シェアハウス規制、緩和の方向に

2013年春に居室とは言えないほど狭い空間をシェアハウスと称して貸す、いわゆる脱法ハウス問題が報道され、また、グループホームなどの社会福祉施設で火災が相次いだことから、国土交通省は同年9月にシェアハウスに関する通知を出した。この通知は主に脱法ハウス対策としてシェアハウスなどに、一般の住宅より防火性能の高い間仕切り壁の設置などが求められる寄宿舎基準を適用することを求めるなど非常に厳しいもの。シェアハウス、グループホームともに一戸建て住宅を再利用していることが多く、良心的に作られていたとしても、この通知を厳密に適用すると大半が不可となる。しかし、それでは一戸建て住宅を再利用する手立てが失われてしまう。

こうした事態を受け、大谷昭宏 国土交通相はこの通知を2014年3月に撤回、規模に関係なくスプリンクラー設置を義務づける一方で、間仕切り壁などの規制の緩和を検討すると表明。詳細の決定は今後の問題だが、通知で示された基準を緩和した新たな基準作りが模索されるものと思われる。

借りる人が自分の好みにDIY、新しい借り方が可能に?

国土交通省の施策では、もうひとつ、注目を集めているものがある。2014年3月に公表された「個人住宅の賃貸借や管理に関するガイドライン」がそれで、注目はその中で示されたDIY型賃貸。これは借り主が費用を負担し、修繕や模様替えを行うもので、現在は希少な改装可物件を国としても推進しますよということと解すれば分かりやすい。国としてはこの仕組みを推奨することで、貸したくても改装費用が出せない大家さんが空き家を貸せるようになることを目論んでいると思われる。借りたい人の中にも自分の好きに改装したいと思う人が少なからず存在することから、うまく行けば双方のニーズが満たされ、新しい需要喚起にもつながるかもしれない。

ただ、ガイドラインではまだ、大枠が示されているだけなので、トラブルを防止する観点からは詳細を詰めていく必要があるように思われる。そのままの状態では住めないような状態にあり、DIYで補修して住むという場合には家賃を下げる、大家が修繕費の一部を負担するようなケースも考えられるが、そのあたりをどう取り決めるか。また、いくら好きにできるとしても、構造上必要な壁を取り払われても困る。もちろん、その他にも多々懸念される問題はあり、一挙に普及するとは考えにくい。だが、一歩前進であることは間違いないと思う。

国土交通省ホームページ内にあるDIY型賃貸の概念図国土交通省ホームページ内にあるDIY型賃貸の概念図

文京区、空き家取壊し後の土地を区で借り上げ

取り壊し後の土地の借り上げは全国でも珍しい。期間を決めておかないと、後日のトラブルになるのではないかとの懸念もあるが……取り壊し後の土地の借り上げは全国でも珍しい。期間を決めておかないと、後日のトラブルになるのではないかとの懸念もあるが……

都内では文京区が全国的にも珍しい空き家取壊し後の土地を区が一定期間借り上げる制度を2014年度から導入する予定。空き家を取り壊して更地にすると固定資産税が高くなることが空き家取壊しが進まない要因のひとつとされるが、この制度を利用すれば税金アップがなく、取壊しが進むのではと区は考えている。2014年度は1200万円の予算を計上、5軒程度の取壊しを考えているとのこと。取壊しは区が無償で行い、解体不要の建物は地元のNPOなどに貸し出すことも検討されているそうだ。

豊島区、完成時の確認を受けていない建物の救済案、空き家解体を求める条例を制定

豊島区は完成時に適法かどうかの検査をしていなかった一戸建ての検査をやり直せるようにする条例を制定する予定。建築確認制度が変更された1999年以前の木造住宅では7割以上が完成時の検査を受けていないと言われており、これが住宅の売買、賃貸時のネックとなっている。そこで、区が当時の法に則って適法であると、ある意味、お墨付きを与えることで、流通を促進、空き家化を防ごうというわけだ。所有者が建設時の確認申請書や契約書などを保存していれば、1万1000円から2万3000円の手数料で結果通知を受けられるようになるそうだ。

豊島区ではまた、空き家の解体を求める条例も予定されている。都内では足立区、大田区、新宿区、墨田区に続き、5区目となるもので、区は区民からの情報を元に建物が法令に適合しているかどうかを調査、助言などができ、取壊しにあたっては最大100万円の除去費用を助成することも。空き家以外でも、管理が十分でない建物にも適正な維持管理を求めることができるようにもなる。いずれも7月から施行予定。

以上、2013年年度末に本格化し始めた空き家関連施策をまとめた。対策が実効を上げることを期待したい。

2014年 04月24日 15時41分