日本の神様は凄い!?

古くからある神社や寺の周囲は比較的災害リスクが低いと言えるのではないだろうか?古くからある神社や寺の周囲は比較的災害リスクが低いと言えるのではないだろうか?

右の絵を見てほしい。
濃い青が海。緑色が陸地。水色は陸地なのだが津波が入り込んだエリアを表している。赤い点は神社。何かお気づきにはならないだろうか?そう、津波は見事に神社の手前で止まっているのである。これが「日本の神様は凄い!」という所以だ。(笑) 
しかし、これにはちゃんとした根拠がある。残念ながら津波にのまれてしまった神社もある。このような神社は津波にのまれて、流されて、そのまま放置されるのであろうか?そうではない。これらの社にはそれぞれ氏子がいる。氏子は社の再建をするわけだが、再建場所は津波にのまれないところに当然再建するのである。それを繰り返している結果、古くからある神社は津波にのまれず、比較的新しい神社が津波にのまれてしまったという結果である。ゆえに、古くからある神社や寺の周囲は比較的災害リスクが低いと言えるのではないだろうか?
同じく、災害を受けにくい場所がある。小中学校、消防署、警察署等。これらの場所は有事の際は避難所や活動拠点になるわけであって、災害に弱い立地は避ける傾向にある。さらには、貝塚など古い住居跡があるような場所も昔から人が住んでいたという事実が災害に強い土地であることを裏付ける。
東日本大震災の津波被害を受けて、各地域の津波ハザードマップが見直され、津波被害想定が改定されている。新たに津波被害地域などに指定されたり、従来よりも高い波が押し寄せてくると想定が見直されたエリアの住宅の取引が激減しているという話をよく耳にする。津波被害に限らず、不動産購入の際にはハザードマップを良く確認することは非常に重要である。万が一、津波、浸水、液状化等の被害に見舞われたら、資産価値の低減はおろか、買い手のいない土地になってしまうリスクさえある。資産防衛の観点から考えてもハザードマップの確認は非常に重要だ。
多くの自治体ではハザードマップを公開している。ほとんどの自治体のハザードマップにアクセスできる国土交通省ハザードマップポータルサイト(http://disapotal.gsi.go.jp/)が参考になる。

地下鉄の電車はどこから入れた? 考えると一晩中寝られない

東京を走る、地下鉄銀座線。昭和2年開業の日本で最も古い地下鉄だ。地下鉄なのに、唯一地上に存在する駅がある。渋谷駅だ。地下鉄なのに、なぜ駅が地上にあるのか皆さんは考えたことあるであろうか?
昔、漫才で「地下鉄の電車はどこから入れたの? それを考えてると一晩中寝られないの。」なんていう漫談があったが、何も渋谷駅は地下鉄を入れる入口だから地上階という訳でもない。なぜ地上なのだろうか?
渋谷は地名にもあるように谷地である。銀座線は古い地下鉄ということもあり、都心の地下一階を走っている。だから谷地に差し掛かると地上に顔を出してしまうという訳だ。谷地である根拠に、周りに山がある。青山・代官山・円山等である。谷地であるので、渋谷駅の周辺には今でも滔々と川が流れている。渋谷川や宇田川だ。しかし、暗渠(蓋をした川や水路)になっており、川を確認することは困難だ。渋谷という地名が谷地に由来するものかは不明(渋谷区HPより 渋谷川の流域の低地が、しぼんだ谷あいだったからとする説。他諸説あり)だが、地名にはその地名になった根拠がある。
ちなみに、東京を走る地下鉄丸ノ内線も地上に顔を出す駅がある。茗荷谷駅や四ツ谷駅だ。(後楽園も地上に顔を出すが・・・)いずれも地名に谷がついている。いずれも谷地の地形が地名となっていると思われる。
以下に、過去に液状化した履歴地点の地名の例を挙げる。これらの文字がついている場所が全て危険という訳ではない。ただ、この様な文字がある地名の場合は注意が必要であると思われる。
1)低湿地を示す地名
   鴨ケ池、大池、赤沼、長沼、沼崎、新潟、池ケ原など、池や沼がつく場合が多い。
2)湿生植物にちなむ地名
   芹田、茅沼、芦原、小菅、菅野、青柳、柳川など、芹・芦・菅・柳がつく場合が多い。
3)湧き水地点を示す地名
   小泉、和泉、今泉、清水、井戸、亀井戸など、泉・ 清水・井戸がつく場合が多い。
4)新開地を示す地名
  明治新田、下沼新田、笹塚新田、古川新田など、多くは新田がつく。水を引くために、田は土地が低い土地に作る。
5)氾濫を示す地名
  押切、袋、大曲、河合など。
6)自然堤防や中洲を示す地名
  中之島、堂島、三島、綱島、中洲など、多くは島や洲がつく。

地下鉄なのに、唯一地上に存在する駅がある。渋谷駅だ地下鉄なのに、唯一地上に存在する駅がある。渋谷駅だ

町中に潜む不思議な景色は要注意

下の写真を見てほしい。不自然なことに気付かないだろうか?
住宅と駐車場が道路を挟んで並んでいるわけだが、住宅より駐車場が高い場所にある。実はこの土地、近くに川が流れている土地だ。写真の奥が川になる。その川は、大雨のたびに度々氾濫を繰り返してる。川の氾濫時に車を流されるのを避けるために、駐車場に盛り土をしているのだ。その結果、駐車場が住宅より高い位置にあるのである。このような不思議な景色はじっくり街を意識し見ていると色々存在することに気付く。例えば、車が通れないような細い小道が続いていたり、遊歩道が続いている場合、川もないのに橋が残されていたりしたら、大体暗渠だ。下に川や水路があるわけだが、その地域で最も低い場所になる。
当たり前の話だが、水は高いところから低いところへ流れる。近くに川がある場合は、一番低い場所はどのあたりか、よく確認をしておく必要があるだろう。家を買って引っ越した途端、川が氾濫し浸水被害に遭ってしまったのでは資産価値の目減りは避けられない。物件を確認する際には、建物の確認もさることながら、周辺の景色もよく確認し、購入しようとしている土地にどのようなリスクが潜んでいるのか、確認することも重要だ。何もなければ水辺はとても心地が良いのだが、いざ氾濫するとその牙をむく。最近は特にゲリラ豪雨と言われる集中豪雨が度々発生するので、今まで以上に注意が必要だろう。
地形の高低差を一目瞭然で確認できる地図がある。陰影段彩図だ。国土地理院からもポータルサイトとして公開されている。電子国土WEBシステムで陰影段彩図が見ることができる。(http://portal.cyberjapan.jp/)参考にしてほしい。

住宅より駐車場が高い場所にある。
実はこの土地、近くに川が流れている土地だ住宅より駐車場が高い場所にある。 実はこの土地、近くに川が流れている土地だ

「切り土」と「盛り土」

坂道に建っている住宅がある。もちろん、その坂の下には川が流れているわけだが、坂道の途中にも危険な場所がある。
坂道に建っている住宅の場合、家を水平に建てるために、土地の一部を切り取って、下がっているところにその土を埋めて平行にする。(下図参照)土地を切り取った部分を「切り土」、埋めた部分を「盛り土」という。土地を切った部分の土地は、固くて問題がない場合が多いが、埋めた土地は埋めたばかりなので、時間が経つにつれ下がってくる場合がある。坂が急であればあるほど、盛り土部が深くなる。本来、そのような土地は転圧と言って、土を叩いて締める作業を行ったり、時には杭を打つなどして不同沈下(建物が不揃いに沈下を起こすこと)を防ぐ対策が必要になるのだが、そのような対策が施されていない土地もある。
坂道に建っている住宅の場合、建物のコンクリート基礎を良く確認しよう。盛り土部が下がっているような土地に家が建っていると、その家の基礎は大体、盛り土部と切り土部の境で基礎にひび割れが入っている。ひどくなると外壁にひびが入っている場合などもある。注意が必要だ。
東日本大震災に限らないが、大きな地震が発生すると液状化の問題がクローズアップされる。そもそも、昔は軟弱地盤には家を建てていない。軟弱地盤は水はけが悪く、湿度も周囲より高い場合が多い。木造住宅の床下環境には最悪の環境だ。シロアリや腐朽菌発生の温床にもなる。しかし、都市化が進み、地盤のリスクより立地が優先されるあまり、従来家を建てなかったようなところにも家が建っている。埋立地も同様だ。
このような土地に家を購入し、液状化などが発生したら、住宅の資産価値は大きく目減りするどころか、次の買い手がいないかもしれない。人口減、家余りの現状の中、あえてリスクの高い土地を選ぶ理由がないからだ。マンションなどの大型建築物の場合は地盤対策が施されていて引き続き住めるかもしれないが、一戸建ては目も当てられない状況になる。液状化後は沈下修正と言って、一時的に建物の水平を取るような対策が施されるが、地震が来れば再液状化する。
東日本大震災が発生した時、液状化したエリアから賃貸の入居者がみんな出て行ったと聞いた。液状化すると建物被害だけではなく、周辺の上下水道などのライフラインが寸断される。復旧までの間、公園の仮設トイレで用を足し、給水車から水をくむことになる。賃貸物件の入居者はそこで我慢し続けなくてはいけない理由もないので、真っ先に引っ越す訳である。動けないのは住宅所有者。そんな状態では売るに売れないのは当然だが、借り手も出て行ってしまう街の資産性は著しく低くなる。
不動産の資産性を考えると、土地・立地が資産性のほとんどを占める。建物の性能も大切だが、資産性のない土地に建っている高性能な住宅は資産ではなく、趣味の家となる。その、資産要素のほとんどを占める土地・立地も、都市部に近いほど資産性が高くなるのだが、その絶対的な距離だけで判断してはいけない。中心市街地の高い価格の土地を買ったものの、液状化で一挙に資産を失うリスクがある。住宅選びは土地選び。建物や立地もさることながら、土地を良く把握したうえで住宅選びをしたい。

土地を切り取った部分を「切り土」、埋めた部分を「盛り土」という土地を切り取った部分を「切り土」、埋めた部分を「盛り土」という

2013年 11月12日 09時54分