「まずは、お土地の計測に伺わせてくださいニャっ!!」

重厚なレンガ造り(風)のお家重厚なレンガ造り(風)のお家

2009年に「マンガはじめて家を建てました!」(ダイヤモンド社)という、自分の体験談+家づくり情報を盛り込んだ本を描いた。
家づくりの基本的な知識と、私のすったもんだの体験を面白おかしく描いたマンガ書籍だ。
そこでこのコラムでは、今家づくりを考えているみなさんの役に立ったり立たなかったりする情報を、楽しくお伝えしていきたいと思う。

さて、前回お伝えしたTOKIOの国分君似の若い営業さんは、私たちの回りをくるくる回りながら
「まずは、お土地の計測に伺わせてくださいニャっ!!」というのだ。

でも私はそもそも、国分くんのメーカー「ほっけハウス」のこのお家が気に入らない。
外観が重厚なレンガ造り(風)が好みじゃないのだ。

「でも、いっしょうけんめいでいいじゃない?計測させてあげれば?」と母。

最初から「好みじゃない家」なのに、話を進めること自体意味のないことじゃないのか?と思う間もなく、土地を計測することに決まっていた。母がいいって言っちゃった。

国分君「ああああああありがとうございますうううう!!」

数日後、母から電話がありほっけハウスの方が来て、なにやら家の敷地を計っていったらしい。
私「へえ~、それでこの後どうするのかな?」
母「いや、なにも言ってなかったけど。」
ふ~ん、と思っていたら、「ぴんぽお~ん♪」ウチのアパートのチャイムが鳴った。

「こんにちは!!ほっけハウスですニャっ!!」

建てたい家が建つ土地を見つけたニャ!

実はあべさんのご実家には…実はあべさんのご実家には…

ドアを開けると誰あろう、国分君似のほっけハウスの営業さんだ。
「すみません、今ちょっとお話してもいいですか?」
私「え?いきなりでビックリしてるんですが、なんですか?」
国分君「実は…あべさんのご実家のお土地には…」
なに?なにか呪いでもかけられてたか?

国分君「ほっけハウスのモデルルームのままの商品が、建てられることがわかりましたっ!!」
国分君、満面の笑み。キラキラキラ。私、は?なに?なんですか?

どうやら、ほっけハウスの新商品で、先日住宅展示場で見た「外観が重厚なレンガ張り(風)の小屋裏3階建て」という商品は、建物の高さがある分、土地の規制に引っ掛かることが多く、建てられる土地が限られるのだそうだ。

低層住居専用地域には、低層の住宅環境を保護するための決まり、「絶対高さの制限」「斜線制限」などがある。
簡単に言うと、低い建物が多い住宅地に、高さの高い建物や、隣の家の日当たりを悪くするような建物を建ててはいけないよ、という決まりのことだ。

なんで私がそんな難しい用語をホイホイ使えるのかというと……「受験用いちばんやさしいマンガ宅建入門」西東社刊という宅地建物取引主任者略して「宅建」の資格試験を受ける人向けの本を描いたからなのだ。いや、正確に言うと著者は私ではないのだが、350ページの本の210ページが私のマンガだ。すごく勉強したから、今ならもしかして宅建の試験に合格できるかも。

というわけで、なかなか建てるのが難しい新商品の家、それがすっぽり建てられてしまう土地が、私の実家にはあった!ということだ。

一人で盛り上がっている国分君

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ほっけハウスの若い営業さん、国分君はニコニコキラキラしている。
国分君「あべさまのお宅はバス通りに面した、角地にあります。そして、近隣は築30年以上のお宅がたくさんある住宅地です!!建てたいっ!お家を建てたいッ!!ニャーーッ!!」

いや待て、待ってくれ。とにかく落ち着け。なぜ国分君は一人でヒートアップしているのだ。

話を聞くとこうだ。
ほっけハウスの自慢の新商品は、とてもよい商品だけど、土地の形状によっては、建てられないことがある。今までにも土地のせいで契約に至らなかったことがあった。

→でも、あべさまのお土地を計測してみたら、自慢の新商品がかっこよく、そのまま建てられる土地だった!やった!!
→アンド、バス通りに面していて、人目に触れることが多いから、商品のPRにも最適!
→おまけに、近所はウチの実家と同じ時期に建った、築30年以上の住宅地。
こりゃあ営業しやすいじゃないですかっ!ラッキー!ということなのだ。

そして国分君は私の目をみつめ、こう言った。
「ほっけハウスと…契約してくださいますかっ?」
…は?…はあ?

ちょっと待て。その展開は違和感がありすぎ。

明るく断れたらどんなにいいか…明るく断れたらどんなにいいか…

国分君「できれば、今月中にご契約していただきたいんです!」
ちょ、ちょっとまて、今月中ってあと2週間もないよ。そんなに早く契約なんかできるわけない。
それに、私たちはまだ間取り図も見てないし、もちろん予算の話もしてないのだ。

国分君「予算は…できるだけお値引しますからっ!」
だーかーらー、うちの予算がどれくらいかすら話してないよっ。

だいたい国分君は、私たちがどんな家を建てたいと思っているのか、どんな暮らし方をしているのか、そんなことなにも聞いていない。
これからずっと住んでいく家だというのに。
そんなことより、まず契約。
そして、ウチと契約してほしい理由は、「ほっけハウスのカッコいい新商品をそのまま建てられる土地があるから」
なのだ。だってさっきそう言ってたもんね。

もともと気に入っていなかった家(商品)に加え、自分(会社)の都合で話を進めてくるほっけハウス。きっぱり断りたい気持ちはあるけど、とにかく押しが強い。

「お部屋の間取りをご提案させてくださいニャー!!」
国分君の押しに負けて、間取り図を出してもらうことになった。
 

次回、若さゆえに営業テクニックが研ぎ澄まされていない国分君。
次の日曜には、年配の上司と、スカーフ使いがステキなインテリアコーディネーターのおばさまとともにやってきた。
「契約とったるオーラが全開!!」だ!

2013年 10月15日 10時04分