重苦しい空気の中おいしい天ぷらそばが来た!

うまい!天ぷらそばうまい!天ぷらそば

2009年に「マンガはじめて家を建てました!」(ダイヤモンド社)という、自分の体験談+家づくり情報を盛り込んだ本を描いた。
私の実家を二世帯住宅にしたときの、家づくりの基本的な知識と、すったもんだの体験を面白おかしく描いたマンガ書籍だ。
そこでこのコラムでは、今家づくりを考えているみなさんの役に立ったり立たなかったりする情報を、楽しくお伝えしていきたいと思う。

さてさて、念願だった塩辛ホームの本物を見に行った私たち。
その実物の「軽~い素材でできたプラモデルっぽい家」という印象に
すっかりテンションが下がってしまった。
口には出さなくても
「塩辛ホームで家をつくることはない…な…」と
私もダンナさんも心の中では決定してしまっていた。

展示場を出たらちょうどお昼時。
塩辛ホームのベース君に誘われ、近くにあるお蕎麦屋さんに入ったのだった。

そのお蕎麦屋さんは、平屋のこじんまりとしたお店。
ご夫婦とそのお母さんで切り盛りしているような家庭的な雰囲気だ。

ベース君「何にしましょう?」
ダンナ「じゃあ…天ぷらそば」
私「私も」

ベース君「じゃあ天ぷらそば3つで」
お店の人「はい、天ぷらそば3つで!」

天ぷらそばを待つ間にもどんよりと流れる重い空気。
なにを話していいかわからない、気まずい時間が流れてゆく。
本当はもうとっくに終わっているのに別れ話を切り出せずにいる恋人たちのようだ。

「天ぷらそばお待たせしました~」

アツアツの天ぷらそばが運ばれてきた。
まあ、なんておいしそう!
ツルツルっと食べてみると…
「ん!おいしい!!」
「ほんとだ、おいしい!!」

知らない街へ行って適当に入ったお店なのに、
こんなにおいしいおそばに出会えるのはラッキー!
そばにはこしがあって、天ぷらもサクサク揚げたて!
食べ物はテンションが上がるね!
おいしいおそばが、重い空気を吹き飛ばしてくれた。

…と思ったんだけど、あれ?ベース君?

かつ丼ください

えっ?天ぷらそば食べないの?えっ?天ぷらそば食べないの?

見るとベース君、ひと口も天ぷらそばを食べてない。

「あれ?天ぷらそば、すごくおいしいですよ」
と私がすすめると、ベース君は

「…私…そばアレルギーなんです」

「えっ!?」
「ええっ!?」

ビックリした。
だってキミ、さっき自分で天ぷらそば頼んでたじゃないか。
そもそもこのそば屋に入りませんか?と言ったのはキミじゃないか。
これはいったいどういうことだろう?お客さんと同じものを頼まないと失礼、とか、
そういうオキテが営業さんにはあるのだろうか。

ダンナ「あ、メニューにご飯ものもありますよ かつ丼とか」
ベース君「あ、じゃあかつ丼にします。かつ丼ひとつください。」

あらたに注文をし直して、ベース君はそば屋のかつ丼を食べたのだった。

おいしいおそばで一瞬上がったテンションだったけど、前にも増して私たちの周りには重苦しい空気が充満してしまったよ。そして、ベース君の注文した、おいしい天ぷらそばは誰にも食べられないまま、しなしなののびのびになってしまったのだった。

重苦しい空気のまま、私たちは再びベース君の新車の真っ赤な4WDでアパートまで送ってもらい、後日、契約はお断りします、と電話でお伝えしたのでした。

なんか、いろいろやっていただいたのに…申し訳ない気持ちでいっぱいだった。でも、やっぱり冷静に考えてみると、使わない可能性の高いベランダが5つもついた、プラスチックっぽい家にしなくて本当によかったな、と心から思うのであった。

そしてどのメーカーもいなくなった

家…いらないかも家…いらないかも

さあ、どうしよう。
これで全部話の進んでいたハウスメーカーは全部断ってしまった。

ここ数カ月、いろんなモデルハウスを見学して、話をして、図面を描いてもらったりしたけれど、正直、私たちはうんざりしていた。

ハウスメーカーというのは、
・自分たちの建てたい家(一押しの新商品)を
・建てる人の都合よりも自分たちの予定どおりに
建てたい、というものらしい。
(※あくまでも、この時点での私個人の意見と思ってくださいね)

私たち夫婦は、私の実家を二世帯に建て替える計画なので、時間がないわけではないのだ。
私たちは都内のアパートに住んでいるし、私の両親は築30数年の家(建て替え予定)に住んでいる。だからぜんぜん焦ってない。早く家を建てないといけない理由がないのだから。

ところがハウスメーカーさんはとにかく契約を焦らせる。
今月末までには、今週末までには、あさってまでには
契約の返事をください、と言ってくるのだ。
一生のうちでする買い物のなかで、一番値段の張る買い物をそんなにすぐ決められるわけがないでしょうが。

一度ハウスメーカーの営業さんに聞いてみたことがある。
「みなさん、そんなにすぐに契約を決めるものなんですか?」
「ええ、だいたいみなさん、お話をお伺いして、無料の図面をお出しして、手直しして
2~3回のやり取りで契約をされますよ」

ウッソだ~~~~!
今でも信じられないけど、そういうこともけっこうあるらしい。
それこそ、そのハウスメーカーの工法とかも知らないまま家を建てる人も多いのかな。

まあ、私も人のことは言えないんだけど。だって、この時点まで、家の工法がいろいろあることさえ、よくわかっていなかったんだから。

そして次回、家づくりの計画はいったん白紙になって、逆にすっきりした私たち。
そして私は、このままじゃあ家の知識がなさすぎ!と言うことに気がつき、家づくりの勉強を少しづつ始めたのでした。

2014年 02月12日 10時00分