進化を遂げた浴室建材の「今」

お客様の浴室にまつわる困りごとの解決をめざし商品開発を行った結果、たどりついた最進化形が「お掃除ラクラクほっからり床」お客様の浴室にまつわる困りごとの解決をめざし商品開発を行った結果、たどりついた最進化形が「お掃除ラクラクほっからり床」

私たちが快適な暮らしを行う上で、軽視できない場所、それがバスルーム(浴室)ではないだろうか。リビングや寝室のように、決して長い時間を過ごす場所ではないものの、ゆったり湯船に浸かって1日の疲れをとったり、汗やアカをすっきり洗い流したり、子どもたちと背中の洗いっこをしてコミュニケーションを深めたり、バスルームの存在はなかなかに大きい。
そんなバスルームの浴室建材は現在、快適さを求める私たちユーザーの欲求を満たすため、様々な特徴や機能が備わり、昔と比べものにならないほど進化していることをご存知だろうか。
床が乾きやすく、ソフトなクッション性に優れるTOTOの「ほっカラリ床」や、水アカが付きにくく汚れが落としやすいLIXILの「キレイ浴槽」など、最新のバスルームに憧れてリフォームを検討中の方も多いだろう。

これらの浴室建材が進化した背景には、どんなニーズや視点、発想があったのか。今回は、バスルームの快適さを保ち、長く使うために日頃からできる方法と共にご紹介したい。

ありがちな浴室の不満や悩み…1つずつ解消するために誕生した〝最新浴室建材〟

今ではおなじみのユニットバス。お風呂とトイレが一緒になったものを想像する人が多いが、それは誤解である。正しくは、浴室を構成する各部材(壁・床・天井)などをあらかじめ工場で成形し、施工現場で組み立てる「乾式工法」で完成させる浴室のことを指す。逆に、昔ながらのタイル貼りのお風呂などは「湿式工法」と呼ばれる。ちなみに、ユニットバスを初めて開発したのは日本であり、1964年の東京五輪がきっかけだということは余談である。

さて、そんなユニットバスがどのように進化してきたか。TOTO株式会社広報部 東京広報グループの浅妻令子氏にお話を伺った。

浅妻氏によれば、2000年頃からユーザーより多く寄せられるようになった浴室への不満、それが「床が乾かない」だった。誰でも経験があると思うが、濡れた床に足を置いた時の感触、冬場であればひやっとさせ、夏場であってはじめっと。決して気持ちの良いものではない。もちろん、その原因がすべて床材にあるわけではなく、浴室に窓があるかどうか、換気扇を使用しているかどうかといったユーザーの利用状況によって程度差があるものの、メーカーである以上、「お客様の困りごとを解決したい」使命感がある。そうした声を新商品開発に取り入れることになった。

次に多く届くようになった不満、いやもはや貴重な声というべきだが、それが「床が硬い」というもの。シャワーヘッドなどを落としてしまった時の音や衝撃が大きく、膝に不安のある方や、小さなお子様のいる家庭では床にマットを敷いている現状を知り、柔らかい床の開発が急がれた。

それでも、まだ、ユーザーには悩みがあった。「お風呂場が寒い」「掃除が大変」というのだ。お風呂場と居室との寒暖差が大きければヒートショックなどの健康被害を招きかねないし、あまり知られていない事実だが、ヒートショックによる死亡事故は交通事故の4倍に達している。浴室掃除についても決して看過できるものではなく、忙しい主婦や足腰が丈夫でない高齢者にとって、立ったりしゃがんだり、跪いて床をこすったり、他の家事労働に比べて重労働であり、負担は大きいのだ。そこで「寒さ」対策としてはダブル断熱層を、「掃除負担」の軽減については特殊加工を施すことによって、ユーザーの期待に応えてきた。

その結果、世に出回っているのが現在の浴室建材であり、これらはいわば、ユーザーの悩みや不満の中からニーズを見いだすことによって誕生した〝最新化形〟だと言えるだろう。

特殊加工を施した床材の下層にはダブル断熱構造でエコに保温。高いクッション性はTOTO商品でのみ実現特殊加工を施した床材の下層にはダブル断熱構造でエコに保温。高いクッション性はTOTO商品でのみ実現

お風呂の〝快適さ〟を保つ、「リフォーム」以外の選択肢=「こまめな清掃」

丁寧に磨き上げられたバスタブ。その〝快適さ〟は、清掃が行き届きすっきりとメイキングされたベッドに飛び込む、あの心地よさに匹敵するだろう丁寧に磨き上げられたバスタブ。その〝快適さ〟は、清掃が行き届きすっきりとメイキングされたベッドに飛び込む、あの心地よさに匹敵するだろう

メーカー取材を通じて、最新の浴室建材の重要性が分かった。とはいえ、だれもが簡単に浴室のリフォームを行えるものではない。
それならば、今の浴室で、自分たちにできる範囲で、〝快適さ〟を保つことはできないだろうか。

たとえば、お掃除。リフォームで「特殊加工」を施すことができないなら、汚れを寄せ付けないよう、日頃の努力に頼るしかない。床材に「乾き」や浴室に「温もり」を実現させるのは難しいとしても、清潔感だけならなんとか保つことができそうだ。

まずは、お風呂に付着しがちな汚れについて、知ることから始めよう。

■水あか、湯あか
ざっくりと説明するならば、水あかはザラザラした汚れで、湯あかはヌメヌメした汚れ。水あかの原因は水道水に含まれるケイ酸が積もり積もったものであるのに対し、湯あかは皮脂、石けんかす、ほこりなどが結びついたもの。ついてすぐなら水洗いで落とせるが、こびりついてしまったら浴室用中性洗剤でこすり落とす。洗剤を吹きかけて数分放置してからこすっても落ちない場合は、ラップやティッシュなどを貼り、汚れを浮かせて少し時間を置いてからこすると良い。

■カビ
壁や床のタイル、目地などに付着した黒や紫、ピンク色の汚れの正体はカビ。「真菌」と呼ばれる、微生物の一種。カビが好む高湿度、高栄養になりやすい浴室は家の中でももっとも繁殖のしやすい場所である。特に発生しやすい場所として壁や床タイルの目地、浴槽と壁・床との取り合い(接ぎ目)部分、浴槽のふたが挙げられる。発生して間もなくは浴室用中性洗剤で落とせるが、落ちにくくなったらカビ取り剤が効果的。カビ発生を防ぐには、カビの栄養源となる石けんカスなどの汚れをこまめに洗い落として、換気を十分に行って湿気を払うこと。

■ピンクヌメリ
基本的にはカビと同じ場所に発生するため混同されやすいが、こちらは皮脂などを養分にする酵母菌が増えてできた汚れ。ちょっとこするとすぐに落ちるが、目に見えない菌が残っていてまたすぐに発生する。放っておくと色素沈着を起こし、落ちにくくなる。浴室用中性洗剤を吹きかけて数分置いてからこすり落とすか、カビ取り剤を使用する。カビ取り剤は乾いた浴室内で使用するのが効果的。

■サビ、もらいサビ
金属や浴槽に出る茶色のザラザラした汚れのこと。金属の表面が湿気などに侵されて発生するが、めっき製の水洗器具などから発生することもある。こまめに金属製品の汚れや水滴を拭き取って予防する。落ちにくい場合には、浴室用中性洗剤やクリームクレンザーで落としてから乾拭きすると良い。浴室に持ち込んだヘアピンやカミソリなどに発生したサビが付着したり、水道水に微量に含まれる鉄が付着して発生する斑点状のもらいサビにも同様。

■金属石けん
白っぽくて固い、ザラザラとした汚れのこと。石けん分や身体の脂肪分が水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオン成分と反応して発生する。発生してすぐなら浴室用中性洗剤で落とせるが、時間が経った場合には数分放置してからこすり落とす。付着してしまたら、浴室用クリームクレンザーで浴槽などを傷つけないように注意しながらこする。

■銅石けん
浴槽の水面付近や追焚口のまわりが青く筋状になる汚れ。配管や給湯機内部、あるいは配管に使われている銅管から溶け出した微量の銅イオンと、石けんやあかに含まれる脂肪酸が反応して生じる。銅イオンは銅管の表面が新しいときに溶け出しやすく、通常は数ヶ月くらいで収まるが、水質によっては長年にわたって溶け出し続ける場合もある。金属石けんと同様で、発生してすぐなら浴室用中性洗剤で落とせるが、時間が経った場合には数分放置してからこすり落とす。付着してしまたら、浴室用クリームクレンザーで浴槽などを傷つけないように注意しながらこする。

クリーンで快適な浴室を長くキープするための〝心がけ〟

浴室に付着しがちな汚れについて見てきたが、ひと口に「汚れ」と言っても発生原因も手入れ方法もさまざまである。そのことを念頭に置いておくだけでも、何も知らずにやみくもに掃除するよりは、少しでも負担は減るように感じられる。掃除で手に入れた、クリーンな天井や床、壁を1日でも長く保ちたいのが人情である。最後にちょっとしたコツや方法をご紹介しておく。

■「がんばり過ぎない」ことが大切
壁は腕を伸ばしたり背伸びしたり、床はしゃがみこんでゴシゴシ、浴槽はキュッキュと磨き上げる。浴室の掃除には体力を伴う。これを毎日30分以上…では心身共に疲れ果ててしまい、こまめな掃除が遠のく原因に。がんばり過ぎず、「15分で完了」を目安に行うのが汚れをため込まないコツ。

■「最後の人がサッと掃除」をルーティンにする
家族の中でその日、一番最後に入浴した人がサッとお掃除するルールを設けること。念入りに掃除していてはせっかく温めたからだが冷えてしまうから、ごく簡単にでOK。例えば、シャワーで壁や床に散らばった泡や抜け落ちた髪などを洗いながす、残り湯を抜きながら浴槽をスポンジでこする、など。カビ予防として水滴をぬぐい取る乾拭きまでできれば理想だが、億劫にならない程度にして「ラクチン&キレイ」を目指す。

■しっかり換気で湿気を除去する「カビ予防」
お風呂やシャワーの湯気が立ち込める湿度の高い浴室は、カビにとってはこの上ない環境。放っておけばすぐにカビが付き、広がる。不衛生だし、見た目にも悪いカビは発生すると厄介だ。換気扇を長く回したり、窓を開けたり、入浴後には十分な換気を行うことで、カビ予防になる。

■鏡や水栓をピカピカにして「クリーンな印象」
鏡や水栓がピカピカに磨かれている浴室は、一見してキレイであり、清潔に感じられるもの。水あかや石けんかすなどで濁りだすと見た目も悪いし、汚れを放っておくとメッキが錆びることもあるので、ここはこまめに手入れしておきたい。

いかがだっただろうか。思い切ってリフォームを行ってみるもよし、現在の浴室をこまめに手入れして長く使うもよし。簡単に、あるいはラクをしては手に入らないものだからこそ、私たちは〝快適〟をありがたがり、「もっと」「もっと」と追い求めるのかもしれない。

取材協力:TOTO株式会社
http://www.toto.co.jp/index.htm

365日毎日キレイな浴室で入浴したいと考える日本人は多いが、こまめな掃除に挫折する人が多いのも現実365日毎日キレイな浴室で入浴したいと考える日本人は多いが、こまめな掃除に挫折する人が多いのも現実

2017年 03月01日 11時05分