新型コロナウイルス対応だけでなく、働き方改革の一翼を担う在宅テレワーク

2020年4月7日、新型コロナウイルスへの対応として、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初の「緊急事態宣言」が発令された。もともと、政府が推進する働き方改革のひとつとして「テレワーク」が注目されていたが、現在は待ったなしの対応が求められている。

ちなみに厚生労働省が出している「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」によると、いわゆる「テレワーク」は具体的に下に挙げる3つの働き方を想定している。

① 在宅勤務
労働者の自宅で業務を行う。通勤を要しないことから、事業場での勤務の場合に通勤に要する時間を有効に活用できる。また、例えば育児休業明けの労働者が短時間勤務等と組み合わせて勤務することが可能となること、保育所の近くで働くことが可能となること等から、仕事と家庭生活との両立に資する働き方

② サテライトオフィス勤務
労働者の属するメインのオフィス以外に設けられたオフィスを利用する。自宅の近くや通勤途中の場所等に設けられたサテライトオフィスでの勤務は、通勤時間を短縮しつつ、在宅勤務やモバイル勤務以上に作業環境の整った場所で就労可能な働き方

③ モバイル勤務
ノートパソコンや携帯電話等を活用して臨機応変に選択した場所で業務を行う。労働者が自由に働く場所を選択できる、外勤における移動時間を利用できる等、働く場所を柔軟に運用することで、業務の効率化を図ることが可能な働き方

新型コロナウイルス対応では、「3つの密」を避け、今までの人との接触機会を8割がた減らす努力をし、できるだけ在宅するようにという指針が示され、また出勤者も最低7割減を要請されている。とすれば、この時期の働き方としては、テレワークの中でも在宅勤務となる。
企業も対応を求められているが、一方、在宅テレワークをする従業員は…といえば、本来くつろぐ場であった自宅に仕事する環境を整えなければならず、なかなか慣れない人も多いのではないだろうか?

自宅で快適に仕事ができるようにリノベーションでできる家のワークスペースのつくり方について、リノベる株式会社 広報担当の千葉剛史さんと田形梓さんにお話を伺った。

部屋の一角をワークスペースに利用する

「テレワークの推進に伴い、今までのようにフリーランスの方だけでなく、家で仕事をする方は増加しているようです。実際に、在宅ワークを快適に行うためのワークスペースを含めたリノベーションプランのご相談は、増えています」と、千葉さん。
「あえて個室をつくらなくても、部屋の一角を利用してワークスペースをつくるというのが一番手軽な方法です。そうはいっても気が散る場所でのワークは向いていないため、まずはご自身が一番どこが落ち着くのか、家のいろんなところで試してみるのがよいでしょう」という。

例えば、キッチン前にカウンターを置く、壁のある場所にデスクを設置するなども一般的に考えられるが、
「人によっては、緑の見える場所のほうが気分転換もできて閉塞感がないということで仕事ができる方もいるため、窓側にデスクを設置するのもおすすめです」
部屋の中の空間で廊下など動線のみに使用していた場所など、デッドスペースを見つけて利用するのも一つの方法だとか。
「部屋の一角を利用してのワークスペースは、仕事中も家族とコミュニケーションが取りやすいという利点があります。しかし、リモート会議など家族の気配が気になる場合も。個室感を強めたければ、壁で区切られていなくても、パーテーションやカーテンを利用した緩やかな仕切りで空間をつくることもできます」という。

写真は、リビングのスペースにパーテーションとなる仕切りをつくり、デスクを置いたパターン。閉塞感がでないようにあえて隙間のある仕切りとすることで、空間として緩やかにつながる工夫をしている。背面の壁には書棚となる棚を設けることで、書斎のような雰囲気となっている。

▲リビングの壁前にパーテーションをつくり、その一角をワークスペースとして利用した例▲リビングの壁前にパーテーションをつくり、その一角をワークスペースとして利用した例

個室タイプは、使っていない・使い方が限定された部屋や空間を見直してみる

リノベーションでワークスペース用の個室をつくる場合はどうだろうか?

「個室タイプは使用していない部屋をワークスペースにする場合もあるのですが、使い方が限定された部屋や部屋の中にそこまで利用スペースがいらない空間を整理して、リノベーションする例もあります。
例えば、収納空間の利用です。ウォークインクローゼットが各部屋にある場合、1ケ所のウォークインクローゼットをワークスペースにするなどです。利用が限られた部屋、例えば寝室は寝るためだけのスペースなので、ベッドがあればよいと考え、もう一部屋小さなワークスペース空間をとるなど、秘密基地のような籠った空間が可能です」と千葉さん。

「ワークスペースの個室は、家族がいて家でも集中して作業をしたい場合やリモート会議が多い仕事の方におすすめです。なかなか、リビングなどではご自身の仕事モードのオン・オフが難しい……という方には必要だと思います」

▲もとは納戸だった部分をウォークインクローゼットにし、さらに窓側をワークスペースとしてリノベーションした例▲もとは納戸だった部分をウォークインクローゼットにし、さらに窓側をワークスペースとしてリノベーションした例

仕事も勉強も。家族とともに集中する「家族の共用部」

個室タイプをもっと発展させて、「家族でシェアする」という空間づくりもあるという。

「一人で籠る個室とは違って、家族の小さな図書館のような勉強スペースをつくるという考え方です。リビングに子ども用の学習スペースをつくる例も増えていますが、もっと広く大人も仕事ができる空間として、リビング横に部屋をつくるなどです。壁際に長机を設置して並んで座る方法や、仕切りを挟んで対面に座る方法、各々が壁際にデスクを設置して背合わせで座る方法などがあります。
お子さまの宿題を見てあげたりすることができるなど、家族の団らんの場とは違う、第二のコミュニケーションスペースとして活用できます」

▲ダイニングスペースを見直し、家族の共用部分としてリノベーション。壁際に長いデスクを設置したことで子どもも勉強ができるワークスペースに▲ダイニングスペースを見直し、家族の共用部分としてリノベーション。壁際に長いデスクを設置したことで子どもも勉強ができるワークスペースに

照明を替える、デスクを替える。意外と効果的な小さなテレワーク対応

リノベる株式会社、千葉剛史さん(右)と田形梓さん(左)リノベる株式会社、千葉剛史さん(右)と田形梓さん(左)

在宅ワークでも、専用のスペースがなかなか取れない人なども多少の工夫で集中できる環境をつくることができるという。

「いちばん簡単で効果が期待できるのが、照明を替えるということ」とのアドバイスをいただいたのは、リノべるの田形さん。
「一般に家庭のくつろぎ空間にはオレンジっぽい温かみのある電球色が、照明に使われていることが多いのですが、リラックス用の光のため、あまり仕事モードには向いていません。
集中力を高めるのに効果があるといわれている白く青みがかった昼光色が、仕事をするには適しています。今は同じ照明器具で電球色・昼光色とモードを切り替えることができ、光の強さも調節できる製品も多いので、検討してみてはどうでしょうか」という。

一般のオフィス家具は以前の白やクリーム色などから自然なメイプルなどの木質に替わってきているという。集中するには机や椅子だけでもオフィスモードにするのもよいかもしれない。特に椅子などは、長時間の座る姿勢に腰に無理がないものに替えたほうがよいだろう。

リノべるのお二人の在宅テレワークに対する考えはどうなのか聞いてみた。
「在宅で受けられるサービスを活用しながら、家族にとっても無理なく家で仕事ができる環境をつくっていきたい。家の中をどちらにも良い環境になるように変えていきたいと思っています」と田形さん。
千葉さんは、「実は今、住宅購入を検討しているタイミングなので、自分の部屋をどうつくっていこうかを考えています。オンとオフ自分なりの空間アレンジができるのがリノベーションの良さだと改めて思います」と語ってくれた。

新型コロナウイルス対応にとどまらず、在宅テレワークは2021年に延期された五輪対応や今後の働き方改革で広がっていくのは間違いないだろう。
快適な仕事空間は、これからはオフィスだけでなく、自宅にも必要なようだ。

■取材協力 リノべる https://www.renoveru.jp/

2020年 04月28日 11時05分