最近よく聞く「シェアハウス」とは?

食堂と厨房が約52.8畳のLDKに変身した元学生寮のシェアハウス食堂と厨房が約52.8畳のLDKに変身した元学生寮のシェアハウス

シェアハウスは最近、よく耳にする言葉ではないだろうか。シェアハウスを舞台したドラマやバラエティがあったり、最近ではよくニュースや新聞でも報道されている。現在、シェアハウスはどういう状況におかれているのか。住まい選びの一つとしてシェアハウスを考えている方に、シェアハウスの基本知識と時事問題を絡めたトラブルのない住み方についてお届けする。

シェアハウスの形態からまずはおさらいだ。
シェハウスは昔からあるルームシェアと同じように思えるが、実は少し形態が異なる。1つの"部屋"で誰かと一緒に生活するルームシェアに対し、1つの"建物"で複数の人と一緒に住むのがシェアハウス。部屋はそれぞれ個室だが、キッチン、リビング・ダイニング、浴室、トイレなどを共同で使用するというアメリカではメジャーな住居形態だ。

日本において昨今シェアハウスが注目されるようになった背景には、住宅の供給過多・需給バランスの崩れ、不況による所得の格差などによる不動産の入居率の低下にあるという。その中でも少子高齢化がもたらす、人口や世帯数の減少による不動産への影響が一番の懸念要因だ。しかも、この世帯数の減少は「2015年問題」といわれ不動産に限らず、各業界が取り組むべき問題とされている。

この状況を改善すべく、各賃貸業者が乗りだしたのがシェアハウスという新鮮みのある住居形態だ。今や賃貸業界は、より多くの入居者獲得に向けたアイデア勝負の時代になっているといえる。

入居希望者の傾向とその理由

シェアハウスと聞くと賃料の安さを最初に思い浮かべるのではないだろうか。と同時に、なぜか築年数の経っている物件をイメージする人も多い。それは、入居者に安く提供できるよう賃貸業者が、安く借りられる物件を探すという経緯にある。築年数の経っている物件ほど安く借りられるのだ。自社で物件を所有するよりリスクが少ない分、賃貸業者も参入しやすく、空室率を下げたいオーナーや安く入居したい入居者、それぞれに利点がある仕組みといえる。

ただ最近では、シェアハウスに関する住み手の関心の高さから、古い物件だけではなくシェアハウスとして新築される物件や、築浅物件をリノベーションする物件もでてきている。また、建物や入居者の管理・巡回、共同生活における基本ルールの設置などに運営事業者が介在している場合があり、必ずしも相場より賃料が安くなるというわけではないようだ。

国土交通省から各行政に通知。シェアハウスを検討するうえで知っておきたいこと

問題は、住み手がそこで暮らしたいと思うかどうかだ。まずは、通勤・通学のアクセスやスーパーまでの距離など自分の生活スタイルに合う立地環境なのかどうかをチェックしよう。建物については個室の広さ、入居者のコミュニティの場となる共用スペースの雰囲気や配置されている家具、家電製品などの充実度を確認。また、共同生活におけるシェアハウスのルールなども忘れずにチェックしておこう。それらが自分の性格に合うかどうか、趣味趣向に近いかどうかを見定める必要がある。

もうひとつ、事前に確認しておきたい必須項目がある。それは、国が定めた建築基準法を満たしているかどうかだ。2013年9月、国土交通省がシェアハウスなどに「寄宿舎」の基準を適用するよう全国の自治体に通知している。寄宿舎の基準には、学校・病院・旅館などと同様に防火上主要な間仕切り壁を準耐火構造とし、天井裏に達するようにしなければならない、など様々な内容が盛り込まれている。改装・改築している場合、基準をみたしていない不適合物件の可能性がある、新築物件においても念のため確認しておくとよいだろう。入居後、不適合が発覚すると工事の都合で引越しせざるをえないこともあるので要注意だ。

あなたはシェアハウスに住むのにむく人?むかない人?

共同スペースには、レンシレンジなどの電化製品が装備されている共同スペースには、レンシレンジなどの電化製品が装備されている

では、実際の暮らしはどうだろう。シェアハウスで暮らすとなると、プライバシーの問題や知らない人との共同生活において不安に思う人もいるだろう。また共同生活にむく人、むかない人がいるのも事実だ。

シェアハウスに入居している人をみると、20代前半〜30代前半が全体の8割を占め、その入居者の約7割は女性だという。女性の意見として防犯面をあげており、大勢で暮らした方が安全性が高まるとの回答が多い。また、同程度の賃料のワンルームだと、ユニットバスやミニキッチンなど水まわりが品祖になりがちだがシェアハウスなら、大型の浴槽やキッチンが使え、他の入居者と一緒に食事したり分け合ったりできることや異業種交流会のようなコミュニケーションの広がり、家電用品を必要としない分イニシャルコストが抑えられるというメリットもあるようだ。

最近は社員寮や学生寮を使用したユニークなシェアハウスが増加。楽しくシェアハウスに住むために確認したい5つのポイント

3台設置されたシェアハウスのシステムキッチン3台設置されたシェアハウスのシステムキッチン

シェアハウスは、賃貸の空室対策としても活用されているが、使われなくなった社員寮や学生寮の有効活用の手段にもなっている。

株式会社コモドスペースが実際に、食堂付き学生寮をシェアハウスにリノベーションした物件が大阪にある。厨房があった大きな空間に3台のシステムキッチンを装備、食堂だった場所をリビング・ダイニングにリノベーションし、約58.2畳というゆとりのあるLDKとした。ダイニングには、みんなで盛り上がりながらサッカー、野球といったスポーツ観戦ができる大型テレビが置かれており、異世代・異業種交流をサポートするような内容だ。

シェアハウスのキレイでおしゃれな雰囲気に、ついつい流されそうになるが入居後のルールなど事前の確認を怠るとあとが大変だ。そこで、前項で述べた内容を含め再度チェック項目を少し紹介しよう。

<チェックポイント>
□入居後のルール
 キッチンや浴室など共用部分の利用時間、友人の入退室など
□どのような人が入居しているのか
 女性専用、男性専用、男女混合、ルールを守れる人かどうかなど
□共用部の充実度
 入居者の数に対して、洗面室・トイレ・浴室の数などは妥当かどうかなど
□管理形態
 管理会社が入っているかどうか、またそのサービス内容など
□建物について
 建築基準法における「寄宿舎」の基準が適用されているかどうかなど

シェアハウスで楽しく共同生活をおくるためには、最低限のルールやマナーを守り、共に住まう仲間とのコミュニケーションが図ることが重要なポイントになりそうだ。


取材協力:株式会社コモドスペース
http://www.comodospace.com/

2013年 10月01日 10時39分