2018年の干支は戊戌(つちのえ・いぬ)、繁栄か滅亡かの年になる?

2018年の戊戌は、干支の35番目にあたる年。どんな意味を持つのだろうか2018年の戊戌は、干支の35番目にあたる年。どんな意味を持つのだろうか

2018年の干支は戊戌(つちのえ・いぬ)、今上天皇在位30年の節目の年であり、正月にスーパームーンを見ることができる貴重な年でもあるという。因みに月蝕も2回見られるそうなので、月に関するイベントが多い年回りになりそうだ。

では前回に引き続き、今回も「戊戌」という干支の意味するところを紐解いてみよう。戊戌は干支の35番目に当たり、2つ似たような漢字が並んでいるが実はそれぞれ正反対の意味を持ち、大いなる繁栄の年になるか滅亡の年になるか、かなり極端な年になることを意味している。

しかも繁栄であれ滅亡であれ、その規模はかなり大きく、60年でひと回りをする干支の中でも類を見ない程はっきりと盛衰が分かれることを指し示す言葉である。

ではどんな人が繁栄して、どんな人が滅亡するとされているのか。まずは干支と十二支の関係と、それぞれの意味について簡単にご紹介しよう。

一般に干支と言うと、十二支の「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類を思い浮かべるが、本来は、五行思想に基づいた「木・火・土・金・水」を更に陰陽二極に分けた、十干と呼ばれる「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類と組み合わせ、合計60通りが存在する。これらはそれぞれに性格を持ち、組み合わせによりその表れ方が異なる。

干支が初めて史料に登場したのは、紀元前239年に完成した古代中国の歴史書「呂氏春秋(ろししゅんじゅう)」である。そこに大撓という人が干支を作ったと記されていて、後代の「漢書律歴志」にも同じ一文がある。日本に伝来したのは、聖徳太子の祖父である欽明天皇の時代に百済よりもたらされたとされているが、はっきりした事は分かっていない。

大撓が構築した干支の基本的な考え方は、十二支も十干も生命の成長サイクルを表わしていて、十干は生から死を十段階に、十二支は十二段階にそれぞれ分割し、それら2つの異なる成長サイクルを組み合わせて、その関係性によって万物の生命の理を表現するというものである。これが本来の干支の60通りの意味である。

では、2018年の干支の戊戌は、果たしてどんな年になると指し示しているのだろうか。まずは十干の「戊(つちのえ)」が意味するところからご紹介しよう。

十干の戊(つちのえ)が表す繁栄と不安定、どっちに転ぶか分からない?

十干の戊は葉が繁る姿を表わし、横溢する生命力を意味する十干の戊は葉が繁る姿を表わし、横溢する生命力を意味する

十干の「戊(つちのえ)」は、生命の成長サイクル「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十種類のうちの5番目にあたり、勢い良く葉が茂る様子を表し、繁栄を意味している。

易学の古典によると「戊は“茂”に通じ、陽気による分化繁栄」と書かれていて、人間で言えば仕事をバリバリとこなす壮年期であり、人生で最高の活動時期という事になろうか。

「戊」の文字の成り立ちは、その部首が「戈構(ほこづくり)」であることからも分かるように、先端に斧状の刃がついた矛(ほこ)の象形文字である。これは、農作業で伐採する道具の事を指し、繁りすぎた枝や葉を落す作業に用いられたと言う。

「戊」は、陰陽五行「木・火・土・金・水」の分類では「陽の土」に当たる。方位も五行で分類されるが、土は東西南北のどこにも関わらず中心点にある。季節も同じく春夏秋冬のどこにも関わらず、四季の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の直前の18日間ずつが土となる。土用の丑の日で有名な土用はこの期間に当たる。

このように五行における「土」は中庸であり、陰にも陽にも属さない。これは一種の安定とも取れるが、他方、陰陽と言う二極に分類されない不安定な境界線上にあり、ヤジロベエの一本の足のごとく、バランスがくずれれば、どちらにも転ぶ可能性がある状態とされている。

十二支の戌(いぬ)が表すのは滅亡、戊戌はお互いの威力を最大限に強化

十二支の「戌」(いぬ・じゅつ)は、生命の成長サイクルの11番目で枯れた木を表し、終焉・滅亡・終わりを意味している。

「戌」という文字は「一」と「戊」で成り立っていて、刈り取って束にした草と、刈り取りの刃物を表した象形文字であり、「終わり」を意味している。そこから派生し、後に「滅」という字が生まれた。

そして「戌」は、陰陽五行の分類では「陽の土」に当たる。つまり「戊」と同じである。このような「陽の土」×「陽の土」という同じもの同志が重なりあう関係を「比和」と呼ぶ。

十干・十二支はそれぞれの意味はもちろん、組み合わせによって表す意味が異なる。例えば、お互いに強め合うもの、打ち消し合うもの、どちらかを凌駕してしまうものなどがあり、この比和の関係は、相互を最強に強め合い、プラスとマイナスであっても互いに打ち消し合うことは無く、どちらかに転んで持てる属性を最大に発揮するものである。

つまり2018年の「戊戌」という干支が意味するものは、大いなる繁栄を意味する十干の「戊」と、滅亡を意味する十二支の「戌」が、「比和」という関係によってその威力を最大限に強めつつ、でもどちらに転ぶかは不安定な境界線上にある、ということになる。

十二支の戌は終焉を表し、滅亡を意味する。そして一つの滅亡は新たな誕生の源となる十二支の戌は終焉を表し、滅亡を意味する。そして一つの滅亡は新たな誕生の源となる

どんな人が繁栄して、どんな人が滅亡する?人は五行の支配下にあるという思想

さて2018年の干支「戊戌」は、大繁栄か滅亡かという、いずれにしても極端な結果になることを指し示していることが分かった。では、どんな人が繁栄して、どんな人が滅亡するとされているのだろうか。

古の人々は、その答えを陰陽道の中に求めた。平安中期以降、盛んになった陰陽道は、以後更に民間に広がりを見せ、江戸時代に入ると九星占術や六曜占術など様々な陰陽の秘術が習慣として定着していった。

それらの占術によると、人は生まれながらに五行の支配下にあり、生まれ年により木性の人、火性の人といった具合に五行に分類されると考えた。その際、十二支、つまり12年を1サイクルとして、前半の7年を吉、後半の5年を凶と定めたのである。この吉の年を有卦、凶の年を無卦と呼んだ。

この考え方をあてはめると、2018年が有卦にあたる人は、木性の人・土性の人・水性の人と言うことになる。下記に参考までに有卦と無卦の期間をまとめてみた。また九星の早見表も用意したので、自分が五行のどの性に当たるか興味のある諸氏はご覧頂ければと思う。

・木性の人の有卦は酉年から7年間が吉運、無卦は辰年から5年間が凶運。
・火性の人の有卦は子年から7年間が吉運、無卦は未年から5年間が凶運。
・土性の人の有卦は午年から7年間が吉運、無卦は丑年から5年間が凶運。
・金性の人の有卦は卯年から7年間が吉運、無卦は戌年から5年間が凶運。
・水性の人の有卦は午年から7年間が吉運、無卦は丑年から5年間が凶運。

木・火・土・金・水を分類する生まれ年の早見表。ただし、節分より前の誕生日の場合は前年で見る木・火・土・金・水を分類する生まれ年の早見表。ただし、節分より前の誕生日の場合は前年で見る

生活の中に根付いている十二支、正月には干支と関係が深い神社へお参りも

このような干支の意味は、現代の暮らしにおいては薄れつつあるが、実はそれとは知らず生活の中に根付いた十二支と深いかかわりがあるものが意外とある。例えば、戌の日に岩田帯を巻く安産祈願、蛇の抜け殻を財布に入れる金運お守り、赤べこや犬張子などの魔除けやお守りなどである。

神社に祭られている神様の使いである「神使」にも十二支の動物が多く採用されている。神使の代表例としては、稲荷社の狐、大黒神の鼠、天神社の牛、春日大社の鹿、八幡社の鳩、諏訪神社の白蛇、出雲大社の海蛇などがある。

神使とは、神意を代行して現世と接触する者と考えられた。それ故、神使である眷族にも信仰が集まり、尊い存在として尊崇されたのである。

今でもその習俗は静かに根付いていて、例えば丑年生まれの人や丑年の初詣に、牛に関係が深い天満宮にお参りをすると、ご利益がありそうな気がすると感じる人も少なくないことだろう。

そう考えると、2018年の十二支の戌年は、例えば東京都青梅市にある狼を神使とした武蔵御嶽神社などにお参りするのはいかがだろうか。各地方にも犬を神使とする神社や、犬と関係が深い寺があろうかと思う。2018年は犬に関係が深い寺社に初詣に行くと、何となく一年良いことがありそうである。

■2019年の干支は「己亥」
https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00747/

武蔵御嶽神社は狼を神使とする神社。狛犬ではなく狛狼が参拝客を迎えてくれる武蔵御嶽神社は狼を神使とする神社。狛犬ではなく狛狼が参拝客を迎えてくれる

2017年 12月15日 11時05分