2020年の干支は「庚子」。新スタートに大チャンス!未来は決まっている?

東洋思想では、時間は未来から過去へと流れる。人は、川を遡上する魚のように未来へ向かって遡るように生きている東洋思想では、時間は未来から過去へと流れる。人は、川を遡上する魚のように未来へ向かって遡るように生きている

新規事業や開店、新築、結婚などこれから新しく何かを始めようと考えているのであれば、2020年は大きなチャンスの年になりそうだ。

2020年の干支は「庚子(かのえ・ね)」である。干支は10種類の十干(じっかん)と、12種類の十二支の組み合わせで60種類が存在し、60年で一巡する。2020年は十干が「庚(かのえ)」、十二支が「子(ね)」であり、2つ合わせて干支は「庚子」となる。

「庚子」が表す意味は、新たな芽吹きと繁栄の始まりである。つまりは、新しいことを始めると上手くいく、大吉であると指し示している。

そもそも干支は、未来に起こることを知るための占い的な要素を持っている。東洋思想では未来は既に決まっているものであり、人はそれを知るすべを持たない。まさに神のみぞ知るというわけで、東洋の占いは基本的には未来を知るためのものである。これは東洋と西洋では時間の流れの概念が正反対であることによる。

西洋思想における時間は、過去から未来へと流れる。つまり未来は、過去から続くそこに至るまでのプロセスの結果として存在する。しかし東洋思想における時間は、未来から過去へと流れている。神や仏とも呼ばれる全能の理、大いなる意思によって未来は既に定められていて、それが我々の元に降りかかってくると考える。

故に西洋の占いは、未来を良い結果に導くために今何をすべきかを問うものに対し、東洋の占いは、この先自分の身に降りかかってくる定められた未来の出来事を知り、それに備えるためのものなのである。

干支は真の天意を知る試み、年だけでなく月や日にも存在する

古代文明にはそれぞれの暦が存在していた。主には農業の効率を上げる目的で使われていたと思われるが、神事や祭礼にも利用され、呪術的側面も持っていたと考えられている古代文明にはそれぞれの暦が存在していた。主には農業の効率を上げる目的で使われていたと思われるが、神事や祭礼にも利用され、呪術的側面も持っていたと考えられている

東洋思想において、天が定めた未来を変えることはできない。しかし、降りかかってくる事象を前もって知ることができれば、それに備えることはできる。

午後に雨が降ることがわかれば、傘を持って出かければ良い。今年は42歳になるから神社に厄払いに行こうというのも同じ理屈だ。金運の巡り合わせを知って逃さないよう風水の力を借り、もっと欲深く自分に都合の良い未来を天が授けてくれるよう願掛けやお参りをする。

東洋思想では、まずは天意をすべて受け入れ、それに備え、乗り越え、そして良い方向へ進むために何をすべきかを考え行動することが、幸せを得る秘訣というわけだ。

では干支で何が分かるのだろうか。
干支は十干×十二支、つまり太陽の運行や動物の誕生から終焉までを10等分して表現した「十干」と、月の満ち欠けや作物の芽吹きから収穫までを12等分して表現した「十二支」を組み合わせることで、世の中の循環、大いなる意思が司る天地の理を探ろうとしたものである。

また東洋思想では、言葉や文字には天意が表れると信じられてきた。人が動物と違うのは言葉を持つところにあり、その言葉こそ天が授けてくれた能力であると考えたからである。文字はその言葉を写したものであるのだから、必然的に文字にも天意が宿っていると考えた。

すなわち干支とは、十干という太陽の動きが示す天意と、十二支という月が示す天意、そしてあてはめられた漢字に宿る天意、それぞれを重ね合わせ解析することで、真の天意を探ろうとする試みである。

ちなみに干支は年だけでなく、月や日にもあてはめられる。年は60年で暦が一巡するが、月は5年で一巡する。つまり60年の間に月の干支は720回巡る。同じように日の場合はおよそ2ヶ月で一巡し、60年の間にうるう年を含め21,915回巡る。これら年、月、日の干支を組み合わせ読み解くことで、未来に起きること、天命を知ろうとした。

それでは2020年の「庚子」にはどんな未来が待っているのか。干支が指し示す意味を詳しく見てみよう。

「庚」は上手く転身できる年、「子」は賢くスタートが切れる年

まずは十干からひも解いていこう。2020年の十干は「庚」である。十干は太陽の巡りと動物の生命の循環サイクルを「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類で示したもので、「庚」は7番目にあたる。季節でいえば秋の初めであり、生命サイクルでは結実や形成という変化転換を表す。

また「庚」という漢字は、杵を両手で持ち上げる象形と植物の成長が止まって新たな形に変化しようとする象形からできた文字で、「かわる」や「つぐ」という意味がある。これらを考え合わせると、「庚」とは結実の後に転身することを意味する。

次は十二支だ。2020年の十二支は「子」である。十二支は月の巡りと作物の発芽から収穫までの生命の循環サイクルを、ご存知の通り「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類で示したもので、「子」は1番目にあたる。

「子」は種子が土中で発芽したまさにその瞬間を意味する。その後、「丑・寅・卯・辰・巳」と徐々に芽が育ち、「午」で陰陽の転換点を迎え、「未・申・酉・戌」と結実する。そして最後の「亥」で地面に落ちた種が土中へ埋まり、次世代の生命へと繋がっていく。

「子」は生命のスタートであり、繁殖や発展を意味する。「子」の本義は「孳(じ)」つまり、生む、繁殖にあり、十二禽でネズミを当てたのも多産のイメージ故である。 

また「子」という漢字は、頭の大きな赤ん坊が両手を広げた象形文字で、子どもを表し、そこから小さい、生む、種子、従うといった意味が派生した。古代中国では立派な男性に対する敬称にも使われ、孔子、孟子、老子、荘子など優れた哲学者によく用いられるなど、「子」の文字には「賢い・聡い」という意味も内包されている。

ネズミは多産であることから、繁殖や発芽の意味を持つ「子」に割り当てられた。この繁栄のイメージから子年の縁起物のネズミは俵に乗り小槌を持っていることが多いネズミは多産であることから、繁殖や発芽の意味を持つ「子」に割り当てられた。この繁栄のイメージから子年の縁起物のネズミは俵に乗り小槌を持っていることが多い

冷静な判断で大きな成功へ一歩を踏み出す、商売取引、新築、結婚、すべて吉

東洋では多くの神社仏閣で占いが普通に行われている。しかしキリスト教の教会で占いは行わない東洋では多くの神社仏閣で占いが普通に行われている。しかしキリスト教の教会で占いは行わない

十干の「庚」と十二支の「子」のそれぞれの意味がわかったところで、次はその関係性について考察してみよう。

干支は陰陽五行思想と呼ばれる古代中国の思想に基づいている。陰陽五行思想とは世の中のすべては5種類の元素「木・火・土・金・水」に分類され、「陰・陽」に分かれる。これらは独自の性質を持ち、お互いに影響を与え合うとしている。

つまり十干と十二支の組み合わせによっては、お互いを高め合ったり、もしくは打ち消し合ったり、中には片方をダメにしてしまうこともあるなど、関係性が重要な意味を持つ。

2020年の干支「庚子」に関して言えば、「庚」は金に属し、「子」は水、これは「金生水」という相生(そうせい)と呼ばれる関係にある。相生とは互いを生かす関係のことで、金は温かい空気を冷やして水を作り出し、溢れた水の流れが土中に眠る金を洗い出し、人の手元に運んでくるとされる。

ちなみに「庚」はカノエ、「金の兄」とも書き、陰陽五行思想では「金の陽」にあたる。金は金属のごとき冷徹・堅固・確実な性質を持ち、秋の象徴でもある。陽は大きなとか強いといったイメージだと考えると理解しやすい。

つまり2020年の干支「庚子」は、非常に冷静なひらめきとクレバーな行動で転身し、新しく始めることがとてもうまくいくことを意味している。

では何をスタートすれば成功するのか。仕事か趣味か、それとも私生活か。大事なことを悩んだ時には、先人たちは「二十八宿」と呼ばれる運命星を拠り所に占っていた。

これは占星術と同じ考え方で、天の黄道を十二星座ではなく、東西南北に四分割し、そのひとつひとつを7宿に等分、4×7=28宿として吉凶を占った。この二十八宿も干支と同じく暦の上で年・月・日にそれぞれ当てはめられ、有名なものには大掃除の吉日とされる鬼宿(きしゅく)などがある。

2020年は「二十八宿」では「畢(ひつ)」にあたり、その意味は「神仏祭礼、婚礼、屋根葺き、棟上げ、取引開始すべて吉」というものである。つまり結婚、新築、新規事業や開店などの商売に、大きなチャンスが待っているようである。

2020年に行っておきたい初詣の神社、ご利益を期待するなら壁宿日に

では輝かしいスタートを切るために、2020年の初詣のポイントをご紹介しよう。神様にも得手不得手があって、マルチな才能を発揮することは稀である。得たい内容に合わせて、祭神のご利益が「商売繁盛」「縁結び」「建築」に強い神様がいる神社を選ぶと良いだろう。

商売繁盛なら、稲荷社の主祭神の宇迦之御魂神(うかのみたま)、鷲神社の天日鷲神(あめのひわし)、大鷲神社の天鳥船神(あめのとりふね)が有名どころで、全国の至る所に見られる。

結婚の縁結びなら、夫婦神を主祭神とした神社はいかがだろうか。天照大神と豊受大神(とようけのおおかみ)を祀る東京大神宮、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)を祀る赤坂氷川神社、伊奘諾尊(いざなきのみこと)と伊弉冊尊(いざなみのみこと)が祀られている今戸神社が有名だ。

建築なら、大山積大神(おおやまつみのおおかみ)を主祭神にする大山神社や三島神社が有名である。この神様は、海幸彦と山幸彦の兄弟の祖父にあたり、山幸彦は神武天皇の祖父なので、天皇家の御先祖様でもある。

また、2020年の元日は二十八宿で「壁宿日」にあたり、新規ごとの開始、旅立ち、婚姻全て大吉という意味を持つため、元日の初詣は更にご利益がありそうだ。元日を逃した諸兄姉も、2020年中に「壁宿日」は13回ほど巡ってくるので、興味のある方は、運勢暦の本などでご確認いただくと良いだろう。

占いなんて非科学的と言ってしまうことは簡単である。しかし、信じる力が世の難事を成功へと導いてきたことも、我々は身をもって知っている。占いが精神力を持続する力になるのであれば、それはそれで得難い先人の知恵であろう。

稲荷社に祈願し成就したら鳥居を奉納するという習慣は古くから存在する。多くの鳥居が奉納された神社が人気になるのは、銀座の宝くじ売り場に行列するのと同じ心理なのだろう稲荷社に祈願し成就したら鳥居を奉納するという習慣は古くから存在する。多くの鳥居が奉納された神社が人気になるのは、銀座の宝くじ売り場に行列するのと同じ心理なのだろう

2019年 11月24日 11時00分