家相や風水の気になるアレコレ

大津神社大津神社

大阪府に、神社の宮司が家相・風刺の鑑定をしている「大津神社」がある。この大津(おおつ)という地に鎮座して1000年以上という歴史ある神社だ。

平安時代に小津と呼ばれた現在の泉大津市に当時、太平洋沿岸で勢力を誇った忌部(いんべ・のちに斎部となる)氏の一族、粟氏が小津に住み着き、氏族の氏神・天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祀ったのが始まりとされる。後の時代に、集落の鬼門にあたる現在の場所に移されたという。天太玉命は、天照大神が天岩戸に隠れたおり、勾玉の玉飾りや鏡、真榊などを捧げ持ち岩戸の前で祈ったとされる占いや祭具を司る神様だ。

【家相と風水①】に引き続き、家相と風水の鑑定に必要なことや占いとの関わり方や考えた方などについて、大津神社の宮司・籔野 信氏に話しを伺った。

家相の鑑定には「3つの相」が必要

山や川、平野、建築物、道路などものが、どの方位に何があるか家の周辺環境によっても風水の鑑定内容は異なる山や川、平野、建築物、道路などものが、どの方位に何があるか家の周辺環境によっても風水の鑑定内容は異なる

家相をみるときは、世帯主の生年月日も加味して鑑定する。正確にいえば家の相、世帯主の相、土地の相の3つから判断する。が、しかし世間では家相というと鬼門・玄関の向き・欠けや張り・水廻りの位置といった、間取りだけに捕らわれている人が多いように感じる。家相をより正確に鑑定するには、3つの相をみて総合的に判断する必要があり、それぞれ単体だけで判断するのは、鑑定としては不十分なのだ。

大津神社では、風水流派の中で最も知られている八宅風水という方法で鑑定を行っているという。家の玄関の方位からは、家が持っている吉凶方位や運の傾向を示す「宅卦(たくけ)」を、世帯主の生年月日からは、人が生まれ持った吉凶方位を示す「本命卦(ほんめいけ)」を出し、それぞれの吉方位をみて鑑定する。【家相と風水①】でも紹介したのと同様に、宅卦と本命卦ともに四つの吉方位と四つの凶方位がある。宅卦と本命卦の吉方位が同じだと、福が重なり「宅命相配(たくめいそうはい)」の良い相となる。ただ、宅命相配になることが少ないため陰陽五行の力を利用し化殺を行うのだという。どういったことを行うのかは、パターンが多すぎるためそのケースに合わせて伝えているという。

ここまでは家の相、世帯主の相、について触れたが、もう一つ忘れてはいけないのが、土地の相だ。宅命相配の良い相だったとしても、道路や公園・建築物・川・池・山といった家を建てる周辺環境によって変化してくる。簡単にいえば、宅命相配だからといってその家と同じ設計図で別の土地に家を建てても、良くなるとは限らないと話されていた。

籔野氏は、こういった取材があるたびに書いて欲しいこととして、依頼していることがあるという。それは「絶対ダメということは、ありえないということもお伝えしたいんです。必ず何かしらの解決策はあります。そこまでお話しての鑑定だと思っています」と力強く話されていた。

家相や風水は、現代のビッグデータと同じ

週間天気予報のように、人生におけるおおよそのことが事前に分かれば、その内容をもとに計画の変更や準備ができ、起るかもしれない事態に配慮した行動がとれる週間天気予報のように、人生におけるおおよそのことが事前に分かれば、その内容をもとに計画の変更や準備ができ、起るかもしれない事態に配慮した行動がとれる

現代には、マーケットやコンサルティングに役立つビッグデータというものがある。日本中で集めた電子情報を活用して、データ分析をし傾向をさぐり統計的な観点から、新商品や新企画などを生み出すことに成功している。家相や風水も同じように、数千年という長い歴史の中で得たデータが基となっており、それは医学や科学・生物学・薬学・心理学などと同じ統計学に属している。

例えば、統計学の観点からみると「厄年」は、運気の変わり目というふうに解釈すると籔野氏は言う。人生には登ったり下ったり周期という波があり、その登りと下りの境目にあたるというのだ。「下り坂に差し掛かっているのに、坂道を登るつもりで進むと転んでしまいます。だから注意していきましょう、というのが厄年なんです」というのだ。「この時期に、住宅を買うのはどうなんだとか、そういうことではなく普段以上に注意して行動すればいいんです」と話す。また、「風水の鑑定は、天気予報に似ています。明日、雨が降ると分かっていたら出勤時に傘を持って出かけようという注意力が働くのと同じです。傘があれば、足先が濡れることはあっても全身ずぶ濡れになることも、雨宿りで足止めになることもなく、目的地に向かって進むことができます」というのだ。

陰陽師が活躍した時代では月や星の動きなどの天体観測を行いそこから様々なことを占っていた。天気予報もやはり統計学という学問で、その予報が当たるときもあれば、外れることもある、これが占いでいう“当たるも八卦当たらぬも八卦”ということなのかとふっと考えてしまった。

無意識に感じ取っている運気の流れ

籔野氏の話によると、厄年以外にも陰陽五行の中に『大運(たいうん)』という流れがありその中に、物事を生み出す力と、社会性に対抗する力があるという。住宅を購入したり引越すということは、住宅ローンのことや新居での近所づきあいなど、社会的エネルギーの負荷が大きい。それに対抗する力と新しいことに踏み出す力、それが強まっている時期だからこそ、住宅について検討しはじめるのではないかというのだ。また今までの経験を振り返り「家を買いたいと言ってお越しになる方のそれそれの相をみますと、そういった力が強まっている時期の人がほとんどなんです。ご自身が色んな人生設計の中で、よし買おう!と決心の付くときは、不思議と運気の流れに従っていることが多いように感じます」と話されていた。そして「その時がたまたま厄年だったという方も、なかにはいらっしゃいます。注意は必要ですが、厄年イコールやめておこうと考えるのは短絡的だと思います」と話しを付け加えていた。

風水に甘んじた貴族と、それを逆手に取った武士

大津神社 宮司 籔野 信氏 お香の香りに包まれた神前にて大津神社 宮司 籔野 信氏 お香の香りに包まれた神前にて

「家相や引越しなどについてもそうなんですが、どこまでそれにこだわるかなんです」と籔野氏の話しは続く、「平安時代の貴族が滅び、武士の世になったのは貴族があまりにも占いに頼りすぎたからなんです。こっちは方角が悪いからとか、この日は日が悪いから攻めるのはやめようとか、戦をはじめ何をするにも占いで決めていました。でも、武士はそれを逆手にとったんです。貴族は、占いを信じ武士が攻めてくることはないと高をくくっていました。武士はその油断をついて、相手が攻めてくることはないと思っていた日にち・方角から戦を仕掛けたんです。占いは大事だけれど、あまりにもしばられて拘泥されるのは、平安貴族の二の舞だと思います。とはいえ武士も占いに背くのはやはり怖かったのか、出陣のときに神社で祈祷しているんですよね。面白いでしょ」とクスッと笑っていた。

最後に「鑑定に来られて、ここでご主人が奥さんやお子さんのことを考えて、間取りのことや将来のことを話されることがあるんです。それを横で聞いていた奥さんが、そんなことを考えてくれていたんだと、嬉し泣きされたことがありました。ここでの鑑定が良いときは良いなりに、悪いときはカバーしあえる家族として、これからの人生をみんなで考える契機にしてもらえたらと思います」とニッコリ笑いながら語られた。

取材協力:大津神社
http://otsujinja.com/

2014年 05月06日 08時16分