
自身が所有するマンションを売却する場合、「せっかくなら出来るだけ高い価格で売却したい」と考える人がほとんどでしょう。
マンションを売却する際には、まず不動産会社に査定を依頼することになります。その際、以下のようなポイントを理解し、対策を行っておくことで高く売却できる可能性が高まります。
- マンションの査定はどこを見ているのか
- マンションの価値をより評価してもらうにはどうしたらいいのか
この記事では不動産会社から見たマンション査定のポイントについて解説していきます。
この記事で分かること
- マンション査定で価格に影響を与えるポイント
- 購入検討者にアピールできるポイント
- マンション査定の流れ
- マンションの価値をより高く評価してもらためにできること
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もくじ
マンション売却において価格に影響を与えるポイント

マンションを売却する場合、まず不動産会社に査定を依頼することになります。
査定を依頼された不動産会社は、様々な方法で対象不動産の査定価格を算出します。不動産の査定価格を算出する際には、「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つの手法を用いるのが一般的です。この中でもマンション査定の場合には、「取引事例比較法」がよく用いられます。
このような手法を用いて不動産会社が、売却対象となるマンションを査定を行います。その際にチェックする、もしくは査定価格に影響を与えるポイントの代表的なものとしては、以下が挙げられます。
- ポイント1.立地条件(駅徒歩、周辺施設)
- ポイント2.築年数
- ポイント3.位置関係(階数・方角)
- ポイント4.景気動向
ポイント1.立地条件
マンションを査定する上で最も重要なポイントの一つが立地条件です。
立地条件には、駅からの距離やスーパーなどの生活利便施設の有無、子どもが学校に通う場合の学区なども含まれます。
駅やスーパーなどからの距離は「徒歩10分以内」が一つの目安になると言われています。原則、これより近ければ需要が高くなるため査定もプラスになりやすく、遠ければマイナスとなります。
ポイント2.築年数
中古マンションの査定基準として、築年数も重要視されます。
マンションの室内は、古くなったり、所有者が代わったりした際にリフォームをすれば、新築マンションと同様に扱われることもあります。しかし、原則として、築年数が古くなれば、価格が下がっていくことになります。一般的に、マンションの価格は築10年で新築時の70~80%程度まで下がると言われています。
また、築年数が古いと住宅ローン控除などの各税制優遇が適用されにくくなるため、購入検討者から敬遠される傾向にあります。そのため、築年数が浅いマンションの方が高い査定価格がつきやすくなります。
ポイント3.位置関係(階数・方角)
3つ目のポイントはマンション内における部屋の位置関係です。
同じマンションでも、階数により眺望や騒音に違いがあります。例えば駅近のマンションの場合、階数が低いと電車の音や近隣商業施設からの音・においが影響してきます。
また、方位は室内に差し込む日照時間に影響するため、査定価格に影響します。階数は、最上階に近いほど評価が高くなり、方位は南・東南・西南・東・西・北の順番で評価が低くなる傾向があります。
ポイント4.景気動向
最後のポイントは景気動向です。不動産も需要と供給により価格が変化します。
不動産市況は、株価推移に遅行して連動する傾向があります。また、金融緩和がおこなわれると市場に資金があふれ、債券などの利回りが低下した結果、不動産投資の需要が高まると言われています。さらに株価が上がれば、売却益で不動産を購入する人も多くなります。
そのため、「いつ売却するか」は査定価格に大きく影響します。
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マンション売却において購入検討者にアピールできるポイント

マンション売却においては、査定価格に大きな影響を与えるほどではないものの、実際に売却活動を行う際に購入検討者にとって、魅力的なポイントとなりうる要素もあります。
具体的には以下のようなポイントが挙げられます。
- ポイント1.共有施設の充実度
- ポイント2.清掃・維持管理の状況(管理費や修繕積立金)
- ポイント3.構造・外構・耐震
- ポイント4.管理費や修繕積立金
- ポイント5.再開発予定の有無
- ポイント6.施工会社
- ポイント7.分譲会社
これらのポイントを理解した上で、適切な対策を立てれば、売却活動がスムーズに進みやすくなるでしょう。
ポイント1.共用施設の充実度
共有施設の充実度は、購入検討者へのアピールポイントの一つです。共用施設とはマンション所有者全員で共有し、居住者全員で使える施設の事です。
基本的なところではエレベーターや機械式駐車場、集会場などが共用施設に該当します。これに加えて、フィットネスジム、パーティールーム、来訪者用の宿泊施設などがあると「充実した施設を備えている」と判断されプラス評価になります。
ポイント2.清掃・維持管理の状況
室内の清掃状態や維持管理の状況も購入検討者にとっては重要なポイントになります。
中古マンションは原則、経年劣化した状態を前提に売出しをします。そのため、「清掃」といっても新築マンションやモデルルームのような状態にする必要はありません。
買主も中古マンションを購入後、クロス交換やフローリングの張替えなど一定のリフォームをする方がほとんどです。
しかし、購入検討者が内覧した際に室内が雑然としていたり、設備の傷・汚れが多いなど管理状態が悪ければ売出し価格で販売できないこともあります。そのため専有部分についても最低限の清掃やメンテナンスは行っておくべきでしょう。
ポイント3.構造・外構・耐震
マンションの構造や外構、耐震性能も購入検討者へのアピールポイントとなります。
マンションの構造によって室内の間取りが制限されるため、同じ専有面積でも広さの体感が異なります。外構は建物の見た目とは別に、使用されている建材によりメンテナンスコストが変わるため、修繕費などに影響すると言われています。
また、マンションの耐震については、建築基準法で基準が設けられています。特に1981年より前に建てられたマンションは、耐震基準を満たしていない場合が多く、査定が低くなる傾向があります。
ポイント4.管理費や修繕積立金
管理費や修繕積立金は、住宅ローンとは別に毎月支払わなければなりません。そのため、あまりにも高額な管理費や修繕積立金は、購入検討者に敬遠されてしまいます。
一方で、修繕積立金が築年数や広さからみて割安である場合は、適切に修繕積立金が貯まっていない可能性があります。
マンションの場合、管理費や修繕積立金は基本的に平米数毎に負担割合が変わります。平成30年度国土交通省の調査によると、平米当たりの月額平均は管理費が217円、修繕積立金179円となっています。
売却を検討しているマンションの広さと平均月額を掛けて、管理費・修繕積立金が高く設定されているか確認しましょう。
ポイント5.再開発の予定の有無
再開発の予定の有無も、購入検討者へのアピールポイントになる可能性があります。
再開発とは、マンションの棟ごとの建て替えではなく街区全体で建て替える大規模計画のことです。駅前の古い商店街や大規模団地などをまとめて建て替え、より住みやすくしながら街を再生していきます。
マンションの所有者は、再開発の対象になると以下の選択肢から選ぶことができます。
- マンションを手放す代わりに再建築後の部屋を取得する(権利交換)
- 再開発業者に売却する
いずれにせよ、通常の市場価格より上乗せした金額が提示されるので、マンション所有者にとって良い話になることがほとんどです。
そのため、仮に市場に再開発対象マンションが売りに出た場合、その再開発時の価格を上乗せして売却されるため、市場相場より高額な取引となる可能性が高まります。
一方で販売活動の中でも購入検討者に対して、「再開発の予定があるので、今後の資産価値の向上が期待できますよ」というセールストークを使うこともできるでしょう。
ポイント6.施工会社
分譲時の施工会社(建設会社)もアピールポイントになる可能性があります。
特に信頼度が高いのは、スーパーゼネコンと呼ばれる大手が施工した物件です。これらの会社は、タワーマンションなどの比較的大規模な建築物を建設しています。大規模な物件は採算性が良いため、下請け業者も技術力がある会社に委託されていると考えられます。
ポイント7.分譲会社
施工会社と同様に分譲会社がアピールポイントとなる場合もあります。
大手のマンションデベロッパーは、マンション名に自社ブランドを設定し、販売しています。マンションの管理についても自社のグループ会社で担当していることも多いため、中古マンションになったとしてもブランド力は残ります。
一般的に付加価値がつきやすいと言われている代表的なデベロッパーとして以下のような会社が挙げられます。
| 会社名 | マンションシリーズ名 |
| 三井不動産レジデンシャル | パークマンション、パークタワー、パークコートなど |
| 住友不動産株式会社 | シティハウス、シティタワー、シティタワーなど |
| 三菱地所レジデンス株式会社 | ザ・パークハウス、ザ・パークハウスグランなど |
| 東京建物株式会社 | ブリリア、ヴェールなど |
| 野村不動産株式会社 | プラウド、プラウドタワーなど |
| 東急不動産株式会社 | アルス、ブランズなど |
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マンションを査定してもらう際に注意すべきポイント

ここからは、マンションを所有している方が適正な価格で査定を受けるためにできることや、ポイントについて解説します。
- 複数社に査定依頼する
- 査定価格の根拠を見極める
- むやみにリフォームしない
複数社に査定依頼する
マンションの売却査定を依頼する際の鉄則は、複数の会社に査定依頼することです。複数社に査定依頼する主なメリットは以下の通りです。
- 査定価格を比較検討することができる
- 不動産市況について情報収集し、最新の適正な価格を知ることができる
- 自分に合う担当者を選ぶことができる。
不動産会社によって提示される査定価格は異なります。したがって、1社の不動産会社から提示される査定価格のみを鵜呑みにするのではなく、比較検討することが重要になります。
また、実際に不動産会社の担当者と面会する機会は、不動産市況などの貴重な情報を収集するチャンスです。地域ごとの最新情報なども教えてもらえるケースがあるので、積極的に質問すると良いでしょう。
さらに、複数の不動産会社に依頼することで、「自分と相性の良い担当者」を選ぶことができるというメリットもあります。不動産売却は、査定を依頼してから実際に物件を引き渡すまでおよそ半年程度かかるのが一般的です。状況次第では、年単位の付き合いになる可能性もあります。長期間にわたり目的を達成するためのパートナーとなるため、自分との相性も大切になるでしょう。
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査定価格の根拠を見極める
マンションの査定をしてもらった際に、その査定の「根拠」を見極める事も大切です。
不動産会社が提示する査定価格は、成約価格ではなく、あくまで目安となります。不動産会社によっては、売却依頼を得たいがために、相場価格より高い査定価格を提示してくる場合もあります。
しかしながら、高い金額で売出しをしたとしても、実際に買手がつかないと意味がありません。そのため、不動産会社の真意を探るためにも、査定の根拠が明示されているかを確認するようにしましょう。
むやみにリフォームしない
所有マンションを高く購入してもらうため自己判断でリフォームする方がいますが、これはおすすめできません。
中古マンションの売却では、経年劣化を前提にして売出しをします。そのため、売主が費用を負担して一部分だけをリフォームしたとしても、逆にリフォームしていない部分の劣化が目立ってしまう可能性も出てきます。
また、中古マンションの購入検討者には、自身の好みでリフォームをしたいと考える方もいます。双方の好みが必ずしも一致するとは限らないため、売主都合でリフォームするのは望ましくありません。
ただし、壁に穴が開いている場合や、室内にタバコなどのにおいが染みついている場合などについては、内覧時の印象を損なわないために、修繕としてリフォームするのは良いでしょう。
いずれにせよ、売却時のリフォームに関しては不動産会社と相談しながら、実施するか否かを決めるのが良いでしょう。
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マンションを適切に査定してもらう際に必要な書類

マンションの査定を依頼する際には、以下で解説する書類を用意しておくとスムーズに進みます。
査定時には登記簿謄本や公図など法務局に備え付けの書類などは、査定する不動産会社の方で取得するため、前提として「この書類がないと査定ができない」というものはありません。したがって、査定時に売主が「用意しておいた方が良い書類」と考えましょう。
書類の一例は以下の通りです。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- マンションの管理規約や長期修繕計画
- 購入時のパンフレットやリフォーム履歴が分かる書類
- 登記済権利証または登記識別情報
- インスペクションの結果報告書
分譲時のパンフレットは写しを不動産会社が取得していることもありますが、あくまでも写しなので画像が粗い場合などがあります。
また、室内のリフォーム履歴、インスペクションや建物診断の結果報告書などがあると、売却時にプラス材料となることがあり査定価格にも反映されます。
上記書類は査定する上で必要となるものです。売却時には本人確認書類や登記済権利証または登記識別情報、固定資産税納税通知書などが追加で提出を求められます。
マンションの査定に関するよくある質問

最後に、マンションを査定依頼する際によくある質問に回答します。
- マンションの査定だけでも依頼することは可能?
- マンションの査定時に必ず聞いておくべきことはある?
- マンションの査定依頼時に個人情報の登録は必須?
マンションの査定だけでも依頼することは可能?
まだ売却するか決めていない方も、査定依頼は可能です。
不動産売却する際、依頼する不動産仲介社へは仲介手数料を支払いますが、これは成約時のみに発生します。売却できなかった場合や査定段階で費用は発生しません。
したがって、査定価格を聞いた後で実際に売却するかを決めるのもよいでしょう。ただ、実際に売却する可能性は低く、「なんとなく価格だけでも知りたい」といった段階であれば、地図上でマンションの参考価格が分かるプライスマップや、過去に掲載された不動産情報をデータベース化した不動産アーカイブといったサービスがあるので、そちらを利用すると良いでしょう。
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マンションの査定時に必ず聞いておくべきことは?
マンション査定では、査定価格の提示を受ける以外にも貴重な情報を不動産担当者からヒアリングできます。聞いておくべきことは、大きく分けて以下の4つです。
- 不動産市況について
- 不動産会社の販売方法
- 売却時の注意点
- 査定価格の根拠
不動産市況は、エリア内の流通状況や、ライバル物件の反響状況などを意味します。不動産市況を知ることにより、販売時期を判断するのに役立ちます。
販売方法は、査定物件を仮に売却するとしたらどの位の期間で、どういう販売方法を取るか、購入検討者は現時点で何人程度見込まれるのかを聞きます。こうした情報を聞くことで、不動産会社が販売について計画的に考えているかどうかがわかります。
また売却時の注意点についても聞いておくべきでしょう。事前に知っておくことで、購入検討者が内覧したときに備えて準備することができます。
査定価格の根拠については、先述のとおり不動産会社が提示する「査定価格=成約価格」ないことから、あらかじめ根拠をしっかりと聞いておく必要があるでしょう。
信頼できるパートナーを見つけて、納得のマンションの売却を

この記事では、不動産査定のポイントと売却活動時のアピールポイントなどについて解説してきました。
ほとんどの人にとって、所有する不動産は最も大きな財産と言えるでしょう。そのため、売却する際には、信頼できる不動産会社に依頼する必要があります。
LIFULL HOME'Sでは、全国にある3,500社以上の不動産会社から査定を依頼する会社を選ぶことができます。物件情報の入力後、不動産会社の社員画像や店舗画像、強みなど、お客様の物件の査定を依頼できる不動産会社の詳細情報を一覧で見て選べるのが特徴です。
こうした情報を参考にして、自分に合った不動産会社を見つけることで、後悔しない不動産売却ができる可能性が高まるでしょう。
記事監修
赤松 昭彦(あかまつ あきひこ)
宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を保有。不動産売買仲介会社で8年間勤務。現在は医師・歯科医師向けの不動産コンサルティング業務に従事している。