カビは菌類に分類される微生物

梅雨に入るころから目につき始め、放っておくと手がつけられないほど広がってしまうカビ。カビは菌類に分類される微生物。酵母やきのこの仲間だ。菌と聞くと病気を引き起こす細菌と混同するかもしれないが、カビは細菌ほど強い菌ではなく、通常では病気の原因になることは少ない。しかし、抗生物質を大量に服用するなどの原因で、抵抗力が著しく低下すると体へ害を及ぼすこともある。

カビが人体へもたらす害には次のようなものがある。
・アレルギー性鼻炎
・気管支喘息
・水虫
・肺炎
・髄膜炎

また、カビが建物に使用される木材の表面で繁殖すると、カビが保水材となり木材の含水率が上がる。その結果、腐朽菌が繁殖しやすい環境となる。腐朽菌に侵された木材はボロボロな状態となり、白アリを誘引する。さらにカビは、合板の接着剤を剥離させてしまうこともある。

カビは住居の見た目を悪くするだけでなく、人体や建物にも大きな影響を与えるのだ。そこで、一般的な住宅においてどのようなカビ対策が有効か説明しよう。

家中の換気と拭き取り掃除が有効

まずは家全体に対して。
カビが繁殖するには以下の4条件が必要だ。

1.酸素
微生物なので呼吸のために酸素が必要

2.温度
最適温度は20℃から30℃

3.水分
湿度70%から90%の環境を好む

4.栄養
炭水化物など人間の食べ物のほか、ほこり、あかなども栄養分にする

つまり夏場の湿気の多い場所は、すべて繁殖適地となる。
そのため対策には、家の中の湿度を下げることが重要だ。エアコンの除湿機能を使う手もあるが、エアコン自体がカビの繁殖地となっている場合もあるので、きちんと清掃できていないならば利用しない方がいい。簡単にできる対策としては次のような方法がある。

・窓を開け換気
1日1回は家中の窓を開け換気。部屋の隅など空気が淀みそうな部分は、扇風機を回して空気を循環させたい。

・ほこりをふき取る
ほこりなど家の汚れはカビの栄養源。たまらないようにマメな掃除が必要だ。その際、綿ぼこりなどをはたきでまき散らすのは厳禁。カビ菌も一緒に広がってしまう。雑巾やモップできれいにふき取る方法が有効だ。

ホコリはカビの栄養源になる。はたきでまき散らすのではなく、雑巾やモップで確実にふき取りたい。使用後の雑巾やモップは放置せず、すぐに洗うことも重要ホコリはカビの栄養源になる。はたきでまき散らすのではなく、雑巾やモップで確実にふき取りたい。使用後の雑巾やモップは放置せず、すぐに洗うことも重要

押入れ・クローゼット・下駄箱の対策

家の中でも特にカビの繁殖地となっているのが押入れ・クローゼット・下駄箱だ。なぜなら湿気がたまりがちだから。それゆえ梅雨前、真夏、秋口の3回は、なかの物をすべて出して換気をしたい。
その際布団など布類を天日干しすれば、カビだけでなくダニも退治できるので一石二鳥だ。

中身を出すのは重労働だが、扉を開けるだけなら簡単だろう。これだけでも空気が入れ替わるので、週に1回くらいの割合で扉を開けっ放しにする日を設けるのも有効だ。

各収納部の注意点等は次のようなものがある。

●押入れ
・物を詰め過ぎないで通気スペースを確保する
・床上はすのこなどで通気
・湿気が多い場合は除湿剤を置く

●クローゼット
・クリーニング後のビニールカバーは湿気がたまる原因になるので外す

●下駄箱
・濡れた靴は乾かしてから収納
・床に新聞紙など吸湿性のあるものを敷いておく

下駄箱の床には、新聞紙など吸湿性のあるものを敷くとカビの繁殖を防ぐ効果がある。定期的に扉を開けるのも効果的下駄箱の床には、新聞紙など吸湿性のあるものを敷くとカビの繁殖を防ぐ効果がある。定期的に扉を開けるのも効果的

窓の結露をまめにふき取ることが重要

窓は家のなかでも特に結露を起こしやすい場所。それゆえ水分がたまり、カビの繁殖地となりがちだ。
窓といってもガラス部分とサッシ部分では掃除の方法が異なる。それぞれに説明しよう。

●窓ガラス
ガラス部分にカビが繁殖した場合は、水ぶきでも取れるはずだ。もし取れない場合は、住宅用中性洗剤を吹き付けてふく。

●サッシ
アルミなどのサッシ部分は、凸凹が多いためガラスに比べ掃除がしにくい。レール部分は、割りばしなど棒状のものに布を巻きつかせて水ぶきする。
ゴムパッキン部分は、塩素系カビ取り剤を染み込ませた布でふき、しばらく経ってから水ぶきをする。

以上はカビへの対処法だが、そもそもカビを発生させないことが重要だ。結露を見つけたらまめにふき取るように心掛けたい。

サッシは結露することが多いのでカビが繁殖しやすい。雑巾が届きにくい凸凹した部分は、100円ショップなどで売られているお掃除グッズを利用するという手もあるサッシは結露することが多いのでカビが繁殖しやすい。雑巾が届きにくい凸凹した部分は、100円ショップなどで売られているお掃除グッズを利用するという手もある

風呂場の換気扇は常に回しておく

風呂場は毎日濡れる、さらに栄養源となる皮脂や石鹸カスもあるので特にカビが発生しやすい場所だ。

対処法には以下のような方法がある。

・使用後に周囲を洗い流す
風呂場に残った皮脂や石鹸カスはカビの栄養源となるので、使用後はこれらをシャワーなどで洗い流してしまう。この際冷水、温水どちらでもかまわない。大事なのは、洗い流した後に湿気が残らないよう水分をふき取り、十分乾燥させることだ。

・常に換気扇を回しておく
換気扇を回して湿度を下げればカビは繁殖しにくくなる。換気扇は常に回しておくのが理想だ。電気代が気になるだろうが、1日24時間回しても月に300円前後だ。換気扇を稼働させる際は、ドアを閉めておく。ドアのガラリから空気が入って、換気扇から出ていくと換気効率がいいからだ。

・天井も掃除する
意外かもしれないが、風呂場は天井もカビが繁殖しやすい。定期的に塩素系カビ取り剤を布に含ませてふくなどの掃除をする。素手だと手が荒れるので、ゴム手袋の装着を忘れずに。

風呂場は利用しているとき以外は、常に乾燥状態にしたい。そのために換気扇を常時回しておくのが効果的だ風呂場は利用しているとき以外は、常に乾燥状態にしたい。そのために換気扇を常時回しておくのが効果的だ

2015年 09月09日 11時04分