留守番中の子どもがケガをしたというニュースが増えている

2020年3月、新型コロナウイルス拡散防止のため、政府が全国の小中学校、高校、特別支援学校の臨時休校を要請した。テレワークを推奨する企業も増え、自宅で仕事をしている人もいるだろうが、職種によっては出勤しなくてはいけなかったり、外出せざるをえない場合もあり、子どもだけで留守番という家庭も多いのではないだろうか。

当初は緊張感があった子どもたちも、留守番に慣れてきたり“コロナ疲れ”という状況の中で、心配されるのが自宅での事故だ。留守番中の子どもがケガをしたというニュースもよく耳にするようになった。
家庭内での事故を防ぐためのポイントをおさらいしてみたい。

カップ麺やインスタントスープなど、やけどには要注意

【上】「やけど」による年齢別救急搬送人員(平成30年中)<br>【下】関連器物別の救急搬送人員上位5つ(平成30年中)。搬送された子どものうち約80%が初診時に軽症と診断されているが、残り約20%は中等症以上で重症になっている事例もある(東京消防庁資料より)【上】「やけど」による年齢別救急搬送人員(平成30年中)
【下】関連器物別の救急搬送人員上位5つ(平成30年中)。搬送された子どものうち約80%が初診時に軽症と診断されているが、残り約20%は中等症以上で重症になっている事例もある(東京消防庁資料より)

家庭内の事故が一番心配なのはキッチンではないだろうか。休校中、子どもが1人でご飯を食べるといったケースもあるだろう。

東京消防庁によると、2018(平成30)年に「やけど」の事故により救急搬送された人の40%(※)が12歳以下の子どもとなっている。また、その内の86%は住宅などの居住場所で発生している。
さらに、「やけど」に関連する器物の上位は、ポット・熱湯、味噌汁・スープ、カップ麺・麺類となっている。
カップ麺やインスタントスープ類は簡単に作ることができる半面、こうした事故につながるケースもあるので特に注意したい。
東京消防庁は、留守中の子どもの事故が増えることを懸念し、4月9日に留守番中の子どもの事故を防止する広報を行っている。

※事故種別のその他、不明を除く。

「子どもだけで留守番する際の安全対策」をチェック

火の元だけでなく刃物などキッチンには危険がいっぱい火の元だけでなく刃物などキッチンには危険がいっぱい

こうした事故を防ぐため、公益社団法人日本小児科学会は子どもだけで留守番する際の安全対策について公表している。ポイントをチェックしてみよう。

●ガスコンロは元栓を閉め、食事はお弁当を用意するなど、子どもが調理しなくてもいいようにする。
●アルミホイルや金属の容器に入ったものを電子レンジで温めると発煙や発火のおそれがあるため、お弁当などはあらかじめ電子レンジが使用できる容器に入れておく。
●電子レンジの正しい使い方を日頃から練習させておく。
●電気ケトルはお湯を抜いて収納し、留守番中は「使用しない」約束にする。
●包丁、ジューサーなどは手の届かないところに収納する。

浴槽・洗面所での事故防止についても押さえておきたい。

●お風呂に入ろうとして溺れるといった事故も起きているため、浴槽の水は抜いておくこと。
●ドラム式洗濯機では、中に入って遊んでいるうちに密閉され窒息してしまう危険性があるため、チャイルドロックをかけておく。
●誤飲を防ぐため、洗濯洗剤は手の届かないところに収納すること。

ほかにも遊びによる誤飲や、ベランダからの転落にも注意するよう呼び掛けている。

侵入盗と鉢合わせする事件も発生。防犯対策も万全にしたい

玄関は鍵だけでなくロックもかけておこう玄関は鍵だけでなくロックもかけておこう

事故だけでなく、事件に巻き込まれる危険もある。

臨時休校が始まった3月2日以降、小中学生が留守番をしている家への侵入被害が相次ぎ、犯人と子どもが鉢合わせをする事件も確認されている。
留守番中の防犯対策についても家庭内でルールを決めておくべきだろう。

玄関ドアは二重ロックにして、ドアチェーンをかける、勝手口や窓の鍵も防犯性に不安があれば最新型に取り換える、サッシに補助錠を取り付ける、防犯フィルムを貼る、センサー付きライトを設置するなど、可能な限りの防犯対策を検討したい。

愛知県警では「在宅中でもすべてのドアや窓に施錠し、テレビや音楽の音を外に聞こえるようにしたり、部屋や玄関などの明かりをつけるなど在宅をアピールする対策をしましょう」と勧めている。

電話で「お母さんいる?」など、保護者の留守を子どもに確認する事例もあるという。子どもだけで留守番していることを悟られないよう、留守番中はインターホンや電話には出ない、などのルールを決めたり、宅配は子どもだけの時間帯を避けるなどの調整も考えたい。

家じゅうの危険な場所を今一度チェックしてみよう

消費者庁がまとめた「子どもを事故から守る!! 事故防止ハンドブック」。留守番中の事故に限らず、年齢別に起こりやすい事故とその予防法、万が一のときの対処法が掲載されている消費者庁がまとめた「子どもを事故から守る!! 事故防止ハンドブック」。留守番中の事故に限らず、年齢別に起こりやすい事故とその予防法、万が一のときの対処法が掲載されている

消費者庁がまとめた「子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック」には、0歳から6歳(小学校に入学前の未就学児)の子どもを事故から守る対処法が掲載されている。

おじいちゃんおばあちゃんと離れて暮らしていたり、ご近所さんなどに子どもを預けるといったことが難しい人も多いだろう。
こうした資料などを参考に、家じゅうの危険な場所をいま一度チェック。万が一トラブルが起きたときには保護者とすぐに連絡が取れるようにしておくのも必要なことだろう。

事故防止対策を立てながら、“STAY HOME” 期間を乗り切りたいものだ。


【参照】
◆東京消防庁
「留守番中の子どもの事故を防止しよう」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/202004/absence.html

◆日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会
「留守番をする子どもの安全をまもるためにできること」
http://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=29

◆警視庁「侵入窃盗の防犯対策」
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/higai/akisu/akisu.html

◆消費者庁
「子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/

2020年 05月16日 11時00分