中高層マンションだからといって安心できない空き巣被害

出典:警視庁平成24年中の侵入窃盗(空き巣)の傾向出典:警視庁平成24年中の侵入窃盗(空き巣)の傾向

見知らぬ地域への引越し、特に女性の一人暮らしや子育てをする世帯にとって心配なのが、空き巣など侵入窃盗だろう。
警視庁の調べによると、平成24年の都内における侵入窃盗の認知件数は、7970件。これは学校荒らしや事務所荒らしを含む侵入犯罪全体の数字だが、そのうち住人が不在時に行う「空き巣」、就寝時に行う「忍込み」、在宅時のすきを狙う「居空き」など住宅で被害が発生したものは半数を超える。
内訳は一戸建て住宅が22.2%、3階建て以下のアパートなどが26%、マンションなどの中高層住宅(4階建て以上)が10.8%の合計59%。このことから防犯性が高いと思われがちな中高層マンションでも、決して安心できないということがわかる。

マンションの防犯性には「防犯優良マンション認定制度」がある

では、防犯性の高い住宅とはどんな建物だろう。
窓がまったくない家なら侵入窃盗を防げるかもしれないが、生活をする上でそのような建物は考えられない。具体的に問われると明確に答えられる人は少ないのではないだろうか。
マンションの場合は一戸建てに比べ開口が少ないので防犯性が高い。しかし、さらなる防犯性能を確認するには、各都道府県の防犯協会などが行う「防犯優良マンション認定制度」が一つの目安になる。
これは犯罪の防止に配慮した構造と設備のマンションを認定・登録し、消費者に対して防犯性に優れたマンションの情報提供と普及を目指す制度だ。
1級建築士や防犯設備士といった2名以上の審査員が、
・共用玄関にオートロックの導入
・各住戸の玄関は2ロック
などの項目を設計段階と竣工後に審査する。
どの物件が認定を受けているかは、各ホームページで確認できる。

□神奈川県の場合(神奈川県防犯協会連合会)※外部リンク

また希望の物件が認定を受けているか不動産会社に聞くことでも確認可能だ。
ただし、上記ホームページを見ればわかるように、まだまだ現状では認定件数が少ないのが残念だ。

一戸建てと賃貸アパートなら自分で防犯性を確認できる

一方で、一戸建てと賃貸アパートには最近まで防犯の認定制度がなかった。
ところが2012年7月、福岡県防犯設備士協会が、県警、県と連携して「セキュリティ・ホーム認定制度」をスタートさせた。
これは以下の8カ所に対して、28項目の講じるべき対策を示し、1から20点を配点。100点中70点以上を取得すれば認定されるというものだ。
①敷地外周
②庭と敷地内の空き地
③駐車場・物置
④配管・縦どい・出窓
⑤玄関
⑥勝手口など
⑦住居壁面とバルコニー窓
⑧バルコニー

認定を受けるには福岡県に建物があることや申請費用を支払うなど、いくつかの条件があるが、28項目の内容と配点(審査基準)は、同協会のホームページで簡単に確認できる。
http://www.fukuoka-bosetsukyo.jp/securityhome/seido.html

つまりマンションの認定制度と違い、一戸建てと賃貸アパートなら具体的にどうすれば防犯性の高い建物になるか自分で確認できるのだ。録画機能付きテレビドアホンや玄関灯の設置など費用がかかるものの、既存の物件でも対応できるものも多い。新築だけでなく、中古物件の防犯性向上の参考にもなるだろう。

防犯性能にお墨付きを与えるCPマーク設備の採用は必須

上記審査基準を見ると「CP」という文字が目立つ。
これはCrime Prevention(防犯)の頭文字を取ったもので、警察庁・国土交通省・経済産業省と民間関係団体で構成される「官民合同会議」が行う試験にパスした侵入に5分以上耐えられると評価された玄関ドア、サッシ、ガラスなどの建物部品に表示されるマークだ。
たとえばガラスはハンマーなどで叩いてもなかかな割れない。
基準となる5分は、約7割の窃盗犯がこの時間で侵入をあきらめるという警視庁の調査によるものである。
このマークの付いた設備は昨今の住宅にとって必須となっている。

窓ガラスに貼られたCPマーク。試験によって侵入に5分以上耐えられると評価された証。ただし5分以上を保証するものではない窓ガラスに貼られたCPマーク。試験によって侵入に5分以上耐えられると評価された証。ただし5分以上を保証するものではない

そもそもの侵入犯に狙われないためには街ぐるみの対策も必要

以上が「侵入犯に狙われない」・「狙われても侵入しにくい」家にするための方法だ。しかし、そもそも近所に侵入犯がうろうろしているのは治安上よろしくないし、万が一狙われたら未遂に終わったとしても家にキズや汚れが残るので嫌な思いをするだろう。できるなら侵入犯が近づかない街に住みたいものだ。
警視庁が浸入窃盗経験者を対象に行った調査によると、犯行をあきらめた理由のトップは「近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られたりしたから」。つまり近所の目がもっとも有効な防犯手段なのだ。
犯罪は実行に都合のよい状況がそろったときに発生するという。「狙われにくい家」にすると同時に、街ぐるみで侵入を防止する見回り、ポスター貼りといった手段も講じたい。

町内会で作成した防犯を促すパネル。このように街ぐるみの姿勢をアピールすることも大事町内会で作成した防犯を促すパネル。このように街ぐるみの姿勢をアピールすることも大事

2013年 12月06日 10時16分