シェアハウスの実態に迫る

2014年7月8日に国土交通省から発表された「貸しルーム入居者の実態調査の集計結果について」が発表された。タイトルは固いが、つまりは「シェアハウスの実態調査」。テレビのリアリティショー番組でも近年話題になり、新しい住まい形式として浸透してきた。
前回【シェアハウスに住む人ってどんな人?】で、シェアハウスに住む人は、どんな年齢層でどのくらいの家賃のどんな部屋に住んでいるかを、レポートの中から見てみた。

今回は、レポートの中から「何故、シェアハウスに入居したのか?」などを見て、今時のシェアハウス事情を紐解きたい。

シェアハウスの入居動機は?

レポートによると、シェアハウスへの入居動機としてはH25年の調査では「家賃が安いから」64.3%、「立地が良いから」62.8%、「初期費用が安いから」41.1%となっている。(※複数選択式)この結果は、一般に賃貸住宅を選択する場合の理由と同様の傾向があるとレポート内で報告されている。

また、物件を借りる際の“手続き”についての回答が特長的だった。「不動産屋での手続きが不要だから」12.6%、「家賃債務保証会社が不要だから」10.0%、「連帯保証人が不要だから」18.9%。賃貸住宅にはないこうした手続きのメリットも感じる人が少なからずいるようだ。実際のところ、「物件の内見」「本人の確認(免許証の提示等)」「契約内容の対面による説明」など8割が行われているが、「何もなかった」という回答も1割強あったという。賃貸物件であれば必ず行う重要説明事項を省いている物件もあるとレポート内で警鐘を鳴らしている。

シェアハウス入居の理由として、イメージ重視的な回答は「イベントなど楽しそうだったから」10.6%、「コンセプトが気に入ったから」13.3%、「外国語を学びたいから」10.4%といった結果になった。コミュニケーション系の回答では「集まって暮らす安心感がある」20.0%、「共用スペースが充実しているから」18.4%、「他の居住者とコミュニケーションがとれるから」24.4%。イメージ重視のに比較して、コミュニケーション重視の回答はやや高く、交流を求めている人が集まっているのかもしれない。

抜粋:国土交通省「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」から
入居動機抜粋:国土交通省「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」から 入居動機

実際の居住期間は?

シェアハウスの居住期間は「1~2年」32.1%、「6カ月~1年」22.1%、「2~6カ月」16.1%という結果になった。2年未満の人が約80%であり、短期で出てしまうケースが多いようだ。1年未満も約45%という結果だ。

退去後の調査データを見ると、「賃貸マンション・アパート」52.4%、「戸建て」21.4%、「分譲マンション」15.7%。他のシェアハウスに移る人は、4.2%という結果になった。住宅を選択する過程のなかで貸しルームを一時的に選択していることが伺えると、レポートの中で指摘されている。

退去した理由を見ると、「職場の異動・結婚等、自身の状況の変化により転居せざるを得なかったから」37.8%、「当初から短期的に居住するつもりだったから」36.3%、「もっと良い物件を見つけたから」23.3%という結果に。人間関係を理由にした回答では、「想像していた共同生活と違っていたから」7.7%、「入居者のマナーが悪いから」9.3%、「入居者間のトラブルがあったから」6.2%。ライフスタイルの変容や当初予定で退去した人が多いが、一方で入居者同士のトラブルが原因で退去した人も少なからずいる結果になった。

抜粋:国土交通省「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」から
退去理由抜粋:国土交通省「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」から 退去理由

今後シェアハウスはどうなるのか?

一般的な賃貸物件と比べても回転率が高く、入居期間が1年未満の人が約45%いるシェアハウス。入居していた人の退去後の動向を見ても、シェアハウスに引き続き住む人は少なく回転率が高いことと言える。

しかし一方で、シェアハウスの物件自体は数を増やしている。オーナー側からのメリットとして水廻りなどの設備負担も軽減でき平米に対しての収益が高いことが人気の理由のようだ。実際にその数も、2013年3月時点で1400物件、約19000戸となっている。1999年の事業者数を1とすると、15年あまりで約21倍の事業者数となったとレポートで書かれている。国も空き家対策の一環としてシェアハウスについて注目しているが、こうしたレポート結果を見ると需要と供給が少しずつ乖離している感もある。

H25年のシェアハウスレポートは以上だ。シェアハウス事情はどうなっていくのか、今後も目が離せない。

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2014年 08月11日 11時09分