関係人口とは何か?

世界でも類をみないスピードで少子・高齢化社会が進む日本。人口減少も深刻であり、特に地方に関しては日本創成会議が発表する「消滅可能性都市」として、実に896自治体がリストにあがっている(※平成26年5月 日本創成会議「消滅可能性都市」)。

消滅可能性都市というのは、具体的には20~39歳の女性の数が2010年から40年にかけて5割以下に減る自治体ということだ。20~39歳の女性の数を判断基準にした理由は、次の世代の人口を左右する出産年齢がこの年代の女性であるということ。尚、この調査は将来人口の推計に際して、20~39歳までに約3割の人口が大都市に流出することを前提としたものである。

本当にこの通り多くの自治体が消滅危機となるのかはさておき、まちの持続において、各地域では人口増加に焦点をあて、子育て世帯の移住促進や二拠点生活推進を取組んできた。しかし、少なくなる人口を各地域がとりあうわけで、なかなか思うように効果が出にくいのが実情のようだ。

そんな中、新しく「関係人口を増やす」という取組みが注目されている。
「関係人口」とは、総務省の「関係人口ポータルサイト」には、移住した「定住人口」でもなく観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指すと定義されている。
もう少しわかりやすくすると、ソトコトオンライン編集長 指出一正氏の著書『ぼくらは地方で幸せを見つける』によると「関係人口とは、言葉のとおり『地域に関わってくれる人口』のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち」だということだ。

まちへの「関心」と「関与」を深めていくことで地域外の人材が地域づくりの担い手となる「関係人口」。その取組みを特集する。

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉</br>(出典:総務省 関係人口ポータルサイトより)「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉
(出典:総務省 関係人口ポータルサイトより)

公開日: