住まいの中のカビ。湿度の高いところ、結露しやすいところは注意

梅雨の時期だけでなく、住宅の高気密化などにより、季節を問わずカビに悩まされている方も多いだろう。カビは、湿度の高いところや風通しの悪いところ、結露しやすいところに多く発生するものだ。浴室や洗面、キッチンなどの水まわりを中心に、クローゼットや押し入れ、エアコン内部のフィルターのほこりなどにもみられる。カビを放置しておくと、見た目の問題だけでなく住宅建材の劣化、健康被害につながる可能性もある。

給湯機器や厨房機器、空調機器などの熱エネルギー機器の開発・製造・販売を行うリンナイ株式会社では、カビに関する意識調査を実施。その中から興味深い調査結果を紹介する。

浴室は清潔さを保ちたい場所だが、湿気が溜まりやすくカビも発生しやすくお手入れがおっくうになることも。これからの季節、エアコン掃除も十分に行いたい。浴室は清潔さを保ちたい場所だが、湿気が溜まりやすくカビも発生しやすくお手入れがおっくうになることも。これからの季節、エアコン掃除も十分に行いたい。

カビに悩んでいる人は約8割。梅雨時は特に気になる

全国20~60代の男女計1,000名を対象に行ったリンナイの調査によると、カビに悩んでいる方は約8割。その内訳は、「とても悩まされている」が13.2%、「やや悩まされている」が64.3%となっている。

具体的な悩みの第1位は「掃除をするのが大変(80.8%)」、次いで「水回りが汚くなる(60.9%)」、「嫌な臭いがする(43.7%)」という結果。また、「くしゃみが出る」「アレルギーがある」などといった健康面への影響が挙げられている。

カビは一度きれいにしても油断すると繁殖してしまうこと、見た目の汚れなどが日々のストレスになっているようだ。また、身体への影響も気になる点といえるだろう。

(上左)「あなたは、カビに悩まされていますか?」 (上右)「あなたが、最もカビが気になる季節はいつですか?」 (下)「カビについてどのような悩みがありますか?」(上左)「あなたは、カビに悩まされていますか?」 (上右)「あなたが、最もカビが気になる季節はいつですか?」 (下)「カビについてどのような悩みがありますか?」

一番カビが気になる浴室。週に1度は掃除を

カビに悩んでいる方が、日ごろカビが気になる場所はというと、圧倒的に「浴室内(84.4%)」。次いで「エアコン(42.6%)」「窓の周辺(36.8%)」という結果。その他「キッチン(23.7%)」「洗面所(22.5%)」「トイレ(17.8%)」などの水回り。「クローゼット・押し入れ」「部屋の壁」なども挙がっている。

カビが繁殖しやすい条件は、温度が20~30°C 、湿度75%から100%でよく増える。つまり浴室はカビの絶好の住み家となる。そのため、新築でもリフォームでも多く取り入れられているシステムバス商品は、カビ対策を施したタイプが揃っている。お手入れのしやすい排水口や乾きやすい床面、汚れが溜まりにくい出入口ドアなど、従来と比べるとカビが発生しにくいような工夫が多くみられる。しかし、お手入れの頻度や換気方法にもよるが、やはり住まいの中で、もっともカビが発生しやすい場所であり、とはいえ頻繁には掃除をしたくない場所でもあるのではないだろうか。

実際に、浴室のカビ掃除はどのくらいの頻度で行っているのか。「週に1回」以上掃除している人は約3割。次いで「月に1回」、「2週間に1回」が多く、掃除の頻度はばらつきがみられる。カビの発生度合などによっても異なるだろうし、通常の浴室掃除の際にカビ対策を施しているケースもあるだろう。

一番カビが気になる浴室。週に1度は掃除を

浴室換気扇の使い方がカギか?暖房乾燥機も役立つ

浴室のカビ掃除には、「カビ取り剤」や「防カビ剤」、「漂白剤」を使用している方が多くみられるが、カビ予防として行っているのは、最も多いのが「換気をする(77.0%)」。ついで「部屋の通気性を良くする(54.7%)」「こまめに掃除をする(43.5%)」「防カビ剤を使う(43.1%)」となっている。

カビを予防するためには、換気や通気など風通しを良くすることを重要視しているのがわかる。では、浴室の換気扇を使用する頻度はどの程度だろうか。「入浴後の数時間だけ使う」が49.3%と一番多く、「常につけっぱなしにする(24時間換気)」という方が28.9%。「浴室の換気扇は使わない」「掃除後の換気に使う」という声も。浴室に窓があるプランであったり、洗面脱衣室とのつながりによって換気扇の使い方も変わってくるのかもしれない。

また、最近では、浴室プランの標準的な仕様となっている浴室暖房乾燥機。この浴室暖房乾燥機を使用することで、浴室にカビが生えるのをおさえることができる、ということ知らない方は、54.1%と過半数。「知っていたが、実践はしていない」という方も31.4%もいるという。設置されている換気扇の機能や性能を確認し、効率的な換気を心掛けることも大切だろう。

(上)「あなたは、浴室の換気扇をどのように使っていますか?」 (下)「浴室暖房乾燥機を使用することで、浴室にカビが生えるのを抑制することができることを知っていましたか?また、実践していますか?」(上)「あなたは、浴室の換気扇をどのように使っていますか?」 (下)「浴室暖房乾燥機を使用することで、浴室にカビが生えるのを抑制することができることを知っていましたか?また、実践していますか?」

梅雨時期のカビ対策。3つのポイント

カビに対するストレスや悩みを解消するため、梅雨時期に使えるカビ対策として、カビ専門家・矢口貴志先生は3つのポイントを挙げている。

■ポイント1  換気、除湿を心掛ける
湿気のこもりやすい場所は、扇風機や換気扇などを用いて空気の流れを起こし換気を行うこと。エアコンや除湿器などを使用して、湿度を下げること。また、浴室では、24時間換気機能付きの換気扇の場合、入浴後は強力に換気し、その後は常につけっぱなしにしておくこと。衣類乾燥機能を使用すると、浴室内の気温は45°C程度になるのでカビは生えにくい状態になるという。また、洗濯物を部屋干しする場合は、換気と除湿を十分行うことも大切だ。

■ポイント2  こまめな掃除を行い、カビの栄養源を取り除く
生活環境中のカビを多く吸うと、アレルギーなどの健康被害を起こす可能性もある。部屋の隅、家具の裏、電気の傘などカビの栄養源となるホコリを取り除くとともに、エアコンのフィルターにホコリが溜まらないようにこまめな掃除を。浴室は、カビの栄養源となる皮膚片、 石鹸カスなどが発生するので、入浴後は浴槽、壁、床などを洗い流すこと。また、キッチンのシンク、シャワータイプの水道の蛇口の裏なども清潔にしておきたい。

■ポイント3  梅雨入り前にエアコン、水回り掃除を行う
梅雨時期には、カビは繁殖しやすくなるので、梅雨前にキッチンや浴室などの水回りを掃除しカビが生えにくい状態にしておくことが重要。エアコンのフィルター、冷気の吹き出し口を掃除し清潔な状態にし、梅雨時の除湿に活用したい。

カビ対策としては、上記のようなポイントがあるが、カビ掃除を習慣化している方でも、間違った知識に基づいて掃除をしているケースもあるとか。この機会に、矢口貴志先生監修による下記のテストでご自身のカビ対策理解度をチェックし、掃除の仕方を見直し、清潔で心地よい暮らしを実現してほしい。

【カビ対策知識テスト(正解〇か不正解×かチェックしてみよう)】
1.カビ退治には40°C程度のお湯をかけると良い
2.重曹はカビに効く
3.黒カビ退治はスポンジでこする
4.石鹸カスは洗浄成分が入っているのでカビの栄養源にはならない
5.湿度と温度の2つの条件が揃うとカビはどこでも生育する
6.浴室のカビ対策として入浴後に水を全てふき取る方が良い
7.浴室のカビ掃除は天井が最も重要である
8.浴室内でピンク色の汚れがあるところを放置しておくとカビが発生しやすい
9.エアコンのカビ対策としてはフィルターを定期的に掃除すれば十分
10.カビは氷点下では生きられないため、冷凍庫では発生しない
11.カビは人の皮膚でも生息している
12.カビは水分を好むがダニは水分を好まないためカビとダニは同時には発生しない

【カビ対策知識テスト<解説>】
1.[不正解]
カビは 50°C 以上でダメージを受けて繁殖力が低下するため40°C程度のお湯だとカビ退治をすることは難しい。カビを退治するためには50°C以上のお湯をかけた方が効果的。
2.[不正解]
重曹には「洗浄効果」はあるが、「殺菌、除菌」の効果はないため、カビを根元から取り除くことはできない。カビ掃除をする際には殺菌の効果があるクエン酸や、酢などがオススメ。
3.[不正解]
黒カビは、スポンジでこすっただけでは、目地などの奥まで入り込んでカビを除去できない。黒カビ退治にはカビとり剤の上からペーパーでパックし数十分置いた後に洗い流すと良く取れる。
4.[不正解]
石鹸カスもカビの栄養源となるため、カビを増やさない為にはきちんと石鹸カスも取り除くことが重要。
5.[不正解]
「湿度(60%以上)」「気温(20~30°Cが最適)」「栄養分(食べカス・人のアカなど)」の3つの条件が揃うとカビが発生しやすくなる。言い換えると、それらが揃わなければカビは生えない。
6.[正解]
水を取り除いてあげることでカビが生えにくくなる。毎日水をふき取ることが難しいと思うので、水切りの掃除用具などを活用する、また換気扇をなるべく長時間かけることをオススメする。
7.[正解]
天井を掃除しない限り天井から降って きたカビの胞子が原因で、いくら床や浴槽をキレイにしてもカビがすぐに発生してしまう悪循環に陥ってしまうため、掃除をする際には必ず天井もかかさず掃除することが重要。きちんと天井も掃除してカビができにくい環境を整えること。
8.[不正解]
浴室に発生する「ピンク汚れ」の正体はカビの予備軍でなく「ロドトルラ」という赤色酵母で、カビの一種。ロドトルラは、普通に空気中に浮遊している菌で水分のある場所を好むため、浴室はもちろんキッチンやトイレなどでも繁殖する。
9.[不正解]
冷房で使用した場合、フィルター掃除だけでなく送風機能を使ってエアコン内を乾燥させる必要がある。エアコン内の風通しをよくしてあげることでカビが増えるのを防ぐことができる。
10.[正解]
カビは凍っているところだと発生しない。しかし製氷機の給水タンクはきちんと定期的に掃除をしていない と空気中に あるゴミなどがたまりその中にカビが生息してしまう。その水が氷となり知らずにカビを摂取し続けてしまうと健康被害にもつながるので、定期的に給水タンクの 掃除は行った方がいい。
11.[正解]
人の顔の皮膚や頭皮には、毛根や皮脂腺に棲みつき、余分な皮脂を食べることで皮膚を酸性に保ち、細菌から皮膚を守ってくれる「マラセチア」という常在菌が生息している。
12.[不正解]
ダニはカビを餌とするのでカビ対策を行っていないとダニも増えてしまう原因なる。また、カビはダニの糞、死骸を餌とするため、カビが多いところにはダニも多く、ダニが多いところにはカビも多いということになる。掃除をする際にはカビもダニも両方退治することが大事である。


協力 / リンナイ株式会社

2020年 07月16日 11時05分