引越しサービスに関する相談件数は、毎年2,500件前後で推移

いよいよ2017年となった。年が明けると進学、就職、転勤などで引越しをする準備をしなければならない人も増えてくる。引越しの際には、専門会社へ依頼するケースも多い。そこで気をつけたいのが様々なトラブルだ。

国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、苦情相談情報の収集を行っているシステムPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた引越しサービスに関する相談件数は、毎年2,500件前後で推移しており、大きく減少する気配はない。

具体的な相談事例には以下のようなものがある。

•引越しを強引に契約させられたがキャンセルした。段ボールを受取人払いで返送したところ、送料を負担するように言われた。支払わないといけないか。

•本日、両親が引越し予定だったが、請け負った会社が一方的に「明日に延期してほしい」と言っている。承服できない。

•引越しをした際、テレビ台を破損された。同じ製品を用意する約束が果たされず、提示された補償金額が低いがどうすればよいか。

•引越し会社に荷物を預け、引越し先に届けてもらう契約をしていたが届かず、担当者と連絡も取れない。

•見積りサイトで選んだ引越し会社が冷蔵庫の水抜きをせず運んだため、カーペットが濡れてしまった。その対応もしなかったし、洗濯機を取り付けないなど、いい加減なことが多く不満だ。

そこで引越しシーズンを前にいったいどのようなトラブルがあり、その予防や対策はどうすればいいのかを解説しよう。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられる引越しサービスに関する相談件数は、毎年2,500件前後で推移している(出典:国民生活センター)PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられる引越しサービスに関する相談件数は、毎年2,500件前後で推移している(出典:国民生活センター)

キャンセル料は引越し予定日から遡った期間によって異なる

トラブル例 ①
・キャンセルをしたらキャンセル料を請求された

成約後に何らかの事情でキャンセルせざるを得ないこともあるだろう。多くの引越し会社では、引越し日から遡った期間によってキャンセル料を設定している。たとえば、予定日の2日前までなら無料、前日なら見積金額の10%、当日の作業前なら20%といったようにだ。具体的な金額や期間は会社によって異なるので、契約前に営業担当者へ確認した方がいいだろう。また、 事前に段ボールなどの梱包資材を引越し会社から届けてもらっている場合は、それらを自費で返送するか、資材料を支払う必要がある。

トラブル例②
・約束の時間になっても来ない

一般的な引越し会社では、引越し予定日の2日前から前日に到着予定時間を連絡することになっている。日程の勘違いを防ぐ為にも契約時にいつ連絡が来るのか確認しておきたい。また、前の現場や交通状況などやむを得ない事情によって到着時間に間に合わない場合は、事前に連絡が来るはずだ。遅れた場合は当然ながら終了予定時間もオーバーすることになるが、延長料金は支払う必要はない。

破損は基本的に修理対応。現金や有価証券などは運ばない

引越し会社を選ぶ際は、見積金額の低さだけでなく、いかに丁寧に養生・梱包を行ってくれるかも大事引越し会社を選ぶ際は、見積金額の低さだけでなく、いかに丁寧に養生・梱包を行ってくれるかも大事

トラブル例③
・大事な荷物を壊された

引越し会社のスタッフは室内外の養生や専用の梱包材を使用して荷物を保護した上で運ぶ。それでも荷物の破損は、もっとも起こりがちなトラブルの一つだ。もし、荷物が引越し会社の過失により破損してしまった場合は、契約内容により損害を補償してもらえるはずだ。ただし、上限額や免責事項などは会社によって異なるので、契約前によく見比べた方がいいだろう。また、破損に対する補償は修理できるものは修理対応となる。すべてが新品交換になるわけではないので、やはり壊されないことに越したことはない。引越し会社を選択する際は、見積り金額だけでなく、契約内容や業務の丁寧さもチェックしておきたい。
  
トラブル例④
・荷物が紛失してしまった

まず、引越し作業完了時に自分でトラック内を確認して降ろし忘れがないか確認する。明らかに荷物が紛失していたら、破損と同様に補償の対象となる場合が多い。ただし、ほとんどの会社では破損も紛失も引越しが完了してから一定期間を過ぎると対応しないので、気になったら躊躇せずに現場スタッフへ相談したい。また、現金・有価証券・各種通帳・印鑑・重要書類・宝石・貴金属類・カードなどの貴重品は、一般の荷物として扱わず、引越し会社では通常は運ばないので自身で管理し運びたい。

トラブル防止には営業担当者との事前の綿密な打ち合わせが重要

トラブル例⑤
・契約内容と実際の作業内容が違う

「ステレオは配線までやってくれるはずだった」といったように契約内容と実際の作業内容が異なるケースもある。基本的にこのような契約内容は、見積書または契約書類に記載してある。もし、記載されている内容と作業内容が異なる場合は、現地から営業担当者へ連絡して対応してもらおう。

トラブル例⑥
・見積金額と請求金額が違う

見積りの段階で申告がなかった荷物が増えた、自身で梱包するプランで契約したが当日に梱包が完了しておらず急遽引越しスタッフが梱包を手伝った、というような見積り時から変更が生じた場合は追加料金が発生する可能性が高い。また、電気製品の取り付けの際に部材の追加が生じた場合も追加料金が発生することになる。このような追加料金をできるだけ少なくするには、見積りを電話やインターネットだけで済ますのではなく、営業担当者による訪問見積りを行うことをお勧めする。専門スタッフが直接話を聞きながら現場を確認することで、追加料金発生の可能性を最小限に抑えることができる。

以上のように引越しに係るトラブルの種類は多々ある。しかし、その多くは事前に引越し会社の営業担当者へ相談する、または契約書の内容を確認することで防げるはずだ。引越し前は誰でも非常に忙しい。しかし、ここはトラブル防止のために丁寧に段取りを行いたい。

取材協力:アートコーポレーション株式会社
http://www.the0123.com/

引越しのトラブルを防ぐには、契約前の営業担当者への相談と契約書の内容を確認することが重要引越しのトラブルを防ぐには、契約前の営業担当者への相談と契約書の内容を確認することが重要

2017年 01月22日 11時00分