資産価値が減りやすい家・減りにくい家

「新築が良いか、中古が良いか」という質問が良くある。条件が一緒だったら「新築が良い」に決まっている。聞くまでもない。それでは、「資産価値が減りやすい家が良いか、減りにくい家が良いか」と質問したらどうだろう。恐らく多くの人は「減りにくい家がいい」と回答するであろう。では、資産価値が減りにくい家は新築だろうか、中古だろうか。答えは中古である。

今、資産価値が減りにくい家選びの方法として中古住宅を積極的に選択する人が増えている。では、資産価値が減りにくい家とはどんな家だろうか。性能抜群の家が資産価値が減りにくいのだろうか。答えはNOである。資産が減りにくい家とは「資産性が高い土地」にある家のことである。資産性の低い土地にある性能抜群の家は、資産性に乏しい趣味の家となる。諸外国で家は「資産」であるのに対し、日本では「耐久消費財」化しており、家を買うときに資産性を気にしながら購入する人は少ない。

米国(住宅投資額の累計と資産合計)

米国(住宅投資額の累計と資産合計)米国(住宅投資額の累計と資産合計)

日本(住宅投資額の累計と資産合計)

日本(住宅投資額の累計と資産合計)日本(住宅投資額の累計と資産合計)

なぜ怒らない?500兆円も損をしている日本人

上記二つのグラフを見てほしい。これは、住宅投資額の累計と資産合計をグラフにし、日米比較したものである。米国は住宅投資額の累計と現在の資産を比較すると、ずっと投資額が維持されているのに対し、日本では、過去45年で500兆円以上も投資額が上回る結果となっている。これは日本国民が45年かかって国家予算の5年分を無くしているのと一緒である。

また、もう一つの下のグラフを見てほしい。初めて家を買う年齢が何歳なのか、日米比較をしたグラフである。これを見てお分かりいただけるのが、米国では若いうちから家を買っているということである。資産価値が下がりにくい家を買うのであれば、若いうちから買ってどんどん住み替えればいいのである。資産価値が下がらなければ、返済した元金は貯蓄となっていく。その貯蓄を頭金に次の家へとステップアップするわけだ。右肩上がりの経済ではない、人口は減っている、年金の不安もある、こんな時代に相変わらず日本人は耐久消費財の家を買って続けて良いのだろうか。誰が言い出したかわからないが「家は一生で一回の買い物」こんな概念が家が耐久消費財化する大きな原因かもしれない。「家は3回も4回も住み替えるもの」という概念が広まったら、住宅を買うとき・住んでいるときに、家を売ることが常に頭にあるようになる。そうすると、いつでも売れる、値段が下がりにくい家を選ぶようになってくるのである。前述の通り、値段が下がりにくい家は、値段が下がりにくい土地にある家のことである。

日米を比較したグラフ日米を比較したグラフ

その地域で最も就業人口が多い街が資産性が高い

住宅購入には3つの要素がある。「予算」「広さ」「立地」。この中である程度選択肢があるのは「立地」だけである。予算は収入で決まる。広さは居住人数で決まる。だから選択肢は少ない。もっとも選択肢のある「立地」なのだが、この選択肢を勝手に狭めてしまっている人が多い。「子供の学区域」「昔から住んでいる」「通勤に便利」はもちろん、このような要素も立地を選ぶうえで重要な要素だが、判断基準としては趣味嗜好の判断基準であり、資産性は一切考慮されていない。ここが大きな落とし穴だ。私が住みたい家の事情は、多くの人が必要な事情ではないことが多い。多くの人が必要ではない事情の立地は、資産性が低いのである。

多くの人が必要とする立地の事情は「仕事場に近い事」である。だから、仕事の無い街はそもそも資産性が乏しい街である。例えば、首都圏で考えた場合、最も就業人口が多いのは山手線の内側だろう。ここに勤める人が住める家を買っておけば比較的資産性は維持されやすいだろう。皆さんは、仕事場近くで飲んで終電を逃したとき、タクシーでいくらまでだったら出す気になれるだろうか。恐らく多くの方は3,000~5,000円くらいではないであろうか。仕事場に近いとは、その感覚の距離のことを言う。いつでも売れるし、貸せる、資産性の維持しやすい立地を選ぶのであれば、基本は都市部に近いところに購入すべきなのである。さらに、駅からの距離も重要であろう。人口減・家余りの時代に駅から10分以上歩く理由もなくなる。(中心市街地から5キロ以内は除く)まして、バス便エリアは厳しい。私はバスほど当てにならない乗り物はないと思っている。なぜなら、乗る人が少なくなったら便が減り、やがて廃線なるからだ。バス会社も営利企業なので当たり前だろうが、交通手段がなくなるというのは致命的なのである。

その地域で最も就業人口が多い街が資産性が高い

2013年 09月13日 11時23分