不動産売却において消費税の対象となる諸費用
- 個人による不動産売却で消費税が課税されるケース
- 不動産売却における消費税の計算方法
- 不動産売却における消費税の納付方法
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もくじ
そもそも消費税の課税対象とは?

消費税の課税対象となる取引には、「国内取引」と「輸入取引」の2種類があります。国税庁によると、国内取引の場合、課税対象となるのは以下の要件が満たされた取引となります。
- 国内において行うもの(国内取引)
- 事業者が事業として行うもの
- 対価を得て行うもの
- 資産の譲渡、貸付、また役務の提供
最初に消費税の課税対象となる取引について簡単に解説していきましょう。
※参考:どんな取引が課税対象?|国税庁
国内において行うもの(国内取引)
消費税は、国内で行われた取引に対して課税されます。国内と国外の両方にわたって事業を実施している場合は、取引している内容に応じてどちらであるかが判定されます。
たとえば不動産を売却する場合、その不動産が国内に所在していれば国内取引になりますが、国外にある不動産の場合は、消費税の課税対象となりません。役務(サービス)の提供の場合は、その役務が行われた場所で判定されます。
事業者が事業として行うもの
事業者(法人、個人事業者)が事業として行う取引は、消費税の課税対象となります。
「事業」とは、営利などを目的とした経済活動を継続的に行うことで、法人が行う取引はすべて事業に該当します。個人事業者は、事業者として行う取引が課税の対象となります。
なお、事業用固定資産の売却など、事業に関連した取引も事業活動の一部とみなされます。
対価を得て行うもの
「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡や資産の貸付け、役務の提供に対して代金などを受取ることをいいます。たとえば、投資用マンションを売却して代金を受取る、テナントを貸して賃料を受取る、賃貸物件を仲介して仲介手数料を受取る取引などが該当します。
なお、金銭の支払いが行われない場合でも、交換や代物弁済、現物出資などは対価を得て行われる取引とみなされ課税対象となります。
一方、無償の取引や宝くじの賞金、寄付や補助金などは課税対象となりません。
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資産の譲渡、貸付け、及び役務の提供
「資産の譲渡」とは、売買契約などによって資産の所有権を第三者に移転させることをいいます。たとえば、商品を販売したり、事業用設備を売却することなどを指します。 また、その資産を第三者に使用させることを「資産の貸付け」といいます。
「役務の提供」とは、さまざまなサービスを提供することです。そこには医師や弁護士などが行う専門的知識・技能に基づくサービスの提供も含まれます。
これらの行為を事業として行う場合は、消費税の課税対象となります。
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個人での不動産売却に消費税はかかる?

不動産を売却すると消費税が課税される場合もありますが、売主が個人か法人か、または対象不動産が土地か建物かによって、課税・非課税が分かれます。すべての取引に消費税が発生するわけではないため、どのような場合に課税されるのかを理解しておくことが大切です。
不動産取引のなかでも、土地は消費される性質を持たないため、土地の売却に関しては事業者でも消費税がかかりません。
また、「自宅の売却」など個人的に取引する場合は事業ではないため原則、消費税は非課税となります。
ただし、売却にかかるさまざまな費用には消費税がかかります。まとめると以下のようになりますが、それぞれについて詳しく解説していきます。
- 土地の売却は事業者でも消費税はかからない
- 個人が売却した場合は原則消費税はかからない(※投資用物件は別)
- 売却にかかるさまざまな費用には消費税がかかる
土地の売却は事業者でも消費税はかからない
土地付きの住宅を購入する際、建物には消費税が課税されますが、土地の売却は事業者でも消費税はかかりません。なぜなら、土地は「消費」される性質を持たないからです。
借地権(建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権)は、相続税や贈与税の課税対象にはなりますが、借地権を売却するときに消費税は課税されません。
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個人が売却した場合は原則消費税はかからない
個人が居住用の不動産を売却した場合、原則として消費税はかかりません。
たとえば、サラリーマンが家族と住んでいた一戸建てを売却する場合は非課税となります。個人同士で売買した不動産の売却代金も、「事業者が事業として対価を得て行う」ものではないため非課税となります。
個人で売却した場合に消費税が課税されるのは、事業用として使用していた不動産を売却するケースです。投資用不動産は居住用不動産ではないため、売却すると建物価格に消費税が発生します(※)
※:課税事業者にあたらない場合は納税が免除される
売却にかかるさまざまな費用には消費税がかかる
個人の居住用不動産を売却する際は、土地や建物に消費税は課税されませんが、不動産売却にかかるさまざまな諸費用には消費税が課税されます。
たとえば不動産会社に支払う仲介手数料や、抵当権抹消登記を依頼する際、司法書士に 支払う手数料などです。これらは「役務(サービス)」に対する対価であり、消費税の課税対象となります。
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個人の不動産売却において消費税の対象となる費用

自宅など、居住用に使用している不動産を売却して得た利益には消費税がかかりません。 一方で、以下の手数料に関しては「役務の提供」に該当するため、消費税が課税されます。
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 融資を受けた場合の一括繰上返済手数料
- 抵当権抹消登記を依頼した場合に司法書士に支払う報酬
ここでは、個人の不動産売却において消費税の対象となる費用について解説します。
不動産会社に支払う仲介手数料
不動産の取引にかかる仲介手数料は、事業者が提供する薬務(サービス)への対価のため、消費税の課税対象となります。
非課税である土地の売買でも、不動産会社に仲介を依頼した場合は仲介手数料に消費税が課税されます。たとえば、2,000万円の土地を売却した場合、仲介手数料の上限は以下の速算式で計算されます。
2,000万円×3%+6万円=66万円
66万円+66万円×10%(消費税)=72万6,000円(仲介手数料の上限)
不動産会社から、上限額の66万円を仲介手数料として請求された場合、消費税の6万6,000円を加算した72万6,000円を支払うことになります。
なお、不動産会社は、特に高額の取引でない限りは上限を請求することが一般的です。
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融資を受けた場合の一括繰上返済手数料
不動産売却時に住宅ローン残債がある場合は、融資を受けた金融機関に残債を一括返済した上で決済し、買主に引渡しを行う必要があります。その場合にかかる繰上返済手数料には消費税が課税されます。
手数料は金融機関により金額に異なり、一括繰上返済手数料が無料の金融機関もあります。たとえば、ソニー銀行や楽天銀行などのネット系銀行では、一括繰上返済と一部繰上返済の手数料は無料です。また、フラット35を利用している場合も繰上返済手数料がかかりません。手数料が無料の場合、当然そこにかかる消費税も発生しません。
※参考:住宅ローン「繰り上げ返済手数料」全面無料化について|ソニー銀行
抵当権抹消登記を依頼した場合に司法書士に支払う報酬
住宅ローンを金融機関に完済したときには、抵当権抹消登記を行います。
住宅ローンを完済しても、金融機関側から抵当権を抹消してもらえるわけではありません。自分自身で抵当権抹消登記の手続きを行うことになるため、この手続きは迅速に済ませることをおすすめします。
不動産の売却益で残債を完済する場合、まずは抵当権抹消登記を行ってからでなければ所有権移転登記ができないため、実務的には同時に行うことになります。
抵当権抹消登記にかかる司法書士への一般的に手数料は1〜2万円程度で、消費税が課税されます。
個人による不動産売却で消費税が課税されるケース

これまで解説してきたように、個人がマイホームなどの居住用不動産を売却する場合、消費税はかかりません。ただし、売主が個人事業主など事業者である場合は課税されることもあります。
- 法人や個人事業主の場合には、消費税が課税される場合がある
- 消費税は建物に対して課税される
- 消費税の課税事業者となる条件
ここでは、個人または法人の不動産売却で、消費税が課税されるケースを解説します。
法人や個人事業主の場合には、消費税が課税される場合がある
法人と個人事業主はそれぞれ、消費税の納税義務がある課税事業者と、納税を免除されている免税事業者に分かれています。なお、免税事業者でも課税事業者となることは可能です。
投資用マンションのオーナーなど、個人でも不動産投資によって前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合は原則として課税事業者となり、消費税の納税義務があります。この場合、居住用不動産を除く不動産の売却代金には消費税がかかります。
前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えた法人も課税事業者となり、消費税を納税しなければなりません。資産である不動産を売却した場合は「資産の譲渡」に当たるため、基本的に消費税が課税されます。
消費税は建物に対して課税される
事業者である法人・個人が不動産を売却して代金を受取った場合、建物に対して消費税が課税されます。上述したように、土地は消費されることがないため、消費税はかかりません。
契約書に記載される売買価格には、土地・建物の金額の区分が明確になっていないケースがあります。この場合、固定資産税評価額などの各種評価額をもとに建物価格を割り出し、消費税を算出する必要があります。
マンションの場合は、登記簿謄本に土地の持分割合などが記載されているため、そこから売買価格に対する建物部分の価格を割り出します。
これらの算出は不動産会社が行いますが、契約書に記載された金額が正しい按分になっているか、計算式を示してもらい確認しましょう。
消費税の課税事業者となる条件
ここでは、個人事業主と法人が課税事業者となる条件を解説します。
なお、消費税の課税事業者となる場合は、消費税課税事業者届出書を所轄税務署に提出することになります。
個人事業主の場合
個人事業主でも、前々年における課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者となるため、消費税を納めなければなりません。
課税売上高が1,000万円以下(基準期間)の場合でも、特定期間(その年の前年の1月1日から6月30日まで)における課税売上高が1,000万円以上になった場合、その課税期間は課税事業者として消費税を納付します。
また、2023年10月からインボイス制度が施行されます。適格請求書発行事業者として円滑な取引を進めるため、売上高が1,000万円以下でも課税事業者となるケースがあるでしょう。
※参考:消費税のしくみ|国税庁
法人の場合
前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、課税事業者となります。
1,000万円以下(基準期間)でも、特定期間(原則、その事業年度の前事業年度開始の日から6ヶ月の期間)における課税売上高が1,000万円を超えた場合、その課税期間において消費税を納める義務が発生します。
個人事業主の場合と、特定期間の基準が異なるため注意しましょう。
※参考:消費税のしくみ|国税庁
不動産売却における消費税の計算方法

不動産を第三者に譲渡した場合、土地は消費される性質を持たないため非課税ですが、建物は課税対象となります。
- 土地は非課税になるため建物価格から算出する
- 土地と建物の金額が明確ではない場合の算出法
ここでは、不動産を売却した際の消費税の計算方法について解説します。
土地は非課税になるため建物価格から算出する
不動産を売却する際の消費税率は10%で建物部分が対象となります。
売買価格は税込で表示されているため、建物価格から消費税額を算出します。消費税額を算出するための計算式は「対象不動産の売買価格÷1.1×0.1」です。
たとえば、事業者が売買価格が5,000万円(土地3,000万円、建物2,000万円)の建売住宅を販売する場合、消費税額は土地の金額3,000万円を含めず、建物価格の2,000万円について計算します。
計算式は以下の通りです。
2,000万円÷1.1×0.1≒ 181.8万円
消費税の課税対象となるのは「建物」のみのため、不動産全体の売買価格である5,000万円で計算しないように注意しましょう。
土地と建物の金額が明確ではない場合の計算方法
土地付き建物を売却するときに、それぞれの価額を売買契約書に明記せずに売買するケースも見受けられます。消費税は建物の部分のみ課税されるため、一括で土地と建物を売却した場合、売買価格を土地部分と建物部分に合理的に区分して消費税額を算出する必要があります。
国税庁による区分方法は以下の通りです。
- 譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
- 相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
- 土地、建物の原価(取得費や造成費、一般管理費・販売費などを含む)を基にした按分
※参考:No.6301 課税標準|国税庁
固定資産評価証明書などを取得すると、土地と建物の評価額がそれぞれ記載されています。
自分で土地・建物の固定資産税評価額を基にそれぞれの割合を計算し、売買価格に置き換えることも可能ですが、時価を正確に算出したい場合は不動産鑑定士へ依頼するのも選択肢の一つとなります。ただし、一定の期間と費用を要するため注意が必要です。
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不動産売却における消費税の納付方法は?

消費税が課税される場合、確定申告書を提出した後に、税務署から消費税に関する納付書や納税通知書などが送られて来ることはありません。そのため、自分で納付方法を選んで消費税を納める必要があります。
消費税の納付方法は、以下の7つです。
- 指定した金融機関の預貯金口座からの振替納税
- ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
- インターネットバンキングやATMで納付
- クレジットカードで納付
- スマートフォンアプリを利用して納付(納付できる金額は30万円以下)
- コンビニエンスストアで納付(納付できる金額は30万円以下)
- 金融機関(日本銀行歳入代理店)または所轄税務署の窓口で納付
参考:【税金の納付】|国税庁
口座から振替納税する場合は、納税期限までに金融機関へ預貯金口座振替依頼書を提出しなければなりません。
e-Taxの利用者は、税務署または利用する金融機関に「ダイレクト納付利用届出書」を提出すれば、口座から即時または指定した期日に引落されます。また、インターネットバンキングやATMでの納付も可能です。
「国税クレジットカードお支払いサイト」を利用すれば、クレジットカードで手軽に納付することもできます。納付金額が30万円以下の場合は、スマートフォンアプリやコンビニエンスストアでの納付も可能です。銀行の窓口や所轄税務署では現金納付も可能です。
納税は確定申告によって行われる
消費税の課税事業者は、所轄税務署に確定申告書を提出して消費税の申告と納付を行います。
申告の期限は、個人事業主は適用事業年度の翌年3月31日まで、法人の場合は事業年度終了の日から2ヶ月以内です。
計算方法には「原則課税方式」と「簡易課税方式」の2種類があります。「原則課税方式」は、受取った消費税から実際に支払った消費税を控除して納税額を算出する方法です。
一方、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合は「簡易課税方式」も選択できます。この場合、受取った消費税に一定の割合を乗じて納税額を算出します。
このように、選んだ計算方法によって納付金額に違いがあるため、事業内容と照らし合わせながら選択することが重要です。
帳簿上の扱い
確定申告の際、消費税の仕訳に使用する勘定科目には、「租税公課(費用)」「仮払消費税(資産)」「仮受消費税(負債)」があります。
消費税の仕訳の仕方は税抜方式と税込方式の2通りがあります。
たとえば、税率10%の商品を税抜6,000円で小売店から掛け仕入し、税抜10,000円で販売した場合の仕訳は、以下の通りになります。
【税抜経理方式】
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 仕入れ時 | 仕入:6,000円 仮払消費税など:600円 |
買掛金 6,600円 |
| 売上時 | 現金 11,000円 | 売上:10,000円 仮受消費税など:1,000円 |
参考:No.6375 税抜経理方式又は税込経理方式による経理処理|国税庁
税込経理方式の場合は、仕入に係る消費税は仕入金額に計上し、売上に係る消費税は売上金額に計上します。
【税込経理方式】
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 仕入れ時 | 仕入:6,600円 | 買掛金:6,600円 |
| 売上時 | 現金:11,000円 | 売上:11,000円 |
参考:No.6375 税抜経理方式又は税込経理方式による経理処理|国税庁
借方(かりかた)は資産の増加及び費用の発生を計上し、貸方(かしかた)は負債や純資産の増加及び収益の発生を計上します。
借方と貸方の合計は必ず同じ金額でなければなりません。基本的に借方は左、貸方は右で、左右の金額は一致することになります。
消費税の扱いが気になるなら不動産会社に相談を

これまで解説してきたように、一般的に個人がマイホームなどの居住用不動産を売却した場合や土地の売却に消費税はかかりません。
一方、課税事業者である個人事業主や法人は消費税を納付する義務があります。また、不動産仲介や抵当権抹消などにかかる手数料にも消費税がかかりますが、これらはサービスを提供した事業者が納税します。不動産を売却する際には消費税についても理解した上で納得のいく形で取引を行いましょう。
もし、個人事業主で、自身の不動産売却における消費税の扱いが気になる場合には、不動産会社に相談してみると良いでしょう。
LIFULL HOME’Sの一括査定サービスでは、3500社以上の不動産会社の中から自分にあった不動産会社を選んで、査定を依頼することができます。税金の扱いなどについてもサポートをしてくれる、自分にあった不動産会社と出会える可能性が高まるでしょう。
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記事監修
馬場 美里(ばば みさと)
在学中に宅地建物取引士(当時は宅地建物取引主任者)の資格を取得。大学卒業後、不動産仲介業務に従事し、マンション・一戸建て・土地などの売買を経験。実務経験をもとに不動産の売却査定に関する問題解決を得意とする。不動産会社からのオファーのほか、数々のポータルサイトでコラムの執筆経験もあり。