テーマは「究極のアイドルオタク部屋」

今回この部屋の監修をした「虹のコンキスタドール」の3人。右からメンバーの鶴見萌さん、根本凪さん、奥村野乃花さん今回この部屋の監修をした「虹のコンキスタドール」の3人。右からメンバーの鶴見萌さん、根本凪さん、奥村野乃花さん

あるテーマに特化した「コンセプト賃貸」が徐々に増えつつある。例えば趣味をテーマにしたオーディオ環境に特化した部屋やバイクなどを収納したり飾ったりできる部屋。中にはアニメやゲームの世界観を味わえる部屋も登場している。

さまざまなテーマで作られる「コンセプト賃貸」だが、なんとアイドルユニットのメンバーがプロデュースした賃貸ルームが登場した。テーマはまさに「究極のアイドルオタク部屋」。

今回、コンセプト賃貸ルームを監修したのは、メンバーそれぞれがクリエーターとしても活動するアイドルユニット「虹のコンキスタドール」の3人。どうしたらアイドルを応援する人たちに楽しんでもらえる部屋にできるのか、彼女たちのアイデアを形にし、実際のリフォームが行われた。もちろん、この部屋は実際に入居者の募集も行う。

アイドルがプロデュースするアイドルファンのための部屋とはどのようなものなのだろうか? リフォームが完成した部屋を彼女たちが確かめに来るというので、今回取材をして、部屋の様子と彼女たちのこだわりを聞いてきた。

築47年の物件を魅力的に改造

アイドルオタク仕様にリフォームされた一室。コレクションが飾られている壁は一面が全てコルクボードにリフォームされているアイドルオタク仕様にリフォームされた一室。コレクションが飾られている壁は一面が全てコルクボードにリフォームされている

今回、このコンセプト賃貸の物件があるのは、東十条駅徒歩8分にある築47年のマンション。過去、たびたびリフォームが行われてきた物件だ。部屋の広さは約40m2で2K。今回アイドルファン仕様となっているのは、その内の日当たりのよい一室だ。

何故今回この物件が選ばれたのだろうか? オーナーの株式会社大西不動産の大西陽介さんによると、都心部へもアクセスが良好な立地だという。

「立地的には、活気のある商店街もあり利便性の高い場所です。ただし、相続税対策などで新築の賃貸物件も多くなり供給過多になっている面は否めません。そうした中でいかに魅力ある部屋にしていけるかを考え、万人受けよりも特徴が際立ち、入居者の方のニーズにより刺さる部屋にしたいと考えました」(大西さん)

もはやここは、アイドルショップ!?

室内に入るとまず目に飛び込んでくるのは、一面が全てコルクボードになった壁だ。この日はモデルルーム的に「虹のコンキスタドール」仕様になっていたため、彼女たちの写真や、グッズがお祭り騒ぎにディスプレイされている。直筆サインが入ったお宝なども毎日、いつも眺めることができる。上部には、ピクチャーレールも取り付けられているので、タオルやパネルを飾るのも自由自在だ。

反対側の壁面には造作のCDラックもある。大量に集めたCDもきちんとディスプレイして収納することが可能。

さらにこの部屋で際立っているのが、天井のあしらいだ。天井には一面格子状のスチールネットが設置されていて、ここにTシャツなどを掛けて楽しむことができる。照明はLED電灯で、これがスマホで操作して自由自在に色合いを変えられるというスグレモノ。メンバーのカラーに合わせて色を変えるなど楽しみ方はさまざまだ。

そして、クローゼットのハンガーラックもスライド式で大切なTシャツを美しく収納することができる。この日は天井に大判のポスターも飾られていて、まさにアイドルショップのような賑やかさだった。

CDラックは今回造作で新たにつくられた(写真左上)。天井は、一面格子状のスチールネットを設置。照明は4つの電球のうち、3箇所にPhilipsのLED電灯「hue(ヒュー)」を使用し、スマートフォンやタブレットからオン・オフできるだけでなく調色まで行える(写真右上)。ハンガーラックは引き出し式で利便性が高い(写真右下)。コルクボードは壁一面がコレクションボードになる(写真左下)CDラックは今回造作で新たにつくられた(写真左上)。天井は、一面格子状のスチールネットを設置。照明は4つの電球のうち、3箇所にPhilipsのLED電灯「hue(ヒュー)」を使用し、スマートフォンやタブレットからオン・オフできるだけでなく調色まで行える(写真右上)。ハンガーラックは引き出し式で利便性が高い(写真右下)。コルクボードは壁一面がコレクションボードになる(写真左下)

コレクションを最大限に見せられる工夫の数々

オーナーの大西さんは、エキセントリックな部屋になりすぎはしないかと心配したというが、お部屋全体を見て好感触とのこと。写真はメンバーと大西さんオーナーの大西さんは、エキセントリックな部屋になりすぎはしないかと心配したというが、お部屋全体を見て好感触とのこと。写真はメンバーと大西さん

メンバーに聞くと、プロデュースにあたって、まず一番に意識をしたのが「Tシャツ」をいかに見せるようにできるかだったという。虹のコンキスタドールでは、ライブツアーやイベントごとにTシャツが作られたり、人気作家とコラボレーションしたTシャツプロジェクトが進められている。必然的に、ファンは多くのTシャツをコレクションしているそうだ。

「ファンの方たちがせっかく集めたTシャツコレクション。でも、なかなか全てを部屋に飾ることはできないです。Tシャツを心置きなく見せられるようにしたかったので、ハンガーラックや天井の工夫をしてもらいました」(虹のコンキスタドール・奥村野乃花さん)

アニメオタクだというメンバーの鶴見萌さんは、「アイドルオタクでなくてもコレクションの趣味がある人なら住みたい部屋ではないか」と仕上がりに自信を持っている。
「コレクションもしまっているだけでは、せっかくのお宝がもったいないですよね。普段はしまっているようなものを、これだけ見せていけるという部屋は魅力的です」

その点、CDの収納も気にしていたが、「これなら、バッチリ」だと根本凪さんも満足げだ。「CDのジャケットは、アイドルにしてもアーティストにしても凝っています。ただ収納するのではなくて、見せる収納ができるスペースを確保したかったです」

なるほど、ファンの人たちに身近に接していたり、自分たちも何かのオタクだったりするので的を射たアイデアが形になっているのだ。

ロールカーテンは、自分の好きな画像にカスタマイズ

「究極のアイドルオタク部屋」ということで、こうした面白い“しかけ”が随所で創意工夫されているが、コルクボードしかり天井しかり、アイドルファン以外にも案外色んな収集家が興味を持てる部屋なのではないかとも思う。

ちなみに、この部屋にはもう一つ目玉的な“しかけ”が用意されている。というのも、クローゼットの部分はロールカーテンが設えられる予定だが、このロールカーテンの絵柄を入居者の手持ちの画像で作成してくれるというのだ。自分で撮影したお気に入りの写真など、入居者独自のロールカーテンが実現する。このあたりは、カスタマイズ賃貸の要素も入っていて面白い。

最後に、この部屋の入居希望者へのメッセージをメンバーたちから一言もらった。
「この部屋に住めばオタク心も向上するはず! 大事なグッズをしまわずに全部飾って、私たちを毎日感じてください。そして秋葉原も近いので私たちに会いに来てくださいね」

果たして、この部屋は“アイドルオタク”の心を掴むことができるのか? 入居者の募集状況が気になる物件だ。

2016年 03月09日 11時06分